式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

144 信長と天下布武

「天下布武」とは穏(おだ)やかではない。全く、信長は自分を何様だと思っているのか、天下を統(す)べるのは俺様だ、俺以外いない、とでも思っているのか、と咬みつきたくなる様なこの言葉。彼の戦歴や成し遂げた事業を列挙してみると、成程そう思っても仕方…

143 会合衆 茶の湯三宗匠

婆が若い頃、会合衆を「えごうしゅう」と読むと学校で習いました。今は、「かいごうしゅう」と読むのですね。検索して初めて知りました。このごろ時々、昔習った言葉が今では通用しなくなったという事態に遭遇します。昭和は昔に成りにけりです。やれやれ、…

142 茶の湯(4) 紹鴎の茶

みわたせば花ももみぢもなかりけり 浦のとまやの秋の夕暮れ 藤原定家 晩秋を詠んだこの歌を思い出す時、ふっと、もう一つの詩を思い浮かべる事があります。それは、フランスの詩人・ヴェルレーヌの詩の「落葉」です。上田敏の名訳で、ご存知の方が大勢いらっ…