式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

204 茶花総覧(9) 秋(な行~は行))

令和6年1月1日、能登半島マグニチュード7.6の大地震が襲いました。

能登は、今は亡き義母の故郷です。今からおよそ40年前、義母と共に私達家族が能登を訪れた事がありました。親戚廻りのご挨拶に或る家を訪ねた時の事、玄関の下駄箱の上に「ねこじゃらし」と「あかまんま」が活けられていました。その時、素朴な花の醸し出すとてつもない美しさに、息を呑んでしまったことを覚えております。

ねこじゃらしって、こんなに美しかったんだ、赤まんまってこんなにも可憐だったんだ、と、今、初めて見る様な感動を覚え「お花は何流ですか?」とたずねました。

すると小母さんは「何流でもありません。お恥ずかしい次第です」と仰り、飾る花が無いものですから・・・家の前にある空き地の花を挿したとの事。

「野に咲く花の様に、と申しますでしょ?」

その一言ではっと気が付けば、その小母さんが茶道の心得がある方だと分かったでしょうに、残念ながら当時の婆はお茶もお花も習った事が無く、会話はそこで途切れてしまいました。

「野に咲く花の如く」は千利休の言葉。茶花(ちゃばな)の生け方の極意です。あとで義母からあの人はお茶の先生だと教えられました。今考えれば冷や汗1斗の思い出です。

  

ガボノシロワレモコウ(長穂の白吾亦紅)  バラ科  ワレモコウ属

花8月-10月。白色。花に見えるのは咢。咢片4枚・雄蕊4本。雄蕊は咢より長い。葯(やく)は黒で目立つ。花穂(かすい)は一見ネコジャラシ。花茎1m・尾状花序(びじょうかじょ)羽状奇数複葉(うじょうきすうふくよう)・小葉は細身の長楕円形で11-15枚・葉柄に対生・鋸歯有。関東以北~樺太まで分布・中国地方にも一部分布。低山~亜高山帯の湿った草地や湿原を好む。多年草。  花言葉・深い思い・繊細。

絶滅危惧Ⅰ類(大分県)。 絶滅危惧(宮城県茨城県山口県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(栃木県・埼玉県・千葉県)。 

 尾状花序とは、柄のない花が直接花穂に密に付き、円筒状になって葉腋から花序が垂れ下がる。動物の尻尾の様な形である。多くは単性花(雄花)で成り立っている。雌花は別個に咲く。例:ハシバミ・ヤナギ等。

※ 羽状奇数複葉とは、葉軸の左右に鳥の羽根の様に小葉が対生して並び、葉軸の先端にもう一枚の小葉が付く様な葉の仕組み。例:バラの葉・フジの葉

 

ナス(茄子)(ナスビ)  ナス科 ナス属 

花 夏~秋。 紫。 合弁花・花冠5裂・花径3㎝・雄蕊は5個。葯は黄色。葉は楕円・葉身15‐40㎝・互生・茎など紫色を帯びる。草丈50-100㎝・早生(わせ)種の方が背が低い。花は葉腋(ようえき)より一つの花柄を出して下向きに咲く。時には3-5個の花を束出する場合も有る。が、実をつける花はその内の一つのみ。果実は濃い紫色が主流。他に、緑・白・黒紫・縞模様などがある。形も球・扁球・長ナス等色々。多様な料理に適応・栽培が盛んである。インド原産。

ナスは盛んに栽培されているが、野生種では次の2種が絶滅危惧に指定されている。

イラブナスビ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

ヤンバルナスビ 絶滅危惧種(鹿児島県)。 

 

ナデシコ(撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

ナデシコと言えばナデシコ属の総称だが、一般的には秋の七草ナデシコであるカワラナデシコを指している。ここではナデシコ属の中のいくつかを紹介する。

 

撫子① エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のカワラナデシコの条で、名前だけ既出。

花6-9月。 ピンク。細深裂の花弁5枚。葉は細線卵形で対生。漢方薬(瞿麦(くばく)・瞿麦子(くばくし))(アルカロイドサポニン・消炎・利尿・尿路結石・通経等々)。 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県鳥取県)。 情報不足(滋賀県)。 要注目種(京都府)。

 

撫子② カワラナデシコ(河原撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

※参照 ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のカワラナデシコの条で既出。

花7-10月。淡紅色。花弁5枚・花冠は細く裂けている・咢は筒状などと紹介。漢方薬(瞿麦・瞿麦子)とその成分・効能にも触れている。

絶滅危惧Ⅰ類(東京都・沖縄県)。 絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(岩手県茨城県・千葉県・宮崎県)。

 

撫子③ シナノナデシコ(信濃撫子)(ミヤマナデシコ)  

                 ナデシコ科  ナデシコ

花7-8月。紅紫。花弁5枚・花弁先端は浅くギザギザしている。花径2㎝。散房花序。茎頂での花数が多い。苞2対・咢筒1.5‐2㎝。咢筒の先端は5裂。葉は広線形・対生・葉は茎を抱く。茎断面は四角(四稜)・草丈20-40㎝。 山地の河原や荒れ地などに生育。日本固有種。  絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・石川県)。

 

撫子④ タカネナデシコ(高嶺撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

花7-9月。紅紫。細深裂の花弁5枚・裂けた花弁は糸の様に細くなる。有花茎の分枝は少ない。茎頂に花は1~3輪。花径4-5㎝。苞は2対・咢筒2㎝。葉は線状披針形・対生。草丈10-30㎝。亜高山・高山の岩場や礫地を好む。盗掘 & 踏付け被害多。北海道・本州・ユーラシア大陸北部に分布。  絶滅危惧Ⅱ類(岩手県山形県宮城県福井県)。 絶滅危惧種(秋田県福島県)。 

 

撫子⑤ ヒメハマナデシコ(姫浜撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

花4-9月。紅紫。花弁5枚・花弁の先端は浅くギザギザしている。花径2㎝・咢筒先端5裂・苞2対。集散花序。葉は厚く根元近くは倒披針形・茎葉は小型でまばらに対生。  絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県・宮崎県・沖縄県)。 絶滅危惧Ⅱ類(大分県熊本県)。

 

撫子⑥ フジナデシコ(サマーラベンダー)  ナデシコ科 

花7-9月。藤色。花弁5枚・花弁の先端は浅くギザギザしている。咢筒先端5裂・花径1-1.5㎝・花は頂生・集散花序。葉は肉厚で長楕円形又は卵形。葉柄無し・葉身4-8㎝・茎に密生する。海岸を好む。  絶滅危惧Ⅰ類(岩手県新潟県)。 絶滅危惧Ⅱ類(石川県・京都府島根県)。 絶滅危惧種(福島県茨城県・千葉県・福井県・鹿児島県)。 情報不足(富山県滋賀県)。

 

ナナカマド(七竈)(ライデンボク)  バラ科  ナナカマド属

花5-7月。白。花弁5・花径6-8㎜・咢5裂・円錐花序・落葉広葉樹高木・樹高6-10m。高地では低木化。葉は奇数羽状複葉。小葉は長卵形・鋸歯有り・果期9-10月。果実は赤。果実の直径6-8㎜で沢山なり、房になって垂れる。紅葉は鮮やか。高山の森林限界の先のガレ場に岩壁を赤く彩り、絶景を生み出す。日本原産・寒冷地では公園や街路樹に植栽されている。 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。 

バラ科の何々ナナカマドと言う名で、絶滅の恐れが無い木が下記の2種である。

サビバナナカマド  ・  ミヤマナナカマド 

バラ科の何々ナナカマドと言う名で絶滅に瀕している種は、条目表題にしたナナカマド(絶滅危惧Ⅱ類)以外に下記の6種がある。

ウラジロナナカマド ・ タカネナナカマド ・ ツシマナナカマド ・ ナンキンナナカマド ・ ホザキナナカマド ・ ヨサノハゴロモナナカマド。

 

ナンバンギセル(南蛮煙管)(キセルグサ)(思い草)  

             ハマウツボ科  ナンバンギセル

花8-10月。 赤紫・白。 花は筒形・茎と見えるのは花柄。茎は土の下に有る。花は横向きで俯(うつむ)き加減。この姿を万葉人は物思いの人に見立てて、「思い草」と呼んでいた。葉緑素無し。ススキ・イネ・サトウキビなどの根に寄生する寄生植物。宿主の養分を奪って育つので、サトウキビや陸稲に被害をもたらす。 花言葉・物思い。  絶滅(山形県・長野県)。絶滅危惧Ⅰ類(群馬県・石川県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県福島県・埼玉県・岐阜県)。絶滅危惧種(鳥取県)。情報不足(山梨県)。要注目種(福井県京都府)。

ハマウツボ科の何々ナンバンギセルと言う絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の2種がある。

オオナンバンギセル ・ ヒメナンバンギセル 

 

ニシキギ(錦木)(ヤハズニシキギ)(キツネノカミソリ) 

                   ニシキギ科 ニシキギ属 

花5月-6月。 薄黄緑色。花弁4枚・花弁円形。花径6㎜・落葉広葉樹低木。樹高1-4m。茎に板状の翼が有る。葉は倒卵形or 広倒卵披針形。葉身2-7cm。鋸歯有り。紅葉が美しい。世界三大広葉樹の一つ(スズランノキ・ニッサボク・ニシキギ)。全有毒(特に果実)(トリクリセロール・腹痛・嘔吐・下痢)。ペット有毒(嘔吐・下痢・腹痛・衰弱・大量摂取で心拍異常)。 絶滅危惧種(新潟県福井県・鹿児島県)。 

 

ヌルデ(白膠木)(シオノキ)(勝の木) ウルシ科  ヌルデ属

花8月-9月。乳白色。花弁5枚・花弁円形で梅の花に似る・花径5㎜。円錐花序・雌雄異株・枝先に円錐花序の花が沢山咲き、樹冠が薄黄色に覆われる。雄花と雌花が有る。小葉は卵状披針形・鋸歯有り・奇数羽状複葉・葉軸に翼が有る。先駆樹種で伐採跡地にいち早く進出する。樹高3-10m。果実は10-11月に熟す。果実の色は茶褐色。大きな房のようになって垂れ下がる。実の表面に白い粉(リンゴ酸カルシウム)が噴き出す。葉に虫こぶが出来る。この虫こぶは鉄漿(おはぐろ)や黒色の染料に使われた。また、護摩木や、聖徳太子が戦勝を祈願して仏像を彫った木と言われ、削って神様に捧げたり、正月飾りにしたりした。アイヌでは神聖な木として敬われている。落葉広葉樹中木。弱有(ウルシオール・ウルシほど強くはないが白い液に触れてかぶれる事がある)。ペット有毒花言葉・信仰・壮麗・華やか。 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

 

ネリネ(ダイヤモンドリリー)  ヒガンバナ科(ユリ科) ヒガンバナ

花10月-12月。 白・赤・ピンク・オレンジ・紫・複色。花弁6枚・花弁は光沢があり長卵形で縁が波打つ・雄蕊は花冠から余り突き出ない・ヒガンバナに似る。花茎3-6cm。散形花序。花茎の頂頭に散形花序を一つ付ける。葉は線形・園芸作出種。有毒説無毒説有り。南アフリカ原産。花言葉・また逢う日を楽しみに・忍耐・箱入り娘。

 

ノボタン(野牡丹)  ノボタン科  シコンノボタン属

花8-12月。 濃紫。花弁4-5枚・咢片4-5枚・雄蕊10個・半常緑~常緑低木。樹高30-300cm。葉は卵形。庭木などの利用で栽培盛ん。花言葉・平静・落ち着き・ひたむきな愛情。熱帯~亜熱帯に分布。日本では南西諸島や小笠原諸島が生育地。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ノボタン科の何々ノボタンと言う絶滅に瀕している種は上記の外に下記の5種がある。

イオウノボタン  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類VU)。

コバノミヤマノボタン 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。

ハハジマノボタン  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。

ヒメノボタン 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅(三重県愛媛県佐賀県・)。 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県・福岡県・長崎県熊本県)。 絶滅危惧Ⅱ類(高知県長崎県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(宮崎県)。 情報不足(大分県)。 

ムニンノボタン  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)

※ ムニンノボタンは小笠原諸島父島にだけ生育する日本固有種。絶滅危機に瀕し、最後の1株のみになってしまった。東大付属植物園がその一株を採取して増殖を試み、育成に成功、増えた株を現地に移植するも成果ははかばかしくなかった。種が鼠に食べられてしまう事、野山羊が食べてしまう事などがあり、防護柵を設置するなど懸命の作業が続いている。

 

ハギ

※予定 次回のブログ№205 茶花総覧(10)でミヤギノハギを取り上げる予定。

※参照 ブログ№200茶花総覧(5) 夏(た行~は行)のナツハギの条の中で、ナツハギの説明と共に以下のハギ類の名前を列挙している。

ヤマハギ(木・ハギ属) ・ ミヤギノハギ(木・ハギ属) ・ イヌハギ(木・ハギ属) ・ メドハギ(木・ハギ属) ・ ネコハギ (草・ハギ属)  ・ ナンテンハギ(草・ソラマメ属) ・ ヨツバハギ(草・ソラマメ属)

 

ハグロソウ キツネノマゴ科 ハグロソウ属 9-10月

花9月-10月。淡紅紫色。花は二唇形。上唇と下唇の長さはほぼ同じ・上唇の先端は極く浅く3裂し後ろへ反る。下唇は卵形で先端は裂けず。花弁の内側基部に紅紫の斑点有り。花は2枚の葉状の苞の間から出る。花は頂生又は腋生。葉は披針形~卵形・全縁・葉の色は濃緑・草丈20-50cm。  絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・香川県)。 絶滅危惧Ⅱ類(宮城県・長野県)。 絶滅危惧種(福島県・埼玉県・東京都・鹿児島県)。

キツネノマゴ科の何々ハグロソウと言う絶滅に瀕している種は上記の外に下記の2種がある。

フチゲハグロソウヤンバルハグロソウ絶滅危惧種で、いずれも鹿児島県が指定している。

 

ハゲイトウ(葉鶏頭)(雁来(がんらいこう))  ヒユ科  ヒユ属

花8月-10月。 淡緑~淡紅色。咢片3枚・雄蕊3個・花の長さ3㎜・花は葉腋毎に集団で固まって着くが、全体が葉に隠れて小さくて目立たない。花よりも葉の紅葉を鑑賞する。葉は披針形・茎は硬くて丈夫・一本立ちする。根は直根。草丈80-150cm。花言葉・不老不死・情愛。

 

ハゼラン(爆蘭)(サンジソウ)(ハナビグサ)(米花蘭)  ハゼラン科 ハゼラン

淡紅紫。 花弁5枚・花径3㎜。有花茎の先に円錐花序をつくり、まばらに花を着ける。開花は午後の2-3時までの間。蕾や実のなり方が線香花火のようだ、との事で爆(は)ぜるのイメージからこの名になった。南米原産。

 

ハナタデ(花蓼)(ヤブタデ)  タデ科  イヌタデ

花8月-10月。 淡紅色。4-5枚の花弁に見えるのは深裂した咢片・花弁無し。花の長さ2-3㎜。托葉鞘に毛が有る。有花茎の先に細長く花序を付ける。花序は5-10㎝。花着きはまばら。花序は垂れない。葉は長卵形・基部は楔形で先端は尖る。茎は地をやや這ってから立ち上がる。草丈30-60㎝。林縁や道端の草むらなどに普通に見られる。花言葉・愛くるしい・清純・幼い子。  分布特性上重要な種(鹿児島県)。

※参照 サクラタデは、ブログ№№203 茶花総覧(8) 秋(さ行~た行)で既出

※参照 イヌタデは、ブログ№202 茶花総覧(7) 秋(あ行~か行)で既出。

※参照 ヤナギタデは、ブログ№201  茶花総覧(6) 夏(ま行~わ行)で既出。

 

ハマアザミ(浜薊)(ハマゴボウ)  キク科  アザミ属

花7月-12月。紅紫。管状花(=筒状花)のみ。花径3㎝。総苞片は長三角形の鱗状で多数・葉は長楕円で深い切れ込みがあり、羽状裂片状態・大根の葉かタンポポの葉に似るが、葉質は厚く艶有り。葉は波打つ・鋸歯鋭く、鋸歯の先端が棘になっている。葉は密に互生・茎や葉脈の主脈裏は毛深い。草丈30-50㎝。太平洋岸の日当たりの良い砂地・草原・岩場などに生育。食用可・葉はお浸しに、根は天ぷらやきんぴらなどに利用。日本固有種。花言葉・報復・厳格・独立。

絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・神奈川県・兵庫県愛媛県)。 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

 

ハマギク(浜菊)  キク科  ハマギク属  

花9月-11月。 筒状花(=管状花)は黄色・舌状花は一重の白。花径6㎝。葉は倒卵形で裂けない・肉厚・光沢有り・鋸歯有り・葉身4—8㎝・紅葉&落葉する。茎は斜上・木質化する(古株になると幹の直径が10㎝位になるという(木に分類される事もある))。草丈50-100cm。分布日本固有種・青森県茨城県の太平洋沿岸。絶滅危惧種(千葉県)。

※ 上記は、№202・茶花総覧(7)  秋(あ行~か行)のキクの項で、キク⑮ ハマギクの条で既出した文章と同文、但し一部割愛 (割愛したのは同属の絶滅危惧種についての記述)。

 

ハマサワヒヨドリ   キク科  ヒヨドリバナ属(フジバカマ属)

花8月-10月。 白・フジ色。 筒状花・雄蕊が目立つ。サワヒヨドリが海岸生育に適した様に変化したもの。草丈20-30㎝。有花径の頭頂に花を散房花序で咲かせる。葉は対生。  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧I類(千葉県・神奈川県)

※参照 サワヒヨドリについてはブログ№203茶花総覧(8) 秋(さ行~た行)のサワヒヨドリの条で既出。

 

パンジー スミレ科 スミレ属

花10月-5月。 白、赤、ピンク、オレンジ、黄、青、紫、茶、黒、複色。 草丈10-30㎝。パンジービオラは同じ。日本の暑さに強く、小花を盛んに咲かせる様に品種改良したのがビオラ。種子・根茎有毒(ビオリン・サポニンビオラルチン・グリコサイド・嘔吐・神経麻痺・心臓麻痺)。ペット有毒(ビオリン・神経毒・心臓麻痺)。 花言葉・物思い・私を思って。

 

ヒガンバナ(彼岸花)(曼殊沙華)  ヒガンバナ科 ヒガンバナ

花9月。 真赤。 花弁6枚・花径 5-15㎝。花茎の先端に苞が一つ付く。苞が敗れると花柄は散形花序で車輪状に展開し、花は横向きに着く。雄蕊6本。雄蕊は花冠より長く突き出る・草丈30-60㎝。花の時期は出葉せず花茎のみの花で群落をつくる。花が終わると葉が出て来る。3倍体で種子は出来ない・球根で繁殖をする。田んぼのあぜ道・土手・墓地などに生育。モグラや動物たちによって、穴が開いて漏水したり、掘り返されたりしない様に、ヒガンバナの毒性を嫌う動物達を遠ざける目的で植えられて来た経緯がある。又、救荒植物として飢饉時の食糧にもなった。

婆の祖母は、明治初期に起きた飢饉の時に、ヒガンバナやドングリなどを食べたという話を親から聞いたそうだ。1週間ぐらい手間暇をかけて毒抜をするそうだが、待ちきれずに途中で食べて命を落とした人も居るそうだ。全有毒(特に鱗茎)(リコリン・ガランタミン・悪心・嘔吐・下痢・頭痛)。生薬(生薬名・石蒜(せきさん))(セキサノール・鎮咳去痰・鎮痛・降圧・催吐・中枢神経の麻痺) 原産地中国大陸。 花言葉・独立・情熱・悲しい記憶・諦め。

 

ヒゴシオン(肥後紫苑)  キク科  シオン属 

花9月-10月。淡紫。筒状花は黄色・舌状花は筒状花を一周一重に取り囲む。花径4㎝。総苞は半球形・散房花序。葉は披針形・葉身5-12㎝。根出葉は花期に枯れる。茎は直立・あまり枝分かれをせず。草丈45-85㎝。 多年草生薬(生薬名・円苞紫苑(えんほうしおん))(鎮咳去痰・熱性の風邪・喉の痛みと腫れ)

環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。  絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県・熊本県)。 

 

ヒメアザミ(姫薊)(ヒメヤマアザミ)  キク科

花8月-10月。 淡紅紫。茎頂に花を着ける。総苞は筒状。有花茎直立し、分岐する。葉は披針形・鋸歯二重に有り・鋸歯の切れ込みが深い・鋸歯の先端は度になっている。披針形の先端も鋭く尖っている。山地の草原などに生育。多年草。日本固有種。花言葉・厳格・報復・触れないで・独立。 絶滅危惧Ⅱ類(京都府)。絶滅危惧種(徳島県)。情報不足(愛媛県高知県)。分布上重要種(滋賀県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

上記ヒメアザミの外に絶滅危惧されている何々ヒメアザミという名の植物が下記の3件ある。

アイズヒメアザミ  環境省カテゴリ絶滅危惧1A(CR)。絶滅(長野県)。絶滅危惧Ⅰ類(福島県群馬県新潟県)。絶滅危惧種(栃木県)。
イワキヒメアザミ  情報不足
(福島県)

ウゼンヒメアザミ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。

 

ヒメコウモリソウ キク科 コウモリソウ属

花8月-9月。淡紅白。筒状花・花冠は5裂・小さい筒状花が4-5個集まって一つにまとまる。総苞は円筒形・有花茎の先に花序を伸ばし、円錐花序を成す。花付はまばら。草丈10-30㎝。多年生。葉は腎臓形で3裂または5裂・葉の形がコウモリに似ている・鋸歯有り。互生・葉柄は長い。四国・和歌山・九州の極めて限られた深山に生育。日本固有種。  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県徳島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(高知県)。 情報不足(愛媛県)。

 

ヒメシオン(姫紫苑)  キク科  シオン属

花8月-10月。白。花径1㎝。茎の先端に開花・散房花序。湿り気のある草地や畔(あぜ)地などを好む。多年草・草丈0.3‐1m。茎の上部は幾つか分枝・細かい毛が密集する。葉は線状披針形・下部の葉身は5-12cm。・上部に行くほど葉の幅は狭まり短くなる。

絶滅(大阪府高知県・鹿児島県)。 絶滅危惧Ⅰ類(山形県群馬県・千葉県・東京都・神奈川県・三重県奈良県京都府兵庫県岡山県香川県佐賀県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(茨城県・埼玉県・愛知県・山口県)。 絶滅危惧種(秋田県・栃木県・長崎県)。その他重要種(滋賀県)。情報不足(徳島県)。

※ ヒメシオン(姫紫苑) と ヒメジョオン(姫女苑) と ハルジオン(春紫苑) の違い。

3種の共通項はキク科、散房花序、舌状花が筒状花を1周囲んでいる事などである。

ヒメシオンシオン属花は8-10月舌状花は白。花弁13‐30個くらい。

ヒメジョオンムカシヨモギ属、花は6-10月。舌状花は白or薄紫。花弁の幅1-1.5㎜花弁の数はおよそ60‐80個。茎に空洞無し。

※参照 ブログ№200茶花総覧(5)夏(た~は)のヒメジョオンの条で既出。

・ハルジオンムカシヨモギ、花4-6月。舌状花は淡紅色。花弁絹糸状で150‐200個くらい。蕾の時は首を垂れている。茎に空洞有り

※参照 ブログ№198茶花総覧(3)春(た~わ) のハルジオンの条で既出。

 

ヒメトラノオ(姫虎の緒)  ゴマノハグサ科  クワガタソウ属

花8月-10月。 青紫色。合弁花・花冠は4裂・一つの花は小さい・花茎の先端に穂状花序を成す。花穂は10-20㎝・葉は披針形・鋸歯有り・対生・草丈50-90㎝。 山地の明るい草地に生育。日本固有変種。愛媛県ではヒメトラノオの挿し芽に依る繁殖・栽培・保護・拡大に、学校を巻き込んで取り組んでいる。

絶滅(茨城県京都府)。 絶滅危惧Ⅰ類(栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・広島県愛媛県高知県)。 情報不足(鳥取県)。

ゴマノハグサ科の何々ゴマノハグサと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記1種がある。

ホソバヒメトラノオ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅(大阪府・福岡県)。 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県高知県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(熊本県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(長崎県)。 情報不足(大分県)。

 

ヒメルリトラノオ(姫瑠璃虎の尾)(ベロニカ・スピカタ) 

   オオバコ科(ゴマノハグサ科) ヴェロニカ属(クワガタソウ属) 

花7-9月。自生種は青紫、栽培種は青紫・ピンク・白。花冠は4裂・咢4個・横向きに咲く。花弁の長さ6-7㎜・花は有花茎の上部に密に着き、穂状(すいじょう)花序を成す。花序穂の長さ5-10㎝。葉は長楕円形or披針形・対生・鋸歯有り・葉身2-8㎝・茎は斜上又は直立。分枝無し・短毛と腺毛が茎にも咢にも有り。草丈15-50㎝・多年草・ヨーロッパ・北アジア原産。有毒(アレルギー反応・皮膚の炎症・痒み・目のかゆみと充血)。ペット有毒・特に猫(嘔吐・下痢・よだれ。重篤の場合は神経系障害・腎不全)。花言葉・忠実・名誉。

 

ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)  ナス科  ナス属

花8月-9月。 白・薄紫。 花弁5枚・花弁は星形に開くが、その後うしろへ反り返って、雄蕊雌蕊を前面に突き出し、羽根突きの羽根の様な形になる。集散花序。 葉は鉾形(ほこがた) (朝顔の葉に似る)・蔓性多年草。果実は真っ赤で径約8㎜。 林縁の草地・山野などに生育。全有毒(ソラニン・嘔吐・下痢・腹痛・目眩・動悸・耳鳴り・意識障害・痙攣・呼吸困難・重篤の場合は致死)。 漢方(生薬名・白毛(びゃくもうとう)・鎮痛・創傷回復・止血作用・止痙作用・血行改善・硬直緩和)。花言葉・真実。  絶滅危惧Ⅱ類(秋田県)。

ナス科の何々ヒヨドリジョウゴと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記1種がある。

オキナワヒヨドリジョウゴ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

 

ヒヨドリバナ(鵯花)(山蘭)  キク科  ヒヨドリバナ

花8-10 白・淡紫色。1個の花は筒状花(=管状花)で非常に小さい。花冠は5浅裂・花柱(雌蕊)は2裂で花冠より突き出る。この筒状花が5個集まって一つの総苞に包まれる。総苞は2列のウロコ状・総苞の長さは5-6㎜・総苞が幾つも集まって頭頂に散房花序を成す。沢山の花柱が突き出ているために、花序全体が毛羽立って見える。葉は長楕円形 or長卵形or披針形・尾状に尖る・基部は楔形・葉柄有り。鋸歯有り・茎の中程の葉身6-18㎝・対生。草丈40~200㎝。同じヒヨドリバナのフジバカマに、旅する蝶のアサギマダラが吸蜜する様に、ヒヨドリバナにもアサギマダラが吸蜜に訪れる。全有毒(ピロリジジンアルカロイド・肝中心脈閉塞症や肝癌誘発)。

アサギマダラはピロリジジンアルカロイドを含む有毒のヒヨドリバナ属の花を吸蜜する事によって、毒を体内に蓄積し、鳥などの天敵から身を守っていると考えらている。又、フェロモンの合成にも必要不可欠な物質である。 花言葉・清楚・期待・延期。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ヒヨドリバナの何々ヒヨドリバナと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記2種がある。

ミツバヒヨドリバナ 要注目種(京都府)

ヤマヒヨドリバナ 絶滅危惧Ⅱ類(熊本県)。 絶滅危惧種(高知県)。 情報不足(愛媛県沖縄県)。

 

フウセンカズラ(風船葛)(ハートカズラ)  ムクロジ科  フウセンカズラ

花7-9月。白。花弁4枚・花径8-10㎜。蔓性・一年草・葉は3出複葉・葉身3-8㎝・互生・草丈50-300㎝。果実は3稜の風船形・中に黒い種子がある。種子にハート形の白い部分が有る。生薬(生薬名・仮苦瓜(かくか)アルカロイド・セスキテルペン・清熱・解毒・利水作用・黄疸・淋病・蛇の咬傷などに効用)。ペット有毒。熱帯アメリカ・アフリカ・熱帯アジア・中国原産。 花言葉・自由な心・永遠にあなたと共に・多忙。

 

フウチソウ(風知草)(知風草)(ウラハグサ)  イネ科 ウラハグサ属 

ウラハグサが本種の植物上の本名。フウチソうは通称。

花8月-10月。 黄緑色 or 紫。色は苞穎(ほうえい)の色である。苞穎は1-2㎝で針の様に細い。花弁は無い。花は細長い小穂(しょうすい)になっている。 観葉植物。葉は線形披針形・葉身10-25㎝。葉は茎から出る時、基部で少し捩れて、表と裏が引っ繰り返り、裏が人目に付く表になり、本来の表が内側になって陰に回る。日本固有種。 絶滅(京都府)。

なお、ベニフウチソウと斑入りフウチソウはフウチソウの色違いや模様違いで同属。いずれも観葉植物。

※ 小穂(しょうすい)とは、イネ科やヤツリグサ科における花序である。花序と言うのは一輪の花の様子では無く、例えば穂状(すいじょう)花序とか散形花序とか言う様に、花が集まって全体的にどういう姿になるのかを表す言葉である。イネ科やカヤツリグサ科の一つの殻を分解して見ると、外側にガサガサした手触りの少し硬い苞葉の様なものに覆われている。これを包穎(ほうえい)という。更にその内側に護穎(ごえい)という咢の様なものが有り、護穎には(のぎ)が付いている。それらに守られて、更にその内側に内穎(ないえい)や鱗片がある。そして、極めて短い花柄が2つあって、それぞれに二つの花柄の先には子房と柱頭や雄蕊が揃っている。つまり、籾殻のようなちいさな一つの殻の中に、2輪の花の花序があり、それひとつで小さな穂と言える花序が成立している。但し、二つの花の内、一つは稔らない。小穂がさらに集団になって穂状花序を成し、稲穂やススキの穂になって風になびく様になる。

 

フシグロセンノウ(節黒仙翁) ナデシコ科 センノウ属  

花7月-10月。朱赤。花弁5枚・花弁の長さ2.5‐3㎝・雄蕊1・平開する・花径3.5-5㎝。 葉腋から茎を出し分枝した茎頭に花を咲かせる。茎は直立・草丈40-90㎝・茎の節は黒褐色になっている。茎葉は対生・葉柄無し・葉は長楕円披針形又は長卵形・葉先は尖る。葉身5-14㎝。多年草・本州・四国・九州の林床に自生する。日本固有。花言葉・恋のときめき・機転・機知・転職。  絶滅(長崎県)。 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県・東京都・福岡県・佐賀県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・神奈川県・石川県・山口県愛媛県高知県)  絶滅危惧種(茨城県・埼玉県・富山県大分県)。 情報不足(鹿児島県)。 要注目種(福井県)。 地域個体群(新潟県)。

 

フジバカマ(藤袴)  キク科  ヒヨドリバナ

花10月-11月。  薄紅紫色。  筒状花が5個集まって一つの総苞に包まれている。それら総苞の集合体が散房花序になって茎頭に展開する。葉は3つに深裂。草丈60‐120㎝。宿根多年草秋の七草の一つ。原産地は東アジア。フジバカマは旅する蝶・アサギマダラが蜜を吸いにやってくる花である。全有毒(ピロリジジンアルカロイド・肝毒性有り)。アサギマダラはそれを吸蜜して体内に溜め込み、天敵から身を守っている。又、アサギマダラの幼虫の食草は、キジョランやイケマ・シタキソウなどいずれもキョウチクトウ科の有毒植物である。アサギマダラを口にした鳥は、その毒性に懲り二度と食べないと言われている。アサギマダラは幼虫も成虫も有毒であるが、捕食しない限り手に触れるだけなら影響はない。ペット有毒。 フジバカマの花言葉・あの日を思い出す・遅れ・ためらい・躊躇。  

環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅(神奈川県・山梨県奈良県鳥取県・福岡県・佐賀県)。   絶滅危惧Ⅰ類(福島県・栃木県・群馬県・千葉県・東京都・愛知県・三重県・石川県・福井県京都府大阪府兵庫県徳島県高知県広島県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県新潟県静岡県)。 絶滅危惧種(宮城県・埼玉県・岐阜県岡山県)。 その他重要種(滋賀県)。

同科同属で何々フジバカマと言う種で絶滅が危惧されている種が他に2件ある。

シマフジバカマ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

ツルフジバカマ 絶滅危惧Ⅰ類(東京都・三重県滋賀県京都府兵庫県奈良県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(大阪府鳥取県高知県)。 絶滅危惧種(岐阜県広島県)。情報不足(徳島県)。 要注目(福井県)。

 

ブッソウゲ(仏桑華)(赤花)(ハイビスカス)(アカハナリュウキュウムクゲ)  

                 アオイ科  フヨウ属

花7月-10月。赤・白・ピンク・黄・オレンジ。基本の色は赤・花弁5枚・花径10-15cm。花の真ん中から突き出ているのは雄蕊と雌蕊が合体したもの。葯は黄色・柱頭の先端に有る赤い5個の球は五つに裂けた雌蕊。花は平開する。咢は筒状で5裂。葉は卵形・鋸歯有り・葉身4-12㎝。樹高2-5m。 花言葉・新しい恋・しとやかな愛・私はあなたを信じる。繊細な美・常に新しい美・勇敢。

 

フヨウ(芙蓉)(木芙蓉(もくふよう))  アオイ科  フヨウ属

花7月-10月。ピンク・白。 花弁5枚・花弁に縦縞の皺が入る・花冠はお椀形・雌蕊と雄蕊は基部で筒状に合着・雌蕊の花柱は突き出て先端は5裂する・花径10-15㎝・1輪の花は短命で1日花だが、樹全体では次々と花を咲かせ花期は長い。葉は掌状形で浅く3-7裂・鋸歯有り。樹高1-4m。温かい林床などに自生・庭木や公園等に植栽される。昔、沖縄では芙蓉の幹から繊維を取り、布を織った。中国・台湾・日本の関東以南~沖縄まで分布。中国原産。 花言葉・繊細な美。

 

ベニチガヤ(紅茅)(フシゲチガヤ)  イネ科  チガヤ属 

5月―6月。白・淡紫茶。 小穂は披針形・円錐花序・果実期の花穂は銀白色。観葉植物。草丈30-80㎝。落葉性多年草。葉は線形・葉先は先鋭・葉身20-50㎝・春の頃の葉は緑色・夏ごろから葉が赤く色付始める。世界の最重要害草10種の内の1種。風媒の種子を大量に飛ばす上、地下茎で横に這い増殖するので繁殖力が強く、根絶が困難である。嫌われ者の植物であるが、日本では土止めの役割や田圃の畦道の維持などに大いに利用される。また、在来植物なので、外来侵入植物でないという安全性(生態系を攪乱しないという面)から、緑化植物として利用もされている(※販売されているチガヤの種は外国産のものが多いので、注意が必要)。地下茎が網の目の様に張るので、道路の法面などを守る為、チガヤの種子を機械で吹き付けて緑化を図ったり、土壌浸食に強固に耐える為、野芝とチガヤを混植したマット状の苗を貼るケースも有る。かと思えば、如何にしてチガヤを撲滅するかというような苦労話もネットに上がっている。生薬(生薬名(茅根(ぼうこん))(利尿・消炎・止血)。  花言葉・守護神・親しみ深い・子供の守護神。

 

ベンケイソウ(弁慶草)  ベンケイソウ科  ムラサキベンケイソウ属

花9月-10月。淡紅色。花弁5枚・花弁の形は長三角形・平開し全体は星形・咢5個・雄蕊10個・雌蕊5個・雄蕊も雌蕊も花弁の色よりもやや濃いピンク。小さい花が集まって集散花序を成す。葉は楕円形・葉身3.5‐7㎝・葉は多肉質・乾燥に強い・茎は円柱形・草丈30-60㎝。日本山地の草原に自生。本州中部から北部に分布。中国原産。弱有毒(吐気・嘔吐・酩酊) 生薬(解熱・解毒・消腫)。ペット有毒。 花言葉・静寂・穏やか・優しい心・信じて従う。  絶滅(愛知県・兵庫県)。絶滅危惧Ⅰ類(宮城県福島県・神奈川県・岐阜県山口県佐賀県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(栃木県)

ベンケイソウ科の同属で何々ベンケイソウと言う種で絶滅が危惧されている種が他に5件ある。

アオベンケイ  絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県・長野県・富山県・石川県・福井県京都府・愛知県・三重県大阪府和歌山県鳥取県山口県愛媛県長崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県島根県広島県・宮崎県)。 絶滅危惧種(奈良県大分県佐賀県熊本県)。 情報不足(兵庫県)。

ショウドシマベンケイソウ  絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県)。 絶滅危惧Ⅱ類(香川県)。 情報不足(高知県)。

チチッパベンケイ  絶滅危惧Ⅰ類(青森県)。 絶滅危惧Ⅱ類(長野県)  絶滅危惧種(栃木県)。 情報不足(静岡県・石川県)。 要注目種(福井県)。

ミツバベンケイソウ  絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・神奈川県・長野県・和歌山県徳島県愛媛県・福岡県)。 絶滅危惧Ⅱ類(秋田県・埼玉県・香川県山口県)。 絶滅危惧種(愛知県・福井県京都府奈良県鳥取県島根県・宮崎県)。その他重要種(滋賀県)。

ムラサキベンケイソウ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU) 絶滅(長野県)。 情報不足(群馬県)。

 

ホソバハグマ (細葉白熊)  キク科  モミジハグマ属 

花7月-11月。白。3個の小花が一つに束ねられて、一つの総苞に納まっている。小花の花冠6裂・裂片は先端がくるっとカールして反り返る。小花の長さ8㎜。総苞片は長卵形・鱗状になって総苞を形作る。有花茎の茎頂に花序を伸ばし、まばらな総状花序を成す。葉は長卵形で基部は楔形。茎は細い・草丈15‐40㎝。屋久島にのみ生息。渓流の苔むした岩場で、常に水しぶきを被る様な場所に生息。水没・水流・水圧に対してうまく順応している。逆にそういう環境でないと、生きて行けない。白熊は「はぐま」と読む。「はぐま」はチベットに棲むヤクの毛の事である。ヤクの毛は長くてふさふさとしており、毛鑓や兜の装飾、歌舞伎の鏡獅子で使われる獅子の毛など、日本人は鎖国の時代からヤクの毛を手に入れて、使って来た。ホソバハグマ以外に何々ハグマという名の植物が幾つかあるが、いずれも白くて毛の様な花の様子に着けられた名前である。絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

ホトトギス(杜鵑草)  ユリ科  ホトトギス

花8月-10月。 白・紫・ピンク・黄。 外花被片3枚・内花被片3枚。中心に、3本の合着した花柱とそれを取り囲んでいる6個の雄蕊が合わさって花冠を突き出る。雌蕊の花柱は上部で3裂に分かれ、雄蕊も6つに分かれて、何れも反り返る。その形は花の真ん中から出る噴水状。花径25㎜・花長25㎜・花の基部に小さな膨らみが有る。葉腋より花柄を出し、上向きに咲く。花弁の裏は白・花弁の内側には紅紫の斑点多数。葉は長楕円形又は広披針形・葉の基部は茎を抱く・葉の両面に軟毛あり。茎は直立又は斜上・崖地では垂れ下がる。草丈40-80㎝。山地の半日陰に生育。栽培も盛ん。日本固有種・北海道南西部から四国毛九州に分布。 花言葉・永遠の若さ・秘めた意志・永遠にあなたのもの。  絶滅危惧Ⅰ類(茨城県・石川県・愛媛県大分県佐賀県長崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・東京都・奈良県熊本県)。 絶滅危惧種(北海道・長野県)。 情報不足(富山県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。要注目種(福井県)。

なお、ブログ№203茶花総覧(8)秋(さ行~た行)のジョウロウホトトギスの条を設けて既出している。その際、何々ホトトギスと言う名で絶滅に瀕している種としてキイジョウロウホトトギス・サガミジョウロウホトトギス・スルガジョウロウホトトギスの名を挙げている。

※追加 上記に挙げたホトトギス・ジョウロウホトトギスキイジョウロウホトトギス・サガミジョウロウホトトギス・スルガジョウロウホトトギスの5件の外に、何々ホトトギスと言う名の絶滅に瀕している種は下記の13種が有る。

イワホトトギスキバナノツキヌキホトトギスキバナノホトトギス ・ サツマホトトギス ・ セトウチホトトギスタイワンホトトギス ・ タカクマホトトギス ・ タマガワホトトギス ・ チャボホトトギス ・ チュウゴクホトトキホス ・ ハゴロモホトトギス ・ ヤマジノホトトギスヤマホトトギス

 

ホンアマリリス(ベラドンナリリー) ヒガンバナ科 ホンアマリリス

花8月-9月。 ビンク・白・複色。花弁6枚・花はラッパ型・ユリの花に似る。花弁の先は外側に反る。茎の頭頂に2-10輪の花を着ける。花の長さ10㎝。花の直径(花径)7-9㎝・芳香有り・散形花序。花茎は太く中身が詰まっており地面より直立。 球根多年草。夏は休眠する。草丈30‐90㎝。 花が咲くころには葉が無くなる。原産地・南アフリカ全有毒(リコリン・ガランタミン・嘔吐・下痢・頭痛)。 花言葉・輝くばかりの美しさ・お喋り・自尊心。

※ ホンアマリリス(ベラドンナリリー)と、アマリリス(ヒッペアストラム属)の違い

ホンアマリリス南アフリカ原産である。アマリリス中南米原産である。

ホンアマリリスの開花期には葉が無い。アマリリスは開花期に葉がある。

ホンアマリリスの花茎は中が詰まっている。アマリリスの花茎は中空。

ホンアマリリスの雌蕊は時が経っても3裂しないが、アマリリスは時か経つと3裂する。

見た目の違いは、ホンアマリリスは何もない地面からいきなり茎が出て来て花を咲かせるが、アマリリスは花も茎も葉も三拍子揃って花が咲く。

 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様なネット情報や本を参考に致しました。(順不同)

Wikipedia

日本のレッドデータ検索システム

松江の花図鑑 / 三河の植物観察  / かぎけん花図鑑 / 花と緑の図鑑 / みんなの趣味の園芸 / 趣味の花図鑑 / 庭木図鑑 植木ベディア / 四季の山野草図鑑 / 四季の山野草 / デジタル植物写真集 ホソバハグマ

原色植物百科図鑑 集英社

日本大百科全書(ニッポニカ)

北隆館 ニュー・サイエンス社 ひめかうもりさう 新牧野日本植物図鑑(2008)

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル: 高等植物

公益法人東京生薬協会 

農林水産省品種登録ホームページ ネリネ

国立保健医療科学院 №19003 ヒガンバナの葉による食中毒

公益社団法人 日本薬学会 

あきた森づくりが集うサポートセンター 樹木シリーズ99ヌルデ

あきた森づくり活動サポートセンター 昆虫シリーズ⑪毒あるチョウ「警告色」・・・

九州地方環境事務所 アクティブ・レンジャー日記

緑化植物としてのチガヤ-兵庫県立農林水産技術総合センター

小笠原村 ムニンノボタン

ヒメトラノオ東京都レッドデータブック

姫虎の尾(ヒメトラノオ)-季節の花-Shinobi.jp

広島大学デジタル自然史博物館 ヒメトラノオ

NIOの散歩道365植物図鑑風写真集 ヒメルリトラノオ

国立科学博物館 寄生生物と宿主

岡山理科大

熊本大学薬学部薬用植物園 薬草データベース

京都大学大学院人間・環境学研究科/総合人間学部・(併任)大学院地球環境学生物多様性保全論分野 瀬戸口浩彰研究室

小さな家族のために知っておきたい植物の毒性/野外樹木

HiroKen花さんぽ 野山に自然に咲く花のページ

山野草・還風庵JUNのブログ。

saekiharuka.comダイヤモンドリリー(咲くやこの花館)

近鉄ケーブルネットワーク ヒメコウモリソウ

goo BLOG ヒメコウモリソウに会いに  2015年秋の高知(その1)

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。お蔭様で茶花総覧の秋の部前半まで書き進める事が出来ました。誠に有難うございました。

 

 

 

203 茶花総覧(8) 秋(さ行~た行)

前号ブログ№202の不具合は容量オーバーと当方のミスにより発生いたしました。そこで、ブログ№202の全内容を、№202と№203に分割します。№202は7月8日に既にup済ですので、その後半を№203としてここにupします。

