式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

181 二人織部(3) 内通の嫌疑

二人織部の古田重然と古田重勝。「古田重 」までは名前が同じですが、その人生は違っています。古田織部は大坂方に内通した嫌疑で捕えられ、切腹を命ぜられました。 内通と言うからには、そこには必ず人との接触が有る筈です。 「類は友を呼ぶ」「友達を見れ…

180 二人織部(2) 関ケ原の戦い

豊臣 対 徳川の戦いの時、真田家は家の存続を賭けて、どちらかが生き残れば良いという考えの下、意図的に敵味方に分かれたと言われています。織田家も長益(=有楽=如庵(信長弟))が徳川方につき、織田秀信(=三法師(信長嫡孫))・信包(のぶかね(信長弟))が豊…

179 二人織部(1) 重勝のこと

古田織部には二人の人物が居ます。一人は皆さまが良くご存知の茶人・本物の古田織部正重然(ふるた おりべのかみ しげなり)、もう一人は、松坂藩藩主・古田兵部少輔重勝(ふるた ひょうぶしょうゆう しげかつ)です。司馬遼太郎もこの二人を混同しておりまして…