式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

141 茶の湯(3)  利休以前

茶の湯や茶道には色々な流派があります。どういう流派があるかをご紹介します。 ここでは流名のみで、流内にある各派は省略し、また、明治以降に興った流派も省略し、古い順から並べました。 珠光流(じゅこうりゅう)・小笠原家茶道古流・志野流・紹鴎流(じょ…

140 茶の湯(2) 侘茶への道

茶の湯は禅寺を母源としています。それだからでしょうか。茶人と呼ばれる人達の多くは禅宗の寺に入って修行する様です。村田珠光(むらた じゅこう)は一休禅師の下で禅の修行をしたと言われていますし、武野紹鴎(たけの じょうおう)も千利休も堺の南宗寺に参…

139 茶の湯(1) 東山殿から侘数寄へ

何事も夢まぼろしと思い知る 身には憂いも喜びも無し 足利義政の辞世 露と落ち露と消えにし我が身かな 浪速のことは夢のまた夢 豊臣秀吉の辞世 位人臣を究め、天下の栄華を掌中に収めたかと思われた人が、私の人生は夢まぼろしであったと申されるとは、どん…

138 東山殿のお茶

初期の頃の茶の湯は、別室でお茶を点ててお客様の下に運ぶ形式になっておりました。 (参照 : 「127 絵で見る茶の湯(1) 厩図」、「128 絵で見る茶の湯(1) 調馬図」) それはきっと、水屋仕事は汚れ物などを扱うので人目に付く場所でするものでは無い、という考…