サガギク(嵯峨菊)   キク科   キク属

※参照 当ブログ(ブログ№202)のキクの項で7番目(キク⑦)にサガギクの条を設けて記載済み。 そこでは、嵯峨菊の伝統的な仕立て方と嵯峨天皇とのかかわりなどに触れている。

 

サクラタデ(桜蓼)  タデ科  イヌタデ

花8-10月。 淡紅色。 花冠5深裂・花弁の形は倒卵形・雄蕊8本・雌蕊1・花弁の長さ5㎜・花径8㎜・花弁に腺点有り。有花茎の上部に総状の花序を伸ばして花を着け、見た目イヌタデに似るが、花つきはまばらである。花序は真っ直ぐで垂れない。葉は披針形・全縁(鋸歯が無いこと)・葉身6-16㎝・互生・葉の両面に短毛有り・葉裏に腺点有り。託葉鞘1.5㎝で茎を巻く・ 托葉鞘には長い毛が有る。互生・草丈30-100㎝。水辺や湿地の日当たりのよい草原に生育。日本では本州から九州まで分布・朝鮮半島南部と中国に広がっている。 花言葉・優雅な清楚さ。  絶滅危惧Ⅱ類(秋田県群馬県・東京都)。 絶滅危惧種(岩手県岡山県・鹿児島県)。

タデ科の何々サクラタデと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の4種がある。

オオサクラタデ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

シロバナサクラタデ 絶滅危惧Ⅰ類(東京都)。 絶滅危惧Ⅱ類(群馬県)。 絶滅危惧種(岩手県・埼玉県)。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ダイトウサクラタデ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

リュウキュウサクラタデ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

 

サネカズラ(実葛)(ビナンカズラ) (ビジョカズラ) (ビンカズラ) (トロロカズラ)・・・別称多数    マツブサ科   サネカズラ属 

花7-8月。淡黄色。花被片8-17枚・花径1-2㎝・花柄2㎝。花は新枝の葉腋から花柄を垂らし下向きに咲く。雌雄異株・時に雌雄同株。雄花の場合、赤い葯が花の中央に集まって球状になっている。雌花の場合、花の中央に雌蕊の集合体がありそれぞれの雌蕊には子房がついている。果期は晩秋で真っ赤な実がなる。果実は雌蕊についている子房のそれぞれが熟したもので小さな珠の集合体になり、ラズベリーの実の様にボコボコとした球形になる。果実集合体の直径1-3㎝。常緑又は半常緑の蔓性広葉樹。つるが絡み合いながら成長する。葉は楕円形・長楕円形・長卵形・葉身5-13㎝・厚味があり柔らかく艶が有る。鋸歯有り。粘液が有り、その粘液が人の生活に密接している。別称が多いのもそこから来ている。庭木・盆栽の外、整髪料・和紙のつなぎ(ねり)、生薬など。

生薬名・南五味子(なんごみし)五味子(ごみし)(リグナン・ひび・アカギレの外用薬・滋養強壮・鎮咳)

  さねかづら後に逢うはむと夢のみに うけひわたりて年は経につつ

                柿本人麻呂  万葉集巻11 -2479

  名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られで来るよしもがな

              藤原定方 百人一首 後撰和歌集巻11‐恋歌

なお、「さね」は小寝(さね)に通じ一緒に寝る事を表す。蔓性で絡み合うイメージが投影されているかも。

 

サラシナショウマ(晒菜升麻)(ヤサイショウマ)  

          キンポウゲ科  サラシナショウマ

花8月-10月。白。花に花柄有り。蕾の時は咢片と花弁でしっかりと覆われ、小さな球形になっているが、開花し始めると間も無く咢片も花弁も落ちてしまい、中から雄蕊の白い花糸が沢山出て来る。花には両性花と雄花があり、混在している。両性花には雌蕊2-3個と沢山の雄蕊があり、雄花には雌蕊が無く沢山の雄蕊の花糸だけがある。花糸の長さは約7㎜。花穂(かすい)全体が花糸だらけになり、花穂は白いブラシ状になる。総状花序・花穂の長さ10-30㎝・葉は3回複葉・小葉は卵形又は狭卵形・切れ込みが深く、更に鋸歯有り。有花径は直立し叢立(むらだ)つ。草丈60‐120㎝。水はけのよい落葉樹林などの草地を好む。

生薬(根)(生薬名・ショウマ)(シミゲノール・シミシフゴサイド・ダフリノール・発疹促進作用・解熱・鎮痛・咽喉炎・口内炎・湿疹・あせも・脱肛などの効能)。北海道~九州極東アジア  絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(東京都・香川県)。 要注目種(京都府)。

※参照 当ブログの「ショウマと言う名の植物」の条でも簡略化して再掲載。

 

サワギキョウ(沢桔梗)  キキョウ科  ミゾカクシ属

花8月-9月。 濃紫色。 唇形・花冠は5裂。上唇は2裂・下唇は3裂。総状花序。萼は釣り鐘状。葉は披針形・鋸歯有り。草丈50‐100㎝。多年草。 原産地・東アジア・シベリア・北アメリカ・メキシコ。日本では北海道から九州まで分布。山地の湿原などに自生・群落をつくる。キキョウの名前がついているが、姿形はキキョウに似ていない。全有毒(アルカロイド(ロベリン)(延髄を刺激)・呼吸興奮・嘔吐・下痢・虚脱状態・重篤の場合は痙攣・呼吸麻痺・心臓麻痺・致死)。(かつては麻酔などに使われたが、副作用の方が強く、現在は使用されない)。  花言葉・高貴・悪意。  絶滅危惧Ⅰ類(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・香川県徳島県愛媛県高知県長崎県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県富山県・石川県・福井県鳥取県島根県・福岡県・佐賀県大分県・鹿児島県)。絶滅危惧種(静岡県京都府奈良県大阪府山口県熊本県)。

 

サワヒヨドリ(沢鵯)  キク科  ヒヨドリバナ

花8月-10月。暗紅紫色~淡紅色。一個の筒状花は5㎜・花柱(雌蕊)は二つに分かれて糸状・花冠は5裂・この筒状花が5個集まって一つの総苞片(咢)に包まれる。この総苞片に包まれた筒状花の集合体が散房花序で頭頂に広がる。葉に葉柄が無い。草丈30-80㎝。 同科同属のフジバカマと姿形がそっくりである。旅する蝶・アサギマダラがフジバカマと同様に吸蜜に訪れる花である。日当たりの良い湿地を好む。日本全国・アジアに分布。生薬(生薬名・山蘭(さんらん)・解毒・鎮咳・去痰・降圧)、漢方薬(漢方薬名・辛苦香淡湯・芳香化濁湯)。 絶滅危惧I類(神奈川県・沖縄県)

サワヒヨドリの仲間では下記の1種類が絶滅危惧種に指定されている。

ハマサワヒヨドリ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)  絶滅危惧I類(神奈川県・千葉県)

 

サンタンカ(イクソラ)(サンダンカ)  アカネ科  サンタンカ属

花5-10月。 紅色。園芸品種では白・赤・ピンク・オレンジ・黄。 花冠4裂・筒状花・裂片は平開。花筒の長さ2-3㎝・集散花序。葉は倒卵状楕円形・葉先は丸い・葉身5―13㎝・葉幅2-6㎝・無毛・節毎に托葉がある。沖縄の三大名花の一つである(サンタンカ・デイゴ・オオゴチョウ)。江戸時代に琉球から渡来。中国南部からマレーシアが原産。 花言葉・喜び・可憐・謹厳・熱き思い・神様の贈り物。生薬。高血圧・月経不順・打撲・胃痛に効くと言われている。

 

シオン(紫苑)(オニノシコグサ)(ジユウゴヤソウ)(オモイグサ) キク科 シオン属

花8 - 10月。 淡紫色。 筒状花は黄色・舌状花は一周一重の薄紫色。花は茎先に咲く頭花・花径3-3.5㎝。茎は上部で枝分かれする。葉は披針形や長楕円形・葉身2-18㎝・葉幅1-5㎝・鋸歯有り・草丈1.5-2m。 湿った草原・道端・川岸などに生育。中国北部・朝鮮半島・シベリアなどが原産と言われている。日本では中国地方や九州に分布。精油(ラチノフィロール・ラテノフィノールエステル)。生薬。生薬名は紫苑(トリペルテンアスターサポニン・フレデリン・シオノン・鎮咳去痰作用・溶血作用)。 花言葉・追憶。 絶滅危惧Ⅰ類(大分県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(熊本県)。 情報不足(広島県・鹿児島県)

キク科のシオンの仲間で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の3種がある。

ウラギク  環境省カテゴリ絶滅危惧(NT)。 絶滅危惧1類(東京都・神奈川県・兵庫県鳥取県・福岡県・熊本県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県・千葉県・静岡県三重県和歌山県香川県愛媛県高知県大分県・鹿児島県)。絶滅危惧種(大阪府徳島県岡山県広島県山口県佐賀県長崎県)。その他独自のカテゴリ(愛知県)。

ヒゴシオン 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(大分県熊本県)。

ヒメシオン 絶滅(大阪府高知県・鹿児島県)。 絶滅危惧Ⅰ類(山形県群馬県・千葉県・東京都・神奈川県・三重県奈良県京都府兵庫県香川県佐賀県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県・埼玉県・愛知県・山口県)。絶滅危惧種(秋田県・栃木県・長崎県)。情報不足(徳島県)。その他重要種(滋賀県)。

 

シマススキ(縞芒/縞薄)  イネ科  ススキ属

花9月-10月。花はいわゆるススキの穂・秋に穂を風に戦(そよ)がせる。ススキの葉に縦縞の白い斑が入っている品種。斑入りでも葉は日焼けしにくい。葉幅はススキよりもやや細いが、葉の縁に白い縁取りが有るのでススキよりもより葉身が細目に見え、繊細な感じがする。

 

ジャコウソウ シソ科 ジャコウソウ属 

花8月-9月。 薄赤紫。唇形花・長筒形。上部の葉腋毎に花柄を出し、1-3個の花を着ける。花柄は短い。花は横向き或いはやや斜め下を向いて咲く。花冠は5裂・上唇は2裂で短く、下唇は3裂で中央が大きい。葉は狭倒卵形から広倒披針形・葉先は尖る・葉身10-20㎝・葉に毛がある・対生。茎は四角形・直立するか斜行する。草丈60‐100㎝。山地の木陰や谷間の湿った土地に生育。日本固有種。 絶滅危惧1類(徳島県山口県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・愛知県・奈良県)。絶滅危惧種(神奈川県・京都府和歌山県鳥取県広島県愛媛県熊本県)。情報不足(大分県長崎県)。

シソ科の何々ジャコウソウと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の3種がある。

アシタカジャコウソウ 絶滅(神奈川県)。 絶滅危惧1類(愛知県・徳島県愛媛県)。 情報不足(東京都)。 要注目種(静岡県)。

イブキジャコウソウ 絶滅危惧Ⅰ類(愛知県・三重県広島県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県・石川県・京都府佐賀県)。 絶滅危惧種(新潟県茨城県滋賀県)。情報不足(愛媛県)。

タニジャコウソウ  環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅(兵庫県)。 絶滅危惧1類(東京都・愛知県・京都府大阪府)。 絶滅危惧Ⅱ類(三重県奈良県和歌山県大分県長崎県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(徳島県愛媛県熊本県・宮崎県)

 

シュウカイドウ(秋海棠)(瓔珞草(ようらくそう)) 

            シュウカイドウ科 シュウカイドウ属

花7月-10月。 白・ピンク。  花は左右の横に小さく開いているのが花弁、上下に大きく開いているのが咢。雌雄異花。雄花には真ん中に黄色い雄蕊が有る。雌花は雄花の下辺りで弁を閉じ加減でうつむいて咲く。葉は心形(ハート形)だが、左右対称のハート形では無く、中心線が偏っている偏心形。茎は赤い・草丈40-80㎝。球根多年草。 湿り気のある林の中などに自生。原産地・中国。季語は秋。全有毒 (シュウ酸カルシウム・ベコニン・嘔吐・下痢・激しい腹痛・痙攣)。 ペット有毒。 花言葉・自然を愛す・恋の悩み・片思い・未熟。

シユウカイドウ科の何々シュウカイドウと言う名で、絶滅に瀕している種は下記の2種がある。

コウトウシュウカイドウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧(沖縄県)

マルヤマシュウカイドウ 環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。

 

シュウメイギク(秋明菊)(キブネギク(貴船菊))  

            キンポウゲ科 イチリンソウ属(アネモネ属)

花8月-11月。 赤紫・白・ピンク。 花弁に見えるのは咢片・花弁は退化して無い。「キク」と名前が付いているが、菊では無く、キンポウゲ科の花である。花径5-8㎝。下部の葉は掌状形・浅く不規則に3裂・鋸歯有り。茎葉は輪生する。分枝を繰り返し、茎頂で花を咲かせる。多年草。草丈30-150㎝。木陰や湿った土地を好む。帰化植物・原産地・中国。全有毒(プロトアネモニン・皮膚炎・下痢・嘔吐・胃腸障害)。花言葉・薄れゆく愛・淡い思い・多感な時・忍耐。

 

ジュズダマ(数珠玉)  イネ科  ジュズダマ

花7月-10月。花は雄花と雌花は同株ながら咲く場所が違う。雄花は雄花のみの花序を成し、雌花は数珠玉の中にあって数珠玉の外に花柱を出している。数珠玉の正体は雌花を守るためにガチンガチンにガードを固め、堅くなった苞葉鞘である・散房花序・草丈80-150㎝・葉は長披針形・葉身30-60㎝。生薬(生薬名・川穀(せんこく))(トリテルペン・アルカロイド・利尿・消炎・鎮痛・排膿薬・関節リウマチ・肩こり・鎮咳・駆虫)。食用可。本州から沖縄に生育。水辺や畑などを好む。群生する。熱帯アジア原産。

 

ショウマと言う名の植物

何々ショウマと名前の付く植物が幾つもある。ショウマ(升麻)とはサラシナショウマの根茎から作る漢方薬名の事を言う。升麻には解熱や解毒の効果があるとされているが、それとは別に、花や葉の形、或いは根の形がサラシナショウマに似ているので薬効に関係なく何々升麻と名付けたものもある。大雑把に言って、細かな花が茎先に付いて穂の様になり、雄蕊の花糸や細い花弁などが目立ってブラシの様に見えるものが多い。総状花序 or 穂状花序 or 円錐花序などの花序を成す。葉は3出複葉になるケースが多いが、そうでは無いものもあり、色々ある。サラシナショウマが属しているキンポウゲ科はもとより、ユキノシタ科、バラ科アジサイ科、メギ科等も有る。それらを以下に紹介する。(既出のものと重複するものもある)

 

ショウマ① アカミノルイヨウショウマ(赤実の類葉升麻) 

                                                       キンポウゲ科  ルウヨウショウマ属

花5月―6月。白。2-3回3出複葉。散形花序・果実は赤・極東亜寒帯・北海道~九州分布。    情報不足(青森県福島県)。

 

ショウマ② アポイヤマブキショウマ     バラ科 ヤマブキショウマ

花6月-7月。白。有花茎上部に幾つも総状花序を出す。(アポイは北海道の山の名前)。   環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)絶滅危惧種(北海道)。

 

ショウマ③ アワモリショウマ (アワモリソウ) ユキノシタ科 チダケサシ属

花5月-6月。白 or ピンク。円錐花序。この花を改良した園芸品種がアスチルベの名で販売されている。(アスチルべは学名)。 絶滅危惧Ⅰ類(熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(香川県)。絶滅危惧種(大分県)。情報不足(滋賀県)。

 

ショウマ④ イヌショウマ キンポウゲ科 サラシナショウマ属 

花8月-9月。白いブラシ状の穂状花序・花柄無し・根出葉は1~2回3出複葉・草丈60-100cm。林床の湿った場所に生育。薬効無し。絶滅危惧Ⅱ類(群馬県)。絶滅危惧種(京都府)。

 

ショウマ⑤ オオバショウマ キンポウゲ科 サラシナショウマ

花8月-9月。白いブラシ状の穂状花序・花柄無し・根出葉は1回3出複葉・草丈60-90㎝・林床に生息。日本固有種。一部で漢方薬として用いられているようだが、公益法人東京生薬協会ではオオバショウマをイヌショウマ同様に薬用とはみなしていない。 絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・奈良県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県山形県・神奈川県・三重県香川県)。絶滅危惧種(兵庫県・鹿児島県)。地域個体群(新潟県)。  ※参照 ブログ№202にオオバショウマの条で既出。

 

ショウマ⑥ キケンショウマ(鬼瞼升麻) キンポウゲ科 サラシナショウマ

花8月-9月。白。 穂状花序・1回3出複葉・オオバショウマの変種。

絶滅危惧1類(愛知県)。絶滅危惧Ⅱ類(三重県)。絶滅危惧種(石川県)。分布上重要種(滋賀県)。

 

ショウマ⑦ キレンゲショウマ  アジサイ科  キレンゲショウマ属。

花7月-8月。黄色・花弁5枚・釣鐘型・葉腋から集散花序を出してまばらに咲く。葉は円心形で大振りの鋸歯或いは浅裂の掌状葉・対生。草丈80‐120㎝。葉身タテとヨコは共に10-20㎝。多年草。湿気の多い石灰岩の樹林内に生息。

環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(奈良県島根県徳島県愛媛県大分県熊本県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(高知県広島県)。

 

ショウマ⑧  サラシナショウマ(晒菜升麻)(ヤサイショウマ)  

             キンポウゲ科  サラシナショウマ

花8月-10月。白。花穂は白いブラシ状になる。総状花序・花穂の長さ10-30㎝・葉は2- 3回3出複葉・草丈60‐120㎝。水はけのよい落葉樹林下などの草地を好む。北海道・本州・四国と極東アジア分布。漢方薬(根)(生薬名・ショウマ)  絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(東京都・香川県)。要注目種(京都府)。

※参照 当ブログ№202の「サラシナショウマ」の条に詳細記載

 

ショウマ⑨ シコクトリアシショウマ(四国鳥足升麻) 

                ユキノシタ科 チダケサシ属

花6月-7月。白・円錐花序。3回3出複葉。草丈25‐50㎝。四国に分布。

絶滅危惧Ⅱ類(高知県)。

 

シヨウマ⑩ ツクシアカショウマ(筑紫赤升麻) ユキノシタ科 チダケサシ属

花6月-7月。ピンク。ツクシアカショウマには花弁が無い。薄黄緑色の咢片5枚と雄蕊の白い花糸と薄紅色の葯がある。花の色をピンクとしたのは、葯の色によって全体的に薄紅色にみえるからである。総状の花穂を有花茎の上部に幾つもつけ、横に張り出す。円錐花序。生薬にはならない。

環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(大分県)

 

ショウマ⑪ ツシマアカショウマ(対馬赤升麻)  ユキノシタ科  チダケサシ属    絶滅危惧Ⅰ類(長崎県)。

 

ショウマ⑫ テリハアカショウマ(照葉赤升麻)  ユキノシタ

花5月―7月。白、時に淡紅色・花弁さじ状線形・有花茎の上部で総状花序の側枝を幾つも出しながら全体的には円錐花序。上に行くにつれて、側枝の長さは急速に短くなる。3回3出複葉・小葉は楕円or卵形・葉に艶が有る。アカショウマのアカは根の赤から来ている。明るい林床や林縁の草地に生える。草丈40—80。 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

 

ショウマ⑬ トガクシショウマ (トガクシソウ)  メギ科 トガクシソウ属

花5月―6月。 薄紫色。 花弁に見えるのは咢片で6枚・花弁は極めて小さく目立たない。花径2-3㎝。草丈30-50㎝。茎は地面からすっと1本立ちし、途中で茎葉が対生する。根元近くには葉が無い。対生した葉は1回3出複葉である。葉柄は長い。葉身8-12㎝。葉は円形又は卵円形。葉腋より散形花序を出し、3-4輪の花を着ける。標高の高い深山や豪雪地帯の渓流や源流の崖地に生きる。盗掘の被害大。

盗掘して持って帰っても、同じ環境を整えられないので低地で育てるのは無理。手に入れたいという欲に駆られて花の命を奪うのは、ヤンバルクイナを捕(つか)まえて鳥籠に入れて飼おうと言う位に無謀な野心である。それは全ての絶滅危惧種について言える。

環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。 絶滅危惧Ⅰ類(岩手県秋田県宮城県福島県群馬県・長野県)。 絶滅危惧Ⅱ類(青森県山形県新潟県)。情報不足(富山県)。

 

ショウマ⑭ トリアシショウマ(鳥足升麻)  ユキノシタ科  チダケサシ属

絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県)。

 

ショウマ⑮ ヒトツバショウマ(一つ葉升麻) ユキノシタ科 チダケサシ属

花7月。3出複葉にはならず単葉。草丈10‐30㎝。日本固有種・神奈川県と静岡県のみ分布。 絶滅危惧Ⅱ類(静岡県)。

 

ショウマ⑯ ヒメシコクショウマ (ヒメトリアシショウマ)(ヒメアカショウマ)  

                 ユキノシタ科 チダケグサ属   

シコクショウマの変種。 情報不足(愛媛県)。

 

ショウマ⑰ ミカワショウマ(三河升麻) ユキノシタ科 チダケサシ属

花7月-8月。白。円錐花序・2-3回出複葉・葉は心形。日本固有種・愛知県のみ分布。 環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。 絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県・愛知県)。

 

ショウマ⑱ ミヤマヤマブキショウマ(深山山吹升麻)  バラ科

花7月-8月。白。円錐花序・岩手県早池峯山(はやちねさん)標高1917mにのみ生息。早池峰自然環境保全地域に指定。 絶滅危惧Ⅰ類(岩手県)。

 

ショウマ⑲ モミジバショウマ(紅葉升麻)  ユキノシタ科  

花6月-7月。黄緑色。穂状花序・花弁無し・3出複葉・小葉3浅裂掌状・日本固有種・生息地は北海道のみ。環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧種(北海道)。

 

ショウマ⑳ ヤクシマショウマ(屋久島升麻) ユキノシタ科 チダケサシ属

花7月-8月。白。円錐花序・アカショウマの変種・草丈5-50㎝・3回3出複葉・屋久島固有種。屋久島は洋上に聳える独立峰で、海岸から2000m迄一気に駆け上る様な標高差がある。黒潮寄せる亜熱帯から山頂の亜寒帯迄の変化に富んだ屋久島の環境下で、ヤクシマショウマは標高400‐1500mの渓谷の沢沿いの岩場などに生きている。生育している環境の違いによって、矮小な草丈から伸び伸びと育っている個体迄ある。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

ショウマ ヤマブキショウマ(山吹升麻) バラ科 ヤマブキショウマ

花6月-8月。  白。花弁5枚・花径2-3㎜・雄蕊20本・花弁より長いので雄蕊が目立つが、サラシナショウマより雄蕊が短いので、ブラシ状程には見えない・有花茎の上部は能く分枝し、それぞれ茎先に花穂を出し、円錐花序となす。雌雄異株。新芽は山菜として食用可。葉は2回3出複葉。小葉は卵状披針形で葉先は鋭く尖って伸びる(尾状)・葉脈は平行・鋸歯有り・葉が山吹の葉に似ているからヤマブキショウマの名前になる。草丈1m。北海道から九州まで分布・亜高山から高山帯の草原や岩場などに生育。

絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・三重県奈良県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・福岡県・鹿児島県)。絶滅危惧種(京都府)。

 

ショウマ ルイヨウショウマ  キンポウゲ科 ルイヨウショウマ属

花5月-6月。 白。 花弁4枚・花弁の長さ2-3㎜・雄蕊は花弁より長い。総状花序。葉は2-3出複葉・小葉は卵形または狭卵形・葉先は尖る。鋸歯あり。果実は黒。ヨウシュヤマゴボウの果実と激似。草丈40-70㎝。毒性有り。中国・朝鮮半島・ロシア・日本に分布。

絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県・愛知県・京都府香川県)。絶滅危惧Ⅱ類(三重県奈良県和歌山県兵庫県高知県山口県大分県)。絶滅危惧種(埼玉県・滋賀県岡山県)。要注目(福井県)。

 

ショウマ レンゲショウマ キンポウゲ科  レンゲショウマ属

花7月-8月。淡紅紫色・白。 外花被片(咢片)は長さ1.5‐2㎝・内花被片(花弁)は1.2㎝。外花被片は水平に平開し、内花被片は内側に纏まってカップ咲き。内花被片の上縁は紫色になる。花弁の形は蓮の花に似る。花径4㎝・円錐花序でまばらに咲く。葉はサラシナショウマに似る。根生葉は2-4回出複葉・草丈1-1.5m。深山の樹影の濃い湿った土地に生育。多年草・1属1種・日本固有種・東北地方南部から近畿地方に分布。有毒説有り。  絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県・岐阜県・愛知県・奈良県徳島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(岩手県茨城県群馬県)。 絶滅危惧種(宮城県福島県・埼玉県・群馬県)。要注目(静岡県)。

 

ジョウロウホトトギス  ユリ科  ホトトギス

花9月-10月。 黄。 外花被片3枚・内花被片3枚・釣鐘形・花被片の基部それぞれに距が有る。花弁の外側は黄色・内側は黄褐色の斑点が多数・花長4㎝・葉腋毎に花柄を1つ伸ばして蕾を付ける。蕾の時は上向きだが開花すると下向きになる。葉は披針形・葉先は尖る。葉脈は縦の筋・基部は茎を抱く・互生・草丈40-80㎝・多年草・ 生育場所・山地の崖など。分布高知県固有種。紀伊・相模・駿河の地域にも生息。 花言葉・あなたの声が聞きたくて。 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類。絶滅危惧1類(高知県)。

ユリ科の何々ジョウロウソウと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の3種がある。

キイジョウロウホトトギス 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(三重県)絶滅危惧Ⅱ類(奈良県和歌山県)。

サガミジョウロウホトトギス 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(神奈川県)。

スルガジョウロウホトトギス 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(山梨県静岡県)。

 

シロバナセイヨウフジバカマ(コノクリニウム) (旧名ユーパトリウム)  

                 キク科  ヒヨドリバナ属 

花8月-10月。 白。花は雄蕊が多数で目立つ・殆ど毛(花糸)で覆われている様な花である。散房花序。葉は卵形・対生。草丈20‐100㎝。多年草・日向を好む。原産地・アメリカ中・東部~メキシコ・西インド諸島

  

シロバナジャコウソウ シソ科 ジヤコウソウ属 

花8月-10月。白。 唇形・上唇はごく浅い裂・下唇は3裂し、中央がやや大きい・花冠の長さ4—4.5㎝・上部の葉腋から短い花柄を2-3本出して花を咲かせる。花は横向きに咲く。萼は緑。葉は卵形・葉先は尾状に尖る。葉身10-29㎝・鋸歯有り・茎は4稜・草丈60‐100㎝・多年草。山地の谷間・湿った場所。日本在来種・北海道・本州・四国・九州に分布。

 

ジンジソウ(人字草)  ユキノシタ科  ユキノシタ

花9月-10月。 白。 花弁5枚・花は花茎に横向きに咲く。花茎の高さ10-35㎝。上の花弁3つは極端に小さくスペード形で3㎜・下の花弁は1.5‐2.5㎝。上の3つの花弁には黄色い斑点がある。雄蕊は10・葯は橙色。集散花序。根生葉は掌状7-10裂・中裂。葉柄5-20㎝・葉身2-17㎝・葉幅3-19㎝・鋸歯有り。  絶滅危惧Ⅰ類(神奈川県・香川県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・埼玉県・東京都)。絶滅危惧種(群馬県山梨県・長野県・京都府)。

ユキノシタ科の何々ジンジソウと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の1種がある。

ツルジンジソウ  絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

 

スイフヨウ(酔芙蓉)  アオイ科  フヨウ属

花7-10月。開花時は白、次第に赤味を帯び、夕方にはかなり濃いピンクになり、落花する。一日花・一重咲き・八重咲・花径10-15㎝。有花茎に総状花序で花を咲かせる。フヨウの園芸品種・落葉広葉樹低木・樹高1-4m・葉は掌状。 日当たりのよい所が好き。関東以南で栽培・原産地中国。花言葉・心変わり・繊細な美・しとやかな恋人。

 

スイレン(睡蓮)(ヒツジグサ)  スイレン科  スイレン

スイレンスイレン属の総称。スイレン属は熱帯睡蓮と温帯睡蓮に大別される。日本で普通に見られるスイレンは温帯睡蓮である。熱帯睡蓮は温室で育てられている。睡蓮の花は、従ってスイレンという固有名詞を持つ一つの種の話では無く、スイレンと言う普通名詞の話になり、花期など固有の成長状態を述べるのには難がある。そこで大雑把に共通項を挙げる。

水生植物・開花は夏が主である。品種によっては春~秋にかけて、それぞれの適期に花を咲かせる。根は水底にある。根は蓮根の様に食用はならない。葉は水中より中空の茎を伸ばし水面に葉を浮かばせる。花も同様にして水面に浮かぶか、水面より少し出て咲く。葉は心形又は矢尻形・心形はハート形では無く、基部が鋭く切れ込んでいる、言わばパックマン型。花の色は白・ピンク・紫・黄・青。草丈は水深に従う。

 

ススキ(芒)(薄)(尾花)  イネ科  ススキ属

平均開花日・函館8月15日・東京9月13日・大坂9月8日・鹿児島10月6日。

夏~秋にかけて20-30㎝の花穂(かすい)をつける。花穂は赤っぽいが、白い毛が生えているので全体的には白く見える・小穂(しょうすい)は5―7㎜・散房花序。第2小花の護穎(ごえい)に芒(のぎ)がある。芒の長さ8-15㎜。 「オギにノギ無し、ススキにノギあり」。葉は線形・葉身30-50cm。幅25-30㎜。根元から出る葉は無く、全ての葉は茎から出る。花言葉・活力・生命力・精力・憂い・心が通じる・悔いのない青春・隠退。

イネ科のススキ属で絶滅に瀕している種は下記の12種が有る。

イトススキ ・ オオアブラススキ ・ オニコメススキ ・ コメススキ ・ ダンチアブラススキ ・ チシマカニツリ ・ トキラススキ ・ ヒゲナガコメススキ ・ ヒメアブラススキ ・ ヒロハノコメススキ ・ ミヤマアブラススキ ・ リュウキュウヒメアブラススキ

上記の内、代表的なものをピックアップする。

オオアブラススキ 絶滅危惧Ⅱ類(京都府奈良県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(千葉県・岐阜県)。

チシマカニツリ 絶滅危惧1類(秋田県高知県)。 絶滅危惧Ⅱ類(大分県)。 準絶滅危惧種(栃木県・滋賀県徳島県)。 情報不足(富山県愛媛県)。

トキワススキ 絶滅危惧1類(徳島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(福井県高知県沖縄県)。 要注目種(京都府)。

ヒゲナガコメススキ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。 絶滅危惧1類(山梨県・長野県)。 情報不足(富山県)。

ヒメアブラススキ 絶滅危惧1類(群馬県)。 絶滅危惧Ⅱ類(京都府)。 準絶滅危惧種(栃木県・埼玉県・奈良県)。 情報不足(茨城県・東京都・滋賀県)。

※ 小穂・芒・護穎についてはブログ№202茶花総覧(7) 秋(あ行~か行)のカルカヤの条を参照。

 

セキチク(石竹)(唐撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

※参照 ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のセキチクの条で既出 

ブログ№199のセキチクの状では花の様子などを紹介、生薬の内容やペット有毒についても触れている。

 

センダイソウ(仙台草)  ユキノシタ科  ユキノシタ

花 9月-10月。 白。雄蕊の葯は橙色。花弁5枚・上側の花弁は3枚で小さい・下側の花弁は2枚で長い。花弁の形は線形。散房花序。葉は卵円形・浅く7~11に裂ける・葉柄3-12㎝・葉は茎の上部に着く・葉に厚味と光沢有り。草丈3-20cm。渓谷沿いの常に水が滴る様な岩や崖に生育。センダイの名の由来の東北の仙台には生息せず。なお、園芸品種がかなり作出されている。自生種は紀伊半島・四国・九州に分布。

環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。 絶滅危惧Ⅰ類(三重県奈良県和歌山県・福岡県・大分県長崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛媛県熊本県)。 絶滅危惧種(高知県)。

ユキノシタ科の何々センタイソウと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の1種がある。

モミジバセンダイソウ  絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(徳島県)。

 

センダングサ (栴檀草) キク科 センダングサ

花9月-10月。 黄。花は筒状花と舌状花から成る。舌状花の数は0-5個で、ほとんどが筒状花で成っている。舌状花は中心部の筒状花を1周取り囲むほどの数が無くまばらである。葉は1-2回羽状複葉・小葉は卵形・葉先は尖る・葉身9-15㎝・葉は茎の下部で対生・上部で互生・鋸歯有り。種子は線形で9-19㎜・種子の先端に棘が3-4本(冠毛が変化した棘)ある。(アメリセンダングサの場合は棘が2本)。草丈30-150㎝。茎の断面は四角・茎に縮れた毛がある。1年草・やや湿り気のある草原や道端・河原などに生育。センダングサの種は、秋の草原に入ると必ずと言っていい程衣服にくっ付いてくる細長い種である。通称引っ付き虫の一つ。本州から九州に分布。 花言葉・不器用・忍耐。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

キク科の何々センダングサと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の1種がある。

ホソバノセンダングサ  情報部足(熊本県)。

  

センニンソウ(仙人草)(ウシクワズ)(ウマノハオトシ)(ウマノハコボレ) 

                キンポウゲ科  センニンソウ 

花8月-9月。 白。 花弁に見える咢片は4枚・十字形・花弁無し・上を向いて全開する・雄蕊多数・雌蕊多数・花径2-3㎝・円錐花序。 葉は羽状複葉・小葉は3-7枚・小葉は卵形・鋸歯無し・無毛。葉柄は曲がりくねって他のものに絡みつく。茎は分岐する・対生・蔓性多年草・生育場所は北海道から九州にかけての日当たりのよい里山。中国・朝鮮半島・台湾・日本に分布。 民間伝承薬(扁桃腺炎・鎮痛・葉をすり潰して手首に塗布も、5分以上は厳禁・塗布部に水疱が生じ難治性の皮膚炎を起こす。便所の蛆虫退治用)。全有毒(プロトアネモニンサポニン・ヘデラゲニン・皮膚炎・胃や腸の炎症・血便)別名ウシクワズはウマや牛が絶対食べない草と言う意味・魚毒(葉を潰して汁を川に流し、魚を麻痺させて獲る漁法)。花言葉・安全・無事・あふれるばかりの善意。

キンポウゲ科の何々センニンソウと言う名で、絶滅に瀕している種は下記の 5種がある。

キイセンニンソウ  絶滅危惧Ⅰ類(三重県熊本県)。 絶滅危惧Ⅱ類(奈良県)。 絶滅危惧種(和歌山県)。

フジセンニンソウ  絶滅危惧Ⅰ類(東京都)。 絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県・愛知県・熊本県)。 絶滅危惧種(岡山県・鹿児島県)。 情報不足(高知県・福岡県)。

ムニンセンニンソウ  環境省カテゴリ絶滅危惧(VU)。

ヤエヤマセンニンソウ  絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

ヤンバルセンニンソウ  絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。 分布特性上重要な種 (鹿児島県)。 

 

センノウ(仙翁)  ナデシコ科  センノウ属

※参照 ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のセンノウの条で既出。 

ブログ№199では、センノウと言うのは、何々センノウと言う植物の総称である、と説明し、そこでエゾセンノウ・エンビセンノウ・オグラセンノウ・フシグロセンノウ・マツモトセンノウの5種が、絶滅の危惧種に指定されていると紹介している。

 

センブリ(千振)(当薬)(イシャダオシ(医者倒し)     リンドウ科 センブリ属

花8月-11月。 白。 長卵形の花弁5枚・花弁に薄紫色の筋が5本入っている。花弁の内側基部に薄黄緑色の蜜腺溝が有り、毛が生えている。花径2-3㎝。上部の葉腋から花柄を出して花を着ける。緑色の咢片5枚・咢片の長さ5―11㎜・円錐花序。茎は紫色を帯びる。根生葉は倒披針形・茎葉は線形・葉身1-3㎝・全縁・対生・草丈5-20㎝・発芽1年目はまだ花を着けず、2年目に茎を1~数本を立ち上げる・2年草。全草極めて苦い。センブリの名は千回振り出してもまだ苦い、という意味から。日当たりのよいやや湿った丘陵地などに生育・中国・朝鮮半島・日本に分布。 生薬(生薬名・センブリ)(イリドイド・フラボノイド・スエルチアマリン・トリテルペノイド・アロマスエリン等々・健胃・消化不良・食慾不振などに効能・シラミなどの防虫・表具などの虫よけ)。 花言葉・やすらぎ・弱きものを助ける。

絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・東京都・長崎県)。 絶滅危惧種(岩手県山梨県・長野県・石川県・香川県大分県・宮崎県・鹿児島県)。要注目種(京都府)。

リンドウ科とセンブリ科の何々センブリと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記14 種がある。

ウスバセンブリ  ・  クロセンブリ  ・  ネグロセンブリ  ・  フタオセンブリ  ・  ヤマトセンブリ  ・  イヌセンブリ  ・  シマセンブリ  ・  ソナレセンブリ  ・  タカネセンブリ      ・  チシマセンブリ  ・  ハッポウタカネセンブリ  ・  ハマセンブリ  ・  ヒメセンブリ      ・  ムラサキセンブリ。

この中から代表的なものをピックアップする。

イヌセンブリ   環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅(埼玉県・東京都・長野県・福井県)。 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県群馬県・千葉県・神奈川県・岐阜県・石川県・鳥取県島根県香川県徳島県愛媛県・福岡県・佐賀県長崎県熊本県宮城県)。 絶滅危惧Ⅱ類(岩手県福島県茨城県・栃木県・新潟県富山県滋賀県京都府三重県奈良県大阪府和歌山県高知県山口県大分県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(宮城県静岡県・愛知県・兵庫県岡山県広島県)。

ヒメセンブリ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。 絶滅危惧Ⅰ類(長野県・山梨県静岡県)。 

ムラサキセンブリ 環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。  絶滅(埼玉県・奈良県)。絶滅危惧Ⅰ類(青森県岩手県宮城県福島県・栃木県・群馬県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県福井県大阪府岡山県島根県香川県愛媛県高知県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県・静岡県・愛知県・和歌山県兵庫県広島県・福岡県・佐賀県大分県熊本県・宮崎県)。 絶滅危惧種(山口県・鹿児島県)。情報不足(茨城県)。

 

ソバナ(蕎麦菜)(岨菜)(杣菜)  キキョウ科 ツリガネニンジン

花8月-9月。青紫。花の形は釣鐘状・花冠5裂・有花茎に総状花序で花をまばらにつけてぶら下がる。雌蕊は花冠と同等かそれより長く突出する。葉腋から枝分かれして花茎を伸ばす。葉は卵形で葉先は窄(すぼ)まる。葉は互生・茎は直立・草丈40-100㎝。山地の草原や沢沿いの傾斜地を好む。本州以南から朝鮮・中国に分布。食用可。花言葉・清らかな愛。  絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・山口県・福岡県・佐賀県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛媛県高知県)。 絶滅危惧種(東京都・愛知県・三重県奈良県京都府大分県・宮崎県)。

 

ダイヤモンドリリー(ネリネ)  ヒガンバナ科  ヒガンバナ

※参照 ブログ№204茶花総覧(9)秋(な行~は行)のネリネの条で記載予定。

 

タカノハススキ(鷹羽芒)  イネ科  ススキ属

花8t月-9月。 黄色。 栽培品種。ススキの葉に黄色い縞々模様の斑が入っている。この斑の模様が、鷹の羽に似ている事から、タカノハススキと言う名前になる。土の栄養状態によっては、斑が消えることもある。→ヤハズススキは自生種 → 当ブログのススキ参照。

 

タデ(蓼)  タデ科  イヌタデ

「タデ」はタデ科イヌタデ属の総称である。が、狭い意味では、料理などの香辛料として使われるヤナギダデを指す。

今迄イヌタデ「サクラタデ」「ヤナギタデ」 について触れている。そこでの説明を要約すると次の様に紹介している。

イヌタデはブログ№202  茶花総覧(7)秋(あ行~か行)のイヌタデ(アカマンマ)の条で、

花期4—11月。花色は紅紫・白。総状花序・葉は披針形・草丈20-40㎝。日本全国に生育。

サクラタデは当ブログ(ブログ№202)内のサクラタデで、

 花期8-10月。花色は淡紅色。総状花序・葉は披針形・草丈30-100㎝・絶滅危惧種この外に何々サクラタデと言う絶滅危惧種4種オオサクラタデ ・ シロバナサクラタデ ・ ダイトウサクラタデ ・ リュウキュウサクラタデの名を挙げている。

ヤナギタデはブログ№201茶花総覧(6)夏(ま行~わ行)内のヤナギタデの条で、

花期7月-10月。花色は淡緑色・淡紅色。穂状花序・葉は披針形・草丈40-80㎝。水辺が好き。全草に辛味有り・生薬と記載。

タデ科イヌタデ属の仲間には60種あるが、上記以外は割愛する。

 

タマアジサイ(玉紫陽花)  アジサイ科  アジサイ

花8月-9月。薄紫色。タマアジサイが普通のガクアジサイや手毬咲アジサイと違う所は、蕾の状態の時である。タマアジサイの蕾は、芍薬や牡丹の蕾に似ている。花序全体が苞に包まれてしっかりとした球形になっている。蕾の直径は1.5㎝・茎頭に丸い蕾を頂き、開花の時は全体を包んでいた苞が取れて、中から中性花と装飾花が現れて来る。セミの脱皮のようだ。開花した花序の直径は10-15㎝・開き切ると、ガクアジサイそっくりになる。花期は平地だと冒頭に表示した月より1-2ヵ月早い開花になる。葉は楕円形で葉先が尖り対生・落葉広葉樹低木。 花言葉・華やかさ・あなたは冷たい・美しい女性。  絶滅危惧Ⅱ類(新潟県)。 絶滅危惧種(宮城県・石川県)。

アジサイアジサイ属で何々タマアジサイという絶滅に瀕している種は上記の外に下記1種がある。

トカラタマアジサイ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA(CR)。 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

 

タマガワホトトギス(玉川杜鵑)  ユリ科  ホトトギス

花7-9月。 黄。 花弁6枚の内、萼片の変化した外花被片が3枚・内花被片3枚で構成されている。外花被片の基部に袋状に曲がった部位が有る。花はラッパ形で上を向いて咲く。花弁の内側に無数の紫褐色の斑点がある。雄蕊は6個・雄蕊は互いに寄り添う様に立ち、上部で反り返る。雌蕊の花柱は先端で3つに割れる。茎の上部の葉腋から散房花序を出して咲く・葉は広楕円形・葉身8-18㎝・葉の基部は茎を抱いて心例になる。草丈30-100㎝・ 山地や渓谷の湿り気の多い土地に自生。 タマガワは京都の山吹(黄色)の名所・玉川のイメージから付けられた名前(not 多摩川)。 花言葉・心の貴さ。  絶滅(佐賀県)。 絶滅危惧Ⅰ類(茨城県徳島県・福岡県・宮崎県・鹿児島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(東京都・愛知県・三重県兵庫県鳥取県熊本県)。 絶滅危惧種(埼玉県・滋賀県大分県)。 情報不足(岡山県)。 要注目種(京都府)。

 

タマスダレ(レインリリー)(ゼフィランサス)  ヒガンバナ科(ユリ科)  タマスダレ

※参照 ブログ№200茶花総覧(5) 夏(た行~は行)のタマスダレの条で既出。

そこでは、花期は7月-9月で花は白色の球根植物。全有毒である事を説明している。

 

タムラソウ(田村草)  キク科  タムラソウ属

※参照 ブログ№200茶花総覧(5) 夏(た行~は行)でタムラソウの条で既出。

タムラソウについては、ブログ№200のタムラソウの条と、それに関連して、同№200のナツノタムラソウの条でその仲間たちを取り上げている。ここでは敢えて同じ種を秋編でも記載。内容は既出文より簡略化。

花期は8月-10月に紅紫のアザミに似た花を咲かせる。葉は長卵状で深裂し、羽状複葉の様に見える。深裂した葉の各裂片は全縁(鋸歯無し)でトゲトゲしない。草丈30-140㎝。日本の本州から九州・朝鮮半島に分布。山地の草原などを好む。

絶滅危惧1類(東京都・徳島県高知県山口県佐賀県)。絶滅危惧Ⅱ類(和歌山県・鹿児島県)。絶滅危惧種(茨木県・石川県・宮崎県)。情報不足(愛媛県)。

 

ツリガネニンジン(釣鐘人参)(トトキ)(ツリガネソウ) 

