式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

176 茶史(4) 山上宗二処刑~太閤薨去

「歌 連歌 乱舞 茶の湯を嫌う人 育ちの程を知られこそすれ」と細川藤孝(幽斎)が言っていたそうです。 当時の武人達の教養には上の四つの習い事は欠かせなかったとか。その藤孝、和歌の教養で命拾いをしたというエピソードを持っています。ところが、お茶では…

175 茶史(3) 待庵~北野大茶湯

およそ家を建てる時は、建築家は施主の意を汲み、幾度も話し合いを重ねて施主の思いを形にしていきます。待庵の場合はどうなのでしょう。やはり、茶室を作れと依頼した施主・秀吉の意向を取り入れたものなのでしょうか。 草庵の茶室は周囲から隔絶された庭に…

174 茶史(2) 一向一揆~本能寺

茶湯愛好家に武将が多い事もあって、茶史は戦史と重なります。堺の豪商の茶人達も、商機を求めて武将達に接近し、その名を戦史に残していきます。 茶史(2)では、千利休が織田信長に鉄砲玉を送った時から、松永久秀、荒木村重の謀反へと進み、明智光秀の本能…