式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

156 武野紹鴎と今井宗久

人間万事金の世の中と申しましょうか、戦に次ぐ戦で戦費増大する中、結局勝つのは経済力のある陣営です。勝つ為に、富を手に入れる、その富が堺に蓄積されている・・・信長は真っ先に堺に注目します。 1557(弘治3.09.15) 織田信長は津田宗及の茶会席に初めて…

155 日吉丸

末は博士か大臣かと、男の子だったら期待もされたでしょうに、オギャーと生まれて「何だ、また女か」と言われた婆。お生憎(あいにく)様、女で悪かったねぇと、心の中で啖呵(たんか)を切りながら、それなら男の子になってやろうと、お小遣いで金槌と鋸を買っ…

154 名物狩りと松井友閑

生きるか死ぬかは運次第の戦国乱世。きつい・汚い・危険の3Kの最たる職業の武士達。 血塗られている日常で得られるわずかな平穏の中に、己を取り戻そうとする時、彼等はそこに心の平安を求めるのでした。それが禅であり、茶の湯であり、能や連歌や諸芸の世界…