             キキョウ科  ツリガネニンジン

花8月-10月。 淡紫色。 花冠は浅く5裂・釣鐘型・裂片は外に向かって反り返る。花は下向きに咲く・花柱は花冠より突き出す。花柱は3裂する。花は有花茎の上部に九輪塔状に段を付けて1個から数個を輪生。茎は直立。葉は輪生。葉の形は変化に富む・楕円形・卵形・披針形。葉身4—8㎝。鋸歯あり。草丈0.4‐1m。草を切ると乳液が出る。 花や若い苗や葉は食用になる。排水が良く日当たりのよい場所の林縁・草地などが生息域。日本・樺太・千島列島に分布。

ツリガネニンジンの同属でモイワシャジンという種が絶滅危惧種に挙げられている。

イワシャジン 絶滅危惧Ⅰ類(青森県岩手県)。情報不足(熊本県)。

 

ツリフネソウ(釣舩草)(吊舟草)(ムラサキツリフネ)  

              ツリフネソウ科  ツリフネソウ属

※参照 ブログ№200茶花総覧(5) 夏(た行~は行)でツリフネソウの条で既出。

前ブログ№200での内容を簡略化して再出。

花期は7月-10月で赤紫色・葉腋から花柄を数本出し、花を吊り下げている。全有毒・ペット有毒。絶滅危惧種同じ属のエンシュウツリフネソウ と ワタラセツリフネソウ絶滅危惧種である、と紹介。

 

ツルギキョウ(蔓桔梗)   キキョウ科  ツルギキョウ

花 9月-10月。白・花の内側の基部は赤紫・内側上部へも赤紫の色が広がる。 釣鐘型・花冠5裂・裂片の先は尖り、外側へ強く反る。花径2㎝。花は葉腋に単生し、下を向いて咲く。葉は卵状心形・つる性植物。山地の林縁に生育する。関東以西・四国九州に分布。  花言葉・清々しい美しさ・優美・希望・酔い語らい。

環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。  絶滅(群馬県)。 絶滅危惧 I 類(栃木県・埼玉県・東京都・千葉県・大阪府奈良県徳島県高知県愛媛県山口県・福岡県・熊本県宮城県)。 絶滅危惧Ⅱ類(茨城県・神奈川県・静岡県和歌山県大分県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(佐賀県長崎県)。 情報不足(富山県)。

 

ツルニンジン(蔓人参)  キキョウ科  ツルニンジン

花8月-10月。全体的に薄黄緑色で花の内側に赤紫の斑点と筋がある。筒状花・花冠5裂・裂けた先端はくるっと強く反り返る。花径4㎝。花身3.5㎝。葉腋から花柄を出して1-2個の花を着ける。咢5枚。葉は楕円形・卵形・披針形・鋸歯無し。薬(生薬名(羊乳(ようにゅう))・サポニン・去痰・咳止め)。有毒(サポニン・溶血性による障害)。 花言葉・感謝・誠実。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

ツルリンドウ(蔓竜胆)  リンドウ科  ツルリンドウ属

花8月-10月。 淡紫色。葉腋に鐘状の花をつける。花の長さ2.5‐3cm。 葉は長卵形で基部は心形・葉柄有り・対生・葉身8㎝。茎は紫色・花冠5裂。明るい林床に生育。北海道・本州・四国・九州。日本固有種。

絶滅危惧Ⅱ類(千葉県)。絶滅危惧種(東京都)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

リンドウ科の何々ツルリンドウ と言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の 3種がある。

ハナヤマツルリンドウ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

ホソバツルリンドウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU) 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県宮城県新潟県群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・山梨県・石川県・岐阜県・愛知県・徳島県愛媛県高知県)。 絶滅危惧Ⅱ類(青森県岩手県福島県静岡県)。 絶滅危惧種(栃木県・長野県・富山県滋賀県)。

ヤクシマツルリンドウ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)

 

ツワブキ(石蕗)(艶蕗) キク科 ツワブキ属 

花10月-1月。黄・白・オレンジ。花は中心が筒状花・その周りを舌状花が一重一周取り囲む。花茎の先端で散房花序を出す。草丈20-50㎝。常緑多年草。水はけがよく緑陰など日陰を好む。海岸沿いの岩の上や崖の上などに自生。食用可・生薬(生薬名・蓮蓬草(れんほうそう))(センキルキン・ヘキセナール・タンニン・打撲・腫物・切り傷・健胃・食あたり・下痢に効能)。本州福島以南から九州島嶼部・中国東南部及び台湾。ぺっト有毒(ピロリジジンアルカロイド)。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

キク科の何々ツワブキ と言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の 2種がある。

カンツワブキ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

リュウキュウツワブキ 環境省カテゴリ絶滅危惧(NT)。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

 

テンナンショウ属  サトイモ科  テンナンショウ属

テンナンショウはテンナンショウ属の総称で、植物1種の固有名詞では無い。テンナンショウの英語名はコブラリリー、その名の通り、蛇のコブラに似た姿をしている。

厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:テンナンショウ類」としてリストアップされている。見た目が如何にも毒草だが、花後の果実を食べて食中毒を起こす人がいる。

特徴  まず紫褐色と白、緑色と白などの縦縞模様の仏炎苞が目に付く。仏炎苞の先端は長く尖り前屈、種によっては蛇の舌のように長く伸びている。その仏炎苞に囲まれて、中に肉穂花序(にくすいかじょ)がある。肉穂花序とは、花が円柱状の花床に花柄を経ず直接びっしり着いているもので、水芭蕉アンスリウムの苞の中に伸びているソーセージの様な姿をしているものである。  葉は鳥足状複葉・鳥足状複葉とは一つ処から小葉が放射状に延びている状態を言う。カエデの5裂or7裂の葉は葉身が繋がっており掌状になるが、鳥足状はそれぞれが独立した小葉になって、輪生する。小葉は長楕円形・長卵形・長披針形など種によって様々。

 

テンナンショウの代表的な種

ウラシマソウ 

※参照 ブログ№199 茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)のウラシマソウの条に既出。そこでは、絶滅危惧I類(愛媛県高知県山口県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県)。絶滅危惧種(埼玉県・山梨県京都府)と紹介。この外にナンゴクウラシマソウ ・ ヒメウラシマソウを挙げている。 

 

ムサシアブミ 

※参照  ブログ№198茶花総覧(3) 春(た行~わ行)のムサシアブミの条で既出。 

絶滅危惧種(岡山県)。危急種(茨城県)。

 

ユキモチソウ  

地面から直に葉柄を一対伸ばし、鳥足状複葉を対生させる。葉柄は茎を巻く。二つに分かれた葉腋の中央から花柄を伸ばし、その先に外側が紫褐色をした仏炎苞を作る。仏炎苞の内側は白・中に在る肉穂花序も白。肉穂花序は乳棒(ものを擦り潰す時に使う道具)の形をしていて真っ白である。これを白いお餅に見立ててユキモチソウと名付けられる。花は葉よりも上に出る。仏炎苞はやや前屈するが、仏炎苞の先端は上へ伸びる。全有毒(シュウ酸カルシュウム 口唇・口内の痺れ・腫れ・腎臓にシュウ酸カルシウム沈着・腎機能障害)。 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅(京都府)。絶滅危惧Ⅰ類(三重県奈良県和歌山県兵庫県)。絶滅危惧Ⅱ類(香川県愛媛県)。絶滅危惧種(徳島県)。 注目種(高知県)。

サトイモ科の何々テンナンショウ と言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の38種がある。いずれも環境省の絶滅レッドデータや都道府県別レッドデータに登録されている。なお、カッコ書き内の地名は発見場所の地名に依る。

アオテンナンショウ ・ アシウテンナンショウ(京都市芦生)) ・ アマギテンナンショウ(天城) ・ アマミテンナンショウ(奄美) ・ イシズチテンナンショウ(石鎚) ・ イナヒロハテンナンショウ(伊那) ・ オオアマミテンナンショウ(大奄美) ・ オオミネテンナンショウ(大峰・紀伊半島山岳地帯) ・ オキナワテンナンショウ(沖縄) ・ オドリコテンナンショウ ・ オモゴウテンナンショウ(愛媛県面河渓(おもごけい)) ・ カミコウチテンナンショウ(上高地) ・ カラフトテンナンショウ(樺太) ・ キリシマテンナンショウ(霧島) ・ シコクテンナンショウ(四国) ・ シコクヒロハテンナンショウ(四国) ・ セッピコテンナンショウ(兵庫県雪彦(せっぴこ)山) ・ タカハシテンナンショウ(岡山県高梁市)) ・ ツクシテンナンショウ(筑紫) ・  ツクシヒトツバテンナンショウ ・ ツルギテンナンショウ(徳島県剣山)) ・ トクノシマテンナンショウ(徳之島) ・ ナギヒロハテンナンショウ(岡山県勝田郡那岐(なぎ)山) ・ ハリノキテンナンショウ ・ ヒガンマムシグサ ・ ヒトツバテンナンショウ ・ ヒトヨシテンナンショウ(人吉) ・ヒュウガヒロハテンナンショウ(日向) ・ ヒロハテンナンショウ ・ ホソバテンナンショウ ・ ホロテンナンショウ ・ マイヅルテンナンショウ(舞鶴) ・ ミクニテンナンショウ(三国上野・武蔵・信濃に分布) ・ ミツバテンナンショウ ・ ミミガタテンナンショウ ・ ムロウテテンナンショウ(奈良県室生山) ・ ヤクシマヒロハテンナンショウ(屋久島) ・ ヤクテンナンショウ ・ヤマグチテンナンショウ(山口県) ・ ヤマトテンナンショウ(奈良県)。

上記の多くのテンナンショウは、採取や栽培目的の採取または売買が禁止されている。

 

テンニンソウ(天人草)  シソ科  テンニンソウ属

花9月-10月。 淡黄色。 唇形花。上唇は2裂・下唇は3裂。雄蕊4本・雌蕊1 ・雄蕊雌蕊共に花冠より長く、花冠の外に伸びて目立つ・茎頂に穂状花序を作る。葉は長楕円形・広披針形・葉身10-15cm・葉幅3-9cm ・ 葉先は長く伸び鋭く尖る(尾状)。鋸歯有り。茎は直立・草丈50-落葉100㎝。樹林の林床や山地の木陰が好き。本州・四国・九州に分布。日本固有種。 絶滅危惧Ⅱ類(千葉県)。絶滅危惧種(北海道)。要注目種(京都府)。

シソ科の何々テンニンソウ と言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の 1種がある。

オオマルバノテンニンソウ  絶滅危惧Ⅱ類(山口県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)

 

 ドクゼリ   セリ科  ドクゼリ属

花6月-9月。複散形花序。葉は2回羽状複葉・小葉の長さは3-8㎝・長楕円形。茎は分枝する。茎の中身は空。草丈60‐100㎝。日本三大毒草の一つ(ドクウツギ・ドクゼリ・トリカブト)。 全猛毒(ポリイン化合物(シクトキシン・ピロールAとB)・嘔吐・下痢・腹痛・目眩・動悸・耳鳴・意識障害・痙攣・呼吸困難)。  

絶滅(東京都・神奈川県・兵庫県・鹿児島県)。 絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・山梨県三重県奈良県鳥取県熊本県)。 絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県富山県・石川県・福井県大阪府)。 絶滅危惧種(京都府佐賀県)。 情報不足(大分県)。 要注目種(静岡県)。

  

トリカブト(鳥兜)(=アコニタム)  キンポウゲ科  トリカブト

トリカブトを学名のアコニタム(Aconitum)と呼ぶ場合が有る。毒草のイメージを少しでも軽減する為にアコニタムと呼んで販売するが、名前を変えても毒性は変わらないから注意が必要である。

花8月-9月。 青紫・稀に白や淡黄色・ピンク。 山野草。湿り気の多い沢筋などに生育。多年草。草丈80‐120㎝。全猛毒(日本三大毒草(ドクウツギ・ドクゼリ・トリカブト)の一つ) (アコニチン・メサコニチン・アコニン・ヒパコニチン・口唇や舌の痺れ・手足の痺れ・嘔吐・腹痛・下痢・不整脈・血圧低下・痙攣・呼吸不全・心室細動・致死)。 経口摂取だけでなく、経皮吸収(皮膚から直接体内に浸透)もある。蜜や花粉にも毒性がある。ニリンソウと間違えてお浸しにして摂取して中毒を起こす事例が毎年のようにある。死亡事故も有り。矢毒に使われていた。 ペット有毒(人に有毒なので、体重の小さいペットではそれ以上にダメージが大きい)。 漢方薬(烏頭(うず)・附子(ぶす)(狂言の演目「附子」はこれから来ている」))。花言葉・復讐・厭世的・騎士道・栄光。

キンポウゲ科トリガブト属で絶滅に瀕している何々トリカブと言う種は下記の通り24種類ある。

アズミトリカブト  ・  イイデトリカブト  ・  イヌハコネトリカブト  ・  イブキトリカブト  ・  イヤリトリカブト  ・  ウゼントリカブト  ・  オオサワトリカブト  ・  ガッサントリカブト  ・  キタダケトリカブト  ・  キヨミトリカブト  ・  コウライブシ  ・  サンチュウトリカブト  ・  シレトコトリカブト  ・  ジョウシュウトリカブト  ・  タカネトリカブト  ・  タンナトリカブト  ・  ダイセツトリカブト  ・  ツクバトリカブト  ・  ヒダカトリカブト ・  ホソバトリカブト  ・  ミヤマトリカブト  ・  ミョウコウトリカブト  ・  ヤマトリカブト  ・  ワガトリカブト

上記24種の内、12種をピックアップする。

イイデトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧1類(山形県)。

イブキトリカブト 絶滅危惧1類(岐阜県奈良県)。絶滅危惧Ⅱ類(兵庫県)。要注目種(京都府)。

イヤリトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧1類(長野県)。

オオサワトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(山梨県静岡県)

ガッサントリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(福島県)絶滅危惧Ⅱ類(山形県)。

キタダケトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(山梨県)。

コウライブシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅(大阪府)。絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県・福岡県・佐賀県・宮崎県)。情報不足(大分県)。

シレトコトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。

タカネトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧1類(長野県)。絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県)。

ダイセツトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。 準絶滅危惧種(北海道)

ミョウコウトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県群馬県・長野県)。情報不足(福島県)、

ワガトリカブト 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(EV)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)情報不足(秋田県)。

 

トロロアオイ(黄蜀葵)(花オクラ)  アオイ科   トロロアオイ

花8月-9月。 淡黄色。 花弁5枚・花弁の内側の基部が濃紫色になっている。横向きに咲く。花径10-20㎝・朝咲いて夜落花する一日花。葉は5-9裂の深裂で掌状・葉身15-30㎝・葉柄は長い。茎に細い棘有。果実はオクラ似。草丈1.5m以上。根を砕き水に漬けて一昼夜置くと粘液(→ネリ)が採れる。このネリが和紙作りの原料になる。又、蕎麦のつなぎ、かまぼこなど添加剤など、広く利用される。食用可。生薬(生薬名(黄蜀葵根(おうしょくきこん)・黄蜀葵花・黄蜀葵子)・鎮咳・緩下・利尿・膀胱炎・水腫・打撲症等々)

センカクトロロアオイ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)

 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様なネット情報や本を参考に致しました。(順不同)

Wikipedia

日本のレッドデータ検索システム

環境省 2022年12月20日絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」の閣議決定について(国内希少野生動植物種の指定等)

一般社団法人 日本種苗協会 種の保存法に基づく規制対象種の指定について

松江の花図鑑

三河の植物観察

かぎけん花図鑑

庭木図鑑 植木ベディア

木のぬくもり・森のぬくもり 樹木図鑑コウヤボウキ

みんなの趣味の園芸

花と緑の図鑑

趣味の花図鑑

四季の山野草図鑑 

四季の山野草

原色植物百科図鑑 集英社

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル: 高等植物

公益法人東京生薬協会 

鹿児島県薬剤師会

和漢薬情報-富山市

日本薬学会 オウレン-生薬の花

神戸薬科大学 | 植物図鑑 | 薬用植物園

東邦大学 薬学部付属薬用用植物園

神戸学院大学薬学部

岡山理科大学 植物雑学事典

大阪医科薬科大学

熊本大学薬学部薬用植物園薬草データベース

日本漢方生薬製剤協会 原料生薬使用量調査報告書(4) 平成5年度および26年度の使用量

厚生労働科学研究成果データベース 名称シコン-他名等ムラサキ-部位等根

和漢医薬学会 生薬の毒性に関する文献的検討

日本植物生理学会 腺の種類と役割について|みんなのひろば

HiroKen花さんぽ 野山に自然に咲く花のアルバム 

人間は考える葦である”で有名な「アシ」|生薬ものしり事典 養命酒

兵庫県人と自然の博物館 植物の多様な性アキギリ属の事例から

公益財団法人 東京都農林水産振興財団

かながわ森林インストラクターの会 フォッサマグナ要素の植物

北方山草会 北海道産植物ノート(1)モミジバショウマ(ユキノシタ科)

(株)宮城県環境保全研究所 №13 ウメモドキ(梅擬)

自然と人間の共生 山形市野草園

林野庁ホームページ 屋久島の植物:九州森林管理局=林野庁

屋久島パーソナルエコツアー 屋久島の花

鹿が食べない植物・食べる植物、山野草(10)&蝶(1)、自然郷  八ヶ岳高原海の口自然郷・・

jplznts.jp エゾマツムシソウ|素人植物図鑑

wij.jp エゾマツムシソウ

tenki.jp 秋風にたなびく「荻(おぎ)」ススキとの違いをご存知ですか?

山形県衛生研究所 165

野生生物研究所 南三陸金華山国定公園 金華山の四季・花マップ

邦産植物ステリン成分の研究(第8報)キチジ・・・

ジュズダマの花の観察-自然観察大学ブログ

あきた森づくり活動サポートセンター 山野の花シリーズ② トガクシショウマ

山と渓谷オンライン トガクシソョマを見て考えたこと-めずらしい植物を守るため自生地に・・

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。お蔭様で茶花総覧の秋の部前半まで書き進める事が出来ました。誠に有難うございました。

 

 

 

202 茶花総覧(7) 秋(あ行~か行)

この茶花総覧は、花の開花を基に四季に分けております。が、自然界の事ですので、竹を割ったように季節が分かれるでもありません。春に咲き始め、立夏を過ぎて梅雨の終わり頃に枯れるものや、又、北と南では、同じ花でも咲く時期が大きく異なって参ります。

一応、目安としては、立春~5月の立夏までを春、立夏~8月の立秋までを夏、立秋~11月の立冬までを秋、立冬~3月の立春までを冬と見て区別をしておりますが、その日付で花が劇的に入れ替わるかと言うと、その様な現象が起きない事は誰でもご存知です。

花の咲き始めから終わるまでの間、より長く咲いている期間がどちらの季節に偏っているかで、分ける季節を判断したり、花よりも実を鑑賞する方が多い場合は、花期重視よりも果実期を優先して区分するとかしています。花も愛でれば実も捨て難いという場合もあり、時には季節を分けて二度出しし、何々参照と表示する事もあります。そういう訳ですので、読者の皆様の季節感とはズレている例も多々あるかと思います。その点、秋の項を借りてごめんなさいと謝りたいと思います。

 

アカネ(茜草)   アカネ科  アカネ属

花8月-10月。 薄黄緑色。 花は5弁・ごく小さい星形。葉は3~7cmの細長い心形狭卵形(きょうらんけい)で先が尖る。葉2枚と托葉2枚が輪生(りんせい)。茎や葉に棘がある。つる植物。日本・東アジア・ヒマラヤなどに分布。薬草(染料)(漢方)(アリザニン・プルプリン・ムンジスチン・赤色染料。止血・解熱・強壮)。花言葉・誹謗・中傷・媚・私を思って。

※ 心形とは、ハートの形をした葉の事。例・フタバアオイ

※ 狭卵形とは、葉の基部の方が膨らんでいて、葉の先の方がすぼまっているのを卵形と言い、その卵形が細長くなった形を言う。

※ 輪生とは、茎の一か所から三枚以上の葉が出て、車輪の様に茎を取り囲んでいる状態の生え方を言う。

 

アキギリ(秋桐)  シソ科  アキギリ属

花8-10月。紅紫色。唇形花(しんけいか)・花や茎ともに毛深い。穂状花序(すいじょうかじょ)・草丈20-50㎝。葉は三角形の鉾型(ほこがた)・対生・本州の中部地方から近畿地方の山地に分布・木陰が好き。 日本固有種。

アキギリの仲間の絶滅危惧種は下記の3種。

キソキバナアキギリ 絶滅危惧種Ⅰ類(長野県)

キバナアキギリ 絶滅危惧種Ⅰ類(京都府・鹿児島県)。 絶滅危惧種(大分県)。

シナノアキギリ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧種Ⅰ類(群馬県)。 絶滅危惧種Ⅱ類(長野県)。

※ 唇形花とは、シソ科に見られる特徴的な形の花を言う。花弁が合着して筒状になり、筒先が割れる。下の裂片3枚は唇を突き出す様になっており、上の裂片2枚はそれに傘を翳(かざ)す様に被さっている。(例:ホトケノザサルビア)。

※ 穂状花序とは、花の軸が長く伸び、花柄が無く、花が直接茎に密着して穂の様に長く連なって咲く花のタイプを言う。例:オオバコ・ミズヒキ・グラジオラス。

 ※ 鉾型とは、鉾先の様な形をした葉の事。

 

アキチョウジ(秋丁字)   シソ科  ヤマハッカ属

花8月-10月。 青紫。 合弁花(ごうべんか)花冠(かかん)の上唇が3裂、下唇が浅く2裂して受け口様。花の長さ1.7~2cm。総状花序(そうじょうかじょ)。葉はシソの葉の幅をやや細くした形。細毛有り。茎の切り口は四角(四稜)。草丈70-100cm。ハーブ。山地の日陰を好む。日本固有種。花言葉・秘めやかな思い。

※ 合弁花とは、花弁が繋がって一枚になった花の事。例:朝顔・桔梗。

※ 花冠とは、花全体の姿を言う。

※ 総状花序とは、花柄のついた花が茎に着き、順次下から上へ咲いて行く様な花の事を言う。

 

秋のアジサイ

秋に咲くアジサイには下記の3種が知られている。いずれも一般的に公園やアジサイ寺などに見られる手毬咲きアジサイと様子が違っており、装飾花が少ないか、或いは装飾花が無い。

 

アジサイ① アマミクサアジサイ(奄美草紫陽花) 

           ユキノシタ科(アジサイ科) クサアジサイ

花9月-10月。 白と淡紅色。 花弁5枚 花径3-5㎜。装飾花は無い・円錐花序(えんすいかじょ)葉は長楕円状披針形・互生。葉身10-18㎝。草丈30-60 ㎝。クサアジサイの原種。奄美大島西表島にのみ生息。 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。 絶滅危惧1類(鹿児島県)。

 円錐花序とは、枝や茎が分枝を繰り返し、円錐状に花が着くような形の咲き方を円錐花序と言う。。例:サルスベリナンテン

 

アジサイ② オオクサアジサイ(大草紫陽花)   

           ユキノシタ科(アジサイ科) クサアジサイ

花9月-10月。 淡紅色。 両性花は淡紅色で花径は5―7㎜・ 装飾花の花弁(咢片)は2枚・ 円錐花序。葉は長楕円状披針形から長卵状楕円形・葉身10-18㎝・葉の先端は尖る。草丈30-60cm。台湾・中国に分布・日本では奄美大島にのみ生息。環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。

 

アジサイ③ クサアジサイ(草紫陽花)  

           ユキノシタ科(アジサイ科)  クサアジサイ

花7月-10月。 白または淡紅色。両性花の花弁は5枚・花径6-7㎜・装飾花は萼片3枚で径7-18㎜・装飾花の数は花序全体で1~4個ぐらいしかつかない。集散花序(しゅうさんかじょ)。葉は披針形or楕円形or時には卵形。互生・葉身10-20㎝・葉幅3-6㎝・鋸歯有り・基部は楔形・葉の先端は尖る。茎は直立・殆ど分枝しない・荒い毛が有る。草丈20-80㎝。やや湿った林床や岩の上に生息。多年草。日本固有種・宮城県以南・新潟県以西から四国・九州に分布。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)。 絶滅危惧種(鹿児島県)。 地域個体群(新潟県)。

 集散花序とは、花軸の頭頂から花が咲き始め、下へ向かって順次開花して行くタイプの花。有限花序の一つ。

 

アキノキリンソウ(秋の麒麟草)(アワダチソウ) キク科  アキノキリンソウ

花8月-11月。 黄。花は中心部に管状花(かんじょうか)(=筒状花(とうじょうか))と、その周囲に舌状花(ぜつじょうか)の集合体。花冠の直径は約13㎜。舌状花は全部で5-7個程度。 舌状花は中心部の管状花を一重で一周 するだけの数が無く、まばらである。総状花序。葉は卵状楕円形(らんじょうだえんけい)披針形(ひしんけい)鋸歯(きょし)有。草原や明るい山地に生える。セイタカアワダチソウと同属である。草丈30-60cm。生薬名(一枝黄花)(タンニン・サポニン・フラボノイド・健胃・利尿作用・頭痛薬・喉の腫れ・腫物など)。 花言葉・予防・用心・警戒。  絶滅危惧IB類(神奈川県)・絶滅危惧Ⅱ類と分布特性上重要(鹿児島県)・絶滅危惧Ⅱ類(VU)(山形県)・重要保護生物(B)(千葉県)・要注目種(N-Ⅱ分布上注目種等)(静岡県)。 

 管状花筒状花とも言い、筒型で花の縁に切れ込みが有る。中に雄蕊と雌蕊が入っている。キク科の植物に見られる。合弁花の一種。

 舌状花とは。合弁花の花の縁の一部が、極端に長くなって舌のように突き出したもので、その基部に雄蕊と雌蕊が包まれている。

※ 卵状楕円形とは、基部の方が幅広で丸みがあり、葉先の方がすぼまった形をしている葉を引き伸ばして、楕円形に近くなっている様な葉の形を言う。

※ 披針形とは、葉の基部の方が幅広くなっているが、基部に近くなると幅が急に狭くなり楔形(くさび)形になって茎に着く。葉先の方は徐々に先細りになって行く。

※ 鋸歯とは、葉の縁が鋸(のこぎり)の歯の様にギザギザしている事を言う。

 

アキノタムラソウ(秋の田村草)  シソ科  アキギリ属 

花7月-11月。 薄紫色。唇形花・花の長さ10-13㎜。花穂は10-25㎝。花は段々になって花軸に着く。段の間隔は疎。花付きはまばら。葉は卵形・根元の方の葉は、3出複葉(さんしゅつふくよう)二回羽状複葉(にかいうじょうふくよう)などがあるが、茎の上方になると単葉になる。茎は角ばっている。茎や花に無数の毛と腺毛(せんもう)がある。草丈20-80㎝。林縁部や草原・道端など何処にでも生える。日本原産・本州から沖縄・朝鮮・中国に分布。  花言葉・善良・素直・穏やか。

絶滅危惧種(宮城県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

シソ科で何々タムラソウと言う名の絶滅危惧種は上記の外に下記の5種がある。

ケブカアキノタムラソウ ・ ツルアキノタムラソウ ・ ハイアキノタムラソウ ・ ホソバアキノタムラソウ ・ ヤマアキノタムラソウ。

※ 花穂(かすい)とは、花の着く軸が長く伸び、花が付いている様子が穂の様に見える花序の事を言う。

※ 3出複葉とは、葉軸の先に小さな葉が3枚付いている葉の事を言う。先端に頭頂葉の小葉1枚と、その左右に小葉2枚、計3枚が1セット。

※ 二回羽状複葉とは、羽状複葉のパターンが2回現れている葉の事。葉柄1つに1枚の葉が付くのが普通のタイプ。葉柄1つに幾つもの同じ形の葉が向き合って付くのが羽状複葉(例:バラの葉)。葉柄そのものが魚の骨の様に羽状に枝分かれして、それぞれの枝分かれした柄に小葉が羽状に付くのが二回羽状複葉と言う。

※ 腺毛とは、植物からの分泌物(液体や芳香成分など)を出す毛。多くは腺毛の先端が膨らんでいる。

 

アケボノソウ(曙草)(キツネノササゲ)  リンドウ科  センブリ属

花9月-10月。 白。合弁花で5深裂・一見5枚の花弁の様に見える・星形。花弁1枚毎の中程に薄黄緑色の丸い斑点が2個ある。斑点は蜜腺体(=蜜腺溝(みつせんこう))である。腺体より外側に濃緑色の大小斑点が10-20個くらいついている。花径2㎝。葉腋から分岐して花柄を出す。集散円錐花序で花を咲かせる。根出葉は長楕円形だが花期には枯れる。茎は四稜(断面は四角形)・茎から出る葉は卵形・披針形。葉身は5―12㎝。林床の湿り気のある土地や湿原周辺の草地を好む。自生地の土壌や自然環境と同じ条件を再現しない限り栽培は難しく、困難を極める。二年草。北海道から九州、又、中国・朝鮮半島に分布。  花言葉・夜明け・静寂。 絶滅危惧1類(埼玉県・東京都)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県)。絶滅危惧種(山形県大分県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

リンドウ科で何々アケボノソウと言う名の絶滅危惧種は上記の外に下記の3種がある。

シマアケボノソウ    環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)

ヒメアケボノソウ        絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

ミヤマアケボノソウ   絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山梨県福井県)。   絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)。 絶滅の恐れがある地域個体群(新潟県)。

※ 蜜腺体(みつせんたい)とは、蜜を分泌する器官。斑点状になっている。

※ 花径(かけい)とは、花の直径の事。

※ 葉腋(ようえき)とは、葉が茎に密着している箇所の上側。股の上。

※ 集散円錐花序(しゅうさんえんすいかじょ)とは、頭頂から花が咲き始め、下へ向かって順次開花して行くタイプの花で、植物全体で円錐状に花が配置される。

※ 根出葉(こんしゅつよう)とは、根生葉(こんせいよう)とも言い、根元から出ている葉である。冬などはロゼット状と言って、地面に寝た様な状態になって冬越しをする。

 

アコニタム(=トリカブト(鳥兜)) キンポウゲ科 トリカブト

※ ブログ№203  茶花総覧(8)  秋(さ行~た行)のトリカブトの条を参照。

 

アサギリソウ(朝霧草)(ハクサンヨモギ)(アルテミシア)  キク科  ヨモギ

花8月-9月。 黄緑色。ハハコグサの様な小さな花を、穂状花序を出して付ける。葉は銀白色の絹の様な毛で覆われている。葉の色は銀白色。2回羽状全裂(葉面が全て裂けているので、残された葉脈周辺が糸状の葉になって葉の役割をしている。葉幅1㎜。茎は叢生(そうせい)。見た目は五葉松の盆栽の様な印象で、霧の中に浮かぶ優しい針葉樹といった風情。観葉植物。生育場所は高山の岩場。生育地は日本・サハリン・南千島。 原産地・ロシア。  花言葉喝采・脚光・慕う心・光。

絶滅(秋田県)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(青森県岩手県・長野県)。絶滅危惧種(富山県・石川県)。絶滅の恐れのある地域個体群(新潟県)。

 

アシ(ヨシ)(葦・芦・蘆・葭)  イネ科 ヨシ属

花8月-10月。暗紫色から黄褐色へ変化。花穂は円錐花序。葉は極長披針形・葉の基部は茎を抱く・葉の縁に極小の剛毛密集。葉で手などを切り易い。茎は中空で堅い。茎・葉とも水を弾(はじ)く。この性質を利用してすだれや屋根材などに使う。湿地や水辺に大群落をつくる。「アシ」が本来の名前。「ヨシ」は「アシ(悪し)」の語感を嫌って言い替えたもの。但し、「アシ」はお足(お金)に通じるからと関西の方では良く使われている。

古事記に「豊芦原千五百秋瑞穂国・・」とある。「豊芦原(とよあしはら)」や「瑞穂国(みずほのくに)」は、昔の日本の国名の美称。

和歌の浦に潮満ち来れば潟を無み 葦辺をさして鶴鳴き渡る   

                      山部赤人 万葉集

 花穂(かすい)とは、穂の様になって咲く花の事。例:シソ・ブッドレア・イネ・ススキ

 円錐花序(えんすいかじょ)とは、枝や茎が分枝を繰り返し、円錐状に花が着くような形の咲き方を円錐花序と言う。。例:サルスベリナンテン

 

イソギク(磯菊)  キク科  キク属

花10-12月。 黄。 管状花・花径5㎜。茎頭に散形花序で多数の花を付ける。草丈30-40㎝。葉は倒披針形又は倒卵形・葉身4—8㎝・葉の幅は1.5-25㎝。葉の先端は浅く山形に切れ込む・鈍頭。葉は白く縁取られている。裏の葉は銀白色・葉に厚みがある。葉は茎に密集。地下茎を伸ばして生育地を広げる。日本固有種・千葉県犬吠埼から静岡県御前崎までと、愛知県渥美半島・伊豆諸島、それと京丹後・山口県島根県に分布。海岸の岩石地や崖に生育。 花言葉・感謝・清楚な美しさ・大切に思う・静かな喜び。  絶滅危惧Ⅰ類(愛知県)。絶滅危惧種(京都府)。情報不足(茨城県)。

 

イタドリ(虎杖) (スカンポ(酸模))(スイバ)(痛取り)  タデ科  ソバカズラ属 

花7月-10月。白・クリーム色・赤味を帯びた白。左記の花の色は実は咢片の色で、花弁は無い。花はロート状で5裂・雌雄異株・茎の先端か葉腋から総状花序を出し、上に向かって並んで立って付く。葉は卵形か倒卵形・葉身6-15㎝・葉幅は7-15㎝・葉先は尖る。葉の基部はシャベルの足掛け部の様に横一文字に葉柄に着く。茎は直立し、後に斜上する。茎は中空・根元近くの茎の直径は2.5㎝を超える。堅くて丈夫で軽いので杖などに利用。茎に茶色の横筋模様があり、それで虎杖(こじょう)とも呼ぶ。草丈20-150㎝。繁殖力旺盛・崩れた土地や開削地にいち早く進出するパイオニア植物である。地下茎が発達して分布を広げ、能く群生する。冬は枯れて休眠する。東アジア原産・日本のイタドリがシーボルトによってヨーロッパに渡る。世界の侵略的外来種ワースト100(INCN2000)に選定されている。生食可・新芽・茎など灰汁(あく)抜きの上、料理多彩。生薬(生薬名・虎杖根(こじょうこん))(根にアントラキノン配糖体(ポリゴニン)・エモジン。エモジンメチルエーテル・葉にはフラボノイド(レイノウトリン)・ビタミンC・リンゴ酸・酒石酸・クエン酸)を含む。緩下薬・利尿・通経)。民間薬(若葉を揉んで擦り傷などの止血に使う・痛み止め)。  花言葉・回復・見かけによらない。 分布特性上重要な種(鹿児島県)

タデ科で何々イタドリと言う名の絶滅危惧種は上記の外に下記の4種がある。

アマミイタドリ    分布特性上重要な種(鹿児島県)。

オオイタドリ     準絶滅危惧種(京都府)。

オオツルイタドリ 絶滅危惧Ⅰ類(愛知県)。絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県)。絶滅危惧種(富山県)。

ハチジヨウイタドリ  準絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

イトススキ(糸芒)  イネ科  ススキ属

花9月-11月。白・銀白色・穂はススキより短い・15㎝・穂の本数も少ない。葉幅0.3‐0.6㎜。葉は線形・葉の縁に剛毛有り。縁に触れると手を切る。葉の基部はさやになっていて、茎を巻く・園芸品種・草丈30-120㎝。 花言葉・活力・生命力。 

絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

 

イトラッキョウ  ネギ科(ユリ科)(ヒガンバナ科)  ネギ属

花10月-11月。 白・赤紫。 外花被片(萼片)3枚・内花被片(花弁)3枚計6枚の花弁。雄蕊6本・雄蕊は花冠を突き出る・花弁の長さ5㎜。花茎の先端に散形花序で5-10輪くらいの花をつける。葉は円柱線形。葉の断面の直径1㎜。草丈10-20cm。山地や川の岩場を生育地としている。可愛らしく美しい山野草なので、栽培目的の根こそぎの盗掘が跡を絶たない、と言う。原産地・九州長崎県平戸。 環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅危惧Ⅱ類(長崎県)。

ネギ科ネギ属の内、何々イトラッキョウと名の付く絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の4種が有る。

キイイトラッキョウ     環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(UV)。絶滅危惧Ⅰ類(三重県奈良県和歌山県山口県熊本県)。絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県・愛知県)。

コシキイトラッキョウ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

ナガトイトラッキョウ 情報不足(山口県)。

ヤクシマイトラッキョウ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧1類(鹿児島県)。

 

イヌサフラン(コルチカム)  イヌサフラン科(ユリ科) イヌサフラン

花9月-10月。 ビンク・紫・白・黄。球根多年草。草丈5-30㎝。原産地・ヨーロッパ中南部北アフリカ。球根のまま放置していても花が咲く。花茎は15㎝。花はクロッカスに似ている。春に20‐30㎝の葉を出す。葉は食用の行者ニンニクに非常によく似ている。全猛毒(アルカロイド(コルヒチン)・嘔吐・下痢・皮膚の知覚減退・呼吸困難・多臓器不全・致死))。行者ニンニク・ギボウシミョウガ・ウルイとよく間違えて誤食し中毒を起こす。ペット有毒(コルヒチン・昏睡・呼吸不全・致死)。 球根一つを齧(かじ)っても危ない。犬・猫・小児・認知症の方への注意を怠らないように。花言葉・私の最良の日は過ぎ去った・危険な美しさ。

 

イヌタデ(犬蓼)(アカマンマ)  タデ科  イヌタデ属 

花4月—11月。紅紫・白。花弁は無い・咢片5裂・花の色としたのは萼片の色である。咢片4裂・花被片の長さ1-2㎜・茎は最初は地を這い、後に真っ直ぐか斜めに立ち上がる。枝分かれが盛ん・枝先に穂状花序を作る。花序の長さ1-5㎝。草丈20-50㎝。葉は披針形・互生・葉と茎の接合部に鞘がある(託葉鞘)・托葉鞘は8㎜・茎の色は赤味を帯びている。日本全国に生育・アジア温帯から熱帯に分布。季語は秋。 花言葉・あなたのために役立ちたい・ただれる。

余談 イヌタに対してヤナギタデというタデ科の植物がある。蓼食う虫も好き好き、と言われるヤナギタデは辛味があり、薬味として利用されている。それに比べてイヌタデは辛味が無く何の役にも立たないので、役立たずという蔑称でイヌと言う名が冠されている。

 

イラクサ(刺草)  イラクサ科  イラクサ属 

花9月-10月。雌雄同株。雌雄共に一本の穂状花序を作り、雄花は緑白色で花穂の下部に、雌花は淡緑色で花穂の上部に付く。茎は四角形で刺毛有り。葉は対生、葉の形は卵型で縁に鋸歯がある。シソの葉に似ている。 茎や葉に一面の刺毛があり、刺毛の基部に有毒物質が入っている嚢がある。全有毒(アセチルコリンヒスタミンセロトニン・皮膚炎・蕁麻疹)。 ペット有毒(皮膚炎・痛み)。  花言葉・悪口・悪意・残酷・和合。  絶滅危惧種(福島県・鹿児島県)

イラクサ科で何々イラクサと言う名の絶滅危惧種は上記の外に下記の6種がある。

エゾイラクサ  準絶滅危惧種(福島県岡山県)。

コバノイラクサ 絶滅危惧Ⅰ類(奈良県徳島県高知県・福岡県)。 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・東京都)。  絶滅危惧種(福島県)。 分布上重要種(滋賀県)。

ナガバイラクサ 絶滅(和歌山県)。 絶滅危惧Ⅱ類(奈良県)。

ホソバイラクサ 絶滅(神奈川県)。 絶滅危惧Ⅰ類(東京都・福井県兵庫県)。 絶滅危惧Ⅱ類(群馬県岡山県)。 絶滅危惧種(大阪府佐賀県)。 要注目種(京都府)。 情報不足(埼玉県)。

ミヤマイラクサ 絶滅危惧1類(神奈川県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛知県)。絶滅危惧種(奈良県)。

ムカゴイラクサ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

イワシャジン(岩沙参)(イワツリガネソウ) キキョウ科  ツリガネニンジン

花9月-10月。 青紫・白。花は釣り鐘型で五裂・裂片の先は反り返っている。花径1.5-2.5㎝。萼は糸状で5本・花は下向き・崖から垂れ下がる様にして花を咲かせる・雌蕊は花の丈より短く花冠内に納まる(ツリガネニンジンの雌蕊は花冠の外に突き出る)。総状花序。葉の形は3態ある。春の芽出しの葉は披針形・芽出しと共に栄養葉と呼ばれる心形の根生葉を展開、その後、細い茎と、長披針形或いは広線形の葉を立ち上げる。茎葉の葉身7-15㎝。草丈30-70㎝。冬は枯れて休眠に入る。多年草。滝しぶきがかかる様な岩場や、霧の立つ様な渓谷・沢沿いの崖などを好んで生息。高山植物。原産地・日本・本州中部と東海の山岳地帯。 

細い茎に頼りなげに咲く青紫(或いは白)の小さい花が涼し気で可愛らしく、茶花として人気の花である。園芸店で盛んに販売され通販にもなっているが、元の生育地の環境を整えて育てるのは容易ではない。園芸店の評価では、育てるのは容易であるというものから、かなり高い難易度を付けている店も有る。 花言葉・誠実・感謝。

絶滅危惧1類(長野県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県・愛知県)。要注目種(静岡県)。

キキョウ科で何々イワシャジンと言う名の絶滅危惧種は上記の外に下記の3種がある。

シライワシャジン  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧1類(長野県)。

ツクシイワシャジン 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA(CR)。絶滅危惧1類(熊本県・宮崎県)。

イワシャジン   絶滅危惧Ⅰ類(青森県岩手県)。

 

ウコンバナ(鬱金花)(クルクマ)(ターメリック) ショウガ科 クルクマ属

花8月-11月。淡黄色・白。穂状花序。草丈40‐100㎝。根から生薬(クルクミン・ターメロン・シオネール等々。胆汁促進・対高脂血症・健胃等)・料理(ウコン・カレー香辛料など)。有毒(肝障害・黄疸・ヘルペス・胆のう炎・消化性潰瘍・胆石・尿路結石)。多量摂取注意。 花言葉・乙女の香り・あなたの姿に酔いしれる・忍耐

 

ウメバチソウ(梅鉢草)(バイカソウ)  ニシキギ科 ウメバチソウ

花8月-10月。 白。 花弁5枚・花径2㎝。1本の花茎に1輪の花を付ける。根生葉は心形・葉柄有り。茎に着く葉は茎を抱く。草丈10-40㎝。亜高山から高山の日当たりの良い湿地に生育。北緯35度以北に分布(ユーラシア大陸北米大陸・アラスカ・シベリア等)。  花言葉・いじらしさ。

絶滅危惧1類(千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県・香川県)。 絶滅危惧Ⅱ類(茨城県福井県京都府大阪府和歌山県愛媛県・福岡県・佐賀県)。 絶滅危惧種(栃木県・奈良県鳥取県徳島県山口県大分県)。 その他重要種(滋賀県)。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ウメバチソウ科で何々ウメバチソウと言う名の絶滅危惧種は上記の外に下記の2種がある。

エゾウメバチソウ 絶滅危惧Ⅱ類(福井県)。絶滅危惧種(石川県)。

ヒメウメバチソウ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県岩手県・長野県)。 絶滅危惧Ⅱ類(福島県)。地域個体群(新潟県)。

 

ウメモドキ(梅擬)  モチノキ科  モチノキ属

花5月-6月。白または薄紫色。花弁4-5・雌雄異株・葉腋に小花を沢山咲かせる。葉は卵形で互生・果実は11月頃完熟して真っ赤になる。果実の直径5㎜。北海道を除く全国に分布・山地の湿り気のある所を好む。花よりも実を鑑賞する木である。

絶滅危惧種Ⅰ類(秋田県)。 絶滅危惧種Ⅱ類(千葉県)。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

モチノキ科モチノキ属で何々ウメモドキと言う絶滅危惧種が上記の外に下記の4種がある。

イヌウメモドキ          準絶滅危惧種(鹿児島県)。

オクノフウリンウメモドキ 絶滅危惧Ⅰ類(形県)。 絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)。 絶滅危惧種(福島県・長野県・石川県・福井県)。 分布上重要(滋賀県)。

フウリンウメモドキ 絶滅危惧Ⅰ類(福島県・神奈川県・福岡県・熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。 絶滅危惧種(山口県・宮崎県)。

ミヤマウメモドキ  絶滅危惧Ⅰ類(群馬県三重県奈良県島根県山口県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・京都府岡山県鳥取県)。 絶滅危惧種(石川県・広島県)。分布上重要(滋賀県)。

