式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

178 茶史(6) 織部全盛~切腹

太閤秀吉が古田織部に「武士に相応しい茶の湯を創始せよ」と命じ、織部はそれに応えました。秀吉は、今、世の中で行われている茶の湯は町人の茶である、武士がやる様な茶では無い、と思っていたのでしょう。 侘茶の、余計な装飾を一切省き、冥界を思わせる様…

177 茶史(5) 織部隠居~関ケ原

茶界の巨星墜つ、正に千利休の死はそう言うに相応しい出来事でした。利休が亡くなり、それを追う様に津田宗及が亡くなり、今井宗久が亡くなりました。三宗匠といわれた三人が相次いで3年以内に亡くなった事で、それまで二軍に控えていた古田織部が躍り出て来…