式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

162 利休と秀吉(3) 朝顔

利休の庭の朝顔の花が大変見事だと評判が立ちました。それを聞いた秀吉、是非とも見たいものだと思い、利休に朝顔を見たいと朝の茶事を所望します。家臣の話から、垣根一面に朝顔の花が咲いている様子を聞き、期待に胸を膨らまして訪ねましたが、残念ながら…

161 利休と秀吉(2) 対立する美意識

昔、黄金の茶室を見ました。MOA美術館で・・・ とても綺麗でした。見た印象は、思ったより渋くて落ち着いた感じがしました。事前の予想では、薄っぺらなキンキラキンの成金趣味かと想像していました。ところが、どうしてどうして、光の威厳に圧倒されました…

160 利休と秀吉(1) 茶室のサイズ

秀吉が関白太政大臣になり、九州が平定され、平和が訪れました。 鎌倉時代から室町時代、応仁の乱を経て戦国時代と、戦に次ぐ戦でおよそ400年間戦い続けた世も鎮まり、派手好きの秀吉の気風そのままに、安土桃山文化が花開きました。 安土桃山文化は信長・秀…

159 九州平定

昔、山下清と言う貼り絵を得意とする画家がおりました。その技は息を飲むほど精緻。色彩は美しく、婆は彼の絵が大好きでした。その彼が口癖にしていた言葉があります。それは「兵隊の位で言えば・・・」です。彼は、相手が偉いか、偉くないかを兵隊の位で判…