※ ブログ№199 茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)でこれと同文で既出。

 

ウリハダカエデ(瓜肌楓)  ムクロジ科  カエデ属

花5月-6月。 黄緑色。 花弁5枚・雌雄異株・雄花の花弁の長さは5㎜・雌花の長さは3.5㎜。総状花序を葉腋から出し10-15個くらいの花をつけて下垂する・花序の長さ5―10㎝。落葉広葉樹小高木・樹高8-10m・時には20mに達する。葉は浅く3裂し、葉先は鋭く尖る。二重鋸歯有り・葉身は長さと幅共6-15㎝。葉柄2-6㎝。幹に緑と黒の縦縞模様が有り、それが瓜の肌模様に似ているからウリハダカエデの名が付いている。秋は黄色から橙色更には紅、そして鮮紅色と美しい紅葉が見られる。鹿による食害が少ない。湿気ある山地に自生。日本固有種・本州・四国・九州・屋久島に分布。  分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

エゾマツムシソウ(蝦夷松虫草)   マツムシソウ科(スイカズラ科)  マツムシソウ

花8月-9月。 青紫。 花の中心部は管状花・周辺部は唇形花。中心部の花は小さく筒型で花冠5裂・雄蕊は花冠から突き出る。中心部を取り巻く周辺部の唇形花は、内側に在る花弁の2裂片は小さく、外側にある花弁の3裂片は幅も長さも有り大きい・特に3裂した真ん中の花弁は目立つ。中心部と周辺部の花を合わせた全体の花径は3-5㎝。頭状花序・花茎は根元近くの葉腋から真っ直ぐ立つ。出芽期の根出葉はへら型・成熟期の根生葉は羽状裂片で裂片の先は尖(とが)る。茎葉は根元に近い方につき、茎の上部にはつかない。草丈20-50㎝。海岸の崖や砂礫地で風雨に晒されている株は、背丈が短い。生育環境により草丈は変化する。北海道と青森県北部の海岸の岩壁に生育。日本固有種。

学名のスカビオサで売りに出されているのは、西洋松虫草である事が多い。

スイカズラ科の何々マツムシソウと言う名の絶滅危惧種に下記の4種が有る

アシタカマツムシソウ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧1類(東京都)。絶滅危惧Ⅱ類(静岡県)。 情報不足(福島県)。

タカネマツムシソウ  絶滅危惧Ⅰ類(徳島県高知県)。 準絶滅危惧種(福井県)。 地域個体群(新潟県)。 情報不足(山梨県)。

マツムシソウ  絶滅(秋田県京都府大阪府・福岡県)。 絶滅危惧Ⅰ類(青森県岩手県山形県福島県茨城県・埼玉県・東京都・福井県三重県奈良県和歌山県兵庫県徳島県愛媛県高知県山口県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(宮城県新潟県富山県・栃木県・神奈川県・佐賀県) 絶滅危惧種(岐阜県・愛知県・滋賀県鳥取県岡山県大分県)。 

ミカワマツムシソウ 絶滅危惧Ⅰ類(岐阜県)。

※ 頭状花序とは、茎の先端部に小さな花が集まって纏まって咲く花序の事を言う。同じ場所から花が咲く事が出来る様に、花床という台座の様な器官が有る。例:キク

 

オオバショウマ(大葉升麻)  キンポウゲ科  サラシナショウマ

花8-9月。 白。 咢片5枚・花弁無し・花柄無し・雄蕊多数で花糸は糸状・雌蕊1-2個・穂状(すいじょう)花序を成し、全体が毛先の短いブラシの様に見える。花の密度はサラシナショウマより疎で、花糸もそれより短い。花茎全体の長さは40-120㎝。花序の長さは約30㎝内。根出葉は1回3出葉。小葉は円心形で浅く5-9裂し、掌状形。葉身7-20㎝。山地の林床に生息。本州・四国・九州に分布。日本固有種。 漢方薬として認められているサラシナショウマに対して、オオバショウマはイヌショウマ同様に漢方の薬用とはされていない。 花言葉・安定・心の平静。 

絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・奈良県)。 絶滅危惧Ⅱ類(秋田県山形県・神奈川県・三重県香川県)。 絶滅危惧種(兵庫県・鹿児島県)。 地域個体群(新潟県)。

キンポウゲ科サラシナショウマ属で何々ショウマと言う絶滅危惧種が上記の外に下記の1種がある。

キケンショウマ 絶滅危惧Ⅰ類(愛知県)。 絶滅危惧Ⅱ類(三重県)。 絶滅危惧種(石川県)。分布特性上重要な種(滋賀県)。

 

オカトラノオ(丘虎の尾)  サクラソウ科  オカトラノオ

花7月-8月。白。花被片5裂・雄蕊5雌蕊1・花径1㎝。総状花序・花序の長さ10-30㎝。花序は緩やかな円錐を形作り、先端が垂れる。葉は長楕円形または卵形で、先端は尖(とが)る・葉身6-13㎝。互生・草丈50-100㎝。日差しの良い山野の草原に自生・地下茎で生育域を広げる。群生する。朝鮮半島・中国・日本に分布・日本では本州から九州までが分布域。 花言葉・忠実・貞操・優しい風情・清純な心・騎士道。 分布特性上重要な種(鹿児島県)

 

オギ(荻)(風聞き草)  イネ科  ススキ属

花8月-10月。 白(穂の色)。 花弁無し・苞穎(ほうえい)(萼に相当)や毛などによって子房が守られている。小穂(しょうすい)(小花に相当)多数・小穂の長さ5-6㎜・ 穂状花序(すいじょうかじょ)の長さ25‐40㎝・穂はススキより白い。芒(のぎ or ぼう)は無い(芒をススキとも読むが、ここではノギ。ノギとは小穂を形作る器官の一つで、線の様に鋭く出ている突起・例:麦の穂のひげ)・「オギにノギ無し、ススキにノギあり」。 葉にはガラス質と同じ珪酸塩が含まれ、葉の縁に有る細かい棘で手を切る事がある。茎の断面は円形・葉身30-50cm。幅25-30㎜。根元から出る葉は無く、全ての葉は茎から出る。葉は茎を抱く・葉鞘の鞘口の内側に毛が生えている。草丈1-2.5m・地下茎で生育域を広げる。株立ちはしない。洪水に水没して倒れても倒れた茎の節目から発根し回復する。但し、刈り取りには弱く、刈り取った場所から草勢が弱って退行してしまう。粘土質や砂質の河川敷などの湿った土地に群生。日本全国・朝鮮半島を含む中国大陸に分布。

花言葉・片思い・片恨み・さわやか。 分布特性上重要な種(鹿児島県)

葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の 

   吹き来るなへに雁鳴き渡る  作者不詳 万葉集10-2134

 

オケラ(朮(じゅつ))(ウケラ)(カイブシ)(カイブシノキ)等々  キク科  オケラ属

花9月-10月。白 or 淡紅紫色。筒状花・筒状花集合体の花径2㎝・筒状花一つの長さは1㎝・花は有花茎頭頂に咲く。花は魚の骨状の苞様に包まれている。頭状花序・多年草・雌雄異株。葉は互生・下部の葉は羽状に深く切れ込み、一見羽状複葉・上部の葉は卵形又は広楕円形・棘状の鋸歯有り。茎は直立・若芽を切ると白い乳液が出る。草丈 30-100㎝・軟毛に覆われている。草原・山野・日当たりの良い場所に生育。本州・四国・九州、朝鮮半島中国東北部に分布。 生薬(セスキテルピン・健胃・利水作用・食慾不振・腹部膨満・下痢などに効果)。食用可。 花言葉・金欠病・親しみやすい。  絶滅危惧1類(新潟県和歌山県奈良県徳島県高知県・福岡県・佐賀県熊本県・宮崎県)。 絶滅危惧2類(秋田県・石川県・岐阜県三重県京都府大阪府愛媛県大分県長崎県)。準絶滅危惧種(東京都・富山県福井県滋賀県兵庫県)。情報不足(鹿児島県)。

 

オトコエシ(男郎花)  スイカズラ(←APG植物分類体系)(オミナエシ科)                                                                                                               オミナエシ

花8月-10月。 白。花は合弁花で5裂・花径3-4㎜。茎の上部で分岐した枝の先に小さい花が集まって散房状になる。外見はオミナエシと似ている。多年草。山地の草原など日当たりの良い所を好む。北海道から九州奄美大島まで、大陸では東南アジア・シベリア東部に分布。花言葉・野性味・慎重。 情報不足(鹿児島県)。

 

オミナエシ(女郎花)(敗醤(はいしょう))  スイカズラ科(オミナエシ科) 

                          オミナエシ

花8月-10月。 黄。 秋の七草の一つ。花は合弁花で花冠は5裂・大きさ3-4㎜。分岐した枝の先に多数の花が散状花序で咲く。葉は対生・葉に深い切れ込みがある。山地の草原で日当たりの良い所を好む。多年草。日本(沖縄を除く)・中国・東シベリアに広く分布。生薬(生薬名・敗醤根(はいしょうこん)(消炎・排膿・浄血作用)。花言葉・美人・はかない・親切。

絶滅危惧1(東京都・埼玉県・新潟県福井県)。絶滅危惧Ⅱ類(山形県茨城県群馬県富山県徳島県)。絶滅危惧種(岩手県・千葉県・石川県・岐阜県京都府大阪府和歌山県香川県愛媛県大分県・鹿児島県)。

スイカズラ科の何々オミナエシと名の付く種で絶滅が危惧されているのは上記の外に、下記の3種が有る。

タカネオミナエシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。

ハマオミナエシ 絶滅危惧Ⅰ類(石川県)。

ハクサンオミナエシ(=コキンレイカ) 準絶滅危惧種(福島県岐阜県福井県)。 地域個体群(新潟県)。

 

オモダカ(沢潟)(ハナグワイ)(勝ち草)(トリノアシ)  オモダカ科  オモダカ属 

花8月-10月。白。花弁3枚・お椀型・雄花の中心には黄色い葯が目立つ。雌花の中心には雌蕊がいっぱい集まった緑色のボール状のものがある。雌雄同体。花茎20‐100㎝・総状花序。

葉は矢じり型・但し幼葉の時は線形・葉柄15-60㎝・葉身7-30㎝・先端は鋭く尖る。走出枝(そうしつし)を伸ばしてその先に塊茎を作る。この塊茎を食用になる様に改良した栽培種が「クワイ」。草丈30-50cm。北海道から沖縄まで日本の水田や湿地に見られる湿生植物。アジアと東ヨーロッパの温帯域から熱帯域まで分布。 花言葉・信頼・高潔・ひめたる慕情。

オモダカ科で何々オモダカと言う絶滅に瀕している種は、下記の通り7種類ある。

アズミノヘラオモダカ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)  絶滅危惧1類(長野県)

サジオモダカ    絶滅(神奈川県・徳島県)。 絶滅危惧1類(千葉県・東京都・埼玉県・群馬県・長野県・富山県福井県)。 絶滅危惧Ⅱ類(山形県福島県新潟県・石川県)。絶滅危惧種(秋田県宮城県茨城県)。

トウゴクヘラオモダカ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅(青森県)。 絶滅危惧Ⅰ類(福島県群馬県・東京都・神奈川県・広島県)。 絶滅危惧Ⅱ類 (茨城県・千葉県)。 絶滅危惧種(栃木県)。

ヒトツバオモダカ    絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

ヘラオモダカ  絶滅危惧Ⅱ類(東京都・奈良県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(埼玉県・山梨県京都府)

ホソバヘラオモダカ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(兵庫県)。絶滅危惧種(京都府)

マルバオモダカ   環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・長野県・富山県福井県京都府徳島県高知県・福岡県)。 絶滅危惧1類(宮城県山形県新潟県静岡県・愛知県・石川県・滋賀県三重県奈良県大阪府兵庫県岡山県鳥取県香川県熊本県)。 絶滅危惧Ⅱ類(青森県岩手県福島県広島県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(北海道・秋田県)。情報不足(大分県)。

 

オヤマボクチ(雄山火口)(ヤマゴボウ)(ごぼうっぱ)等々  キク科  ヤマボクチ属

花9月-10月。 紫・紫褐色。アザミの近縁種・花もアザミに似る。全て筒状花・花は下向きに咲く。総苞(萼全体)長さ3㎝・幅3.5‐4㎝・釣鐘状。総苞を形作る一つ一つの苞片は屋根瓦状にびっしり並び、その先端が針状に尖る・一見針山の様。又、花は化粧筆に似る。葉は互生・卵状長楕円形・基部は心形・葉裏には白い毛が密生・フェルト状になっている。このフェルト状の毛が火打石での焚き付けに重宝し、それで火口(ほくち)の名になる。茎は直立分枝・茎も白い綿毛に覆われている。枝先に頭花をつける。草丈80‐150㎝。日当たりの良い山野に育つ。食用・レシピ多彩・根は漬物にして山ゴボウとして、葉は天ぷらに、葉の綿毛は信州富倉そばの繋ぎに、福島県では凍み餅(しみもち)に、等々山菜として利用。日本在来種・北海道・本州東部以北。花言葉・たくましい。

絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・徳島県高知県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛媛県)。

 

オヤマリンドウ(御山竜胆)  リンドウ科  リンドウ属

花8月-9月。 濃紫。 鐘型・上向きに咲く・花弁5裂・花径2-3㎝・花長2-3㎝・茎頂に花を数輪つける・花は全開せず。葉は広披針形・葉柄無し・全縁。茎は株から多数直立の株立ちで、太い。草丈は30-60㎝。高原の湿原や草地に生える多年草中部地方以北の亜高山帯から北海道に分布・日本固有種。 生薬(生薬名・竜胆)(ゲンチオピクロサイド・トリクロロサイド・スエルチアマリン・スエロサイド・ゲンチアニン・ゲンチジン・漢方では苦味健胃薬・尿道炎・リウマチ・抗炎症薬・民間薬として食慾不振・消化不良・胃酸過多・腹痛への効果)  花言葉・正義・料理。 絶滅危惧Ⅱ類(山形県福井県)。 絶滅危惧種(福島県)。

 

か 

カシワバハグマ  キク科 コウヤボウキ属 

花9月-10月。淡紅色を帯びた白。筒状花・有花茎の先にまばらに花を着け、穂状花序を成す。花は数個から10個ぐらいが纏まり、一つの総苞に包まれる。総苞の長さ18-30㎜。総苞片はうろこ状。総苞内にある花冠一つを見れば、花冠は5裂・裂けた花弁は細長く糸状・糸状花弁は真っ直ぐ伸びたり捩(よじ)れたり、てんでんに伸びて先端は丸まっている。一見毛鑓(けやり)の穂先風。葉は茎の中程に付き、形は卵円形 or 卵状長楕円形 or 卵形。互生・葉身10-20㎝・葉の幅6-14㎝。粗い鋸歯あり・柏の葉に似る。葉柄は長く10㎝くらい。茎は堅い。直立・草丈30-90cm。分枝しない。山地のやや乾いた林縁や林下に生育。本州太平洋側・四国・九州に分布。日本固有種。  絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県福井県京都府兵庫県鳥取県島根県山口県)。絶滅危惧種(和歌山県・宮崎県)

上記の外にキク科で何々カシワバハグマという名の絶滅に瀕している種が下記の1種が有る。

ツクシカシワバハグマ 絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(大分県)。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

カモノハシ(鴨嘴)  イネ科  カモノハシ属

花7月-8月。花穂4-8㎝。花穂の茎は二つあり、二つの茎が寄り添って双立・まるで一本の茎の様に見える。二つの茎に違いがあり、一つ目の茎の小穂は柄が有って雄性。もう一つの茎の小穂には柄が無く、直に茎に着いていて雄花と雌花が混在。葉は線形・葉身15‐30㎝・葉は茎を巻く・葉鞘と茎共に毛が密生。根元の茎は横に這い生育域を伸ばして行く。草丈30-90㎝・多年草・本州~九州の砂浜海岸や近隣の湖沼に生育。

絶滅(東京都)。 絶滅危惧Ⅰ類(栃木県・神奈川県・京都府)。 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・愛知県・大分県)。 絶滅危惧種(秋田県茨城県富山県・鹿児島県)。 情報不足(高知県)。 その他重要種(滋賀県)。

イネ科カモノハシ属で何々カモノハシと言う絶滅に瀕しているのは上記の外に下記の7種がある。

ケカモノハシ 絶滅(大阪府)。絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県・岡山県香川県大分県)

コハナカモノハシ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

シマカモノハシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。

タイワンカモノハシ 絶滅危惧Ⅰ類(三重県和歌山県)。情報不足(愛媛県)。

ツクシケカモノハシ 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ハナカモノハシ 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

メカモノハシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。

 

カライトソウ(唐糸草)  バラ科  ワレモコウ属

花7月-9月。 紅紫色・白。 花弁無し・雄蕊6-12本と雌蕊1本と萼片で成り立っている・雄蕊は咢片より長い・花径1㎜。そういう小花が密集している。花穂の見た目は紅紫色のネコジャラシ。花穂は4-10㎝。根生葉は羽状複葉・小葉は楕円形~長楕円形・小葉の葉身4—6㎝・鋭い鋸歯有り。茎は直立又は斜め上に伸びる・上部で多少分枝・草丈30-100㎝。本州中部地方日本海側の高山に生育。飛騨山脈の白山のものが基準標本となっている。 花言葉・深い思い・繊細。  絶滅危惧Ⅰ類(長野県・滋賀県)。 絶滅危惧種(岐阜県福井県)。 地域個体群(新潟県)。

 

カラスウリ (烏瓜) ウリ科 カラスウリ属 

花7月-9月。白。花冠は5裂・花冠の先は細かく裂けてレース状になる。夕方開花し朝に萎(しぼ)む。雌雄異株。葉は心臓形 or 掌状形(切れ込みは浅い)・葉身6-10cm。果期10-11月。果実直径5―7㎝・長楕円形・果実の色はオレンジ又は赤。秋になると蔓は地面を目指して下がり、地上に降りて発根・根の先に栄養塊根を作る。地上部は枯れて冬越しをする。蔓性多年草。雑木林の林縁・里山に生育。原産地・中国・日本。 花言葉・よき便り・誠実・男嫌い。 情報不足(長野県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ウリ科カラスウリ属で何々カラスウリと言う絶滅に瀕しているのは上記の外に下記の8種がある。

イシガキカラスウリ  ・  オオカラスウリ  ・  キカラスウリ  ・  ケカラスウリ  ・  チョウセンカラスウリ  ・  ムニンカラスウリ  ・  モミジカラスウリ  ・  リュウキュウカラスウリ

上記の内、幾つかをピックアップする。

イシガキカラスウリ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。準絶滅危惧種(沖縄県)。

オオカラスウリ 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県高知県)。 絶滅危惧Ⅱ(兵庫県徳島県長崎県)。情報不足(愛媛県)。

ムニンカラスウリ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。

 

カリガネソウ(雁金草)(帆掛草)  シソ科 カリガネソウ

花8月-9月。 青紫。 花は2唇形。上唇は2裂・下唇は3裂。下唇中央裂片が特に大きい。花は横向きに咲く。雄蕊と雌蕊は上唇弁より高く上に伸び、それから前方に湾曲する。虫が訪れると、蕊(しべ)の花粉が虫の背中に付着し受粉を援ける仕組みになっている。花の大きさはマメハナバチより少し大きめ。茎頂や葉腋から集散花序の花を咲かす・花柄は葉腋から対生。臭気有り。葉は対生・広卵形・鋸歯あり・葉柄3㎝・葉身10㎝・葉先は尖る。葉裏の葉脈に短毛有り。葉はシソの葉に似る。茎の断面は四角。草丈約80cm前後。日当たりが良く、しかも湿り気のある場所を好む。多年草。 北海道から九州に分布。  花言葉・誠実・実質・清楚な人・楽しい思い出。                        

絶滅危惧1類(秋田県山形県宮城県福島県・埼玉県・東京都・山梨県愛媛県・福岡県・大分県熊本県)。 絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県・石川県・兵庫県鳥取県島根県)。 絶滅危惧種(茨城県・千葉県・長野県・静岡県京都府奈良県岡山県徳島県山口県)。 情報不足(長崎県)

 

カルカヤ(刈萱)  イネ科  メガルカルカヤ属

カルカヤはメガルカヤ(雌刈萱)と、オガルカヤ(雄刈萱)の総称。

メガルカヤの場合。花9月-10月。赤紫色の毛。花穂(かすい)20-40㎝。芒(のぎ)は5㎝。葉身30-50㎝。葉幅3-8㎜。線形・葉裏は粉白色。葉は茎を巻き、その鞘口には毛がある。草丈70‐100㎝。分布は本州・四国・九州。平地や丘陵地に生息する多年草

オガルカヤの場合。花8月-10月。褐色。花穂20‐40㎝・芒(のぎ)は1㎝で、曲がっている。 草丈60‐100㎝。分布は本州・四国・九州。平地や丘陵地に生息する多年草

なお、日本に自生のカルカヤは減少の一途であるが、外来種メリケンカルカヤは増殖著しく、外来生物法により要注意外来生物に指定され、駆除が奨励されている。

メガルカヤ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県福井県)。 絶滅危惧Ⅱ類(群馬県・東京都)。 絶滅危惧種(石川県)。 情報不足(富山県)。 要注目種(京都府)。その他重要種(滋賀県)。

オガルカヤ 絶滅危惧Ⅱ類(富山県・石川県・福井県)。 絶滅危惧種(岩手県群馬県京都府)。

オキナワカルカヤ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

 ※ (すすき・のぎ・もう・こう・ぼう・けさき・くらい)とは、イネ科の植物でしばしば芒と言う字が使われる。普通それをススキと読むが、光芒一閃(こうぼういっせん)と言う言葉が有る様に、元々芒は刀の切っ先を表す言葉である。イネ科植物の花を説明する時、芒は「のぎ」と読み、鋭く、堅く尖った針状の毛の事を指す。麦の穂のイラストには必ず上向きの平行線が穂に付随して描かれるが、あの線に相当するのが芒(のぎ)である。イネ科の花は花弁を持たないが、その代り柔らかい内穎(ないえい)に包まれ、更にその上から堅い外穎(がいえい)(→萼のようなもの)に守られている。外穎の先端が伸びてノギなっている。そういう小花が3~4個集まって2枚の護穎(ごえい)(→苞葉のようなもの)で一つにまとまる。この纏まりを小穂(しょうすい)という。小穂が穂状花序(すいじょうかじょ)或いは総状花序(そうじょうかじょ)に集まり咲いて、それぞれ部品の形が違うものの、カモノハシの穂やススキの穂、カルカヤの穂、稲穂や麦穂などを形作っている。

 

カワラナデシコ  ナデシコ科  ナデシコ

※ ブログ№199茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)の、カワラナデシコの条を参照。

カワラナデシコ秋の七草に数えられるが、開花が7月からなので夏の項に繰り入れた。生薬・瞿麦(くばく)と瞿麦子(くばくし)の元であり、又、ペットに有毒であり、絶滅危惧種である事などをブログ№199で紹介している。

 

カンスゲ(寒菅)  カヤツリグサ科  スゲ属

花4月~5月。 雄は褐色の2-4㎝の小穂で茎の先に頂生・毛の短いボサボサのブラシ状。雌は2.5cmの小穂で棒状。花茎は20-40㎝・葉質は硬くて艶が有る・葉は線形・葉幅5-10㎜・常緑。丘陵や山地の林に生育。福島県以西の太平洋沿岸・四国・九州に分布。蓑や傘を作る材料。地域による変異が大きい。 絶滅危惧1類(宮城県山形県・鹿児島県)。

カヤツリグサ科の何々カンスゲと言う名前で、絶滅に瀕している種は上記の外に20種ある。以下、それを列挙する。

アオミヤマカンスゲ  ・  アカンスゲ  ・ イワカンスゲ  ・  ウジカンスゲ  ・  オクノカンスゲ  ・  ケナシミヤマカンスゲ  ・  コイワカンスゲ  ・  コカンスゲ  ・  コミヤマカンスゲ  ・  タイワンカンスゲ  ・  ツルミヤマカンスゲ  ・  トカラカンスゲ  ・  ハシナガカンスゲ  ・  ヒメカンスゲ  ・  フサカンスゲ  ・  ホソバカンスゲ  ・  ミヤマカンスゲ  ・  ヤクシマカンスゲ  ・  ヤクシマコイワカンスゲ  ・  ヤワラミヤマカンスゲ

上記の内、幾つかをピックアップする。

アカンスゲ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(岩手県・長野県・山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県)。 絶滅危惧種(北海道)。

タイワンカンスゲ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。

トカラカンスゲ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ハシナガカンスゲ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(山梨県静岡県)

フサカンスゲ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

ヤクシマカンスゲ 環境省カテゴリ絶滅危惧(NT)。絶滅危惧2類(鹿児島県)。

 

き 

キキョウ  キキョウ科  キキョウ属

花6-10月。白・ピンク・紫。 花冠は釣鐘形で5裂・上向きに咲く。雄蕊5雌蕊5。先に雄蕊が成熟し、雄蕊の花粉が出た後、雌蕊が開く・雄性先熟。花径4―5㎝。葉は披針形・鋸歯有り・互生。茎は有花茎・直立・上方で分枝・茎頂に花を咲かせる。草丈40-100㎝。根は漢方に利用。多年草。日当たりの良い乾き気味の草原に生育。日本を含む東アジアに分布。生薬(桔梗根)(サポニン(プラチコジン)・鎮咳・去痰・排膿・扁桃炎・咽頭炎蓄膿症などに効能)。  花言葉・変わらぬ愛・清楚・誠実・気品。

キキョウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧1類(秋田県山形県新潟県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・富山県福井県京都府島根県徳島県高知県大分県熊本県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(北海道・青森県岩手県福島県茨城県・石川県・静岡県・愛知県・奈良県大阪府愛媛県・福岡県・佐賀県長崎県・鹿児島県)。   絶滅危惧種(宮城県山梨県・長野県・岐阜県三重県和歌山県鳥取県山口県香川県)。  その他重要種(滋賀県)。

キキョウ科の何々キキョウと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の4種がある。

イワギキョウ    絶滅(栃木県)。 絶滅危惧1類(秋田県山形県)。 絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)。 地域個体種(新潟県)。 情報不足(福島県)。

エダウチタニギキョウ  絶滅危惧1類(鹿児島県)。

チシマギキョウ 絶滅危惧Ⅰ類(岩手県)。 絶滅危惧Ⅱ類(宮城県福島県)。 地域個体群(新潟県)。

ツルギキョウ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅(群馬県)。絶滅危惧1類(栃木県・埼玉県・東京都・千葉県・大阪府奈良県徳島県愛媛県高知県山口県・福岡県・熊本県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(茨城県・神奈川県・静岡県和歌山県大分県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(佐賀県長崎県)。 情報不足(富山県)。

 

キク(菊)  キク科  キク属

キクは花屋に一年中出回っており、花卉(かき)流通量日本一の王座を保っている。年中見慣れている菊であっても、やはり秋のキクは格別であり、茶花としての人気は高い。

キクには大菊・古典菊・小菊・その他の菊など様々な菊がある。が、どのキクも筒状花(=管状花)や舌状花で成り立っている事を共通項としている。

このキクの条では、全てのキクを取り上げる事は不可能なので、茶花に利用されそうなキク属やキク属近縁のものをピックアップして、箇条書きに列挙を試みる。

 

キク①  イソギク(磯菊)  キク科 キク属

花10-12月。黄。筒状花のみ・花径5㎜。散形花序。草丈30-40㎝。葉は倒披針形又は倒卵形・葉身4—8㎝・葉は白く縁取られている。日本固有種。絶滅危惧Ⅰ類(愛知県)。絶滅危惧種(京都府)。情報不足(茨城県)

※ ブログ№202茶花総覧(7) 秋(あ行~な行)のイソギクを参照。

 

キク②  イワギク(岩菊)(ホソバチョウセンノギク) キク科 キク属

花7月-10月。 筒状花は黄色・舌状花は一周一重で白・花径3-6㎝。葉は広卵形で浅裂から深裂まで多様。草丈20-50㎝。海岸の石灰質などの岩壁や、山地の岩場を好む。 

環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅(奈良県)。絶滅危惧1類(滋賀県愛媛県熊本県大分県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県福井県鳥取県高知県)。絶滅危惧種(石川県)

 

キク③  キクタニギク(菊谷菊)(アワコガネギク)(アブラギク)(カモメギク)  キク科 キク属

花10-11月。筒状花は黄色・舌状花は一周一重で黄色。花径1-1.5㎝・葉は長卵形で深裂・葉身5-7㎝。草丈30-100㎝。能く分枝。多年草。食用可。山地の崖に生育。日本では岩手県以南から九州。朝鮮半島・中国に分布。法面緑化に外来種子を利用。環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅危惧(千葉県・京都府)。絶滅危惧種(岩手県宮城県福島県茨城県群馬県・埼玉県・東京都・新潟県・長野県・奈良県)。要注目種(栃木県)。

 

キク④  コハマギク(小浜菊) キク科 キク属

花9-11月。筒状花は黄色・舌状花は一周一重で白または淡紅白色。頭状花・花径4-5㎝。根生葉は広卵形で浅裂・茎葉は狭倒卵形で浅裂・草丈10-30㎝。日本固有種。  絶滅危惧Ⅱ類(福島県茨城県)。絶滅危惧種(北海道)。

キク科の何々コハマキクと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の1種がある。

チシマコハマギク 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。準絶滅危惧種(北海道)

 

キク⑤  ゴマナ(胡麻菜)  キク科 シオン属

花9月-10月。筒状花は黄・舌状花は一周一重で白。花径1.5㎝・散房花序。葉は長楕円形・基部は披針形・鋸歯有り・互生・葉身13‐19㎝。上部で分枝が盛ん。草丈100-150㎝。草原や路傍などでも生育するが、亜高山帯などにも生息。絶滅危惧絶滅危惧Ⅰ類(奈良県徳島県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・京都府)。

 

キク⑥  コンギク(紺菊)   キク科  シオン属

花8月-11月。 筒状花は黄色・舌状花は一周一重で濃紅紫色。ノコンギクの園芸改良品種。栽培もされているし、野生化もしている。花径2.5-3㎝。葉は卵状長楕円形・鋸歯は大きめでまばら・葉身6-12㎝・互生。草丈50-100㎝。

キク科の何々コンギクと言う名で、絶滅に瀕している種は下記の5種がある。

シコクコンギク 絶滅危惧Ⅰ類(徳島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(高知県)。

タカネコンギク 準絶滅危惧種(長野県)。

タニガワコンギク 絶滅危惧Ⅱ類(熊本県)。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

ノコンギク 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ホソバコンギク 絶滅危惧Ⅱ類(山形県)。

※ ノコンギクについては、キク⑬ ノコンギクに記載。

 

キク⑦ サガギク(嵯峨菊)  キク科 キク属

花10月-11月。白・黄・朱・ピンク。筒状花は黄色・舌状花は左記の4種・花弁54枚。花弁の長さ10㎝・草丈2m・下段に7輪・中段に5輪・茎頂に3輪の花を仕立てるのが定番の仕立て方である。嵯峨天皇ご愛蔵の菊で、野生種を育成し改良。丈を2m・三段に分けて咲かせるのは、殿上人が堂上から見下ろして観賞するのに適しているから、らしい。嵯峨天皇離宮だった大徳寺では、長らく嵯峨菊は門外不出の菊であった。この嵯峨菊も切り花として販売されている。

 

キク⑧  サワシロギク(沢白菊)  キク科 シオン属

花8月-10月。 筒状花は黄色・舌状花は一重で初め白のち紅紫色。花径2-3㎝。草丈40-60㎝。葉は線状披針形・葉身7-17㎝。まばらな鋸歯有り。頭花はまばら・散房花序。日当たりの良い酸性湿地を好む。日本固有種・本州・四国・九州に分布。

絶滅(群馬県・東京都)。絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・神奈川県・大阪府香川県・福岡県・佐賀県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県秋田県)絶滅危惧種(茨城県三重県奈良県京都府・宮崎県)。情報不足(埼玉県・徳島県)。要注目種(福井県)。その他重要種(滋賀県)。

 

キク⑨  シラヤマギク(白山菊)  キク科 シオン属

花8月-10月。白。筒状花は黄色・舌状花は一重で白・花弁は6-8枚位しかなく隙々のまばら。花径18-24㎜。草丈1-1.5m。葉は心形で先が尖る・下部の葉は卵心形・葉身9-24㎝・葉幅6-18㎝。多年草。丘陵や山地の林縁部などが生息域。アジア北部に広く分布・日本では沖縄を除く全域。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

キク科の何々シラヤマギクと言う名で、絶滅に瀕している種は下記の1種がある。

ナガバシラヤマギク 分布特性上重要な種(秋田県)。

 

キク⑩  ソナレノギク(磯馴野菊)  キク科 シオン属

花10月-11月。筒状花は黄色・舌状花は一重の薄紫。花径4-4,5㎝・散房花序。葉はさじ形・茎葉の葉身6-7㎝・幅1-1.3㎝。茎は太く、基部から分枝する。草丈40-100㎝。海岸の崖地や磯浜に生育。  絶滅危惧Ⅰ類(高知県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛媛県大分県)。絶滅危惧種(宮崎県・鹿児島県)。

 

キク⑪  タニガワコンギク(谷川紺菊)(センボンギク) キク科 シオン属 

花8月-10月。 筒状花は黄色・舌状花は一周一重で白or淡紫。・花径1.5-3㎝。葉は狭楕円形・葉身3-6㎝・葉幅2-10㎜・葉先は尖る・鋸歯あり。茎は細い・叢立・上部で分枝。渓流の岩場などに生育。絶滅危惧Ⅱ類(熊本県)。絶滅危惧種(鹿児島県)

 

キク⑫  ダルマギク  キク科 シオン属

花10月-11月。色    筒状花はやや赤みを帯びた黄色・舌状花は二重で淡青紫色。花径3.5-4㎝。葉は倒卵形へら型・全縁(鋸歯無し)・肉厚。葉身4—8㎝・草丈20-35㎝。日当たりの良い場所を好む・海浜植物多年草。原産地・日本・朝鮮半島・ロシア東部。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。絶滅危惧種(島根県山口県・福岡県)。

 

チヨミグサ(千代見草) キクの昔の雅称。チヨミグサと言う固有名詞の菊は無い。

 

キク⑬  ノコンギク(野紺菊)  キク科 シオン属

花8月-11月。   筒状花は黄色・舌状花は一重で薄紫。花径2.5㎝。葉は卵状楕円形or狭卵形・基部は楔形。葉身6-12㎝・草丈50-100㎝。本州から九州の山野に生育。分布特性上重要な種(鹿児島県)

 

キク⑭  ノジギク(野路菊)(モモヨギク)  キク科 キク属

花10月-11月。筒状花は黄色・舌状花は一重の白。花径3-5㎝。頭状花。葉は広卵形・中裂・鋸歯有り。葉裏は白い・葉の縁に白い縁取り・葉身3-5㎝・葉幅2-4㎝・葉腋から頭状花序を出して花をつける。分枝盛ん。草丈約50-90㎝。生薬(モノテルペン・利尿・強壮・便秘防止)。常緑多年草・西日本・四国・瀬戸内海・九州の海岸沿いの崖地に生息・兵庫県県花・日本固有種。絶滅危惧Ⅰ類(岡山県香川県熊本県)。 絶滅危惧種(兵庫県・鹿児島県)。

キク科の何々ノジギクと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の2種がある。

アシズリノジギク 準絶滅危惧種(大分県)。

オオシマノジギク 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。準絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

キク⑮  ハマギク(浜菊)(日本デイージー) キク科 ハマギク属 

花9月-11月。 筒状花は黄色・舌状花は一重の白。花径6㎝。葉は倒卵形で裂けない・肉厚・光沢有り・鋸歯有り・葉身4—8㎝・紅葉&落葉する。茎は斜上・木質化する(古株になると幹の直径が10㎝位になるという(木に分類される事もある))。草丈50-100cm。分布日本固有種(青森県茨城県の太平洋沿岸)。   絶滅危惧種(千葉県)。

キク科の何々ハマギクと言う名で絶滅に瀕している種は、上記と、キク④で紹介したコハマギクの外に下記の2種がある。

チシマコハマギク 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。準絶滅危惧種(北海道)。

ワカサハマギク 環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅危惧Ⅱ類(福井県鳥取県)。

 

キク⑯  ピレオギク(幌渓菊・エゾノソナレギク(蝦夷の磯馴菊)・チシマソナレギク(千島磯馴菊))

花期8月-9月。筒状花は黄色・舌状花は淡紅白色。花径3-6㎝。葉は羽状深裂。草丈10-30㎝。なお、ビレオ(鰭尾)はサハリンの地名。環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(北海道)。

 

キク⑰  マンジュギク(万寿菊)(千寿菊)(マリーゴールド)  キク科 コウオウソウ属(マンジュギク属)

花4月-11月。淡黄・黄・オレンジ・朱。舌状花が発達している。  花径2-5㎝。草丈30-120㎝。 葉は深裂し、羽状複葉の態を成す。葉身4—8㎝。コンパニオンプランツ(植えると他の植物の利益になる・マリーゴールドに含まれるアルファ・ターチェニールという成分が、地中のセンチュウ(線虫)を駆除スル。メキシコ原産。アフリカンマリーゴールドもフレンチマリーゴールドもメキシコ産。江戸時代初期に日本渡来・日本には自生種は無い。

 

キク⑱  リユウノウギク(竜脳菊)  キク科 キク属

花10月-11月。 筒状花は黄色・舌状花は一周一重で白・稀に淡紅色。花径2.5-5㎝。葉は卵形から広卵形で3中裂・鋸歯有り・葉身4—8㎝・樟脳に似た臭いがある。茎の下部は木質化・直立するよりも斜めに伸びる。崖地などで懸崖・草丈40-80㎝。薬用(モノテルペン(ボルネオール・カンフェン・カンファー)・血流促進・肩こり・筋肉痛・低血圧・冷え性・腰痛・リウマチ・神経痛)・入浴剤に利用。福島県新潟県以南の日当たりの良い丘陵や山地で、石灰岩の多い地域の崖地などに生育・日本固有種。

絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)。絶滅危惧種(新潟県・石川県)。情報不足(岩手県)。要注目(栃木県)。

 

キチジョウソウ(吉祥草) キジカクシ科(ユリ科) キチジョウソウ属 

花8月-10月。 花冠は筒形で深く6裂・花弁裂片の内側は淡紅紫色を帯びた白。花弁の外側や花茎・咢片は共に紅紫・花弁は強く反り返る。花穂10-14㎝・花穂の下部の方に咲いている花は雄蕊雌蕊が揃った両性花・花穂上部に有る花は雄蕊のみで雌蕊は無い。穂状花序。葉は広線形・葉身10-50㎝・常緑多年草。茎を這わせて生育域を広げる。果実は径1㎝の赤い玉。湿った林床の日陰を好む。中国・日本原産。日本では関東地方以西に分布。この花が咲くと吉祥が起きるという言い伝えがある。薬草と言われており、薬草園などでも栽培されているが、具体的な成分や薬効については不知。 花言葉・祝福・喜び・吉事・祝意。  絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。 絶滅危惧種(福井県)。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

キンミズヒキ(金水引)  バラ科  キンミズヒキ

花7-10月。 黄。 花弁5枚・花径7-10㎜・雄蕊8-14・花弁の形は倒卵形・穂状花序。葉は奇数羽状複葉で小葉は倒卵形。葉身は3-6㎝・葉幅は2㎝・先端は尖る・鋸歯有り・葉柄の基部に托葉有り。茎は直立・草丈30-150㎝。果実の萼筒には多数のカギ状の棘がある。これが野原を歩いていると衣服にくっ付いてくる、いわゆる引っつき虫の一つ。日本の低山や山地や草地に生育。南千島から中国・インドシナ半島まで分布。花言葉・しがみつく。  絶滅危惧1類(沖縄県)。 

バラ科の何々キンミズヒキと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の3種がある。

チョウセンキンミズヒキ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧Ⅰ類(福島県群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・岐阜県三重県大分県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(高知県)。 絶滅危惧種(北海道・岩手県宮城県・栃木県・長野県・滋賀県・鹿児島県)。

ハコネキンミズヒキ 絶滅危惧1類(神奈川県)

ヒメキンミズヒキ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

クサノオウバノギク   キク科  クサノオウバノギク属

花8月-11月。 黄。 5個の舌状花で一つの花冠を作る。花径1㎝。茎頂で分枝し、分枝先茎頂にそれぞれ花を咲かせる。散房花序。花は茎に対して横向きにつく。茎葉は茎を抱き全裂・奇数羽状複葉の態を成す。葉身3.5-11㎝。草丈15‐45㎝。山地の落葉広葉樹下の苔むす岩などに生育。  花言葉・思い出・私を見つめて。

環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅(埼玉県)。 絶滅危惧Ⅰ類 (栃木県・東京都・山梨県・愛知県・三重県奈良県高知県愛媛県)。 絶滅危惧Ⅱ類(静岡県)。

 

クサフジ(草藤)  マメ科  ソラマメ属

花5月―9月。紫・青紫・赤紫。蝶花・茎の上部の葉腋から花序を伸ばす。総状花序。葉は偶数羽状複葉・小葉は狭卵形で18-24対・先端は巻きひげになっている。茎は蔓状・草丈80-150㎝・細毛有り。食用可。花言葉・私を支えて・生命力の旺盛な。

絶滅危惧1類(東京都)。絶滅危惧Ⅱ類(静岡県岐阜県京都府)。情報不足(高知県)。

マメ科の何々クサフジと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の3種がある。

オオバクサフジ 絶滅(富山県)。絶滅危惧1種(福島県・東京都・三重県奈良県京都府愛媛県大分県・宮崎県・鹿児島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・茨城県・千葉県・石川県・大阪府兵庫県鳥取県)。 絶滅危惧種(愛知県・滋賀県)。 情報不足(島根県)。要注目(福井県)。

ノハラクサフジ 絶滅危惧Ⅰ類(東京都・愛知県・京都府・鹿児島県)。 絶滅危惧種(秋田県)。

ヒロハクサフジ 絶滅(千葉県・三重県)・ 絶滅危惧Ⅱ類(岩手県秋田県)。情報不足(富山県)。

  

クサボタン(草牡丹)  キンポウゲ科  センニンソウ属 

花8月-9月。 淡紫色。 萼弁4枚・花弁は無い。萼片は強く後ろに反り返り、弁の先をくるくると巻き込む。花は筒型。茎頂や葉腋に花を着け、花は下垂する。樹高1m。葉は1回3出複葉・対生・小葉は卵形で3裂・小葉葉身4-13㎝。対生・鋸歯有り。山地の林縁の草地などに生育。見た目は草だが、実は木に属する。日本固有種。全有毒(アネモニン・胃腸炎・下痢・血便・心臓毒)。  花言葉・思慕・感謝。 

絶滅危惧Ⅰ類(山口県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・奈良県)。 絶滅危惧種(北海道・千葉県・三重県京都府)

キンボウゲ科の何々クサボタンと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の2種がある。

オオクサボタン 絶滅危惧Ⅱ類(大分県)。 絶滅危惧種(宮崎県)。 注目種(高知県)。

ツクシクサボタン 絶滅危惧Ⅰ類(愛媛県・宮崎県)。絶滅危惧種(岡山県熊本県)。

 

クズ(葛)  マメ科  クズ属

花8月-9月。赤紫。蝶形花・白花クズやトキイロクズなどの変種も有る。葉腋から総状花序の花茎が立ちあがる。 葉は三出複葉・小葉は卵形又は円形で三裂・裏に毛が生えている。 蔓性多年草。蔓は他のものに巻き付いて10メートル以上も伸ばし、草原や樹冠などを覆って日光を遮断、他の植物の成長を阻む。繁殖力旺盛。乾燥地の緑化や崖地の土留めなどに利用されたが、今では世界的にも侵略的外来種ワースト100の選定種の一つである。クズの根からくず粉が採れ、食用になる。(根・花・葉)(葛根(かっこん)・葛花(かっか)・イソフラボンサポニン澱粉・解熱・発汗・鎮痙・止瀉、対風邪・筋肉のこわばり・下痢・二日酔い・糖尿病)。花言葉・活力・芯の強さ・根気・努力。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

マメ科の何々クズと言う名で、絶滅に瀕している種は下記の1種がある。

タイワンクズ 準絶滅危惧種(鹿児島県)

 

コウヤボウキ(高野箒)  キク科  コウヤボウキ属

花9-10月。 白・ピンク。花は筒状花・花冠は5つに深裂。深裂した花弁は糸状。1本の雌蕊と5本の雄蕊がある。この小花が10~13個くらい集まって一つの総苞に包まれる。一見穂先の乱れた筆の様。総苞と花を合わせた長さは2㎝・花径2.5cm。葉は卵形・葉身2-5㎝・ 今年出た枝の葉は互生し、二年目の枝の葉は束生(同じ所から数枚の葉が出る事)。花は今年の枝先につく。葉にも茎にも毛が有る。落葉広葉樹低木・樹高50-100㎝。根元から枝を沢山出す。分枝が盛ん。果実に冠毛がびっしり着く。日当たりの良い林縁部に生育。関東以西から九州まで分布。昔、コウヤボウキを束ねて珠を飾ったものを天皇が儀式の時などに用いた。それをタマハハキと言った。その故事に倣って高野山でこの木の枝を束ねて箒にしたことからコウヤボウきと名付けられた。正倉院に「子日目利箒(ねのひのめとぎぼうき)」として残っている。花言葉・働き者。

 初春の初子の今日の玉箒 手に執るからにゆらく玉の緒

          天平宝字2年(758年)正月3日  大伴家持  万葉集

絶滅危惧1類(宮城県)。 絶滅危惧種(群馬県)。 情報不足(熊本県)。

キク科の何々コウヤボウキと言う名で、絶滅に瀕している種は上記の外に下記の2種がある。

シマコウヤボウキ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧1類(鹿児島県)。

ナガバノコウヤボウキ 絶滅危惧Ⅰ類(福岡県・熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧種(島根県)。情報不足(岩手県)。

 

コガネフウチソウ(黄金風知草)(黄金知風草) イネ科  ウラハグサ属

観葉植物 緑色・黄色。葉は線形。葉質は柔らかい。草丈・30-70㎝。落葉多年草 日本固有のグラス。本州太平洋側で関東より以西から近畿地方までに生育。カラーリーフとして盆栽や庭の日陰のあしらいなどに使われている。

 

ゴマクサ(胡麻草)    ハマウツボ科(ゴマノハグサ科)  ゴマクサ属

花8月-9月。黄。唇形花・花冠は5裂して裂片は平開・雄蕊4本・花径1-2㎝・花長2㎝・斜め横向きに花を咲かせる。萼に剛毛有り。花柄は無い。葉は披針形・上部の葉は苞葉となり対生する・苞葉の葉腋から花を1つずつ出して咲かせる。葉にも剛毛有り。葉身2-5㎝・葉柄無し・草丈10-50cm。茎は直立して硬く。分枝はしない。堤防や池などの日当たりのよい湿地に生育。

絶滅(群馬県・神奈川県・佐賀県)。 絶滅危惧I類(栃木県・茨城県・千葉県・静岡県滋賀県三重県和歌山県大阪府岡山県広島県山口県香川県愛媛県・福岡県・大分県長崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・京都府兵庫県高知県熊本県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(宮崎県)。

 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様なネット情報や本を参考に致しました。(順不同)

Wikipedia

日本のレッドデータ検索システム

環境省 2022年12月20日絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」の閣議決定について(国内希少野生動植物種の指定等)

一般社団法人 日本種苗協会 種の保存法に基づく規制対象種の指定について

松江の花図鑑

三河の植物観察

かぎけん花図鑑

庭木図鑑 植木ベディア

木のぬくもり・森のぬくもり 樹木図鑑コウヤボウキ

みんなの趣味の園芸

花と緑の図鑑

趣味の花図鑑

四季の山野草図鑑 

四季の山野草

原色植物百科図鑑 集英社

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル: 高等植物

公益法人東京生薬協会 

鹿児島県薬剤師会

和漢薬情報-富山市

日本薬学会 オウレン-生薬の花

神戸薬科大学 | 植物図鑑 | 薬用植物園

東邦大学 薬学部付属薬用用植物園

神戸学院大学薬学部

岡山理科大学 植物雑学事典

大阪医科薬科大学

熊本大学薬学部薬用植物園薬草データベース

日本漢方生薬製剤協会 原料生薬使用量調査報告書(4) 平成5年度および26年度の使用量

厚生労働科学研究成果データベース 名称シコン-他名等ムラサキ-部位等根

和漢医薬学会 生薬の毒性に関する文献的検討

日本植物生理学会 腺の種類と役割について|みんなのひろば

HiroKen花さんぽ 野山に自然に咲く花のアルバム 

人間は考える葦である”で有名な「アシ」|生薬ものしり事典 養命酒

兵庫県人と自然の博物館 植物の多様な性アキギリ属の事例から

公益財団法人 東京都農林水産振興財団

かながわ森林インストラクターの会 フォッサマグナ要素の植物

北方山草会 北海道産植物ノート(1)モミジバショウマ(ユキノシタ科)

(株)宮城県環境保全研究所 №13 ウメモドキ(梅擬)

自然と人間の共生 山形市野草園

林野庁ホームページ 屋久島の植物:九州森林管理局=林野庁

屋久島パーソナルエコツアー 屋久島の花

鹿が食べない植物・食べる植物、山野草(10)&蝶(1)、自然郷  八ヶ岳高原海の口自然郷・・

jplznts.jp エゾマツムシソウ|素人植物図鑑

wij.jp エゾマツムシソウ

tenki.jp 秋風にたなびく「荻(おぎ)」ススキとの違いをご存知ですか?

山形県衛生研究所 165

野生生物研究所 南三陸金華山国定公園 金華山の四季・花マップ

邦産植物ステリン成分の研究(第8報)キチジ・・・

ジュズダマの花の観察-自然観察大学ブログ

あきた森づくり活動サポートセンター 山野の花シリーズ② トガクシショウマ

山と渓谷オンライン トガクシソョマを見て考えたこと-めずらしい植物を守るため自生地に・・

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。お蔭様で茶花総覧の秋の部の入り口まで書き進める事が出来ました。誠に有難うございました。

 

 

201 茶花総覧(6) 夏(ま行~わ行)

先日、千葉県市川市にある市川万葉植物園に行ってきました。植えられている植物が如何にも地味なものばかりですので、訪れる人は余りいません。けれども、利休が花活けに入れたかも知れないような草木が、その小さな公園につつましく一叢(ひとむら)ずつ咲いておりました。ここに植えられているもの達の殆どが、絶滅危惧種に名を連ねているような子達です。

林床に生きる日陰の植物達の種類と数が激減しています。それは日本の森林が荒廃している証でもあります。国土の植物相が以前とは違ってきている様な気がします。荒廃の原因に洪水や土砂崩れなどを挙げる方もいらっしゃるでしょう。でも、災害は大昔から繰り返されて来た事。今に始まった事ではありません。そこには開発や放置や獣害やその外の何らかの人為的な働きが1枚加わっている様な気がしてなりません。和の風情を演出したいと思うあまり、希少種を床に飾りたいという欲求は、茶人なら誰でも持つ事でしょう。けれど、この様な現状を見ると、それは無理筋の話の様な気がします。

ナデシコは唐から渡来の植物でした。朝顔奈良時代遣唐使が薬草として持って来た外来種です。現代の外来種、或いは園芸植物も、やがては日本の風土に融け込んで行くでしょう。ユウギリソウやヨウシュヤマゴボウなどのように・・・

茶花(ちゃばな)の花の選択をわび・さびから離れて、もっと大胆であってもいい様な気がします。

 

マートル(銀梅花)(祝いの木)  フトモモ科  ギンバイカ

花5月-6月。 白。花弁5枚・梅の花の形をしている。花弁の形は倒卵形(とうらんけい)。 雄蕊の花糸が花弁の丈よりずっと長く数が多いので、目立つ。葉は卵形(らんけい)・草丈1-3m。原産地は地中海沿岸・欧州南西部。芳香有り(柑橘系)。花は生食可。ハーブ。アロマオイル。ギリシャ神話のアフロディテを象徴する花。英国王室のウエディング・ブーケには必ずマートルの枝葉が加えられるとか。  花言葉・愛・愛のささやき・高貴な美しさ

※ 参照:マートルはブログ№199茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)で、ギンバイカの条で既出。文面は多少違っている。

 倒卵形(とうらんけい)とは、葉身の半分よりも葉先に近い方の幅が広くなっており、半分より葉元の基部に近い方が狭くなっていて窄(すぼ)まっている形を言う。卵を逆さにした様な形。

 卵形(らんけい)とは、葉身の半分よりも基部に近い方の丸味が大きく、半分よりも葉先の方が丸味が小さい葉の事を言う。

 

マツモト(松本)(マツモトセンノウ(松本仙翁))  ナデシコ科 マンテマ属(センノウ属)

花6月―7月。朱・紅。花弁5枚・花弁ハート形・但し、ハート形の先端が裂けたりしているので、一見花弁が幾枚にも見える。花径3-5.5cm。萼筒(がくとう)は細長い・茎頭か葉腋に花を咲かせる。葉は披針形(ひしんけい)対生(たいせい)する。有花茎(ゆうかけい)は叢(むら)立ち。多年草・草丈30-80㎝。熊本県の条例で指定希少野生動植物になっている。

マツモトセンノウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧1類(熊本県・宮崎県)

※ 萼筒(がくとう)とは、萼片(がくへん)が合着して筒状になったもの。(萼は花の一番外側に有って花を守る役目をしている。その萼には二つのタイプがあって、1枚ずつ分かれているものと合着しているものがある。1枚ずつ分かれているものを萼片と言う。)

※ 披針形(ひしんけい)とは、葉の一番広い所が葉身の1/2より基部に近い方にあり、葉柄に接続する部分が楔形(くさびがた)になっている葉の事を言う。

※ 対生(たいせい)とは、葉が対(つい)になって向き合って着いている葉のこと。

※ 有花茎(ゆうかけい)とは、花のみを着ける茎を花茎(かけい)と呼ぶのに対し(例:タンポポ)、花も葉も着ける茎を有花茎と言う。

 

マツヨイグサ(待宵草)  アカバナ科  マツヨイグサ

花5月-6月。黄。夕方に開花する時は黄色・朝になると朱色になってしおれる。花弁4枚・花はハート形・花は上部の葉腋から花柄を出して着く。花径3-6cm。葉は線状披針形・目立たないが小さな鋸歯有り・有花茎は直立・原産地・南北アメリカ大陸。観賞用として日本にもたらされた。繁殖旺盛な帰化植物。川原・砂浜・休耕田・地味の乏しい土地などの荒れ地にいち早く進出するパイオニア植物である。同種属間の交雑が容易に行われ、変種が多い。園芸品種の花は、赤・白・赤絞りなどの外八重咲なども有る。原産地は諸説あり・中国大陸・東アジア・九州阿蘇地方など。  花言葉・二人の秘密。

ツキミソウマツヨイグサの違い : ツキミソウの花の咲き始めは白い。マツヨイグサの咲き始めは黄色い。ツキミソウが咲き終わる時は淡いピンク色になるが、マツヨイグサが萎れる時の花色は橙色になる。

「富士には月見草が良く似合う」と太宰治が言った月見草は黄色い花と言うので、それはマツヨイグサかオオマツヨイグサを指している。また、竹下夢二が作詞した「宵待草」マツヨイグサの事である。「待宵草のやるせなさ」と言うべき詩を、「宵待ち草のやるせなさ」(宵を待つやるせなさ)とした方が、心情と景色が融和し、言葉のイントネーションと旋律にも無理がない。「宵」と「待つ」を引っ繰り返したのは夢二の造語である。ヨイマチグサと言う植物は存在しない。

※参考 ブログ№200 茶花総覧(5) 夏(た行~は行) にツキミソウ既出

 

マユミ(真弓)(檀)  ニシキギ科  ニシキギ

花5月-6月。淡緑白。花弁4枚・花径8㎜。花弁幅は細く、十字形になる。花は小さく目立たない。葉は楕円形・対生・縁の鋸歯(きょし)は小さくて目立たない。果期は秋・果皮の色は白・薄紅・濃い紅色。完熟すると果皮が4つに割れ真っ赤な実が出て来る。落葉広葉樹中木・樹高3-10m。黄or紅葉が美しい。日本・南千島・サハリン・中国に分布。若葉は食用可。果実有毒(カルデノリド・グリコシド・腹痛・下痢・運動麻痺・腎不全・意識喪失・重篤の場合は心停止)。ペット有毒。  花言葉・あなたの魅力を心に刻む・真心・艶めき。  分布特性上重要な種(鹿児島県)。 

ニシキギニシキギ属の仲間で絶滅に瀕している植物は、上記の外に下記の10種類がある。

アバタマユミ ・ アンドンマユミ ・ オオコマユミ ・ コマユミ ・ サワダツ ・ ナガバヒゼンマユミ ・ ニイタカマユミ ・ ヒゼンマユミ ・ ムラサキマユミ ・ リュウキュウマユミ

上記の内、5例を挙げる。

アンドンマユミ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA(CR)絶滅危惧1類(福島県)

サワダツ 絶滅危惧1類(東京都・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県・千葉県)。絶滅危惧種(三重県奈良県大分県熊本県佐賀県)

ヒゼンマユミ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)絶滅危惧Ⅰ類(徳島県山口県大分県)。絶滅危惧Ⅱ類(福岡県・大分県)。

ムラサキマユミ 絶滅危惧Ⅱ類(京都府)。絶滅危惧種(長野県)。情報不足(奈良県徳島県)。絶滅の恐れがある地域個体群(新潟県)。

 鋸歯(きょし)とは、葉の縁(ふち)にあるギザギザ。

 

マンダラゲ(曼荼羅華) =チョウセンアサガオダチュラ

 ブログ№200 茶花総覧(5) 夏(た行~は行)のチョウセンアサガオの条を参照。

 

マンリョウ(万両)(ヤブタチバナ)  サクラソウ科  ヤブコウジ

花7月-8月。 白。 花冠は基部で合着しているが、深く5裂しているので、花弁5枚に見える。雄蕊5個。雄蕊は纏まって槍の穂先の様に尖(とが)っている。故に、ギリシャ語で属名はアルディシア(Ardisia)で槍先の意味。雄蕊の真ん中から雌蕊が突き出ている。花茎8㎜。花は小枝の先に下向きに咲く。成長に合わせて古い葉を落して行くので、結果的に果実は常に葉陰の下に実る。葉の縁に波状の鋸歯が有るが、その鋸歯が膨れていて、その膨らみの中に葉粒菌が入っている。マメ科の植物が根に根粒菌を持って共生しているが、マンリョウはそれを葉に持って共生している。果実の下は葉が無い状態の直立した裸の幹になる。散形花序(さんけいかじょ)林下の日陰などに自生する・常緑広葉樹低木・樹高05‐1.5m。株立ち・果実鑑賞の時期は11月~1月。原産地・日本・朝鮮半島・中国・台湾・インド・東南アジア。毒性の有無については余り研究がなされていない様である。生薬(生薬名・朱砂根(しゅしゃこん)感冒薬・扁桃腺炎薬)。(生薬名・朱砂根葉(しゅしゃこんよう)は打撲傷の外用薬)。  花言葉・寿ぎ・財産・徳のある人・金満家・陰徳。  情報不足(福島県)。

サクラソウヤブコウジ属の仲間で絶滅に瀕している植物は、上記の外に下記の3種類がある。

オオミマンリョウ  絶滅危惧Ⅱ類(千葉県)。

シナヤブコウジ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県・沖縄県)。

ツルマンリョウ   環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅危惧Ⅰ類(広島県山口県・鹿児島県・沖縄県)。絶滅危惧種(奈良県)。

 散形花序(さんけいかじょ)とは、茎や枝の先端から放射状に花柄を伸ばして花を咲かせるタイプ。例:サクラソウ・ネギ・ヤツデの花。

 

ミツガシワ(三槲)(ミズガシワ)(ミズハンゲ)(ミズバオモダカ)(ミズゴボウ)(ネムリグサ)            ミツガシワ科  ミツガシワ属

花6月-7月。 白。花冠は5裂・糸状の長い毛が花弁から無数に生えている。花弁5・星形。基部はロート状。花の直径は1.5㎝・花茎の上部に総状花序(そうじょうかじょ)の花を咲かせる。葉は楕円形(だえんけい)又は卵形。茎の先端に三枚の葉を着ける。湿原や水深の浅い池塘(ちとう)や沼に生育、地下茎で繁殖域を広げる。草丈20-40㎝。200万年前の氷河期の生き残り(残存植物)。生薬(生薬名・睡菜(すいさい)・睡菜根(すいさいこん)・イリドイド配糖体(ロガニン)・アルカロイド(ゲンティアニン・ゲンティアニジン)・苦味健胃・瀉下(下剤)・消化不良・胃炎・胃痛・便秘などに効果)。鹿がミツガシワを好んで食べるので、食害により急速に数を減らしている。尾瀬などでは鹿の食害対策に苦慮しているらしい。  花言葉・私は表現する。

絶滅(神奈川県・愛知県・福岡県・熊本県)。絶滅危惧1類(茨木県・千葉県・東京都・三重県兵庫県岡山県山口県大分県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・新潟県・石川県・岐阜県滋賀県鳥取県島根県広島県佐賀県)。絶滅危惧種(福井県)。希少な野生生物(岩手県)。要注目種(静岡県京都府)。

 総状花序(そうじょうかじょ)とは、主軸が長く伸び、花柄のある花が、主軸の下部から上に向けて、間隔をあけて順次開花して行くタイプを総状花序と言う。総じて花の柄は下の花の方が長く、頭頂に行くにつれ花茎が短くなっていくが、花がドーム状になるほどではない。例:フジ・タチアオイ

  

ミツバシモツケ(or ミツバシモツケソウ)  バラ科  ギレニア属

花5月-6月。 白・薄いピンク。花弁5枚・花弁は痩せた披針形の形をしていて花の先が尖る。花弁の並びは「大」の字型。いわゆるシモツケソウの花とは似ていない。葉は草丈50-100㎝・葉は3出複葉・多年草・冬季落葉・原産国・北米。

 

ミヤコワスレ(都忘れ) 開花期が4月—6月なので、春の季節に組み入れている。  ブログ№198茶花総覧(3) 春(た行~わ行)で既出。

 

ミヤコグサ(都草)(牛角花)  マメ科  ミヤコグサ

花5月-10月。 黄。蝶形花。花径1.5㎝・匍匐(ほふく)性・蔓状・草丈10-30㎝。葉は互生・3出複葉(さんしゅつふくよう)。小葉は卵形か楕円形・全縁(ぜんえん)(鋸歯(きょし)無)・萼は筒状。咢の先端は裂ける。草地や海岸・山地など日当たりの良い所に咲く。東アジア一帯に分布・日本では北海道から南西諸島の宮古島迄生育域を広げる。ミヤコグサはゲノムサイズが小さく、人工授粉が簡単で、種子を多く作るなどの多くの点で植物の研究に格好の素材として注目されている。この性質を利用して、JSXAミヤコグサの種を宇宙へ持って行き、宇宙飛行をした種と、地上の種と放射線の影響を受けた種を全国の学校に配布、栽培実験をした。  花言葉・おしゃれな。

マメ科の仲間で何々ミヤコグサと名の付く植物に絶滅が危惧される植物が下記の1種ある。

シロバナミヤコグサ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

 3出複葉(さんしゅつふくよう)とは、葉柄の先端に小葉が一枚、その脇の左右に小葉が1枚ずつ、合計3枚の小葉がついて1セットになっている葉の事。

※ 全縁(ぜんえん)とは、葉の縁にギザギザの鋸歯が無い葉の事を言う。例:ハスの葉・サカキの葉。

 

ミヤマオダマキ(深山苧環)  キンポウゲ科  オダマキ

花6月-8月。低地では4月-5月が花期。 青紫・ピンク・白。 花茎(かけい)先端に1-数個の花を着ける。花は下を向く。外花被片(がいかひへん)((がく))5枚で青紫色内花被片(ないかひへん)(花弁)も5枚で、花弁は内側にまとまって筒の様に閉じ加減・内花被片の花弁の先端は白っぽくなり、基部で外花被片の間を突き出て(きょ)を形成している。従って内花被片と距の数は同じ。距は後ろで鉤状に曲がっている。花径3.5- 4.2㎝。草丈10-25cm・落葉する。葉は根生状で2回三出複葉(にかいさんしゅつふくよう) 小葉は2-3裂・根生葉(こんせいよう)叢生(そうせい)多年草・高山帯の日向の砂礫地や草原に生育。盗掘や生育地の踏み荒しで数を激減させている。全有毒(プロトアネモニン・ラナクリン・皮膚炎・腹痛・下痢・口腔の潰瘍・嘔吐・血尿・腎障害・心臓障害)・生薬(生薬名・苧環(ちょかん)・鎮痛・消炎作用)。  花言葉・努力の勝利・あの人が気がかり・温和。

絶滅危惧1類(秋田県宮城県群馬県・石川県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)。情報不足(福島県)。

 花茎(かけい)とは、花だけをつける茎の事を言う(例:タンポポ)

※ 外花被片(がいかひへん)とは、萼が花弁に変化したもので、花弁の一番外側にある。

※ 内花被片(ないかひへん)とは、花の内側に在る花弁で、雄蕊や雌蕊・子房などに直結している花弁の事。

※ 二回三出複葉(にかいさんしゅつふくよう)とは、頂小葉と左右の脇小葉の3枚を1セットとして、そのパターンが何回繰り返されるかと言うのが回の言葉に籠められています。

3出複葉の基本形は頂小葉と左右の脇小葉を合わせて3枚が1セットで1回。

2回3出複葉と言うのは、頂小葉1セット(小葉3枚)を一つに纏めて大括りの頂小葉と見なし、同じ様に大括りの左小葉1セット(小葉3枚)と、大括りの右小葉1セット(小葉3枚)の構成になっています。合計3セット(小葉9枚)

3回3出複葉の場合は、上記の2回3出複葉の全セットを纏めて頂小葉1枚に相当するとみなします。そして、それと同じ構成群を大きくまとめて小葉と見なし、それぞれ左右に配します。頂小葉群3セット(小葉9枚)・左小葉群3セット(小葉9枚)・右小葉群3セット(小葉9枚)で、合計小葉群9セット(小葉27枚)

※ 叢生(そうせい)とは、一か所から叢(むら)がって生える事。

 

ミヤマキンバイ(深山金梅)(ミヤマキンバイ) バラ科  キジムシロ属

花7月-8月。 黄。 花弁5枚・花弁の先に小さな窪みがあり、ハート形。花弁の基部は橙色を帯びる(←ミヤマキンポウゲの基部は橙色を帯びない)。雄蕊20・雌蕊多数。咢片と副咢片は同数で各5個ずつ。葉は3枚一組の3出複葉(イチゴの葉に似る)(←ミヤマキンポウゲの葉は深裂して複雑な形をしているが、1枚の葉である)。小葉は倒卵形で葉脈がはっきりし、鋸歯あり。萼・葉・茎共に毛深い。草丈10-20㎝。亜高山や高山の岩場や砂礫地に生息・本州中部から北海道・千島・サハリン。 花言葉・幸せ。  絶滅危惧Ⅱ類(岩手県秋田県福井県)。

 

ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)  キンポウゲ科   キンポウゲ属

花7月-8月。 黄。 花の形は梅似・花弁5枚・有花茎の上部で分岐、分枝の先に花を1輪着ける。葉は掌状で深裂・深裂した葉の小裂片が更に裂けて、リアス式海岸の様に複雑な葉の縁を描く。草丈10-50㎝。亜高山帯・高山の湿った草地・雪渓の脇などを生育の場所としている。高山植物・鹿の食害が著(いちじる)しい。牛はミヤマキンポウゲを食べない。全有毒(プロトアネモニン・口腔炎症・吐気・腹痛・下痢・痙攣)。日本固有種。  花言葉・軽蔑・無精。  絶滅危惧種Ⅱ類(秋田県)

 

ミルクブッシュ(ミドリサンゴ)(青珊瑚)  トウダイグサ科  トウダイグサ

観葉植物。多肉植物・熱帯植物。 株立ちし、能く枝分かれをする。傷を着けると白い樹液が出て来る。これがミルクブッシュの名前の所以(ゆえん)。この乳汁は猛毒・皮膚につくと皮膚炎を起こす。全有毒(ジテルペンエステル・皮膚炎・水疱・強い刺激痛・目に入ると角膜が糜爛(びらん)剥離・嘔吐・腹痛・発がん性物質有り)。低木・樹高10-200㎝。熱帯アフリカ原産。手入れをする時は厳重注意。

 

ムクゲ(木槿)(ハチス)  アオイ科  フヨウ属

花7月-9月。白・ピンク・赤・紫・複色。一重咲きと八重咲が有る。一重咲きは花弁5枚・花径5-10cm。雄蕊多数・雌蕊は花の高さ位までに突き出している・枝先に開花・一日花・葉は卵形or菱形・浅く3裂。落葉広葉樹低木。韓国の国花。原産地・中国。

昔、足利義晴が将軍だった頃、一日花のムクゲは不吉の花として禁花(活けてはいけない花)だった。短命を暗示するムクゲも、侘茶が流行って一期一会を表すものとして受け入れられる様になり、今では禁忌の縛りがすっかり解けて、夏の茶花の代表的な一つとなっている。

ムクゲ①  ギオンノマモリ (祇園守)(ギオンムクゲ) ムクゲの品種の一つ。白い半八重咲品種で、京都の八坂神社に咲いているムクゲの花。外花被片が大きく平開し、内側の花弁は細幅で立ち上がっている。花の形が祇園神社の神紋に似ていることから付けられた名前。

ムクゲ②  ソウタンムクゲ(宗旦木槿)  

白い一重咲きで、中心に少し紅をさした様なムクゲを、茶人の千宗旦(1578-1658)が愛した花と言われている。その花をソウタンムクゲと言う様になった。品種的にはムクゲと全く同じ。

 

ムラサキ(紫)(紫草(むらさきぐさ)) ムラサキ科 ムラサキ属  

花6月-8月、 白。花は小さく花弁は5枚。草丈30-60㎝。半日陰の排水の良い所を好む。根は太く、乾燥すると紫色になる。染料(江戸紫の染料・口紅)。ムラサキは「日本薬局方」に登録されている漢方薬で「紫雲膏(しうんこう)」と言う。薬・生薬名は紫根(しこん)(ナフトキノン・シコニン・アセチルシコニン・イソブチルシコニン・口内炎・舌炎・解熱・解毒・利尿・皮膚病・火傷・痔に効用有)。 有毒(ピロリジジンアルカロイド・肝臓癌を誘発。健康食品や美白効果有りとして市販されているが、これを含んでいるので注意が必要である)。

環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅(埼玉県・千葉県・愛知県・三重県大阪府奈良県和歌山県長崎県熊本県・宮崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅰ類(北海道・青森県岩手県秋田県山形県宮城県福島県茨城県・栃木県・群馬県・神奈川県・長野県・山梨県静岡県岐阜県京都府兵庫県岡山県広島県山口県高知県愛媛県・福岡県)。情報不足(東京都・滋賀県徳島県大分県)

ムラサキ科ムラサキ属の何々ムラサキと言う仲間で絶滅に瀕している植物は、上記の外に下記の5種類がある。

イヌムラサキ  絶滅危惧Ⅰ類(福島県群馬県・千葉県・長野県)。情報不足(愛媛県)

イワムラサキ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧1類(長野県)。

エゾムラサキ 絶滅(山形県)。絶滅危惧1類(福島県群馬県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県・岐阜県)。

ゾルリムラサキ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(北海道・秋田県)

ミヤマムラサキ 絶滅危惧Ⅰ類(群馬県山梨県・石川県・福井県)。絶滅の恐れのある地域個体群(新潟県)。

 

ムラサキシキブ(紫式部)  シソ科  ムラサキシキブ

花6-7月。 淡紅紫色。 筒状花・花冠4裂し、裂片は平らに開く。 雄蕊4個・花糸(かし)は淡紅紫色・(やく)は黄色。 雌蕊1個・花柱(かちゅう)は淡紫色・柱頭(ちゅうとう)は白半透明。花の身長3-5㎜。葉腋から集散花序(しゅうさんかじょ)を出して咲く。葉は長楕円形・葉身6-13cm。鋸歯全周に有り。果実10月。果実の色は紫・果実直径3㎜。果実が白の色違い(シロシキブ)も有り。秋に黄葉。落葉広葉樹低木・樹高2-3m。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

シソ科ムラサキシキブ属の中で、何々ムラサキシキブと言う絶滅が危惧されている種は上記の外に下記の1種がある。

オオムラサキシキブ 準絶滅危惧種(岩手県)。

 花糸(かし)とは、雄蕊(おしべ)の器官で、葯を支える糸状の柄。

 葯(やく)とは、雄蕊の器官で、花粉のある袋。

 花柱(かちゅう)とは、雌蕊(めしべ)の器官で、雌蕊の頭と子房を結ぶ柱。

 柱頭(ちゅうとう)とは、雌蕊の器官で、雄蕊の花粉を受け取る先端部分。受粉すると柱頭で発芽し、花粉管を伸ばして子房に達する。

※ 散形花序(さんけいかじょ)とは、茎や枝の先端から放射状に花柄を伸ばして花を咲かせるタイプ。例:サクラソウ・ネギ・ヤツデの花。

 

メラレウカ(ティーツリー)  フトモモ科  コバノブラシノキ

花4月-6月。白・ピンク・紫。 花弁5枚・雄蕊が異様に長い。雄蕊5-6本ぐらいが基部で合着し一枚板の様になったものが5枚ある。その板状の雄蕊が立ち上がって直ぐ合着を解き、離ればなれになって花冠の外に突き出す。無数の雄蕊が花序を被(おお)い、 花はブラシ状。穂状花序(すいじょうかじょ)。葉は細身の長楕円形・一見針葉樹に見える程細い。葉は柔らかい。柑橘系の香気有り。生薬(オーストラリアの原住民アボリジニの万能薬・抗菌・抗ウイルス・抗真菌・感染症予防薬・傷口の消毒・消臭効果)。ハーブティー。アロマオイル・デンタル用品・石鹸・ボディケア用品などに利用。原産地・オーストラリア。ペット有毒。   花言葉・清潔・強い味方。

※ 穂状花序(すいじょうかじょ)とは、主軸が長く伸び、花柄が無く、花が直接茎に密着して穂の様に長く連なって咲く花のタイプを言う。例:オオバコ・ミズヒキ・グラジオラス。

 

モッコウバラ(木香花)  バラ科  バラ属

花4月-5月。白・黄。 一重咲き・八重咲。 花茎2-3㎝・蔓性・茎の伸長~10m・成長が早い。棘が無い。八重咲より一重咲きの方は開花が遅いが、芳香が強い。八重咲の方が開花が早く、花付きが良い。庭木や垣根に良く使われる。花言葉・初恋・幼い頃の幸せな時間。

 

モミジアオイ(紅蜀葵(こうしょっき))  アオイ科  フヨウ属

花7月-9月。 紅。花弁5枚・一重咲・花弁の形は細身の倒卵形・花弁同士は重なり合わず、隙間が有る。花径15‐20㎝。有花茎上部の葉腋から花柄を出し、総状花序で花を咲かせる。葉は掌状・深裂し鳥の足状態。  花言葉・温和。

 

モンステラ (デンシンラン)(ペッサム) サトイモ科 ホウライショウ属(モンステラ属)

花期不明。白い仏炎苞と薄黄色の肉穂花序。つる性着生植物。観葉植物。肉厚で艶があり、濃い緑の大きな葉である。深い切れ込みや葉脈の間に穴が空いたりして、破れうちわのようである。樹高10-200㎝。 ペットに対して葉と茎有毒(シュウ酸カルシュウム・口腔内炎症・嘔吐)。  花言葉・嬉しい便り・壮大な計画

 

ヤクシマケイビラン(屋久島鶏尾蘭)(ケイビラン)  

      キジカクシ科(クサスギカズラ科)  ケイビラン属

花7月-8月。 白-薄紫。 花6枚・釣鐘形・花の大きさ5㎜・下向きに咲く。雌雄異株・円錐花序。葉は雄鶏の尾に似ている(線形)。葉身10-40㎝・葉の幅10-25㎜。草丈20-40㎝。湿り気のある岩壁などに生育。絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。絶滅危惧種(三重県奈良県香川県長崎県・宮崎県・熊本県)。

 

ヤグルマギク(矢車菊) キク科  ヤグルマギク

花4月-7月。 白・ピンク・青・紫・チョコレート色・黒・複色。有花茎の先端に筒状花(とうじょう)(=管状花(かんじょうか))だけの花冠を作る。一重咲と八重咲がある。花径4—5㎝・花の名前は、姿が五月のコイノボリの竿先にある矢車に似ているから。総苞(そうほう)は壺型・苞片(ほうへん)に鋸歯有り。葉は線状披針形(せんじょうひしんけい)・下部の葉は倒卵状披針形(とうらんじょうひしんけい)・葉全体に綿毛が生えており、白っぽく見える。茎は中空・能く分岐する。草丈30-100㎝。生薬(フラボノイド・フェノール誘導体・利尿・強壮薬・洗眼剤)。エストニア共和国ドイツ連邦共和国フランス共和国マルタ共和国の国花。  花言葉・繊細・優美・教育・信頼。

 ※ 筒状花(とうじょうか)とは、花弁全てが合着し、継ぎ目のない1枚・つまり筒(つつ)のようになった状態で、雄蕊雌蕊の両方を完備している花の事を言う。筒状花=管状花

※ 管状花(かんじょうか)とは、花弁全てが合着し、継ぎ目のない1枚・つまり管(くだ)のようになった状態で、雄蕊雌蕊の両方を完備している花の事を言う。筒状花=管状花

※ 総苞(そうほう)とは、一つの花の基部に花全体を纏める為にある萼片の集まり

※ 萼片(がくへん)とは、総苞を形作っている萼の中の一枚。

※ 苞片(ほうへん)とは、葉腋(ようえき)から出ている小さな葉の事をいう。

※ 葉腋(ようえき)とは、 茎から分かれて葉が出て来る場所の、その二股に分かれているピンポイントの箇所を言う。股の上。

※ 線状披針形(せんじょうひしんけい)とは、細長い披針形の事。葉の基部が楔形(くさびがた)になっている葉のこと。

※ 倒卵状披針形(とうらんじょうひしんけい)とは、葉先の方が幅が広く、葉の基部の方が幅が狭くなっている葉を倒卵形と言い、その倒卵形の葉の基部が楔形になっている葉の事を言う。

 

ヤグルマソウ(矢車草)  ユキノシタ科  ヤグルマソウ属。

花6月‐7月。 花は初め緑白色・後に白色に変化。花弁は無い。白い円形の咢片が5枚、あたかも梅の花弁の様になって水平に開く。雄蕊の長さは3-4㎜で10-14本有る。雌蕊の花柱2本。少し離れて見ると蕊が一面に有って、花全体が白く毛羽立って見える。花径6-8㎜。花序軸10-40㎝。円錐花序(えんすいかじょ)。根出葉の一枚の葉身は10-40cm・幅は5-20㎝。形は倒卵形で3-5裂。鋸歯有り。その大振りの1枚の葉を小葉として、小葉5枚が1本の茎(葉柄)の先に矢車状に集まって掌状複葉(しょうじょうふくよう)を成す。葉柄は50㎝。花茎の下の方にも同様の葉が着く。北海道西南部・本州・朝鮮半島に分布・深山の谷川沿いの林の下などを好む。山野草ヤグルマソウとヨーロッパ原産のヤグルマギクと名前が似ているが、全く違う別物である。絶滅(大阪府)。絶滅危惧1類(茨城県奈良県)。絶滅危惧Ⅱ類(山口県)。絶滅危惧種(北海道・神奈川県)。

※ 円錐花序(えんすいかじょ)とは、枝や茎が分枝を繰り返し、円錐状に花が着くような形の咲き方を円錐花序と言う。例:サルスベリナンテン

 掌状複葉(しょうじょうふくよう)とは、カエデの葉の様に3裂~複数裂して人の手の形の様になった葉の事を言う。但し、その裂け方が、葉脈が一点に集中する所まで極端に深く裂(さ)けて分離してしまい、まるで3枚の葉であるかのような、或いは複数枚の葉であるかのように見える葉の事を掌状複葉と言う。

 

ヤナギタデ(柳蓼)  タデ科 イヌタデ

花7月-10月。 淡緑色・淡紅色。 花の長さ2.5-3.5㎜で花の上縁が4-5裂。穂状花序(すいじょうかじょ)。花穂(かすい)の長さは約7㎝。葉は披針形・葉身5―10㎝・茎に節有り。1年草・水中では多年草。草丈40-80㎝。水辺が好き。秋に紅葉する。全草に辛味有り(辛み成分ポリゴジアール)・蓼食う虫も好き好きのタデ。生薬(生薬名は水蓼・セスキテルペン(タデオナール)(イソタデオナール)・フラボノイド(ペルシカリン)・食あたり・暑気あたり・虫刺され・胃腸炎・腹痛・顔面浮腫に効果ありと言われている)。  花言葉・節操・健康。

 花穂(かすい)とは、花の穂。花が幾つも茎に着いていて、穂状になっている状態のもの。

 

ヤブガラシ(薮枯)(ビンボウカズラ(貧乏葛))  ブドウ科  ヤブガラシ

花6月-8月。 淡緑色。花弁4枚・雄蕊1本・花径5㎜。集散花序。開花後花弁と雄蕊は半日で散り、その後に橙色の花盤(直径3㎜)が残る。花盤は蜜が豊富。蟻や蜂などの多くの虫達を誘う。アシナガバチスズメバチの好物。葉は鳥足状複葉で、小葉は卵形。草丈(蔓の伸長)2-3m。他の植物に巻きひげを絡ませながら成長、他の植物の上に覆い被さる様に繁茂して、他を枯らす。地下茎で生息域を広げる。地上部の葉を刈り取っても根が残っていれば出芽。繁殖力旺盛で、駆除は容易ではない。ヤブガラシは、絡みつく相手を識別していて、決して同じヤブガラシには絡みつかない。絡みつく相手を選んでいる事が最近分かって来た。ヤブガラシには庭の手入れの行き届かない様な貧乏な家に生える草、と言う意味で、ビンボウカズラの別名がある。東アジア~東南アジアに分布。日本では高山や亜高山地帯を除く何処にでも生息。住宅地・公園・線路わき電柱に絡まったりしていて普通に見られる雑草である。有毒(シュウ酸カルシュウム)。食用可。水に晒して十分に灰汁(あく)抜すれば、天ぷらやお浸しの格好の食材になる。 花言葉・不倫・攻撃性・積極的。

ブドウ科ヤブガラシ属の中で、何々ヤブガラシと言う絶滅が危惧されている種に下記の3種がある。

アカミノヤブガラシ 分布特性上重要な種(鹿児島県)。情報不足(沖縄県)。

ハヤマヤブガラシ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

ヒイラギヤブガラシ 情報不足(鹿児島県)

 

ヤブコウジ(藪柑子)(十両)(ヤマタチバナ)  

            サクラソウ科(ヤブコウジ科)  ヤブコウジ

花7月-8月。 白・ピンク。花冠は5裂・葉腋から数本の花柄を出しその先に花を着ける。散形花序(さんけいかじょ)・花は下向き・花径4—8㎜・果実は10-11月・真っ赤な実を着ける。 常緑広葉樹低木・匍匐(ほふく)性有り・樹高10-30㎝。林の日陰に自生。地下茎で広がり、群生する。過去には一時ブームが巻き起こり、投機の対象になった事がある。原産地・極東アジア生薬(生薬名・紫金牛(しきんぎゅう)・咳止め・化膿性の腫物に効果・犬の回虫虫下し・馬の回虫と蟯虫の虫下し)。 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。準絶滅危惧種(北海道)。

サクラソウ科で何々ヤブコウジと言う名前の絶滅に瀕している種は、外に2件ある。

シナヤブコウジ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県・沖縄県)。

ホソバヤブコウジ 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

ヤブデマリ(薮手毬)  スイカズラ科(ガマズミ科)(レンブクソウ科) ガマズミ属

花5月―6月。 花は淡黄色・装飾花は白。ガクアジサイの様に中心部に細かい花(これは両性花)が有り、その外側に咢が変化した装飾花がある。中心部の両性花の花弁は5枚・花径5―6㎜。装飾花は5裂し、5枚の花弁が有る様に見える。但し、装飾花の内側に在る1枚は極端に小さい。装飾花は平開し花径は20-25㎜。雄蕊5本・散房花序(周りの装飾花が全て両性花になったものがオオデマリである。)。葉は対生・葉は倒卵形や長楕円形・葉身5-16㎝。枝は水平に伸びる。落葉広葉樹低木。樹高2-6m・関東以西~九州に分布・山間地の林床で沢などの湿った場所に自生。果実は8月-10月・小豆(あずき)くらいの大きさ。実の色は赤から黒紫に変化。  花言葉・年輪を重ねる。絶滅危惧1類(鹿児島県)

 

ヤブレガサ(破れ傘)  キク科  ヤブレガサ属  

花7月-10月。 白・淡紅色。筒状花・花冠は5裂・この花が4-7個集まって一つの総苞(咢の集まり)に包まれている。総苞を構成する咢片は5枚・総苞も筒状。総苞の長さ9-10㎜・この総苞片に包まれた花々を纏めて一つの小花集団とすると、小花集団が7-13個集まって、花茎の上部に円錐花序を作る。花茎直立。葉が出芽の頃は、破れた傘を折畳んだ様な状態・成長して開くと葉身は30-50㎝・円形・但し、深裂が甚だしく基部まで及び、一見10枚以上の倒卵形の葉が車輪状に構成している様に見える。茎は直立・茎の高さは1m 多年草・草丈・30-100㎝・日本では本州四国九州に分布・林床傾斜地に生える。食用可・若芽のお浸しなど。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県熊本県)。絶滅危惧種(富山県奈良県・福岡県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

キク科ヤブレガサ属で、何々ヤブレガサと言う名前の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の3種が有る。

タンバヤブレガサ 環境省カテゴリ絶滅危惧情報不足。絶滅(京都)。

ヒュウガヤブレガサ 絶滅危惧Ⅰ類(熊本県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮崎県)。

ヤブレガサモドキ 環境省カテゴリ絶滅危惧1B(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(兵庫県愛媛県高知県)。

 

 ヤマアジサイ(山紫陽花)  アジサイ科  アジサイ

花6月-7月。 白からうす紫に変化する。両性花と装飾花から成る。両性花は中心部に広がり、装飾花はその周りを取り囲む。両性花の身長1.5㎜・花弁5枚・咢片が変化した装飾花の直径1.5-3cm。咢片は3-4個。枝先に集散花序を出して咲く。集散花序の直径5―18㎝。ガクアジサイより小振り。果実10-11月。葉は対生・葉身10-15㎝。長楕円や卵状楕円形・先は尖る・鋸歯有り・落葉広葉樹低木・樹高1-2m。 福島以南の太平洋側の山地に自生。沢沿いの湿った所が好き。全有毒と言われている。青酸配糖体が主要有毒成分との説が有るが、成分特定には至っていない。  花言葉・乙女の愛・切実な愛。 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。絶滅危惧種(岩手県)。

アジサイ科で、何々アジサイと言う名の絶滅危惧種は、上記の外に下記の1種が有る。

ナンゴクヤマアジサイ 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

なお、ヤマアジサイについては、ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のアジサイの条で、アジサイの種類の一つとして名前だけを挙げている。

 

ヤマオダマキ(山苧環)  キンポウゲ科  オダマキ

花6月-8月。 花弁は黄・薄緑、咢片は赤紫色・黄。花弁5枚で筒の様に内向きにまとまる・咢片5枚は外側に向かって開く・距は5個・たまに距の無いものも有り。花径3-3.5㎝・有花茎は株元から数本立ち上がり上方で分枝、分枝先の先端に花を咲かせる。花は俯(うつむ)いて下を向く。根出葉の葉柄は15‐25㎝・長い葉柄から更に短い葉柄が分れ、小葉が着く。小葉は扇形で3裂・漢字「山」の形となる。「山」形の葉が3枚。2回3出葉を成す。日本固有野生種。  全有毒(プロトアネモニン・皮膚炎・腹痛・下痢・口腔潰瘍・嘔吐・流涎・胃腸炎・眼に入ると流涙・血尿・多尿・胃腸障害・心臓障害等)・食べると焼けるような痛みを感じるので大量に経口摂取する可能性は無い、と言われている。また、昔、ペストの治療薬に用いられたそうだが、毒性が強く、廃(すた)れてしまった。ペット有毒(アドニトキシン・アネモニン・心臓麻痺・呼吸麻痺)。  花言葉・愚か・必ず手に入る・勝利への決意・心配で震える。絶滅(京都府)。絶滅危惧I類(東京都・奈良県大分県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・石川県・鳥取県和歌山県)。絶滅危惧種(埼玉県)。

キンポウゲ科で、オダマキと言う名の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の2種が有る。

オダマキ 絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・福岡県・熊本県)。絶滅危惧種(千葉県・三重県)。

ミヤマオダマキ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県宮城県群馬県・石川県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)情報不足(福島県)。

 

ヤマゴボウ(山牛蒡)   ヤマゴボウ

花6月-9月。 白。 花弁5枚・花弁と見えるのは咢片・花弁は無い・雄蕊8本。花径8㎜・総状花序・花序軸の長さは5-15㎝。葉は互生(ごせい)・葉身10-20㎝。楕円形・卵状楕円形・全縁(鋸歯が無い)多年草・草丈1.5m。根は直根・ゴボウに似る。有毒。原産地・ヒマラヤ・中国。食用・薬用として輸入され栽培されたが、今では栽培はされず、野生化している。土産物屋で売っているヤマゴボウは本種ではない。モリアザミなどの根である。ヤマゴボウは有毒なので、食用不可。絶滅危惧Ⅰ類(山梨県奈良県)。情報不足(愛媛県・鹿児島県)。

ヤマゴボウ科で、何々ヤマゴボウと言う名の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の1種が有る。

マルミノヤマゴボウ 絶滅危惧1類(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・愛媛県佐賀県)。 絶滅危惧Ⅱ類(長野県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(岡山県広島県高知県)。情報不足(鳥取県)。 地域個体群(新潟県)。要注目(福井県)。

※ 互生(ごせい)とは、葉が茎に互い違いに着いている状態の事を言う。

 

ヤマシャクヤク(山芍薬)  ボタン科  ボタン属

花4月-6月。 白。 花弁5―7枚・雌蕊3本・雄蕊多数。花は茎頂に1輪を咲かせる。小葉は倒卵形・葉身5―12㎝。2回3出複葉。 多年草・草丈30-60㎝。果実は熟したものは黒く、不稔のものは赤くなる。広葉樹林下の山地に生育。石灰岩の土質を好む。朝鮮半島・日本に分布。生薬(生薬名・山芍薬)(モノテルペン・鎮痛・鎮痙・腹痛・身体痛)。花言葉・はにかみ・威厳・恥じらい。

環境省カテゴリ絶滅危惧(NT)。絶滅(千葉県)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県・栃木県・群馬県・東京都・富山県・石川県・大阪府和歌山県・福岡県・佐賀県長崎県大分県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(青森県岩手県宮城県福島県茨城県・埼玉県・新潟県・長野県・岐阜県・愛知県・福井県京都府三重県岡山県香川県山口県)。絶滅危惧種(北海道・秋田県・神奈川県・山梨県静岡県滋賀県奈良県鳥取県広島県徳島県熊本県・宮崎県)。

ボタン科ボタン属で、何々シャクヤクと言う名の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の3種が有る。

ベニバナヤマシャクヤク  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(北海道・青森県岩手県山形県福島県茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・新潟県・長野県・山梨県静岡県富山県・愛知県・滋賀県三重県京都府奈良県大阪府鳥取県岡山県島根県広島県山口県香川県徳島県・・愛媛県高知県熊本県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県兵庫県)。情報不足(岐阜県)。

ケナシベニバナヤマシャクヤク 絶滅危惧Ⅰ類(茨城県大分県)

ヤマシャクヤク 絶滅危惧Ⅱ類(茨城県)

 

ヤマナシ(山梨)(日本山梨)  バラ科  ナシ属 

花4月-5月。 白。花弁5枚・雄蕊約20・花柱5・花径2.5-3㎝。短枝の先に纏まって5-10本の花柄を出し花を着ける。散房花序。葉は卵形・葉先は尖る。互生・葉身7-12㎝。鋸歯有り・葉柄3-4.5㎝。果実9-10月。果実は黄褐色の球形で直径2-3㎝。酸っぱい。落葉広葉樹・本州中部以南から九州に自生・また、中国南部・朝鮮半島南部に分布。  花言葉・愛情・慰安。 絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・鹿児島県)。絶滅危惧種(和歌山県)。情報不足(岐阜県)

バラ科ナシ属で、何々ヤマナシと言う名の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の2種が有る。

イワテヤマナシ  準絶滅危惧種(岩手県)

ミチノクヤマナシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(京都府)。絶滅危惧Ⅱ類(青森県)。絶滅危惧種(岩手県)。情報不足(栃木県・岐阜県岡山県)。要注目(福井県)。

 

ヤマブキショウマ(山吹升麻)  バラ科  ヤマブキショウマ属 

花6月-8月。 黄白色。花弁5枚・花径2-4㎜・雄蕊は花弁より長い・小さな花が沢山集まって円錐花序を成す。花序の長さは10-30㎝。雌雄異株。2回3出複葉。小葉は卵形・葉身5―13㎝・二重鋸歯有り・側脈は綺麗に平行線を描く。紅葉する。草丈30-80㎝。多年草・芽吹きの頃の葉を食用にする。おひたし・和え物・天ぷらなど。

絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・三重県奈良県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ寧(愛知県・福岡県・鹿児島県)。絶滅危惧種(京都府)。

バラ科ヤマブキショウマ属で、何々ヤマブキショウマと言う名の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の2種が有る。

アポイヤマブキショウマ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。準絶滅危惧種(北海道)。

ミヤマヤマブキショウマ 絶滅危惧Ⅰ類(岩手県)。

 

ヤマブドウ(山葡萄)  ブドウ科  ブドウ属  

花6月-7月。黄緑色。 小花多数・円錐花序・落葉広葉樹蔓性低木・葉は大型・浅く3-5裂して掌状形(しょうじょうけい)・基部は凹んで心形(ハート形)になる。雌雄異株・果期10月・果実の直径8-10㎜。房状になり、完熟すると果実は黒紫色。生食可。生食の外、ジャム・ジュースなどにも利用・近頃ではワイン醸造も手掛けるようになっている。紅葉する。  

絶滅危惧Ⅰ類(山口県)。準絶滅危惧Ⅱ類(奈良県)。情報不足(大阪府)。要注目種(京都府)。

※ 掌状形とは、カエデの葉の様に何裂か切れ込みが有り、人の手の形に似ている葉をいう。

※ 心形とは、ハート形の葉を言う。例・スイレン、蕗

ブログ№202 茶花総覧(7) 秋(あ行~な行)でもこれと同文で再出予定。(理由:花の時期と実の鑑賞時期と違う為)

 

 ヤマボウシ(山法師)  ミズキ科  ミズキ属  利休7選花の一つ

花5月―7月。 淡黄緑色。 白く目立つ花弁の様なものは実は咢片が変化した装飾花。装飾花4枚・装飾花1枚の長さは3-6㎝で、その形は卵形で先端は尖る。装飾花の中心に有るポツポツした小さな球体が花の集合体。ポツポツ球体には花が20‐40個くらい密集している。1個の花は極小・花弁4枚・雄蕊4つ・花柱1。花は枝先に着き、上を向いて咲く。果実9-10月・果実は赤い。葉は広卵形や広楕円形・全縁(鋸歯無し)葉の先端が尖る・葉身5-10㎝・対生・葉裏の主脈と側脈が分かれる股の一か所にだけ、毛が特別に生えている場所がある。落葉広葉樹・低木~高木15m位迄育つ。実の食用可・但し、同属のハナミズキヤマボウシに似ていて、その実は有毒で中毒を起こす。落花後の樹種の判別は難しいので食べない方が無難。  花言葉・友情・女性によって繁栄する・素敵な女性に巡り合える。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

ミズキ科ミズキ属で何々ヤマボウシと言う絶滅に瀕した種が上記の外に下記の1種がある。

ヤエヤマヤマボウシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA(CR)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。

 

ヤマホトトギス(山杜鵑)   ユリ科  ホトトギス

花7月-9月。 淡白桃色・花弁に赤紫色の斑点が一面に有る。花は外花被片(咢が変化したもの)が3枚、内花被片(本来の花弁)が3枚。外花被片の方が幅広で、内花被片の方が細い。外側の花びらも内側の花弁も大きく開いて後ろに反り返り、花弁の先端は下を向く。花弁の基部に大きな膨らみがある。雄蕊6個・花柱は3つに分かれ、更に各々その先端が二つに分かれる。花柱にも赤紫色の斑点がある。茎頂から或いは葉腋から花の軸を出し分岐、分枝の先端花を咲かせる。外花被片の裏や基部、茎・葉などに腺毛が生えている。葉は長楕円形や楕円形・葉身8-15㎝・草丈30-70㎝。山地の林床に生育。日本と朝鮮半島に分布。  花言葉・永遠にあなたのもの・ひめた遺志。

 

ユウガオ(夕顔)   ウリ科  ユウガオ属  

花7月-8月。 白。合弁花・ラッパ型・夕方に開花して翌日の午前中に萎(しぼ)む。蔓性で長く伸びる。蔓の伸長約20m。栽培するには広い土地が必要。大きなウリが成り、その身を長く剥いて紐状にしたのが干瓢(かんぴょう)。ウリを煮たりして食用にもする。又、容器にも利用したりする。有用植物。アフリカ原産・全弱毒(ククルビタシンE・唇の痺れ・吐気・嘔吐・腹痛・下痢)。
なお、キュウリ・メロン・スイカなどにもククルビタシンは含まれている。殆どの場合含有量が少ないので問題はないが、たまに多く含まれているものもある。口に入れて苦いものは食べない方が良い。厚生労働省の自然毒のリスクプロファイル:高等植物に「ユウガオ」がリストアップされている。 花言葉・夜・はかない恋・罪

 

ユーカリ フトモモ科 ユーカリ

花・種類によって開花の季節が違う。ユーカリの種類は900種近くある。常緑高木5m-70m(90mを超えるものもある)。葉にテルペン油を含む。テルペン油は揮発し易く、高温乾燥すると自然発火する。オーストラリアに自然発火が多い一因である。ユーカリの種は熱を受けると発芽する仕組みになっている。葉は楕円形・成長すると長披針形・葉の色は灰色っぽい。全有毒 (青酸配糖体・シネオール・フェノール・タンニン・下痢・嘔吐・呼吸困難・重篤の場合は致死)。ペット有毒。

 

ユウギリソウ(夕霧草)  キキョウ科  ユウギリソウ属

花5月-6月。或いは6月-9月。  濃青紫・濃紫・赤紫・薄紫・白。花径2-4㎜。花冠は5裂・萼筒(がくとう)は線形円筒・咢は5裂で丈は0.5㎜。よく枝分かれをする。細かい花の集合体・散房花序(さんぼうかじょ)散房花序の直径5-10㎝(栽培品種だと20㎝位まで大きくなる)。雄蕊5本・葉は卵形又は楕円形鋸歯有り・葉身3-7㎝・葉幅1.5-3.5㎝。多年草・草丈60-100㎝。日本に大正時代に入って来た。ヨーロッパ・西アジア原産。

※ 萼筒(がくとう)とは、1枚1枚の萼が合着して筒状になったもの。この筒状の部分に花の基部が収まる。

※ 散房花序(さんぼうかじょ)とは、主軸に間隔を詰めて花柄のある花が着き、下部から上に向けて、順次開花して行く。その時の花柄は下の方が長く、上に行くにつれて花柄の長さが短くなる。また、上に行くに従って花柄の茎から出る間隔も短くなり、全体的に花の位置が水平に近くなる、或いはドーム状に盛り上がる。例:オミナエシコデマリ

 

ユキノシタ(雪の下)  ユキノシタ科  ユキノシタ

花5月-7月。 白。花弁5枚・花は横向きに咲く。上の3枚の花弁は小さく、赤紫の斑点がある。下2枚の花弁は上の花弁に比べて数倍も大きく、ウサギの耳の様な形をして、下に垂れている。花茎の上部に円錐花序を作る。葉は円形に近い腎臓形。葉脈に沿って色が抜けた様な斑がある。肉厚・浅い切れ込みと鋸歯有り。茎の枝を伸ばし(走出枝(そうしゅつし))、伸ばした着地点で発根、生育域を広げる。日陰や湿った場所が好き。常緑多年草。草丈20-50㎝。 生薬(生薬名・虎耳草(こじそう))火傷・しもやけ・腫物・中耳炎・痔に効能)・食用可。 花言葉・深い愛情・博愛・恋心・交換。

ユキノシタユキノシタ属で何々ユキノシタと言う絶滅に瀕した種に下記の5種がある。

イワユキノシタ  絶滅(東京都)。絶滅危惧Ⅰ類(神奈川県)。絶滅危惧種(山梨県)。

クモマユキノシタ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。

ハルユキノシタ  絶滅危惧Ⅱ類(新潟県)。絶滅危惧種(京都府)。分類上重要種(滋賀県)。

フキユキノシタ 絶滅危惧1類(岐阜県)。絶滅危惧Ⅱ類(福島県新潟県)。絶滅危惧種(群馬県・石川県)。

ホシザキユキノシタ 絶滅危惧Ⅰ類(茨城県)。

ムカゴユキノシタ 絶滅危惧1類(山梨県・長野県)。絶滅危惧Ⅱ類(富山県)。要注目種・部会注目種(静岡県)。

 

ユリ(百合)  ユリ科  ユリ属

ユリと言って思い浮かべる花は、人それぞれに違う姿をしている花かも知れない。鉄砲百合だったり、すかし百合だったり、山百合だったり・・・ユリは北半球を中心に広く分布をしていて、原種だけでも100種以上あるらしい。それらを基に更に園芸品種が作出され、百合だけでも百花繚乱の趣がある。ユリは香りが強いと言って茶花として敬遠する場合が有る。又、茶室の空間を圧倒する様な存在感のあるものが多々あるので、侘びの空間に馴染まないかも知れない。その点も配慮しなければならないが、ここでは、それを承知の上で百合の幾つかを取り上げてみる。

ユリ属に共通する特色は、地下に鱗茎(百合根)を有し、有花茎(花だけではなく、葉っぱも一緒に着いている茎)を直立させ、ラッパ型の花を横向きか上向きに咲かせる花であり、花弁は咢が変化した外花被片3枚と、内花被片3枚の計6枚で構成されている。また、葉は平行脈を持つ単子葉である、と言うのが共通項である。

それらをユリ科ユリ属の共通項として踏まえた上で、下記の12種類のユリについて記す。

 

ユリ①  エゾスカシユリ(蝦夷透百合)

花6-7月。橙色。花弁に濃橙色の斑点有。上向きに咲く。花弁はあまり強く反らない。草丈20-90㎝。百合根は食用可。北海道に分布。 花言葉・純真な心・無垢な愛。

 

ユリ②  オニユリ(鬼百合)

花7-8月。橙色、花弁に濃い赤紫の斑点有り。真下を向いて咲く。花弁は強く巻き込む様に後ろへ反る。草丈1-2m。葉腋にムカゴを着ける。百合根は食用可。中国・朝鮮半島・日本・グアム東部に自生。コオニユリとは近縁種。 花言葉・賢者・愉快・華麗・陽気。

ユリ科の植物で何々オニユリと言う名の絶滅に瀕した種に下記の2種がある。

キバナノコオニユリ 絶滅危惧Ⅰ類(大分県)。

コオニユリ 絶滅危惧Ⅰ類(東京都)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県)。絶滅危惧種(茨城県・埼玉県・岐阜県・石川県)。 分布特性上重要な(鹿児島県)

 

ユリ③  オトメユリ(乙女百合) (=ヒメサユリ(姫小百合))

花6-8月。うす桃色。花弁に斑点無し。横向きに咲く。花径5-6㎝。花弁はあまり強く反らない。草丈20-50㎝。日本固有。東北地方の朝日連峰飯豊山地(いいでさんち)の一部でしか生育していない。 花言葉・純潔・飾らぬ美・好奇心の芽生え・私の心の姿。 国際自然保護連合(IUCN)(EN)指定。日本の環境省カテゴリ絶滅危惧(NT)。  絶滅危惧1類(宮城県)。 絶滅危惧Ⅱ類(山形県新潟県)。 絶滅危惧種(福島県)。報不足(富山県)。

 

ユリ④  カノコユリ(鹿の子百合)

花7-9月。薄紅色。花弁に濃赤紫の斑点有り(鹿の子模様と見立てる)。横向きに咲く。花弁の縁は波打っている。花弁は後ろに強く反る。花径10㎝。草丈1-1.5m。百合根は食用可(お菓子材料)。九州南部・四国山間部・台湾北部・中国江西省が分布域。 花言葉・上品・慈悲深さ・荘厳・威厳。 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧Ⅰ類(福岡県)。 絶滅危惧Ⅱ類(徳島県長崎県熊本県)。 絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

ユリ⑤  クルマユリ (車百合)

花7-8月。 橙色。花弁に褐色の斑点有り。下向きに咲く。 花弁は後ろに強く反る。花径5―6㎝。茎の上部に1~数輪の花を咲かせる。葉は輪生(クルマの名の由来)。草丈30-100㎝。鱗茎は食用可。極東アジアに分布。(中国・朝鮮半島からカムチャッカ半島・千島列島・日本)。日本では寒冷地や高山。 花言葉・純粋・多彩な人・沈黙。 絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県・奈良県徳島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・福井県)。

同じクルマユリの仲間でサドクルマユリが石川県で絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。

 

ユリ⑥ シラタマユリ (白玉百合) (白鹿子百合(しろかのこゆり))

花7-8月。 白。 花弁に斑点が無い。横向きに咲く。花弁の縁が波打っている。花弁の内側の中心に近い所に、白い毛の様な突起が群がっている。花弁は後ろに強く反る。花径8-10㎝。カノコユりの色違い変種。

 

ユリ⑦ スカシユリ(透百合) 

花6月-8月。黄赤色。花は上向きに咲く。花弁に濃い赤の斑点がある。花は盃状。有花茎の先端付近に数輪~10輪の蕾や花を着ける。花弁の基部が細く痩せているので花弁同士がくっつかず隙間で出来る、向こう側が透けて見えるから「透かし」ユリの命名。葉はやや厚めで短い・葉柄の無い葉が茎に互生して密集して着く。草丈20~60cm。分布は、中部以北の太平洋側沿岸と日本海側沿岸に分かれる。海岸の岩場や砂礫地を好む。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県)。 絶滅危惧種(秋田県新潟県)。 情報不足(福島県)。

ユリ科ユリ属で何々スカシユリと言う絶滅危惧種が上記の外に下記の2種がある。

ミヤマスカシユリ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(福島県茨城県・埼玉県)。 絶滅危惧Ⅱ類 (岩手県宮城県)。

ヤマスカシユリ  環境省カテゴリ絶滅危俱(NT)。絶滅危惧Ⅰ類(長野県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県岩手県山形県福島県新潟県)。

 

ユリ⑧ タカサゴユリ(高砂百合)(ホソバテッポウユリ)

花7-9月。 白色・外花被片の外側に赤紫色の筋が入る。横向きに咲く。花はトランペット型。 テッポウユリに似る。花径13㎝。花長15㎝。 葉は細い。多年草・草丈1.5m。原野・開発地・道路法面など所を選ばず繁殖。在来種の駆逐や交雑が懸念される。宮城県以南沖縄まで侵入している。帰化植物。原産地・台湾。

 

ユリ⑨  テッポウユリ(鉄砲百合)

花4月-6月。 純白。横向きに咲く。花はトランペット型。花弁の先は少し後ろに反る。花径15㎝・花長10-15㎝・花弁の内側外側共に白。葉身は8-15㎝で披針形・葉幅は2-3㎝。全縁(鋸歯無)・原産地・九州南部・沖縄。 花言葉・純潔・淑女・甘美・無垢・威厳。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

ユリ⑩ ヒメユリ(姫百合) ユリ科 ユリ属

花6月-7月。鮮橙色。上を向いて咲く。花は盃型。花弁は余り後ろに反らない。花径6-7㎝。有花茎の先に数輪から10輪ほどの花を咲かせる。茎は直立・草丈30‐60cm。東北南部・四国・九州の草原に分布。多年草。  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。 絶滅(愛知県・兵庫県)。絶滅危惧Ⅰ類(青森県京都府奈良県大阪府和歌山県岡山県広島県山口県香川県徳島県愛媛県高知県大分県熊本県宮城県)。

ユリ科ユリ属で何々ヒメユリと言う絶滅危惧種が上記の外に下記の2種がある。

キバナヒメユリ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

ノヒメユリ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(福岡県・大分県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(佐賀県)。絶滅危惧種(長崎県熊本県)。

 

ユリ⑪ ミヤマスカシユリ(深山透百合)

花7月。 橙色。 上を向いて咲く。 6つの花弁が何れも細身なので重なり合う事も合着する事も無く、基部から先端までそれぞれの花弁が分離して立っている。花弁の隙間から後ろの背景が見えてしまう。それでスカシユリの名前になる。花弁の反りは強い。茎は断崖絶壁を降りる様な姿で下降。下降した茎頂とその付近で蕾を着け、首をもたげる様に上を向いて咲く。草丈20-60㎝。埼玉県武甲山で発見された。石灰岩の岩場を好む。極めて限定された山地に生育。埼玉県では現在繁殖の研究に取り組んでいる。実験室内でようやく目途が立ち始めたところ。試験的に秩父の岩壁に植えた株は、何時の間にか減っていた。盗掘を心配する声がある。  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅器具1類(福島県茨城県・埼玉県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県宮城県)。

 

ユリ⑫ ヤマユリ (山百合) (吉野百合)(叡山百合)(鳳来寺百合)(料理百合)

花7月-8月。 白。横向きに咲く。花径15‐18㎝。花弁の中心線に黄色い帯状の筋がある。赤褐色の斑点が花弁に点在する。花粉は赤褐色。芳香が強い。花弁はゆったりと後ろに反る。葉腋毎に花柄を出し1輪から20輪くらいまで花を着ける。茎は直立。時には花の重みで撓(しな)る。草丈1-1.5m。葉は広披針形。ユリの中でも大型の花である。

絶滅(京都府)。 絶滅危惧Ⅰ類(石川県・岐阜県三重県)。 絶滅危惧種(長野県・奈良県)。 情報不足(滋賀県大阪府)。

筑波嶺(つくばね)のさ百合の花の夜床(よどこ)にも 

                             愛(かな)しけ妹(いも)ぞ晝(ひる)も愛(かな)しけ                                                                                                   防人(さきもり)   万葉集 20巻4369

        

ヨウシュヤマゴボウ (洋種山牛蒡)(アメリヤマゴボウ)  ヤマゴボウ科  ヤマゴボウ

花6月-9月。 白または薄紅。 咢片5枚・花弁無し・花径56㎜。総状花序・花序ははじめ立ち上がるも、やがて垂れ下がる。花序の長さ10-30㎝・草丈1-2m。茎が赤い・葉は長楕円形・葉身10-30㎝。完熟果実は扁平球体・黒紫色で葡萄状になる。1個の果実径8-10㎜。果実を潰すと赤紫の汁が出て来て、衣服に着くと容易には落ちない。染料になる。葉は長楕円形・洋種山牛蒡と名前が付いているが牛蒡(ごぼう)ではない。道の駅などで山牛蒡の漬物として売られているものは本種では無く、アザミの根である。繁殖力が強く、何処にでも生えている。帰化植物・北米原産・本種は猛毒なので食用不可。全猛毒(アルカロイド(フィトラッカトキシン)・サポニン(フィトラッカサポン)・アグリコン(フィトラッキゲニン)・嘔吐・下痢・延髄へのダメージ・痙攣・血圧低下・徐脈・心臓麻痺・重篤の場合は致死)。  花言葉・野生・元気・内縁の妻。

 

ヨメナ(嫁菜) (ウハギ)(ヨメガハギ)(ヨメノサイ)(カンサイヨメ) 

                                                                              キク科    シオン属

花7月-10月。淡紫色。野菊の一種・中心に黄色い管状花が密集し、その周りを薄紫色の舌状花が取り囲む。花径2.5-3.5㎝。茎の上部で枝分かれをし、茎頂に花を咲かせる。総苞(咢の集まり)はお椀型。果実の冠毛は短い0.5㎜。 多年草。野原や林縁の道端などで湿り気のある場所を好む。地下根を伸ばして群生する。食用可・昔は春の野菜として若芽を食べた。分布本州中部以西と四国・九州。高さ60-120㎝。 絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。情報不足(沖縄県)。

キク科シオン属で何々ヨメナと言う絶滅危惧種が上記の外に下記の6種がある。

オオバヨメナ 絶滅危惧Ⅰ類(福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(京都府・宮崎県)。情報不足(大分県)。

カントウヨメナ 絶滅危惧Ⅱ類(秋田県・長野県)

ケシロヨメナ 絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県)。

シロヨメナ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

ナガバシメヨメナ 絶滅危惧種Ⅰ類(宮崎県)。

ミヤマヨメナ   絶滅危惧Ⅰ類(埼玉県・徳島県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県・三重県・和歌山県山口県)情報不足(熊本県愛媛県)。

 春の野に煙立つ見ゆ婦女等(おとめら)し 

   春野の菟芽木(うはぎ)(つ)みて煮らしも   作者不詳 万葉集 10巻1879

 

ランタナ(七変化)  クマツヅラ科  シチヘンゲ属

花5月―11月。 白・赤・ピンク・オレンジ・黄・複色。 小さな花の集合体・散形花序・花1個の花弁は4枚に見えるが、筒状花で4裂したもの。 花の集合体は手毬の様な姿をしている。開花は外側から始まる。時間が経つと花の色が変わる為、外側にある花と、内側とでは花の色が違う。ランタナランタナ属の総称。低木または多年草。世界の侵略的外来種ワースト100の中に数えられている。日本では冬越しが難しい為、余り被害が報告されていないが、熱帯から亜熱帯の国々ではその繁殖力に手を焼き、「植えてはいけない植物」と言われている。 全有毒(ランタニン・嘔吐・下痢)。ペット有毒(トリテルペン・ランタニン・嘔吐・下痢・腹痛・瞳孔散大・呼吸困難・昏睡)。家畜で死亡例有り。 花言葉・心変わり・協力・合意・確かな計画。

 

ラベンダー(薫衣草(くんいくそう))  シソ科  ラヴァンドラ属

花4月-7月。紫・白・ピンク。筒状花・花冠は5裂・上2枚の花弁が大きく、下3枚の花弁は小さい。1個の花の大きさは米粒位。有花茎の上部に葉の着かない部分を長く伸ばし、苞葉(ほうよう)の上に花を輪生して着ける。幾段もの輪生花が茎の頭頂まで続く。穂状花序全草毛深い。毛の下に腺が有る。葉は線形・硬質。低木(ラベンダーは草では無く樹木である)・樹高20‐130㎝。芳香有り。芳香はラベンダーに含まれる精油の揮発性に由来している。

揮発性の精油・酢酸リナリル・リナロール等々何種類のもの揮発成分を含み、高温になると自然発火の恐れがある。香油・香料・食用・料理の風味付け・化粧品・アロマテラピーなど多岐に亘り利用されている。が、前述の様に様々な揮発性の成分を含んでいる為、空気中に放出される成分の安全性に懸念が生じている。火災が発生し易いという危険性は勿論の事、ホルモンバランスを崩し少年の乳房の女性化の報告があり、又、アレルギー発症・血圧の大幅低下などのリスクがある。現在、欧州では年間1トン以上扱う業者は許可制になっている。将来的には「内服又は吸入した場合、死亡する可能性が有る」という表示の義務付けが検討されているようだが、業界の反対運動もおきているらしい。天然のものだから、とか、自然の物だから安心安全とかで盲目的に信仰するのは、ラベンダーに限らず極めて危険である。自然界には有毒のものが満ち満ちている。ラベンダーの香りを愛する余り、アロマに、食品の香り付けに、化粧品に、石鹸にと必要以上に過剰に使用する事は避けた方が良い。また、幼児や小児の居る部屋でのアロマは避けた方が良い。有毒(酢酸リナリル・リナロール・β―カリオフィレン・酢酸ラベンディル・テルピネン-4-オール・(Z)-β-オシメン・(E)-β-オシメン)。ペット全有毒(特に猫)(グルクロン酸・皮膚炎・沈鬱・神経症状・肝不全・重篤の場合は致死)。  花言葉・あなたを待っています・沈黙・期待・疑惑・優美・幸せが来る。

 

ルコウソウ(縷紅草)  ヒルガオ科  サツマイモ属(ルコウソウ属)

花7月-10月。白・赤・ピンク。花冠は5裂星形・花径2㎝・筒状花(管状花)・蔓性・一年草・寒さに弱い。蔓の長さは 3m 以上。葉はコスモスの葉の様に細い。主脈の両側に側脈が平行に走り、脈だけを残して葉の部分が全部抜け落ちてしまったような葉である。つまり、魚の骨の様な形の葉である。原産地・熱帯アメリカ。有毒(ファルビチン・下痢・腹痛)。ペット有毒(下痢・嘔吐・食慾不振・興奮・痙攣)。  花言葉・繊細な愛・お節介・出しゃばり。

 

ワラビ(蕨)  ゴバノイシカグマ科  ワラビ属 

春に芽生える。シダ植物なので花は咲かない。若芽食用可・根から澱粉が取れわらび餅などの食用になる。但し毒抜きの処理をしなければならない。全有毒(プタキロサイド・発ガン性が疑われる・酵素チアミナーゼ・ビタミンBを破壊・脚気)。家畜有毒(馬の場合・ワラビ中毒・ビタミンB1破壊・チアミン欠乏症・多発性神経炎・運動失調・痙攣)(牛の場合・骨髄機能阻害・再生不良性貧血・血尿・タール様血便・重篤の場合は致死)。

ゴバノイシカグマ科・ワラビ属の中で、絶滅に瀕している種に下記の2種がある。

オオイワヒメワラビ1  環境省カテゴリ絶滅危惧絶滅(EX)。絶滅(沖縄県)。

セイタカイワヒメワラビ4 絶滅危惧Ⅰ類(静岡県和歌山県沖縄県)。情報不足(高知県)。

 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様なネット情報や本を参考に致しました。(順不同)

Wikipedia

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル: 高等植物

農林水産省 4.1.4 草地の有毒植物

日本薬学会 ヤブコウジ-生薬の花

日本薬学会 ワレモコウ-生薬の花

医薬品情報21

食品安全委員会 食品安全関係情報詳細

牧草・飼料作物及び雑草に含まれる有毒物質と家畜中毒 (独)農業環境技術研究所

日本化学飼料協会第450家畜の回月齢研究会2017/9/28中毒の発生状況及び診断・予防法-かび毒・有毒植物を中心として-  生物化学安全研究所 宮崎 茂

東邦大学薬学部付属薬用植物園

熊本大学薬学部薬用植物園 薬草データベース

東京理科大学 薬学部

一般社団法人 宮崎県薬剤師会-ヤナギタデ

農業・食品産業技術総合研究機構 ヤナギタデ

t-tree.net 上級編3.精油の経口毒性について(飲むとどうなるの?)

日本のレッドデータ検索システム

京都府レッドデータブック2015

いわてレッドデータブック岩手の希少な野生生物web版

岡山理科大マツヨイグサ

筑波実験植物園 植物図鑑

JAXA宇宙教育センター ミヤコグサの栽培法

松江の花図鑑

松江の花図鑑 被子植物用語説明

三河の植物観察

庭木図鑑 植木ベディア

みんなの趣味の園芸

花と緑の図鑑

趣味の花図鑑

カヨウ眼科 目と木と犬の話

メディカルハーブ協会 メディカルハーブ事典 井上動物病院

goo BLOG シロカノコユリ<白鹿子百合>-散歩写真-Gooブログ

タカサゴユリ/国立環境研究所 侵入生物DB

ミヤマスカシユリ-野山に自然に咲く花のベージ

希少種の大切さ-ミヤマスカシユリ保全を目指して-自然環境担当 

             外国人特別研究員 アマウリ アルサテ

総務省消防庁 消防危第300号 平成17年12月20日 都道府県・・・

消防防災博物館 茶香炉からの出火事例

原色植物百科図鑑 集英社

原色牧野日本植物図鑑

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。

まことにありがとうございました。

 

 

 

200 茶花総覧(5) 夏(た行~は行)

よく見れば ナズナ花咲く 垣根かな   芭蕉

ナズナはよく見ないと見落としてしまうほど地味な花ですが、とても可愛らしく、捨てがたい味わいが有ります。春から秋にかけて、何処にでも咲いている花なので、昔なじみの友達の様な親しみを覚えます。

先日、桜で有名な近くの公園に行きましたところ、公園の真ん中にあるメインサークル一面に黄色いパンジーが咲き誇っていました。そして、それと妍を競う様にホトケノザナズナが同じサークル内に繁茂していました。ホトケノザの紫とナズナの白い霞となったような群落が相まって、滅多に観られない美しい景観が広がっていました。

いえ、公園管理の不行き届きを言っているのではありません。こういう景色も良いなぁ~と暫くベンチに腰掛けて眺めていたのです。どうぞ、ぺんぺん草も絶滅危惧種になりませんようにと祈りながら、帰途につきました。

 

さて、と、再びパソコンに向かって・・・

毒性の有無について、対人で有毒と在りながら、ペット有毒表示が欠落している条が所々あります。ただ、ネコちゃん・ワンちゃん・家畜などへの毒性で調べても分からなかった部分は、ペット有毒表示をしておりません。ま、人間に有毒なものは、動物にも有毒かも知れないと考えて、用心して頂ければ幸いです。

それと、有名植物については成分の分析の対象になり易いのですが、あまりなじみのない植物についてはわざわざ取り上げて研究する人も居ないようで、有毒無毒か分かりません。有毒表示がないから「無毒である」と断定できない事を、念のため申し上げます。触ってかぶれる、臭いがある、噛んで苦い、その植物が分類されている科や属に有毒植物がある、といった様な植物は、胃に入れない方がよさそうです。

 

茶花総覧を、前号に引き続行から始めます。

 

ダイコンソウ(大根草)  バラ科  ダイコンソウ属

花6月-8月。 黄。花弁5枚・花径15㎜・花の様子は梅鉢紋に似る。雌雄の蕊は多数。果実はトゲトゲで棘の先端が曲がっている。葉は羽状奇数複葉・葉柄の頂上小葉が大きく、左右の側小葉は不揃いで不規則・大根の葉に似る。北海道から九州に分布。林間・湿地・草原・道路脇などに生育。生薬(生薬名(水楊梅(すいようばい)・トリテルペン・利尿・強壮・消炎・腎臓障害による浮腫・対糖尿病・夜尿症)。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

上記の外に、何々ダイコンソウという絶滅に瀕した種に、以下の4種がある。

オオダイコンソウ 絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・愛知県)。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県茨城県・東京都・神奈川県・福井県)。分類上重要種(滋賀県)。

カラフトダイコンソウ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県宮城県福島県鳥取県)。絶滅危惧Ⅱ類(青森県福井県)。絶滅危惧種(石川県)地域個体群(新潟県)。

コダイコンソウ  絶滅危惧2類(千葉県)。

ミヤマダイコンソウ 絶滅危惧Ⅰ類(青森県奈良県愛媛県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県福島県福井県)。地域個体群(新潟県)。

※ 羽状複葉とは、葉軸の左右に小葉が対(つい)になって何枚も並んで付き、鳥の羽根の様に見えるもの。羽状複葉には小葉の数が偶数のものと、奇数のものが有る。

※ 奇数複葉とは、羽状複葉の主葉軸先端に小葉が1枚着いたもの。例:バラの葉・香辛料に使うサンショの葉。

※ 葉柄(ようへい)とは、葉と茎を結びつける連絡通路の様な柄(え)のこと。

 

タケニグサ(竹似草)(チャンバギク)  ケシ科  タケニグサ属

花は7月-8月。 白。無数の花を着ける。白い咢(がく)が落ちて開花し、中から数十本の白い雄蕊と黄色味を帯びた雌蕊が出て来る。1日花である。茎は直立。茎は中空。傷をつけると橙色の乳汁が出る。葉は菊の葉を巨大化した様な形で不規則な切れ込みがある。葉身は1枚で30-40cm位に達する。草丈1-3m。無限円錐花序(むげんえんすいかじょ)。日本原産。 生薬(薬名・博落廻(はくらくかい)・皮膚病・タムシ・畑の害虫駆除)。 全有毒(アルカロイド(プロトピン・ホモグリドニン・サンギナリン・ヘレリトリン)・かぶれ・嘔吐・大脳中枢麻痺・体温低下・脳貧血)。 ペット有毒(アレルギー・嘔吐・縮瞳・血圧低下・呼吸麻痺・重篤の場合致死)。花言葉・素直・隠れた悪。

※ 無限花序(むげんかじょ)とは、茎の下の方から咲き始めて上へ開花が進んで行くタイプを言う。茎の先端がぐんぐん成長するにつれ、花も成長に合わせて際限なく上へ登って行く(例:ナズナ(=ペンペン草))。これを真上から見ると、外側から咲き始めて段々中心に向かって咲き進むので、求心花序とも言う。

 円錐花序(えんすいかじょ)とは、枝や茎が分枝を繰り返し、円錐状に花が着くような形の咲き方を円錐花序と言う。。例:サルスベリナンテン

 

タチアオイ(立葵)(蜀葵(しょっき/カラアオイ))(ホリホック) アオイ科 タチアオイ

花5月-8月。 赤・ピンク・紅・黄。一重咲・八重咲。花径7-10㎝。葉は掌状形(しょうじょうけい)・鋸歯(きょし)有り・毛深い。有花径(ゆうかけい)は直立・草丈1-3m。 宿根多年草。 原産国・中国説とトルコ・東欧説が有る。日本には万葉集の昔から薬用として渡来。花が美しいので観賞用に栽培もされ、屏風絵などにも描かれている。エジプト・ギリシャ・ローマ時代から或いは中国で、様々な薬効が数えられて来た。利尿・疲労回復・咳止め・胃腸薬・皮膚炎等々だが、今では殆ど薬としては用いられず、専ら観賞用になっている。花言葉・豊かな実り・気高く威厳に満ちた美・野望。

※ 掌状形(しょうじょうけい)とは、カエデの葉の様に何裂か切れ込みが有り、人の手の形に似ている葉をいう。

※ 鋸歯(きょし)とは、葉の縁にあるギザギザの事。

※ 有花茎(ゆうかけい)とは、花だけを着ける茎を花茎(かけい)と呼ぶのに対し(例:タンポポ)、花も葉も着ける茎を有花茎と言う。

 

タツナミソウ(立浪草)  シソ科  タツナミソウ属

花4月-5月。 青紫・淡赤紫・白。 花は筒状・花の長さ約2㎝・花冠は上下二つに割れ、下は唇弁で末広がり3裂・上は兜状の唇弁。下の唇弁に濃い紫の斑点が有る。咢から急に曲がって立ち上がり、直立。花は二輪一対で茎の片側だけに付いて穂状を成す。花穂(かすい)は3-8㎝。葉は卵形(らんけい)又は丸みのある三角形で、基部はハート形・鋸歯有り。全体的に柔毛に覆われている。草丈20-40㎝。林縁などの半日陰や、草地を好む。薬草(スクテラリン・クリシン・悪寒や頭痛や発熱改善・解毒・鎮痛剤・対打撲傷・対吐血・対出来物・対歯痛・対喘息・対創傷出血)。 花言葉・私の命を捧げます。

シソ科タツナミソウ属で、何々タツナミソウと言う植物の内、絶滅危惧のレッドリストに挙げられている種類が下記の16種ある。

アカボシタツナミソウ ・ アツバタツナミソウ ・ イガタツナミソウ ・ エゾタツナミソウ ・ オカタツナミソウ ・ シソバタツナミソウ ・ タツナミソウ ・ ツクシタツナミソウ ・ デワタツナミソウ ・ ハナタツナミソウ ・ ヒメタツナミソウ ・ ホクリクタツナミソウ ・ ホナカタツナミソウ ・ ムニンタツナミソウ ・ ヤマジノタツナミソウ ・ ヤマタツナミソウ

その中で代表的なものをピックアップする。

イガタツナミソウ  絶滅危惧Ⅰ類(千葉県)絶滅危惧Ⅱ類(東京都・三重県)。絶滅危惧種(岩手県京都府)。情報不足(兵庫県)。

デワノタツナミソウ  絶滅危惧(山形県・千葉県・三重県)。絶滅危惧Ⅱ類(青森県)絶滅危惧種(秋田県富山県福井県兵庫県)。

ヤマタツナミソウ  絶滅危惧Ⅰ類(京都府奈良県和歌山県香川県徳島県高知県山口県・福岡県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・・三重県)。絶滅危惧種(滋賀県)。希少種(滋賀県)。

※ 花穂(かすい)とは、花の穂。茎の上方に連続して花が着き、穂の様になっている状態を言う。

※ 卵形(らんけい)とは、葉身の半分よりも基部に近い方が丸味が大きく、半分よりも葉先の方が丸味が小さい葉の事を言う。披針形に近いが基部で楔形にはならず、丸味を帯びたまま茎に着く。

 

タニウツギ スイカズラ科(タニウツギ科)  タニウツギ

花5月-7月。 赤・淡紅色・白。花はラッパ型で花冠(かかん)は5裂・花径(かけい)2㎝。雄蕊5本・雌蕊は雄蕊より長い。葉腋(ようえき)に2- 3輪の花をつける。葉は卵形・楕円形又は倒卵形(とうらんけい)。幹は株立(かぶ)・落葉広葉樹低木・樹高1-5m。日本特産・日本海側の日当たりの良い山地斜面に良く見られる。花言葉・豊麗。 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県)

※ 花冠(かかん)とは、花弁によって形作られる花全体の姿を言う。

※ 花径(かけい)とは、花が開いた時の直径。

※ 葉腋(ようえき)とは、葉が茎に密着している箇所の上側。股の上。

※ 楕円形(だえんけい)とは、葉身の1/2辺りが一番幅が広くなっていて、葉先へも基部へも同じようなカーブを描きながら収束して行く葉の形を言う。

※ 倒卵形(とうらんけい)とは、葉身の半分よりも葉先に近い方の幅が広くなっており、半分より基部に近い方が狭くなっていて窄(すぼ)まっている形を言う。卵を逆さにした様な形である。

 

ダチュラ(ダツラ) (チヨウセンアサガオ) → チョウセンアサガオ参照

 

タマスダレ(玉簾)(ゼフィランサス)(レインリリー)  

   ヒガンバナ科(ユリ科) タマスダレ属(サフランモドキ属)

花7月-9月。 白。 花弁長楕円形で6枚・葉は線形。草丈30㎝。球根植物・多年草全有毒(特に鱗茎)(リコリン・吐気・嘔吐・痙攣)・葉がニラやノビルに似ていて誤食し易い。(リコリン・子供のひきつけ・てんかんに対し、潰した本品を塗布)。 花言葉・穢れなき愛・純白の愛・期待・便りが有る。

 

チゴユリ(稚児百合) イヌサフラン科 チゴユリ

花4月-6月。白。花弁6枚・花弁の形は細身の長三角形・花径1㎝くらいで、下向きに咲く。葉は楕円形又は卵形で先端は先細る。地下茎による無性繁殖。草丈15-30㎝。全有毒(成分不明・嘔吐・下痢)。花言葉・私の小さな手をいつも握って・恥ずかしがり屋。

絶滅危惧種Ⅰ類(千葉県・宮崎県・鹿児島県・佐賀県)。 絶滅危惧Ⅱ類(長崎県)

上記チゴユリの外に、何々チゴユリという絶滅危惧種が下記の2件ある。

オオチゴユリ  絶滅危惧Ⅰ類(東京都)

キバナチゴユリ  絶滅危惧Ⅰ類(大阪府・福岡県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(大分県・宮崎県)

 

チヨミグサ(千代見草)(チヨグサ)(千代草)(菊) → 秋の項目でキクを取り上げる予定。

 

チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔) (マンダラゲ) (キチガイナスビ) (ダチュラ) (トランペットフラワー)  ナス科  チョウセンアサガオ

花6月-9月。白。花はロート状・合弁花・朝顔型だが花の中心部から出る筋の先端が尖(とが)っている。花径10‐15㎝。葉は広卵形で葉身10‐20㎝。 葉の縁が波状。果実に棘が有る。全有毒(ヒヨスチアミン・アトロビン・スコポラミン・嘔吐・瞳孔散大・呼吸の乱れ・呼吸困難・痙攣・重篤の場合は致死)。 (アトロビン・麻酔薬(通仙散)・江戸時代、花岡青洲が世界初の麻酔薬を完成、全身麻酔の手術を成功させた。鼻水鼻づまり治療薬)。日本麻酔科学会のシンボルマークになっている。花言葉・愛嬌・偽りの魅力。

 

チョウセンキンミズヒキ(朝鮮金水引)   バラ科  キンミズヒキ

花6月-10月。黄。花弁5枚・花弁の形は長楕円又は倒卵形花径6-10㎜・花柄(かへい)1-5㎜。花は有花茎の上方にまばらに着き、穂状を成す。開花は茎の頭頂から始まり、下へと開花が進んで行く(有限花序)。葉は奇数羽状複葉。小葉は葉柄が無く対生する・小葉の形は倒卵形又は楕円形又は披針形(ひしんけい)。草丈30-120㎝。多年草。低山や草地や山地の道端などを好む。日本・ユーラシア東部・ベトナム北部に分布。開発や鹿などの食害で生育地が減少の一途を辿っている。(生薬名・龍牙草(りゅうがそう)・仙鶴草(せんかくそう)・イソクマリン類・タキシフォリン・下痢止め・整腸薬・うがい薬・冷湿布剤・入浴剤)。花言葉・しがみつく。

環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU) ・ 絶滅危惧I類(福島県群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・岐阜県三重県大分県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(高知県)。絶滅危惧種(北海道・岩手県宮城県・栃木県・長野県・滋賀県・鹿児島県)

※ 花柄(かへい)とは、花と茎や枝を結びつける連絡通路の様な柄(え)のこと。

※ 有限花序(ゆうげんかじょ)とは、花の咲き終わりがある花序の事。茎の天辺から咲き始めてどんどん下へ咲き進むと、やがて詰まってそこで終わってしまう花序の事を言う。またの名を遠心花序

※ 葉柄(ようへい)とは、 葉と茎を結びつける連絡通路の様な柄(え)のこと。

※ 対生(たいせい)とは、葉が向き合って茎に着いている状態。

※ 披針形(ひしんけい)とは、葉身を半分にして、葉先の先端に行くに従って窄(すぼ)まって尖(とが)り、逆に葉元の基部に近づくに従って幅が広がる形を言うが、基部近づくと急に楔形(くさびがた)に尖る葉の形を言う。

 

チョウジソウ(丁字草)  キョウチクトウ科  チョウジソウ属

花5月-6月。 水色。花は筒状・花冠は深く5裂・花弁の裂片は長三角形・星形・花径15㎜・有花茎の先に花を多数つける。集散花序(しゅうさんかじょ)。葉は披針形・ 互生・草丈40-80㎝。日の当たる湿地を好む。宿根草。分布は北海道~宮崎県・東アジア。休耕田の放置による土地の乾燥化、開発、護岸工事などの環境の変化と、山野草ブームにより、その生育地が激減し、その生存が危ぶまれている。全有毒(テトラヒドロアムソニン・βヨヒンビン・タベルソ・ビンカミン等々・瞳孔が開く・血圧低下・麻痺・血管収縮)。検索した先に取扱注意の表示が随所にみられた。 花言葉・控えめな美しさ。

環境省カテゴリ絶滅危惧(NT)。絶滅(千葉県・東京都・神奈川県・富山県)。絶滅危惧Ⅰ類(宮城県福島県茨城県群馬県・埼玉県・石川県・福井県岐阜県滋賀県京都府大阪府兵庫県和歌山県徳島県島根県山口県・福岡県・大分県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(北海道・青森県秋田県山形県新潟県・栃木県・静岡県三重県岡山県広島県)。情報不足(岩手県奈良県)。

※ 集散花序(しゅうさんかじょ)とは、花軸の頭頂から花が咲き始め、下へ向かって順次開花して行くタイプの花。有限花序の一つ。

 

ツキヌキニンドウ(突貫忍冬)(突抜忍冬)(ロニセラ)  スイカズラ科  スイカズラ

花5月-9月。花の外側が赤橙色で内側が黄色。 細いラッパ型・花冠5裂・花の長さ3-5㎝。 穂状花序(すいじょうかじょ)・葉は楕円形・対生・花序のすぐ下の葉は対生の葉どうしが合着して円形になっており、その真ん中を茎が通っている様子から「突き抜き」という名前が着いた。忍冬の名は、冬越えをするスイカズラを忍冬と言うから。常緑蔓植物・蔓の長さ3m。原産地・北米。花言葉・愛の絆・献身的な愛・真実の愛。

 穂状花序(すいじょうかじょ)とは、主軸が長く伸び、花柄が無く、花が直接茎に密着して穂の様に長く連なって咲く花のタイプを言う。例:オオバコ・ミズヒキ・グラジオラス。

 

ツキミソウ(月見草)  アカバナ科  マツヨイグサ

花6月-9月。  白。 夕方に開花するが、その時は白であり、朝に散る頃は淡いピンクに変化している。花弁4枚。花弁の形は緩やかなハート形・葉腋から花柄を出し、花径3-4㎝の花を咲かせる。雄蕊8本・柱頭は4つに分かれる。葉は披針形・葉先は鋭く尖(とが)る。鋸歯があり、鋸歯は深く不規則に裂ける。嘉永年間に日本に渡来・草丈60㎝。メキシコ原産。今では殆ど見られない。ツキミソウマツヨイグサの混同が著しく、今ではオオマツヨイグサ(花が黄色)とマツヨイグサ(花が黄色)を月見草と呼んでいる。「富士には月見草が良く似合う」太宰治が言った月見草は黄色い花と言うので、マツヨイグサかオオマツヨイグサである。

日本のレッドデータ検索システムで「ツキミソウ」を検索できなかった。ん?

1966年の初版・平凡社発行の世界大百科事典にはツキミソウが載っており、上記の植物の様子はそれに沿った内容で載せてある。世界大百科事典を読むと、「現在ではほとんど見られなくなった」と記述されている。辞典が発刊されてからおよそ60年後の今、環境省の絶滅危惧のレッドデータに載っていないと言う事は、既に完全に野生では絶滅している、と言う事かも知れない。

 

ツクバネ(突羽根)(ハネツキノキ)(ハゴノキ)(他にも別名幾つか有り) ビャクダン科 ツクバネ属

花5月-6月。花は緑色で小さい。雌花は枝先に一つで4枚の苞がある。雌雄異株。葉は対生(向き合って一対でつく)。果実10‐12月。4枚の苞が3㎝ほど実から伸び、羽根つきの羽根とそっくりな形で、秋になると茶色くなり、くるくると回りながら落下する。半寄生植物。他の樹の根に寄生しながらも、光合成をおこなっている。落葉広葉樹低木1-2m。  絶滅危惧Ⅰ類(山口県愛媛県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・神奈川県・高知県)。絶滅危惧種(奈良県鳥取県香川県)。情報不足(大分県)。

 

ツクバネウツギ(衝羽根空木)  スイカズラ科  ツクバネウツギ属

花5月―6月。白・黄白・黄。 ラッパ型・花冠は5裂・咢片5枚・花柄有り。2輪対で枝先に花が着く・花の長さ1.5‐3cm。雄蕊4本。花も葉も白い毛が密集。葉は卵形又は楕円形・葉身2-5cm。落葉広葉樹低木・樹高2m。日本の東北地方・関東・中部以西九州まで。山地や日向の草地に生育。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(大分県)。絶滅危惧種(宮崎県)。

スイカズラ科の何々ツクバネウツギという名前の植物で、絶滅に瀕しているものは上記のツクバネウツギを除いて以下の通り、7種類ある。

イワツクバネウツギ ・ オオツクバネウツギ ・ オニツクバネウツギ ・ キバナツクバネウツギ ・ コツクバネウツギ ・ タイワンツクバネウツギ ・  ベニバナノツクバネウツギ

上記の内2件をピックアップする。

イワツクバネウツギ 絶滅危惧Ⅰ類(茨城県群馬県・埼玉県・山梨県静岡県・愛知県・奈良県三重県和歌山県兵庫県山口県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・岐阜県徳島県愛媛県・福岡県)。絶滅危惧種(岡山県広島県高知県熊本県)。分布上重要(滋賀県)情報不足(福島県)。

コツクバネウツギ 絶滅危Ⅰ類(神奈川県)。絶滅危惧種(福島県・石川県)分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

ツクモグサ(九十九草)   キンポウゲ科  オキナグサ

花6月上旬。 淡黄緑色。高山植物絶滅危惧ⅠB類絶滅危惧種利尻島大雪山八ヶ岳など限定された狭い地域で生息。現在数百個体のみとされている。全有毒(ランクリン・プロトアネモニン・ヘデラゲニン・腹痛・胃腸炎・嘔吐・下痢・心停止)

翁草は有毒で絶滅危惧種です。自然を愛する茶人ならば採らずに保護しましょう。

 

ツユツバキ(梅雨椿)=ナツツバキ(夏椿)=シャラノキ(沙羅の木)=サラソウジュ(沙羅双樹)   →ナツツバキ参照

 

ツユクサ(露草)(鴨跖草(おうせきそう))(青花)(蛍草) ツユクサ科  ツユクサ

花6月-9月。青。花弁2枚・二枚貝の様な苞葉の中から蝶の様な花を出す。雄蕊6本・蕊は前方に蕊が突き出る。朝に開花し午後には萎(しぼ)む半日花。葉は卵状披針形・能く分枝する。繁殖力旺盛・茎は立ち上がるが高くはあがらず、途中から横に寝て伸びる・茎の長さ50cm。1年草。花の青色は水に容易に融けて消えるので、花弁を集めて染物の下絵に使われている。昔、摘んでも摘んでも生えて来るこの青花摘みの作業が過酷で、積み手達に「地獄花」とも呼ばれた事がある。今は大型の花を咲かす栽培変種のオオボウシバナが用いられている。食用可。生薬(生薬名(鴨跖草)・解熱・利尿・感冒薬・対浮腫・化膿止め)。ペット有毒。花言葉・懐かしい関係・尊敬・変わらぬ思い。

ツリガネソウ(釣鐘草)(カンパニュラ)(風鈴草)  キキョウ科  ホタルブクロ属

花5月―6月。白・ピンク・青・薄青・紫など。筒状花・釣鐘型・花冠浅く5-8裂・花冠の先は外側に丸く反り返る・有花茎は直立し、花柄は葉脈から盛んに出て、花は横又は上を向き、咲き競う。総状花序・草丈30-80㎝・多年草。原産地・南ヨーロッパ花言葉・親交・友情・感謝・誠実・節操。 → ホタルブクロ(蛍袋)(釣鐘草)参照。

 総状花序(そうじょうかじょ)とは、主軸が長く伸び、花柄のある花が、主軸の下部から上に向けて、間隔をあけて順次開花して行くタイプを総状花序と言う。総じて花の柄は下の花の方が長く、頭頂に行くにつれ花茎が短くなっていくが、花がドーム状になるほどではない。例:フジ・タチアオイ

 

ツリフネソウ(釣船草)(吊舟草)(ムラサキツリフネ)  ツリフネソウ科 ツリフネソウ属 

花7月-10月。 赤紫。花は舟を横長に吊り下げている様な形・花の長さ3-4cm。花弁3個・花弁3個のうち下の2個は唇弁で上の1個は山笠状の唇弁。咢片3個・咢片3個のうち袋状の咢が1個。花弁咢片とも赤紫色。葉腋から花柄を数本出し、花を吊り下げている。花には(きょ)がある。葉は卵形又は披針形。草丈40-80cm。 野山の湿地に群生・1年草。全有毒(ヘリナル酸・嘔吐・下痢・頭痛)。ペット有毒花言葉・安楽・私に触れないで下さい・心を休める・期待・詩的な愛・華麗。絶滅危惧Ⅱ類(徳島県愛媛県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

上記の外に、何々ツリフネソウという名前の絶滅に瀕している種が下記の通り2種ある。

エンシュウツリフネソウ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(長野県・岐阜県・愛知県・福岡県)絶滅危惧Ⅱ類(静岡県大分県)。情報不足(熊本県)。

ワタラセツリフネソウ 絶滅危惧Ⅰ類(群馬県・埼玉県)。要注目(栃木県)。情報不足(茨木県)。

※ 距(きょ)とは、元の意味は鶏の蹴爪(けづめ)の事を指していた。スミレやオダマキなどの花冠の後ろに、蹴爪の様な突出した角(つの)があるので、それを模して距と名付けた。距は蜜壺である。

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テッセン(鉄線)(風車)(クレマチス) 5―7 キンポウゲ科 センニンソウ

花5月-6月。 乳白色。花弁6枚・但し一見花弁に見える6枚は何(いず)れも咢片である。 花径5-8cm。雄蕊の花糸は白で先端は濃紫・雄蕊は花の中心で円陣状に多数叢出。葉は卵形・鋸歯無し(全縁)・葉は1~2回3出複葉・葉腋から花柄を出して花を着ける。テッセンは中国原産・因(ちな)みにクレマチスはテッセンとカザグルマを掛け合わせて出来た園芸品種・園芸品種の花色はバラエティーに富んでおり、開花期も長い。生薬(生薬名・威霊仙)。有毒(プロトアネモニン等・皮膚炎・水膨れ・嘔吐・よだれ等)。ペット有毒。  

※ 全縁(ぜんえん)とは、葉の縁にギザギザの鋸歯が無い葉の事を言う。例:ハスの葉・サカキの葉。

※ 3出複葉(さんしゅつふくよう)とは、葉柄の先端に小葉が1枚、その両脇に2枚の小葉が着いた状態を言う。1回~2回と言うのはそれが1回で終わりか、2回繰り返されるか、と言う事。

→ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)の、カザグルマクレマチスの条を参照

 

デルフィニウム キンポウゲ科 ヒエンソウ属(デルフィニウム属) 

花5月-6月。白・ピンク・青・紫・複色。 花を穂状に密に付け、華やかな印象があるが、花弁の様に見えるものは咢・花弁は花の中央に見える白い小片が花。多年草・草丈20-150cm。原産地・ピレネー山脈・アルプス・チベット・シベリア・中国など寒冷地を好む傾向が有る。日本では夏越しが出来ないので一年草扱い。全有毒(デルフィニジン・激しい嘔吐・下痢・筋力低下・痙攣・徐脈・心不全・呼吸麻痺・重篤の場合は致死)。ペット有毒(デルフィニジン・嘔吐・下痢・発熱・呼吸困難・意識障害)。花言葉清明・高貴。

 

テンモクジオウ(天目地黄) ゴマノハグサ科 ジオウ属 

花5月-9月。赤紫。花は唇形・花冠は5裂・上唇は2裂で花弁は小さく、下唇は3裂で上唇弁よりも広くて大きい・花冠の長さ5-6㎝。花径3-4㎝。花柄は葉腋から出て花は横向き、或いは斜め下向きに咲く。萼は筒形で5裂。花・咢・茎共に毛深い。総状花序・開花期間が長い。葉は長楕円形・又は卵形。草丈30-100㎝。多年草・中国の亜高山帯の山の斜面に生育。中国固有種。根茎は漢方薬

 

トウダイグサ(灯台草)(沢漆)(漆柳)   トウダイグサ科  トウダイグサ

花4月—6月。黄緑。荒地などにどこにでも生える。多年草・草丈10-40㎝。切ると白い汁が出る。葉は倒卵形・葉身1-3cm。茎の先端に5枚の葉を輪生し、その中心から5本の短い枝を出す。更にその枝の先端にそれぞれ3枚の小葉を着ける。3枚の小葉の合着点から更に短い葉柄を出して更に小さな小葉を3枚出し、花を包み紙で包む様に、更に緑色の総苞で花を守っている。葉に細かい鋸歯が有る。 灯台草の灯台は海を照らす灯台では無く、室内照明用の燈明台・灯火皿の事。 全猛毒(ユーフォルビン・テルペノイド・リシン・リチニン・嘔吐・下痢・痙攣・経口ばかりでなく触れても皮膚吸収され、化学熱傷や重度の皮膚炎を引き起こし、目に入れば失明する。暗殺に用いられたり、生物兵器として利用されたりする)。ペット有毒。花言葉・控えめ・地味・明るく照らして。 

絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。絶滅危惧種(岩手県富山県福井県鳥取県)。

 

トクサ(砥草)(木賊)  トクサ科  トクサ属

常緑シダ植物。花は無い。地下茎を伸ばして生育域を広げる。直立する茎のみで成り立つ。枝分かれはしない。茎にほぼ等間隔に節があり、節ごとにハカマ(葉鞘)が有る。この葉鞘が実は葉である。引っ張ると葉鞘箇所で抜ける。茎は中空。茎の表面はケイ酸が蓄積して堅い。茎に細かいギザギザが有り、これを砥石代わりにする。名の由来は砥石草から来ている。絶滅危惧Ⅰ類(山梨県)。絶滅危惧Ⅱ類(山形県)。絶滅危惧種(新潟県)。

トクサ科トクサ属で何々トクサと言う絶滅に瀕しているのは、上記外に下記の3種が有る。

イヌドクサ 絶滅危惧1類(秋田県佐賀県)。絶滅危惧Ⅱ類(山形県長崎県沖縄県)。絶滅危惧種(新潟県)。

タカトクサ 絶滅危惧Ⅰ類(栃木県)。

テトリトクサ 絶滅危惧Ⅱ類(石川県)。

 

ドクセリ  セリ科 ドクゼリ属

花6月-7月。白。複散形花序(ふくさんけいかじょ)。葉は2-3回羽状複葉・小葉長楕円状披針形・葉身3-8㎝。鋸歯有り。茎は中空。地下茎は太く、タケノコの様な短い節がある。

多年草。草丈60‐100㎝。全猛毒(ポリイン化合物(シクトキシン・ピロール)中枢神経興奮作用・嘔吐・下痢・腹痛・目眩・動機・耳鳴・意識障害・呼吸困難・致死)。ペット有毒。ドクセリは背丈が大きく食用のセリは背丈が低い。但し、春先はドクゼりも背丈が低く間違えやすい。また、根茎はワサビに似るが、ワサビには独特の香気がある。花言葉・あなたは私を死なせる。死も惜しまず。切実な思い。

 散形花序(さんけいかじょ)とは、茎や枝の先端から放射状に花柄を伸ばして花を咲かせるタイプ。例:サクラソウ・ネギ・ヤツデの花。

 複散形花序とは、散形花序が幾つか集まったもの。

 

ドクダミ()  ドクダミ科  ドクダミ

花5月-8月。白。花弁に見えるのは4枚の苞(ほう)である。苞の真ん中から穂状花序が出て、そこから密集して雄蕊と雌蕊が直接出る。花弁は無い。葉はハート形。多年草。アセトアルデヒト独特の臭いがあり、日陰の湿った土地に生える。繁殖力が強い。東アジアから東南アジアに分布。臭気があるので茶花には向かないとされてきたが、近頃では臭いのないものがある。「毒」の名を冠しているが、無毒である。 (デカノイルアセトアルデヒト・ラウリルアセドアルデヒト・クエルセチン・等々。利尿・緩下作用・高血圧・動脈硬化予防・抗炎症・鎮静・駆虫・湿疹・かぶれ・ニキビ・虫刺され等々)。副作用(高カリウム血症・GOT & GPT上昇・肌荒れ)。食用。 花言葉・野生・自己犠牲・白い追憶。

 

ドクニンジン セリ科 ドクニンジン属

花7月-9月。白。全猛毒(コニイン・コニセイン・悪心・嘔吐・流涎・昏睡・致死)。ギリシャの哲学者・ソクラテスの毒杯はこのドクニンジンによる。ペット有毒(コニイン・神経毒・筋弛緩作用・呼吸困難・窒息)。 花言葉・あなたは私の命取り・あなたは私を死なせる。死も惜しまず。死をも惜しまない人。

 

トコロ(野老)  ヤマイモ科  ヤマイモ属

花7月-8月。淡緑色。花弁5―6枚。花径3.5-4㎜。葉腋から長い穂状花序を出す・雄花の花序は斜上し、雌花の花序は下垂する。雌雄異株。葉は心臓形(ハート形)・根は肥えて塊(凝(こり→とこり→トコロ)ができ、山芋の様になる。根に髭根が沢山あり、それが老人の髭を思わせるので野老の字を当てての名前である。腰が曲がっているから「海の老い」と書いて海老(えび)としたようなもの。長寿を愛でて正月飾りにするところもある。葉は互生・(因みに山芋(=ジネンジョの葉は対生)・葉身5―12㎝。 蔓は右巻き・茎は伸長し、ものに巻き付く。根は毒抜処理したならば食用可だが、念入りに処理しても猛烈に苦いそうである。全有毒(ジオスチン・ジオスゲニン・シュウ酸カルシウム・口内の痺れ)。生薬(生薬名(菟薢(ひかい))ジオスチン・プロトジオスチン・グラチリン・効能はリウマチ・関節痛・疼痛・尿毒症・排尿困難・混濁尿・湿疹)(副作用・胃や腸がただれる)。ペット有毒花言葉・子沢山。環境省カテゴリ絶滅危惧・絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

 

トチバニンジン(栃葉ニンジン)(竹節人参(チクセツニンジン))  ウゴギ科 トチバニンジン属

花6月-8月。白。花弁5枚・雄蕊5個・花柱2個・花径3㎜。有花茎先端に散形花序で花開く。葉は掌状複葉・小葉は倒卵形または長楕円形で葉先が窄まり、茎の中間や上方で輪生(りんせい)する。果実は秋に6㎜位の真っ赤な球の集団になって熟す。草丈50-80㎝。多年草生薬(生薬名は竹節人参・鎮咳・去痰・解熱・健胃・抗炎症)。林間の湿った腐葉土に生育。絶滅危惧種(千葉県・佐賀県・鹿児島県)。

 輪生(りんせい)とは、茎の軸または枝の軸の一か所から、数枚の葉が軸を取り囲む様に出葉して、円陣を組んでいる様な葉の事を言う。

 

トモエソウ(巴草)  オトギリソウ科  オトギリソウ属

花7月-9月。黄。花弁5枚・花弁が扇風機の羽根の様に捻(ね)じれている・散房花序(さんぼうかじょ)・有花茎で直立・分枝する。葉は長楕円形又は披針形で対生(たいせい)。50‐130㎝。山地や河川敷などに生育。北海道から九州・東北アジアに分布。 絶滅危惧Ⅰ類(東京都・富山県福井県京都府大阪府香川県山口県・福岡県・佐賀県大分県長崎県熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧種Ⅱ類(山形県新潟県・千葉県・埼玉県・滋賀県奈良県徳島県高知県島根県)。絶滅危惧種(栃木県・鳥取県)。情報不足(愛媛県)。

上記トモエソウの外に同属での絶滅危惧種は下記の2種がある。

コウライトモエソウ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)・絶滅危惧1類(長崎県熊本県大分県・鹿児島県)。

ヒメトモエソウ  情報不足(福島県)。

※ 散房花序(さんぼうかじょ)とは、主軸に間隔を詰めて花柄のある花が着き、主軸の下部から上に向けて、順次開花して行く。その時の花柄は下の方が長く、上に行くにつれて花柄が短くなり、全体的に花の位置が水平に近くなる、或いはドーム状に盛り上がる。例:オミナエシコデマリ

※ 対生(たいせい)とは、葉が対(つい)の2枚で、茎の同じ箇所から向き合って着いている状態の事を言う。←→ 互生(互い違いに着く)。

 

ドヨウフジ=ナツフジ  ナツフジ参照。

 

トラノオ(虎の尾)(サンスベリア)   キジカクシ科  ドラセナ属

多肉観葉植物。葉に黒味を帯びた濃緑色の横段縞がある。花期 ? (稀に咲く)。花は白。花茎の上方に糸くずを束ねた様な花を穂状花序で着ける。花は夜開花・芳香有り。葉は肉厚の葉物。原産地・アフリカの乾燥地帯。乾燥に強い。無毒説と有毒説が混在。要は摂取量の多少に依るようである。ペット有毒(サポニン・胃腸障害・吐気・嘔吐・下痢)。 花言葉・永久・不滅・幸福・開運。→ サンスベリア参照(前回ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)でも同文で記載している)。

 

トリカブト キンポウゲ科 トリカブト

トリカブトを夏の季節に組み入れたが、秋の季節に変更。(変更日:2024.06.08)

 

トロロアオイ(黄蜀葵(おうしょくき)) アオイ科 トロロアオイ属(アベルモスクス属)

花8月-9月。淡黄。花の中央奥の蕊の周りが濃紫。花弁5枚・花は横を向いて咲く。花径10-20㎝・朝咲いて夜落花の一日花。葉は掌状・葉は5―9裂する。樹高1.5m。根から粘液を取り出し「ネリ」と言う糊を作る。これを和紙のつなぎに使う。実はオクラに似て食用可だが不味い。花は食用可。生薬(根・花・葉・種子)(生薬名・黄蜀葵根(おうしょくきこん)・黄蜀葵花(おうしょくきか)・黄蜀葵子(おうしょくきし)・効能は鎮咳(ちんがい)・緩やかな下剤・口内炎扁桃腺炎・湿布・火傷・乳汁不足・打撲症)。

トロロアオイの種属で、絶滅危惧の種が下記の1種がある。

センカクトロロアオイ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

 

ナツギク(夏菊)         キク科  キク属

ナツギクは夏に咲くキク科キク属の内、イエギクの種類の総称で、ナツギクと言う固有名詞を持つキクは無い。

秋咲の菊と違う点は、秋咲きの菊は日照時間が短くなると蕾(つぼみ)に開花スイッチが入るのに対し、夏菊は温度の上昇によって開花スイッチが入る点である。野生種には、温度によって開花スイッチが入るものは無い。ナツギクは江戸時代に盛んに行われていた菊の栽培の中、突然変異で短日性に依らないキクが現れた。それによって姿や形の性質の違いの品種改良の道が開かれて、今日に至っている。花の色・白・ピンク・オレンジ・黄・赤・緑・複色。いずれも園芸品種である。草丈20-70cm。温度によって開花スイッチが入ることによって、温室等の温度管理が自在にできる様になり、お蔭でキクは一年中手に入る花になっている。

 

ナツフジ (夏藤)(土用藤)  マメ科  ナツフジ属

花7月-8月。淡黄白色。花の形はフジと同じく蝶形・総状花序の花房を10-20㎝位垂らす。 奇数羽状複葉。小葉卵形で葉身は2-6㎝。蔓性で何かに巻き付いて登る。巻き方は左巻き。日本固有種。全有毒特に花と豆とサヤ(レクチン・吐き気・頭痛・目眩・胃腸炎)。毒抜きの下処理をすれば食用可。花言葉・優しさ・歓迎・決して離れない。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

 ナツツバキ(夏椿) )(シャラ(沙羅))(シャラノキ(沙羅木))(サラソウジュ(沙羅双樹))  

ツバキ科  ナツツバキ属   ★印利休7選花の一つ

花6月-7月。 白。 花弁5枚・花径5-6cm。葉腋に上向きに咲く。朝開花し夕方落下する一日花である。葉は倒卵形で葉先は尖る・葉身4-12cm・互生・落葉広葉樹・樹高10-20m。深山の谷あいに自生・湿潤で涼しい所を好む。原産地・日本から朝鮮半島花言葉・愛らしさ。

絶滅危惧Ⅰ類(神奈川県)絶滅危惧Ⅱ類(宮城県和歌山県佐賀県・鹿児島県)。絶滅危惧種(香川県)。地域個体群(新潟県)。

余談

お釈迦様はご自分の死期を悟ると、生まれ故郷のルンビニーへ向かいましたが、途中ヒマラヤの麓にあるクシナガラで食中毒でお倒れになりました。お釈迦様は沙羅の樹の下で弟子達に、自身は奇跡を起こす特別の人ではなくまさしく人間であり、死ぬ定めをもったものである事を眼前に見せて「法をよりどころにしなさい、自らを拠り所にしなさい」と教え、諸行無常を説いたと言われております。そして、「一切衆生悉有仏性(一切の衆生、ことごとく仏性有り)」と仰り、静かに横たわって入滅したと伝え聞いております。その時にお側に在った二本の沙羅の樹は、お釈迦様入滅の時の聖樹沙羅双樹として長く語り伝えられております。この聖樹を日本にも植えたい、と思う僧がいましたが、実際には日本の気候では育たず、その代りに一日花の白い椿を、命の儚さを伝える諸行無常の花として選び、これを沙羅の樹と伝えました。それが定着し、今ではお寺の庭に良く植えられる様になっています。

→ブログ№199茶花総覧(4)  夏(あ行~さ行)の内、サラソウジュを参照の事。

 

ナツノタムラソウ(夏の田村草)  シソ科  アキギリ属

花6月-8月。青紫。花径8-10㎜。花は横向きに着く。唇形花(しんけいか)・上弁の外側に毛が生えている。雄蕊は花冠を突き出る。花は花軸に輪生し段を作って咲く。花穂の長さ10-20㎝。穂状花序・葉は対生・1~2回奇数羽状複葉・小葉卵形or菱形・小葉は菊の葉状の切れ込み(鋸歯)有り・草丈20-70㎝。茎にも毛有り。多年草。林縁の草地や道端あぜ道などに生育。日本在来種。花言葉・善良。

絶滅危惧Ⅰ類(東京都・三重県兵庫県高知県)。絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県・奈良県大阪府)。絶滅危惧種(滋賀県京都府)。情報不足(長野県)。

ナツノタムラソウと同じシソ科のアキギリ属で、何々タムラソウという種は他にも幾つか有る。その内の代表的なものを以下にピックアップする。

 

シソ科田村草① アキノタムラソウ(秋の田村草) 花7月-11月。青紫。唇形花。穂状花序・葉は卵形・花や咢や茎に毛と腺毛(せんもう)が密集。葉は草丈20-80㎝。林縁部や草原、道端などに生育。絶滅危惧種(宮城県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

シソ科田村草② ウスギナツノタムラソウ(薄黄夏の田村草)(黄花夏の田村草) 花6月-8月。淡黄色。唇形花冠・穂状花序・夏の田村草の母種。奇数羽状複葉・葉に鋸歯有り。絶滅危惧1類(奈良県)。絶滅危惧種(三重県)。

 

シソ科田村草③ ケナツノタムラソウ(毛夏の田村草) 花6月-8月。 極淡紫色(≒白)。唇形花・花冠の内側と外側に毛が有る。穂状花序・奇数羽状複葉・草丈25‐50㎝。 絶滅危惧1類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県)。絶滅危惧種(岩手県)。

 

シソ科田村草④ ハルノタムラソウ(春の田村草) 花4月—6月。白色・咢は赤紫・唇形花・咢も唇形。花茎は直立・全体的に小振り・草丈10-20㎝。 絶滅(香川県)。絶滅危惧1類(徳島県愛媛県)。絶滅危惧種(奈良県)。要注目種現状不明(静岡県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

シソ科田村草⑤  シマジタムラソウ(島路田村草) 花7月-9月。淡青紫色。唇形花。草丈10-60㎝。東海地方のみに分布。伊勢神宮神域内の島路山で発見。環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(三重県)絶滅危惧(静岡県)。絶滅危惧種(愛知県)。

※ 唇形花(しんけいか)とは、シソ科に見られる特徴的な形の花を言う。花弁が合着して筒状になり、筒先が大きく上下に割れる。下の裂片は唇を突き出す様に前に出ており、上の裂片はそれに被さっている。

※ 腺毛(せんもう)とは、植物に生えている特殊な毛である。単なる毛では無く、毛先に丸い器官があり、そこから植物の液が出ている。

 

ナツハギ(夏萩)  マメ科  ハギ属

ナツハギという固有名詞を持つハギは無い。夏に咲く萩と言う意味で、お茶の世界で通用している。開花を始めてから最盛期を迎え、終焉期に至るまで季節の幅が有るので、どれをナツハギと言うのか分からない。生育の環境によっても時期がズレるであろう。高原か平地の野原か、東北地方なのか九州なのか、条件が違えばが花期も違って来る。取り敢えず花の時期を書いてはいるが、条件を考えると当てにならない事おびただしいので、下記に記した期間は凡その目安、として捉えて欲しい。夏から秋にかけて咲く萩の名前を下記に列挙する。

ヤマハギ (木)   マメ科 ハギ属 花6-9月 紅紫 枝垂れる

ミヤギノハギ (木) マメ科 ハギ属 花6-9月 紫紅・蝶花  枝垂れる。

ミヤギノハギについは、秋の項で改めて取り上げる予定。

イヌハギ (木)      マメ科 ハギ属 花8-9月 黄色~白色・蝶花  直立

メドハギ (草)      マメ科 ハギ属 花8-10月  淡黄色・蝶花 直立・叢立ち

ネコハギ (草)   マメ科 ハギ属 花9-10月   白~黄白色・蝶花 匍匐(ほふく)

ナンテンハギ(草)  マメ科 ソラマメ属  花6-11月 青紫~赤紫・蝶花  直立

ヨツバハギ(草)   マメ科 ソラマメ属 花7-10月  青紫・蝶花 つる性

ノハギ      植物名としては見当たらず。

茶花の中に野萩という名前があり、調べてみたが該当するものは無かった。多分、野原に咲く萩という括りで出ていたのであろう。でなければ、野趣あふれる萩という意味か・・・

上記の内で最も絶滅の危機が切迫しているのがイヌハギである。

イヌハギ 花7月-9月。白。蝶形花・総状花序・花序は枝垂れず、ルピナスの様に立つ。環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(福島県・栃木県・群馬県・東京都・静岡県滋賀県三重県奈良県京都府大阪府徳島県愛媛県高知県・福岡県・佐賀県熊本県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県山形県茨城県・千葉県・神奈川県・埼玉県・新潟県富山県・愛知県・和歌山県鳥取県広島県山口県大分県・鹿児島県)。絶滅危惧種(秋田県宮城県岐阜県兵庫県岡山県香川県)。情報不足(石川県)。留意種(長野県)

 

ナツユキソウ(=キョウガノコの色違い)  バラ科  シモツケソウ属

花6月-7月。白(キョウガノコの色違い)。花弁4-5枚。花径5‐6㎜。雄蕊は花弁をはみ出す程長く突き出す。複散房花序。葉は掌状形で深く5~7裂する・葉柄長い・葉身およそ20㎝。草丈60-100㎝。林間の半日陰で少し湿った場所を好む・山野草。原産国・日本。ナツユキソウの花色がピンクの品種を「キョウガノコ」という。

前回ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のキョウガノコで既出。内容は当条と同じ。

 

ナデシコ(撫子)(ダイアンサス)   ナデシコ科 ナデシコ属(ダイアンサス属)         

ナデシコ科・ナデシコ属の内、今迄に記載した種は下記の4種がある。

カーネーション 

11月から5月まで花の出荷量は最盛期で、花色や形も多様である、と紹介したのが、blog№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)の内、カーネーションの条。(←参照の事)

カワラナデシコ 

7~10月頃、川原などに咲く淡紅色の五弁の花で、生薬にもなる絶滅危惧の花と紹介したのが、bog№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)の内、カワラナデシコの条。(←参照の事)

エゾカワラナデシコ 

カワラナデシコの条の下に並んで記載し、絶滅危惧種であると紹介したのが、bog№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)の内、カワラナデシコの条。(←参照の事)

セキチク 

花は4~7月。花の中心に蛇の目模様がある。分枝した茎の先に花が咲く、生薬になる、と紹介したのが、bog№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)の内、セキチクの条。(←参照の事)

 

ナデシコの季語は秋である。昔から秋の七草と言われている。しかし、実際の開花は夏から始まっているものが多い。俳句の季語と実際とではずれが有る。

上記4種の外に良く知られているナデシコに下記の様な種が有る。

 

アメリナデシコ(ヒゲナデシコ)(ビジョナデシコ)

花3月-7月・9月-10月。赤・ピンク・白・複色など。苞の先端が髭の様に長い。日当たりが好き。花弁の縁がギザギザ。草丈10‐30㎝。1年草。多年草

 

シナノナデシコ(信濃撫子)(深山撫子(ミヤマナデシコ)) 

花7月-8月。紅紫。花弁5枚・花径2㎝。花弁の縁のギザギザは川原撫子より浅い。葉は線形で対生。分岐の茎頂より2輪が咲く。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・石川県)。

 

タカネナデシコ

花7月-9月。桃紫色。花弁5枚・花の縁は深裂。花径4—5㎝。草丈15-40㎝。高山植物絶滅危惧Ⅱ類(岩手県宮城県山形県福井県)。絶滅危惧種(秋田県福島県)。

 

ヒメナデシコ(姫撫子)(乙女撫子)

花5月-6月。ピンク・紅紫。花に蛇の目模様有り・花径1.5‐2㎝。茎頂にまとまって咲く。草丈10-45㎝。葉は線形。株立ちする。アメリナデシコの交配種。

 

ヒメハマナデシコ(姫浜撫子)

花6月-10月。淡紅紫色。花弁5枚・花弁の縁のギザギザは浅い・花弁に赤紫の斑点が有り。茎頂に固まって咲くが姫撫子よりまばら。海岸などで生育。絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県・宮崎県・沖縄県)。絶滅危惧Ⅱ類(大分県熊本県)。

 

ハマナデシコ(浜撫子)(フジナデシコ(藤撫子))

花6月-11月。淡紅紫。花弁5枚・花弁の縁のギザギザは浅く小さい。花径1.5㎝。

海岸の崖や砂地に生育。日本固有種。 絶滅危惧Ⅰ類(岩手県新潟県)。絶滅危惧Ⅱ類(石川県・京都府島根県)。絶滅危惧種(福島県茨城県・千葉県・福井県・鹿児島県)。情報不足(富山県滋賀県)。

 

ナナカマド(七竈)  バラ科  ナナカマド属 

花5月-7月。白。花弁5枚・花は水平に開く。花は梅鉢紋に似ている。花径5㎜。それらが集まって大きな花の集団を作る。複散房花序。葉は無毛・葉身15‐25㎝・奇数羽状複葉・小葉は披針形or長楕円形・鋸歯有り・紅葉が美しい。果実も真っ赤で見ごたえがある。亜高山帯に生育し、秋には山を真っ赤に彩る絶景を創り出す。落葉広葉樹。材質が堅い。有用材(良質の炭が出来る)。花言葉・慎重・賢明・私はあなたを見守る。

 

ナルコユリ(鳴子百合)  キジカクシ科(クサスギカズラ科)  ナルコユリ属(アマドコロ属)

花5月-6月。 白。 花は細長い釣鐘状・花長は20㎜前後・花径7-10㎜。 花は茎から下垂する。茎の断面は丸く、1本立ちの有花径・草丈50‐130cm。枝垂れる。葉は披針形で互生・葉腋毎に1本の花柄を出す。花柄は途中で分枝・分枝の先ごとに花を着ける。1葉腋に3-8個の花が下がる。果実は1㎝の球形で青紫黒・山地や草原の日陰に生育。多年草。本州・四国・九州に分布。食用可。注意:毒草ホウチャクソウと激似なので誤食による中毒発生頻繁。花言葉・懐かしい音・元気を出して・あなたを偽れない・小さな思い出・心の痛みの分かる人。絶滅危惧種(鹿児島県)。情報不足(宮城県)。

ナルコユリと同じキジカクシ科の何々ナルコユリという種で、ナルコユリと同じく絶滅の危機に有るのが下記の4種である。

オオナルコユリ  絶滅危惧1類(東京都)。分布特性上重要な種(鹿児島県)

ヒュウガナルコユリ  絶滅危惧1類(長崎県)

ホソバナルコユリ  絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)

ミヤマナルコユリ  絶滅危惧Ⅰ類(高知県熊本県・宮崎県・鹿児島県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛媛県佐賀県)。 

 

ナンテン(南天) メギ科 ナンテン属 

花5月-6月。 黄白色。円錐花序。雄蕊は黄色。果実赤11月‐12月。白い果実の種も有り。小葉は広披針形・葉は3回3出羽状複葉。常緑広葉樹低木・樹高1-3m。株立ち。原産地中国。日本では関東以西九州迄生育。南(難)を天(転)ずると言う意味で縁起物の木とされ、庭木などに良く栽培されている。また、殺菌目的で赤飯や魚料理などに南天の葉を添える。弱有毒(特に実)(ドメスチン・ナンテニン・ヒゲナミン・ナンジニン・大量経口摂取により意識障害・痙攣・呼吸麻痺)。生薬(南天実)(鎮咳・鎮痛・殺菌薬)&(南天葉)(ベルベリン・マグノフロリン・健胃・解熱・防腐・殺菌)。花言葉・私の愛は増すばかり・良い家庭・福をなす。

なお、鹿児島県ではメギ科のナンテン分布特性上重要な種に指定している。

 

ナンテンハギ(南天萩)(アズキナ)(フタバハギ)(タニワタシ)  

                      マメ科  ソラマメ属

花6月-10月。紅紫・青紫。蝶形花。葉腋から花の茎を出す。総状花序。葉は卵形・葉身4—7cm。小葉は2枚。但し、頂小葉は退化して小さな突起になっている。巻きひげは無い。茎は叢立(むらだ)ち、直立・茎は角張って稜がある。茎が長くなると周りの草にもたれかかる。豆の莢(さや)は約3㎝。草丈30-60cm。食用可。山野草花言葉・思案・内気。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県山口県)。絶滅危惧種(京都府奈良県・鹿児島県)。

マメ科で何々ナンテンハギとつく名前で、絶滅に瀕しているものが他にも下記の1種ある。

クマガワナンテンハギ  絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)

 

ニガクサ(苦草)  シソ科  ニガクサ属

花7月-9月。 白・淡紅・淡紫。 花冠は上下に割れて5裂(上は2裂・下は3裂)・上唇は手を重ねた様に2枚重なっている。下唇は幅広く大きい・下の脇唇2枚は小さくて目立たない。花は筒状の咢に入っている。雄蕊4本。雄蕊は上唇弁2枚の合わさり口から外に突き出している。茎の先端に穂状花序を成す。花序の長さ3-10㎝。一つ一つの花は小さい。葉は長楕円形~卵状披針形。対生する。鋸歯あり。茎は角ばっている。4稜。草丈30-70㎝。1年草又は多年草絶滅危惧2類(鹿児島県)

シソ科ニガクサ属の中で何々ニガクサとつく名前で、絶滅に瀕しているものが上記の外に5種ある。

イヌニガクサ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(青森県秋田県山形県宮城県群馬県・長野県)。情報不足(岩手県)。

エゾニガクサ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅(佐賀県)。絶滅危惧Ⅰ類(宮城県山口県・福岡県)。情報不足(茨城県・長野県)。

コニガクサ 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ツルニガクサ 準絶滅危惧種(鹿児島県)

テイネニガクサ 環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県鳥取県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県福島県群馬県)。絶滅危惧種(北海道・青森県・栃木県・長野県)。留意種(秋田県)。情報不足(岩手県)。

 

ニシキウツギ(二色空木)  スイカズラ科  タニウツギ

花5月-6月。 咲き始めは淡黄白で後に紅色に変化。名前の由来は花の色が二色に変化するから。花はラッパ型。花冠5裂・雄蕊5本・葉腋から2-3輪の花を着ける。下向きに咲く。  葉は対生・広楕円形・株立ち・落葉広葉樹低木or中木。日本固有種・宮城県以南~九州の太平洋岸の山地に生育。落葉広葉樹低木。樹高2-5m。花言葉・愛らしい・華やか・美しい。

絶滅危惧Ⅱ類(熊本県・宮崎県)。絶滅危惧種(兵庫県岡山県・鹿児島県)。地域個体群(新潟県)。

 

ニチニチソウ(日日草)(ビンカ) キョウチクトウ科 ニチニチソウ

花5月―11月。白・赤・ピンク・紫。一重咲。花径3-4㎝・合弁花・基部は筒状・花冠は深く5裂し、一見5弁の花に見える。一年草。葉は長楕円形・草丈10~80cm。マダガスカル原産。全有毒(ビンカアルカロイド含有・細胞分裂阻害作用・脱毛・嘔吐・下痢・心機能障害・痙攣・筋肉麻痺)。薬用(ピンクリスチン・ピンブラスチン・抗癌剤)。 ペット有毒。  花言葉・生涯の友情・優しさ・わかい友情。

 

ニッコウキスゲ (日光キスゲ)(=ゼンテイカ(禅庭花))  

    ワスレグサ科(ツルボラン科)(ススキノ科)(ユリ科) ワスレグサ属

ニッコウキスゲゼンテイカ(禅庭花)は同じものである。ブログ№199茶花総覧(4)  夏(あ行~さ行)の項で、ゼンテイカを取り上げている。以下はゼンテイカの条で記載した内容と同文である。(再記載。一部省略)

花7月-8月。橙黄。(略)。実はこれがニッコウキスゲの本名である。日光観光アピールの花として有名になり、今や本名よりニッコウキスゲの方が有名になっている。花の形はユリに似る。花弁6枚・その内3枚は咢片が変化したものである。ラッパ型。花径10㎝。朝開花して夕方しぼむ1日花である。花茎の頭頂に数輪の花を密集させて咲く。花茎は葉よりも背が高い。花茎の高さは60‐80㎝。葉は広線形・葉は扇状に行儀よく左右に開き束生。尾瀬や日光の霧降高原の群落が有名だが、ゼンテイカは日本の各地に分布している。本州中部地方~東北地方の高山帯、寒冷地に行くにつれて低地でも分布し、北海道では海岸でも咲いている。

天然記念物  磐梯朝日国立公園(福島県)雄国沼湿原植物群落

天然記念物  福島県昭和村と南会津町間にある駒留湿原

天然記念物  長野県八ヶ岳中信高原国定公園内の霧ケ峰三湿原

特別天然記念物 尾瀬

絶滅危惧Ⅰ類(愛知県・島根県)。絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・東京都・滋賀県)。絶滅危惧種(茨城県山梨県福井県)。要注目種(京都府)。

 

ニワフジ(庭藤)(岩藤)  マメ科  コマツナギ

花5月-7月。紅紫色。花の形はマメ科らしく蝶形をしている。葉腋(ようえき→葉のわき)から花軸を出し、総状花序で花を咲かせる。葉は長さ~25㎝位の葉軸に楕円形の小葉が対生して連なり(羽状)、葉柄の頭頂に一枚着いて奇数複葉。落葉広葉樹低木・樹高30-100㎝。川岸の岩場などが生息域。日本原産。花言葉・恋に酔う・歓迎・しなやかな体。

絶滅危惧Ⅰ類(群馬県徳島県長崎県)。絶滅危惧種(三重県)。要注目種(福井県京都府)。情報不足(鹿児島県)。

 

ヌマトラノオ(沼虎の尾)  サクラソウ科  オカトラノオ

花7月-8月。 白。花冠は深く5裂・一見5枚の花弁に見える。雄蕊5本・花径5―6㎜・小さい花を一杯つける・総状花序。花序の長さは10-20㎝。葉は長倒卵形・葉身4—7㎝。葉は互生・葉の基部は窄(すぼ)まっている。鋸歯無し(全縁)。有花径は直立。湿地などの湿った土地が好き。群生する。花言葉・平静・思いがけない・優しい風情。

絶滅危惧Ⅰ類(長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(東京都・神奈川県・大分県)。絶滅危惧種(埼玉県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

サクラソウオカトラノオ属で、何々ヌマトラノオと言う名前で絶滅に瀕しているものが、上記の外に1種ある。

佐賀平野ヌマトラノオ 地域個体群(佐賀県)

  

ネジキ ツツジ科 ネジキ属

花6月。白。花は紡錘形(細身の鈴蘭の花に似ている)。前年枝の葉腋から花茎を出し2列縦隊または1列縦隊で花が着く・花冠5裂。花の長さ1㎝。総状花序。葉は広卵形か卵状楕円形・葉身5-10cm・ふちに鋸歯は無い。樹皮に裂け目が入り、成長すると幹がねじれる。落葉広葉樹低木~小高木。岩手県以南の本州・四国・九州に分布。全有毒(アンドロメドトキシン・リオニアトキシン・嘔吐・痙攣・四肢の麻痺・知覚過敏・起立不能・全身麻痺)。ペット有毒(テルペノイド(グラヤノトキシン)・牛の重量の1%の量で、牛致死)。 絶滅危惧種(岩手県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

ネジバナ(捩花)(モジズリ)(ネジリバナ)(ヨジリンボウ)  ラン科  ネジバナ

花4月-9月。ピンク。蘭の特徴の背咢片1・側花弁2・側咢片2・唇弁1が揃っており、虫眼鏡で見なければ分からない程小さい花だが、ネジリバナは歴としたランである。唇弁は白。花茎は直立・花は螺旋を描きながら花茎を登って開花して行く。穂状花序。葉は根元に数枚つける(根出葉)。葉の形は長楕円形。芝生や背の低い草地の日当たりを好む。花言葉・思慕。

ネジバナの仲間で絶滅の恐れのあるのは下記の1種である。

ナンゴクネジバナ 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

 

ネムノキ(合歓木)  マメ科  ネムノキ属

花6月-7月。淡紅色。花は筒状・花一つは極めて小さいが雄蕊が長く突き出しているので目立つ・枝先に頭状花序を成す。筒状の花は無数に立ち上がる雄蕊の花糸に隠れて見えず・薄紅の穂で樹冠を飾る。葉は偶数複葉。朝になると葉が開き、夜になると葉を閉じて眠る。落葉広葉樹中高木。中近東・中国南部から朝鮮・日本に自生。山野や原野などに生育。花言葉・胸のときめき・歓喜・夢想・安らぎ。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

この外に同科同属の何々ネムノキと言う種で、絶滅の恐れがある種は下記の2種である。

オオバネムノキ 絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。絶滅危惧種(長崎県)。

ヤエヤマネムノキ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

 

ノアザミ(野薊)  キク科  アザミ属

ノアザミは固有名詞では無くアザミ属の総称。

花5月―8月。紅紫・紫・薄紫・白。筒状花(とうじょうか)(=管状花(かんじょうか))の小さな花が集まって、茎の頭頂にある花床(かしょう)に咲く。頭状花序(とうじょうかじょ)・雄蕊が花冠から長く突き出している。一見ボサボサの筆の穂である。

花の集合体の直径は4—5㎝。それ等を包む総苞(そうほう)は壺型で緑色。うろこ状の総苞片の一つ一つの先端が鋭い棘になっている。葉は互生・側脈(そくみゃく)に沿うように深裂・大小不規則な鋸歯有り。鋸歯の先端は鋭い棘となっている。山野・草原・河川敷などの日当たりの良い場所に生育。日本では本州から九州まで分布、アジア大陸にも変種が有る。花言葉・触らないで・独立・厳格・復讐・満足・素直になれない恋。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

このノアザミの外に同科同属の何々ノアザミと言う花で、絶滅の恐れがある種は下記の7種がある。

ウラジロカガノアザミ 準絶滅危惧種(長野県)

オニオオノアザミ   絶滅危惧Ⅱ類(長野県)

カガノアザミ     情報不足(兵庫県)

ナガエノアザミ    分布上重要種(滋賀県)

ハリカガノアザミ    絶滅危惧1類(長野県)

ミヤマホソエノアザミ  絶滅危惧Ⅱ類(長野県)

ヨシノアザミ      絶滅危惧Ⅰ類(山口県)

 筒状花(とうじょうか)とは、花弁全てが合着し、継ぎ目のない1枚・つまり筒状になり、雄蕊雌蕊の両方を完備している花の事を言う。筒状花の上縁は5裂している。

 管状花(かんじょうか)とは、花弁全てが合着し、継ぎ目のない1枚・つまり輪っかの管状になり、雄蕊雌蕊の両方を完備している花の事を言う。筒状花=管状花

 花床(かしょう)とは、茎の先端が変形して円い皿状になり、お皿の上に花が着く。その場所の事を言う。

 頭状花序(とうじょうかじょ)とは、茎の先端が皿の様に平らになっていて(花床)その上に筒状花(=管状花)が集まって咲いている花をいう。

 総苞(そうほう)とは、花序の基部にあって特殊化した葉の事を言う。

 側脈(そくみゃく)とは、葉の真ん中を通る主葉脈から横に分かれて出ている葉脈の事。

 

ノウゼンカズラ(凌霄花) ノウゼンカズラノウゼンカズラ属         

花7月-8月。 オレンジ・黄・赤。 円錐花序。 花は合弁花(ラッパ形)だが、縁が5裂している。円錐花序の花房は下に垂れる。奇数羽状複葉・落様低木つる植物。庭木。樹高5―6m。漢方薬(利尿・通経)。 原産地・中国。弱毒(ラバコール・かぶれ・アレルギー症状)。ペット有害(ラパコール・弱毒・鎮痛・抗菌・アレルギー・かぶれ)。 花言葉・名声・名誉・栄光・豊富な愛情・華の有る人生。

 

ノカンゾウ(野甘草)(長管萱草)  ツルボラン科 (ユリ科) (ススキノ科)  ワスレグサ属

花6月-8月。黄・橙・紅。花弁6枚。外花被片(がいかひへん)3枚・内花被片(ないかひへん)3枚・一重・花径5-11㎝。花冠の筒の長さ3-4㎝・花径の上部で分枝・それぞれの枝先に花が咲く・一日花。葉は線形剣状・草丈 70-90㎝。食用可・薬膳料理。生薬(蕾・根・葉)(生薬名(金針菜(きんしんさい))・ヒドロオキシグルタミン酸アスパラギン酸・リシン・アルギニン・コリン・解熱作用・利尿作用・腫物)。花言葉・苦しみからの解放・愛の忘却・宣言・崇高・気品・憂いを忘れるなど。 絶滅危惧Ⅰ類(石川県・佐賀県熊本県)。絶滅危惧Ⅱ(群馬県福井県京都府大阪府兵庫県)。絶滅危惧種(青森県山形県新潟県・東京都・富山県滋賀県三重県奈良県鳥取県山口県)。

このノカンゾウの外に同科同属の何々ノカンゾウと言う花の中で、下記の種は京都府では絶滅している。

ヒメノカンゾウ 絶滅(京都府)。

 外花被片(がいかひへん)とは、外側にある花弁の事。外花被片の元の姿は咢。咢が変化して、花弁の様になったもの。

 内花被片(ないかひへん)とは、内側に在る本来の花弁の事を言う。

 

ノコンギク(野紺菊)(野菊)  キク科  シオン属(アスター属)

花7月-10月。 薄紫・ピンク。 野菊の一種。頭状花・中心に筒状花・筒状花の花床を舌状花が1周取り巻いている。花径2.5㎝。 有花径の上部はよく分枝し、散房花序を成す。葉は卵状楕円形から卵形。葉に鋸歯あり。草丈30-60㎝。地下茎を伸ばして生育域を広げる。食用可。ノコンギクのそっくりさんが「ヨメナ」。ヨメナとの見分けは種に毛が有るかどうかの区別である。ヨメなは毛が無い。花言葉・守護・長寿と幸福・忘れられない思い。 分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

ノボロギク(野襤褸菊) キク科 キオン属(ノボロギク属)

花5月-8月。(暖地では一年中咲く)。黄色・筒状花のみ・頭状花・筒状の咢(総苞)に包まれたまま花は平開しない。咢と花冠の高さ合わせて1㎝。葉には大きな切れ込みと不規則なギザギザ(鋸歯)がある。アザミの葉に似るが、アザミほど切れ込みが深くない。ヨーロッパ原産。北半球(中央アジアを除く)と南米太平洋側・オーストラリアに分布する。全有毒(ピロリジジンアルカロイド類。腹部鈍痛・腹水・尿量減少・胸水出現・肝臓腫大・肝硬変・肝不全・肺高血圧症・致死)。 ペット有毒(ピロリジジンアルカロイド(セネシオニン)・食慾不振・嗜眠(しみん)・嘔吐・下痢・全身脱力・腎不全・重篤の場合致死)

 

バイカウツギ(梅花空木)(五月梅)(卯月梅) ユキノシタ科(アジサイ科) バイカウツギ属  花5月-7月。 白。 一重咲き・半八重・八重咲。花弁4枚・花径3㎝・枝先に集散花序を出し、5-9輪の花を咲かせる。 芳香有り。葉は広卵形・葉身4-12cm。鋸歯有り・対生・葉身5-10㎝。樹高1-3m。果実9-10月。 落葉広葉樹低木。本州・四国・九州に分布。 花言葉・兄弟愛・匂い立つ気品・品格。絶滅危惧I類(秋田県)。絶滅危惧種(鳥取県・福岡県)

 

ハイビスカス(ハマボウ)(ブッソウゲ(仏桑花))  アオイ科  フヨウ属

花5月-10月。白・ピンク・オレンジ・赤・茶・黄・青・紫。ハワイの州花・ネパールでは聖なる花。マレーシア、スーダンの国花。南国の花だが、日本にも自生している。日本名ハマボウ・学名はヒビスクス・ハマボー。神奈川県~奄美大島までの海岸線。花言葉・勇ましさ・華やか。

 

ハコネウツギ(箱根空木)(源平空木)(サキワケ空木) スイカズラ科 タニウツギ

花5月-6月。白・ピンク・紅。咲き始めは白だが次第に色が変わり、お仕舞になると紅色になる。花の形はラッパ型。花の縁は5裂。葉は卵形で先が尖る・葉身8-15㎝。鋸歯有り。葉は対生・幹から多数の枝が直立して出て来る。落葉広葉樹低木。花言葉・移り気。  絶滅危惧種(石川県)。情報不足(福島県高知県)。

 

ハス(蓮)(ハチス)(蓮花(れんげ))(水芙蓉(すいふよう))等々  

                 ハス科(スイレン科)  ハス属

花7月-8月。 白・ピンク・黄。花弁は卵形・一重と八重。水底の泥中に塊茎(かいけい)を作り地下茎から出芽、水面或いは水面の上に葉と花茎を出す。葉は円形・直径40-50㎝。撥水性あり。草丈50‐100㎝。多年草・蓮根・花・茎・葉は食用となる。ハスの種は非常に丈夫で、2千年経っても発芽能力を持っている。原産・熱帯~温帯アジア。

 

ハクウンボク(白雲木)(オオバヂシャ)  エゴノキ科 エゴノキ

                      ★利休7選花の一つ

花5月-6月。白。花冠は5裂片・星形の花・花径20㎜・雄蕊10本・葉腋から8-18㎝位の花茎を出して下垂。その茎に、短い花柄で15-30輪ほどの花を着け、基部から順次先端に向かって開花していく。花は下垂。総状花序。白い花が満開の様子を白雲に見立ててつけられた名前。葉は円形に近い楕円形・互生・葉身10-25㎝・葉幅6-20cm・鋸歯有り・果実は9月頃。落葉広葉樹小高木・樹高6-9m。弱毒(サポニン・魚毒漁に使用(毒を流して魚を麻痺させて獲る漁))。 花言葉・壮大・愛の旅・朗らかな人。 絶滅(高知県)。絶滅危惧1類(香川県)。絶滅危惧Ⅱ類(和歌山県山口県・鹿児島県)。絶滅危惧種(奈良県徳島県大分県熊本県)要注目種(京都府)。

上記ハクウンボク以外に絶滅が危惧されているのが下記の1種である。

ハクウンボク 絶滅危惧1類(鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。

 

ハゴロモグサ(羽衣草)(アルケミラ)(レディス・マントル(聖母のマント))

 バラ科 ハゴロモグサ属  

花7月-8月。黄緑。花弁無し・咢片8枚・花径3㎜・小さな花が集まる・集散花序・葉は丸形か腎臓形・草丈15-35㎝。ヨーロッパ原産・高山植物・北海道夕張山系・中央アルプスの湿った礫地に生育。ヨーロッパの伝統的な薬草(婦人病・月経不順・更年期・下痢や胃腸炎の緩和・うがい薬・歯肉出血止め効果・止血・消毒・傷薬(但し、日本産のものは薬効は無いらしい))。 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(山梨県静岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県)。絶滅危惧種(北海道・富山県)

困った事に、羽衣草に二通りの読み方が有り、ハゴロモグサと読むとバラ科高山植物になり、ハゴロミソウと読むと、平地に咲くノコギリソウの別名となる。

 

ハゴロモソウ(羽衣草)(ノコギリソウ(鋸草))(アキレア)

               キク科  ノコギリソウ属

花7月-9月。白・ピンク。草丈50-100㎝。花弁5つ・舌状花・花径7-9㎜。 散房花序。葉は深裂して主葉脈・側脈毎に割れている。その為掌状葉とは言うものの手の形ではなく鳥の足の様になっていて、一見独立した数本の線形状の葉に見える。裂片に鋭い鋸歯あり。(花・茎葉)(生薬名・西洋蓍草(せいようしそう)・リナノール・カンフアー・サビネン等々)(鎮咳・去痰・止血作用・抗炎症作用・健胃・強壮・発汗・通経薬・子宮収縮作用有り)。花言葉・戦い・治癒。 絶滅(三重県)。絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県・京都府大阪府奈良県岡山県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県)。絶滅危惧種(千葉県・岐阜県)

キク科のノコギリソウ(ハゴロモソウ)で何々ノコギリソウと名前の付く絶滅の恐れのある種は上記の外に以下の5種ある。

アソノコギリソウ 環境省カテゴリ準絶滅危惧(NT)。絶滅危惧Ⅱ類(宮崎県)。絶滅危惧種(大分県)。要注目種(熊本県)。情報不足(高知県)。

エゾノコギリソウ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県福島県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県新潟県)。

ホソバエゾノコギリソウ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(北海道)。情報不足(岩手県)。

ホロマンノコギリソウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅(山形県茨城県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)。絶滅危惧種(青森県)。

ヤマノコギリソウ 絶滅(愛知県)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県福島県・埼玉県・神奈川県)。絶滅危惧種(秋田県)。

 

ハゼ(櫨) ウルシ科 ウルシ属 

花5月-6月。花弁5枚。花は小さい・花の長さ2㎜・花弁の先が後ろへクルッと反り返っている。雄蕊5本・雄蕊の方が花の長さより長い。葉腋から伸びた花茎に円錐花序で花を着ける。

果実9~10月。果実は茶褐色・果実の成る様子はシャンデリアの様。鳥が喜んで食べにくる。雌雄異株。葉は長楕円形で先端が鋭く尖る。全縁(鋸歯無し)・対生。奇数羽状複葉・落葉広葉樹小高木。黄葉が美しい。蠟を採る為に植栽され、それが野生化して山野にも自生。関東以西から沖縄・小笠原諸島・中国・東南アジアに分布。

ハぜと同科同属のヤマハゼは鹿児島県で布特性上重要な種に指定されている。

 

ハツユキソウ(初雪草)(ユーホルビア)  

      トウダイグサ科 トウダイグサ属(ユーホルビア属)

花7月-8月。白。花は小さく目立たない。葉は灰緑色。花が咲くころ、葉に白い覆輪が生じる様になる。専ら葉を鑑賞する。葉は草丈80-100㎝。マダガスカル原産。全有毒(特に乳汁)(ホルボールエステル・インゲノールエステル・皮膚炎・失明・瀉下剤)。ペット有毒。花言葉・好奇心・祝福・穏やかな性質。

 

ハナショウブ(花菖蒲) アヤメ科 アヤメ属

ハナショウブについてはbog№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)の内、アヤメ属のグループの4番目に記載済み。念のため、同文を以下に転載する。

アヤメ④ ハナショウブ(花菖蒲) アヤメ科 アヤメ属

花5月~7月中旬。青・紫・ピンク・白・複色・黄。多年草。草丈50-100cm。原産地・日本・朝鮮半島・東シベリア。外花被片の付け根が黄色で、網目模様はない。葉は狭い剣状で葉脈がはっきりとしている。落葉する。全有毒(イリジェニン・イリジンテク・リジン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸炎)。ペット有毒  

 

ハナミョウガ ショウガ科  ハナミョウガ属(アルピニア属) 

花5-6月。淡紅色と白と赤の複色。筒状の花弁が茎に直に着いて立ち上がり、花冠は途中で3裂する。上の弁は更に高く立ち上がって雄蕊を守り、下の2つの弁はワニ口の様に開いて唇弁を形作る。唇弁2枚は合着、内側から赤い放射状の筋が現れ、昆虫への道標となっている。穂状花序。葉は幅広のミョウガの葉に似る。ミョウガの名が付いているが、食用のミョウガとは別物である。生薬(生薬名・伊豆縮砂(いずしゅくしゃ)・薬効は整腸と香辛料)。

 

ハハコグサ(母子草)(御形(ごぎょう/おぎょう )) キク科 ハハコグサ

花4月-6月。黄。多数の筒状花が総苞に包まれている。その総苞一つの直径が3㎜。茎の先端にそれ等の総苞が集まり、頭状花序を成す。花後は綿毛になって種を風に飛ばす。葉や茎は柔毛に覆われ白っぽい。日当たりの良い畑や空地・道端。食用可。ハハコグさは春の七草の一つ「ごぎょう」の事。生薬(生薬名(鼠麴草(そきくそう))・鎮咳・去痰・喉の腫れ。利尿)。

キク科のハハコグサ属で絶滅の危機に瀕している種は下記の1種である。

アキノハハコグサ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類。絶滅(山形県大阪府兵庫県)。 絶滅危惧Ⅰ類(青森県岩手県宮城県福島県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県新潟県・愛知県・福井県滋賀県三重県京都府奈良県香川県徳島県愛媛県高知県山口県・福岡県・大分県熊本県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県静岡県富山県岐阜県岡山県広島県佐賀県・鹿児島県)。絶滅危惧種(長野県)。情報不足(秋田県・石川県・和歌山県長崎県)。以上43都府県。

 

ハマカンゾウ(浜甘草)  ツルボラン科 (ユリ科) (ススキノ科)  ワスレグサ属

花8月-10月。黄・オレンジ・赤。花弁6枚(その内3枚の外花被片は咢が変化したもの)。花茎の先端に数個の花を咲かせる。葉は線状。草丈70-90㎝。 海岸砂礫地に生息。関東以西・四国・九州に分布。 絶滅危惧Ⅱ類(兵庫県)。絶滅危惧種(三重県和歌山県大分県・鹿児島県)。

ユリ科ワスレグサ属で、何々ハマカンゾウという種で絶滅の危機に瀕しているのは下記の1件である。

ニシノハマカンゾウ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

ハマナシ(浜梨)(ハマナス)  バラ科 バラ属

花5月-7月。 紅紫。花弁5枚。花径5-10㎝・枝先に数輪咲く。葉は奇数羽状複葉・小葉は楕円形・鋸歯有り・葉脈に沿って凹凸が深く、葉がしわしわに見える。果実8-9月・果実の直径約2㎝・真っ赤に熟し一見ミニトマト。茎には棘が密集。茨城県以北の太平洋沿岸や山陰地方の日本海側沿岸に自生・特に北海道では大きな群落をつくっている。低木。公園などでも植栽されている。 (ゲラニオール・チトロネロール・ネロール・収斂作用(しゅうれんさよう)・下痢・月経方過多・疲労回復に効能)。果実酒など食用・香水原料。 花言葉・悲しくそして美しく・旅のかなしみ。  絶滅危惧Ⅰ類(福島県兵庫県島根県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県新潟県富山県福井県鳥取県)。絶滅危惧種(宮城県・千葉県・石川県・京都府)。

上記のハマナシの外に、バラ科で何々ハマナスと言う絶滅に瀕している植物に下記の1種が有る。

ハマナス 分布上希少な雑種(秋田県)

余談 ハマナシと言うか、ハマナスと言うか、梨と茄子の謂れで諸説ある。これは、婆の祖母の話・明治生まれの祖母は外来の果物や野菜に初めて接した時拒否反応を持ったそうだ。赤い茄子は気持ち悪いと言って、頂き物のそれを当初は捨てたそうだ。赤い茄子とは今のトマトの事。ハマナシの赤い実を、当時の人は茄子の一種と真面目に捉えていたのではないだろうか。茄子と言えば紫色の茄子しか知らない現代人にとって、赤茄子がトマトだったなんて、想像も出来ない話である。およばれに出された水菓子のパイナップル、変な大根だと思って口をぎゅっと閉じて一切食べなかったと、思い出話をしながら祖母は大笑いしていた。

 

ハマナデシコ(浜撫子)(フジナデシコ(藤撫子))  ナデシコ科  ナデシコ

花6月-11月。ピンク。花弁5枚・花径1.5-2㎝・雌雄の蕊と花弁が約1.7㎝の筒状の咢内に納まる。花弁の縁のギザギザは浅く小さい。花は集散花序となって有花茎頭頂に密集。葉は根元でロゼット状で倒披針形・茎の葉は対生・茎に着いている葉は長楕円形又は長卵状・葉身は6-8㎜。葉は厚味が有って無毛である。日本固有種。絶滅危惧Ⅰ類(岩手県新潟県)。絶滅危惧Ⅱ類(石川県・京都府島根県)。絶滅危惧種(福島県茨城県・千葉県・福井県・鹿児島県)。情報不足(富山県滋賀県)

ハマナデシコの外に絶滅危惧されている何々ハマナデシコが下記の1種ある。

ヒメハマナデシコ 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県・宮崎県・沖縄県)。絶滅危惧Ⅱ類(大分県熊本県)

※ ナデシコ(撫子)(ダイアンサス) の条で、ナデシコの一つとしてハマナデシコ(フジナデシコ)の名前を紹介している。

 

ハマヒルガオ(浜昼顔) ヒルガオ科  ヒルガオ

花5月-6月。ピンク。合弁花・花の形は朝顔と同じ・花径4-5㎝。葉は円い心形(ハート形)。ハートの基部は深く凹んでいる。葉身2-4㎝。つる植物。匍匐(ほふく)性。海岸や湖岸の浜辺に群生する。九十九里浜の南に太東海浜植物群落(たいとう かいひん しょくぶつぐんらく)という国指定天然記念物があり、そこの植物群落を構成している一つに、ハマヒルガオも含まれている。花言葉・絆・交誼・夜・優しい愛情。絶滅危惧Ⅰ類(京都府)。

 

ハマボウ(浜朴)(黄槿)  アオイ科  フヨウ属  

花7月-8月。黄・中心部は赤褐色。花弁5枚・ハイビスカスと同科同属。花径7㎝。1日花・葉は円形・鋸歯有り・互生。落葉広葉樹・枝分かれ頻繁・塩生植物。マングローブと同じで、海水に浸っても平気である。海水域や汽水域に生育。秋に果実をつけ、果実の中に種がある。熟すと種が放出され、海に落ちる。種は海水によって分布を広げる。花言葉・楽しい思い出。

絶滅(大阪府)。絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・神奈川県・兵庫県岡山県島根県香川県高知県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・三重県愛媛県山口県・福岡県・大分県)。準絶滅危惧(和歌山県徳島県・宮崎県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

ハマボウの外に絶滅危惧されている何々ハマボウという名の植物が下記の2件ある。

オオハマボウ 準絶滅危惧種(鹿児島県)。

サキシマハマボウ 絶滅危惧種Ⅰ類(鹿児島県)。

 

ハマユウ(浜木綿)  ヒガンバナ科(ユリ科)  ハマオモト属

花7月-9月。 白。 花弁6枚・1つの弁は線形・花弁は後ろに反(そ)り返る。花茎先端から散形花序を出し、幾つもの花を咲かせる。神事に使う木綿(ゆう)に似ているので浜木綿と名付けられた。線形・常緑多年草・原産地・インドネシアスマトラ。 花言葉・どこか遠くへ・穢れが無い・ 全有毒(リコリン(アルカロイド)・垂涎・嘔吐・下痢・血圧低下・中枢神経麻痺)。 ペット有毒(リコリン・嘔吐・下痢)。

 

バラ(薔薇) バラ科 バラ属

バラは、バラ科バラ属の総称である。バラは観賞用として、又精油採取として世界中で栽培されている。19世紀半ばにはその種類が3,000種にも及び、それを基にして現在でも更に新しい園芸品種が作出されている。花期は5月-11月。品種によって開花時期は様々。四季咲きのものも有る。花色は、白・赤・真紅・ピンク・オレンジ・黄・紫・茶・緑・黒・複色など。これにグラデーションが加わり、色彩は多様。一重咲・半八重咲・八重咲など花弁の枚数によっても園芸品種が分かれ、更に、カップ咲きか剣弁咲きか、大輪・中輪・ミニバラなど、バラの世界は非常に多様である。

以上はバラの園芸品種の世界のはなしである。

以下は、日本の野生のバラ科バラ属についてである。ここに載せたバラはどのバラも一重咲きである。なかなか和の趣が有って、茶花の風情を湛えているが、如何せん、殆どが絶滅危惧種である。

 

バラ① アズマイバラ(オオフジイバラ)(ヤマテリハノイバラ)

花6-7月。白。花弁5・花弁ハート形・花径2-3㎝。奇数羽状複葉・蔓性・落葉低木・絶滅危惧1類(福島県茨城県)。絶滅危惧種(栃木県)

 

バラ② オオタカネバラ 花6-7月。淡紅紫色。花弁5枚・絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県宮城県群馬県)。絶滅危惧Ⅱ類(青森県岩手県福島県)。地域個体群(新潟県)。

 

バラ③ カラフトイバラ(ヤマハマナス)  花6-7月。淡紅紫色。花弁5枚。落葉低木・樹高1.5‐2m。  絶滅危惧Ⅰ類(群馬県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県)。絶滅危惧種(北海道)。

 

バラ④ サンショウバラ 花5―6月。淡紅色・花弁5枚。奇数羽状複葉・落葉広葉樹・樹高6m。 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。絶滅危惧種(静岡県)。

 

バラ⑤ タカネイバラ 花6-7月。紅紫。5弁。樹高1-2m。針葉樹林帯・ハイマツ帯に生息。  絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県福島県・埼玉県・東京都・石川県・徳島県高知県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・新潟県福井県愛媛県)。絶滅危惧種(宮城県)

 

バラ⑥ ツクシイバラ  5-6月。ピンク。5弁。花径3-4㎝。野ばらをピンクにして花を少し大きくしたような姿。 絶滅危惧(徳島県佐賀県)。絶滅危惧種(熊本県・鹿児島県)。

 

バラ⑦ ナニワイバラ 白。5弁。花径6-8㎝。落葉蔓性。低木。要注目種(京都府)。

 

バラ⑧ ニオイイバラ(ヤブイバラ) 花5月。白。5弁。芳香有り。海岸線に近い崖や山地に自生。樹高2-3m。 絶滅危惧Ⅱ類(兵庫県)。絶滅危惧種(岡山県・鹿児島県)。

 

バラ⑨ ノイバラ 花4-6月。白。5弁。花径2.5-3㎝。円錐花序。奇数羽状複葉・基本原種。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

バラ⑩ フジイバラ 白・5弁・花径2.5㎝。 絶滅危惧Ⅰ類(奈良県)。絶滅危惧種(愛媛県)。

 

バラ⑪ ミヤコイバラ 花6-7月。白・花径2-3㎝・枝先に多数の花を着ける・円錐花序。奇数羽状複葉・落葉低木。絶滅危惧Ⅱ類(徳島県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

バラ⑫ モリイバラ 花5-6月。白。5弁。奇数羽状複葉・落葉低木。絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(茨城県岡山県・福岡県)絶滅危惧種(栃木県・兵庫県熊本県)。

 

バラ⑬ ヤクシマイバラ 花5-6月。白。5弁。花径1.5㎝。屋久島の固有種。落葉低木。 環境省カテゴリ準絶滅危俱(NT)。準絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

バラ⑭ ヤマイバラ 花4-5月。白。5弁。花径4-5㎝。奇数羽状複葉。 絶滅危惧種Ⅱ類(滋賀県徳島県)。絶滅危惧種(京都府奈良県鳥取県愛媛県・宮崎県・鹿児島県)。

 

バラ⑮ リュウキュウテリハノイバラ 花6-7月。白。5弁。絶滅危惧種(鹿児島)

 

ハンカイソウ(樊噲草) キク科 メタカラコウ属 

花6月-8月。黄橙・黄。頭状花・中央に筒状花・その周囲に舌状花が10-15個ほど並んで取り囲む。花径10㎝。散房花序。有花径は直立。葉は掌状・掌状の葉脈に沿って深く裂け、春菊の葉の様な態を成している。葉身30㎝。草丈60‐100㎝。名前の由来は、漢の劉邦に仕えた武将・樊噲の名前に因んだもの。

 

ハンゲショウ(半化粧)(半夏生)(カタシログサ(片白草)) 

                ドクダミ科 ハンゲショウ

花6月-8月。白。総状花序。茎の頭頂か又は葉と対生して総状花序を出す。初めは

花序はうなだれているが、やがて立ち上がり、真っ直ぐになる。花が咲くころ、花の近くの葉の一部が白く変色する。葉は卵形・卵状心形・披針形。湿地を好む。生薬(生薬名・三白草(さんぱくそう))(利尿・解毒・解熱・出来物・黄疸・むくみ)。

絶滅危惧1類(山形県福島県・東京都)。絶滅危惧Ⅱ類(青森県秋田県宮城県新潟県・埼玉県)。絶滅危惧種(栃木県・群馬県・石川県・福井県奈良県大阪府兵庫県鳥取県島根県広島県愛媛県大分県熊本県沖縄県)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

 

ヒツジグサ(羊草)  スイレン科  スイレン

花6月-9月。白。花弁8-17枚・咢片4枚・花径3-7㎝・未(ひつじ)の刻(午後2時)ごろから咲き始めるからこの名前が着いた。水底に地下茎がある。地下茎から花茎を伸ばし水面上で一輪を開花。花は2~3日開いたり閉じたりした後、受精後水中に没し水中で結実する。熟して皮が崩れると種子が放出される。水中を漂った後水底に沈む。葉は沈水する葉と浮水葉がある。葉は楕円形か卵楕円形・基部は深く切れ込む。池や湖沼水路などに生育。北半球の余り暑くない所に分布。コイやザリガニの食害、開発などで激減している。花言葉・清純な心・純潔・清浄・甘美・進行・遠ざかった愛。

絶滅(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)。絶滅危惧1類(茨城県山梨県静岡県香川県徳島県愛媛県長崎県熊本県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・新潟県富山県京都府奈良県大分県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(石川県・福井県岐阜県滋賀県大阪府和歌山県鳥取県島根県)。情報不足(高知県)。

 

ヒメウツギ(姫空木)  アジサイ科(ユキノシタ科)  ウツギ属

花4月-5月。白。花弁5枚・花柄2-6㎜。花径1.5㎝。枝先に総状花序を出して咲く。花柄が小さいので、白い花の塔の様になる。花は横向き或いはやや下向きに咲く。葉は披針形・葉先は尖る。ウツギの葉より毛が少ない。よく分枝する。匍匐する。落葉広葉樹低木・樹高30‐150㎝。花言葉・古風・風情・秘密・謙虚。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県)。

アジサイ科ウツギ属で、何々ヒメウツギと言う名前の絶滅危惧される種は、上記ヒメウツギの外、下記の3種が有る。

オキナワヒメウツギ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧1類(沖縄県)

コミノヒメウツギ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧1類(大分県・宮崎県)。

ヤエヤマヒメウツギ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。

 

ヒメカンゾウ(姫菅草)  ワスレグサ科(ユリ科)  ワスレグサ属

花4月—5月。黄・黄橙。 花弁6枚(外花被片3・内花被片3枚)。花柄は短い。花茎の上部に数個の蕾を着け、花は次々と咲く。一日花。葉は線形・花茎は葉よりも短い。草丈30-40㎝。

 

ヒメサユリ (姫百合)(オトメユリ)  ユリ科 ユリ属

花6月-8月。 淡いピンク。ラッパ型・葉は広披針形。草丈30-60cm。東北の飯豊(いいで)山地や朝日連峰などの極めて限られた地域でしか生息していない。日本固有種。花言葉・飾らぬ愛・私の心の姿・純潔。

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでEndangered(EN)指定。環境省カテゴリ・準絶滅危惧(NT)絶滅危惧I類(宮城県)。絶滅危惧Ⅱ類(山形県新潟県)。準絶滅危惧(NT)(福島県)。情報不足(富山県)。

 

ヒメシペラス  カヤツリグサ科  カヤサリグサ属(シペラス属)

観葉植物。ヒメシペラスはシペラスの矮性種。シペラスはパピルスの事。茎の断面は三角形・茎で直立。葉は線状で、茎の頭頂から放射状に出葉・打ち上げ花火の姿に似る。ヒメシペラスの草丈60㎝。清涼感を誘う、或いは寂寥感を演出。原産地アフリカ。

 

ヒメジョオン(姫女)(鉄道草)(柳葉姫菊)  キク科  ムカシヨモギ

花6月-10月。 白。 筒状花(管状花)と舌状花の集合体・形はヒマワリに似る・花径2㎝。舌状花は糸の様に細い・茎の上部で枝分かれをする・散房花序。草丈30-150㎝。低地から高山まで何処にでも生えている。要注意外来生物・日本の侵略的外来種のワースト100指定主・1株で4,000個以上の種を生産し、綿毛が風によって飛散する。種子の寿命が15年と言う強い繁殖力があるので、駆除が追い付かなくなっている。除草剤への耐性があるものが出現している。花言葉・素朴・清楚。

余談  ヒメジョオンとハルジオンの違い

ヒメジョオン(姫女菀)。花弁約100個。花弁の並びは行儀良。茎に髄有り堅い。葉は茎抱かず。

ハルジオン(春紫苑)。花弁約200個。花弁の並びは乱れ気味。茎は空洞柔い。葉は茎を抱く。

 

ヒメシャガ(姫射干) アヤメ科  アヤメ属  

花5月-6月。白・紫。花はシャガと同じだが小振り。花径2cm。外花被片3枚(外側にある花びら)には紫色の筋と黄色の斑点があり、中央は白色。内花被片3枚・淡紫色で上向いて立っている。花茎に2-3輪の花を着ける。総状花序。葉は剣状。草丈15‐30㎝。多年草。樹林の日陰で余り湿り気のない場所が好き。冬は葉が枯れて休眠する。栽培はされているが、自生の数が激減している。北海道西南部・本州・四国・九州北部。日本原産。

環境省カテゴリ絶滅危惧(NT)。絶滅(千葉県・奈良県)。絶滅危惧Ⅰ類(茨城県・埼玉県・東京都・神奈川県・山梨県静岡県京都府和歌山県兵庫県徳島県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・群馬県・長野県・福井県滋賀県岡山県広島県島根県)絶滅危惧種(秋田県岩手県山形県宮城県福島県新潟県富山県・石川県・岐阜県)。情報不足(大分県)。

 

ヒメシャジン(姫沙参)   キキョウ科  ツリガネニンジン

花7月-8月。 青紫。 花の形は釣鐘状。花は有花茎の頭頂から咲き、順次下へ向かって咲き進む集散花序を成す。1茎に3-7輪暗い花を着ける。花は下垂。 葉は長楕円形或いは披針形・草丈10-40㎝。東北地方から中部地方の山岳地帯に分布。高山の砂礫地や岩場に生育。高山植物絶滅危惧Ⅰ類(奈良県)。絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・福井県)。地域個体群(新潟県)。

同科同属で何々シャジンと言う種で絶滅が危惧されている種が他に1件ある。

ミヤマシャジン  絶滅危惧Ⅰ類(岩手県・埼玉県)。地域個体群(新潟県)

なお、シャジンとは、ツリガネニンジンの事を言い、ヒメは小さい事を表す。

 

ヒメシャラ(姫沙羅)  ツバキ科 ナツツバキ属

花5月-7月。 白。ナツツバキより花が小さい。花弁は5枚。落葉広葉樹高木。樹高15m。株立ち・樹皮は赤褐色である。葉は披針形や卵形或いは楕円形・葉先は尖(とが)る・鋸歯有り・互生。幹は日本三大美幹(アオギリ・シラカバ・ヒメシャラ)と言われている。地味の豊かな山地を好む。花言葉・謙譲。

絶滅危惧Ⅰ類(長野県)。絶滅危惧Ⅱ類(兵庫県)。要注目種(京都府)。分布特性上重要な種(鹿児島県)。情報不足(福岡県)。

同科同属で何々シャジンと言う種で絶滅が危惧されている種が他に1件ある。

ヒコサンヒメシャラ  絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。絶滅危惧種(三重県奈良県・福岡県・大分県)。情報不足(鹿児島県)。

 

ヒメノカリス(スパイダーリリー)  ヒガンバナ科  ヒメノカリス

花7月-8月。  白。 花弁は基部で合着して細い筒状・開平部から先は奇妙な形をしている・花冠は二重構造になっている。外側に細長い花弁が6本ある。この花弁は紐の様に異様に長く、垂れ下がっている。その内側に朝顔の様なラッパ型の副花冠がある。朝顔状の副花冠の6ヵ所から6本の突起が出ていて、その突起の先が糸の様に伸び、先端に橙色の葯がついている。つまり雄蕊と副花冠が合着した形である。朝顔の真ん中から1本の雌蕊が出ている。副花冠を蜘蛛の体と見立てれば、足長蜘蛛の様である。花径20㎝。葉は披針形・草丈50-80㎝。球根常緑多年草西インド諸島原産。全有毒・特に鱗茎(リコリン・ガランタミン・タゼチン・シュウ酸カルシウム・摂食皮膚炎・経口で嘔吐・下痢・中枢神経へのダメージ)。 ペット有毒。

 

ヒメユリ(姫百合)  ユリ科  ユリ属

花6月-7月。朱紅色。花弁6枚(外花被片3枚・内花被片3枚)。 花径5―8㎝。花は上を向いて咲く。1茎に3-6輪の花を咲かせる。花被片は外側に反る。葉は線状披針形・葉身約5㎝・互生。 草丈30-50㎝。山地の草地や明るい林の林縁などに自生。東北地方南部以南から九州まで。極東に分布。花言葉・誇り環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅(愛知県・兵庫県)。絶滅危惧Ⅰ類(青森県京都府和歌山県大阪府奈良県岡山県広島県山口県香川県徳島県愛媛県高知県大分県熊本県・宮崎県)。

同科同属で何々ヒメユリと言う種で絶滅が危惧されている種が他に1件ある。

ノヒメユリ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧1類(福岡県・大分県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(佐賀県)。絶滅危惧種(熊本県)。

 

ビャクダン(白檀)  ビャクダン科 ビャクダン属

花5月。 黄・紫。 雌雄異株。半寄生植物。初めは寄生せずに成長するが、次第に傍にある木に吸盤で吸い付く様になる。寄生して依って立つ木(宿主)は140種類に及ぶ。栽培が難しく、インド政府はビャクダンの伐採制限を設けており、輸出規制されている。インド原産。インドネシア・オーストラリアなどでも生育しているが、香りが劣る。中国では、ビャクダンをセンダン(栴檀)と呼ぶこともある。白檀と栴檀は全く別種である。栴檀は双葉より芳し」は白檀と栴檀を取り違えて生んだ諺である。栴檀に香りは無い。→センダン参照)。  香木。 (サンタロール・殺菌作用・利尿作用・鎮静作用)。 有用材(彫刻・家具など)。  花言葉・平静・沈着。

 

ヒョウタン(瓢箪)(ひさご)(ふくべ)  ウリ科 ユウガオ属

花7月。 白。 花弁5枚。夕方開花・翌日の昼にしぼむ。 雌雄異花・葉は心形・草丈3-20m。蔓性・果実は水筒などの容器に加工。紀元前から瓢箪の栽培が行われており、容器に使用されていた。瓢箪の絵を六つ描いた模様は、無病(六瓢)との語呂合わせから、棗(なつめ)などのお茶道具に好んで用いられる。1年草・北アフリカ原産。有毒(ククルビタシン・唇の痺れ・嘔吐・腹痛・下痢)。 ペット有毒 。 

 

ビヨウヤナギ(未央柳)(美容柳)  オトギリソウ科  オトギリソウ属

花6月-7月。 黄。 花弁5枚・キンシバイがお椀型に咲くのに対し、ビヨウヤナギは花を開き切って弁を水平にして咲く。キンシバイの雄蕊は花冠内に納まるが、ビヨウヤナギの雄蕊は長い花糸を外に突き出し、シャワーを上に向けて放水している様に広がる。葉は披針状長楕円形・葉身5-8㎝・鋸歯無し・対生。半落葉広葉樹低木・樹高1m。株立ちし、枝垂れる。新しい葉が出て来ると古い葉が落葉する。生薬(ヒペロラクトン・ビヨウヤナギン・利尿・鎮痛・腰痛・入浴剤・虫刺され)。 花言葉・気高さ。

 

ヒルガオ(昼顔)  ヒルガオ科  ヒルガオ

花6月-8月。  薄桃色。  合弁花・ラッパ型・葉腋から花柄を出し、花を咲かす。花径5―6㎝。花の基部に付いている咢を守る様に2枚の苞が着く(←セイヨウヒルガオには苞が付かない)。蔓が伸びるに従い、順次蕾が着き、花が咲いて行く。花は一日花。繁殖は地下茎による。日本原種・日本全国に分布。食用可。分布特性上重要な種(鹿児島県)。

同科同属で何々ヒルガオと言う種で絶滅が危惧されている種が他に4件ある。

グンバイヒルガオ 絶滅危惧1類(愛媛県高知県大分県熊本県長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮崎県)。要注目種(京都府)。

ソコベニヒルガオ 絶滅危惧Ⅰ類(熊本県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

ハマヒルガオ 絶滅危惧Ⅰ類(京都府)。ハマヒルガオについてはハマヒルガオの条で既出

ヒロハヒルガオ 準絶滅危惧種(福島県大阪府)。

 

フウリンウメモドキ(風鈴梅擬)  モチノキ科 モチノキ属

花6月-7月。 白。 花弁5枚・お椀型・雄蕊5つ・花径4㎜。葉腋から花柄2-3㎝を出し、花を付ける。雌雄異株。葉は楕円形・葉の先端は鋭く尖る・鋸歯有り・葉身4-8cm。果期9-10月。果実は核果で球形・直径6㎜・赤く熟す。 絶滅危惧1類(福島県・神奈川県・福岡県・熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。絶滅危惧種(山口県・宮崎県)。

モチノキ科モチノキ属で何々フウリンウメモドキと言う名の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の1種が有る。

オクノフウリンウメモドキ 絶滅危惧1類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)。絶滅危惧種(福島県・長野県・石川県・福井県)分類上重要種(滋賀県)。

 

フウロソウ(風露草)(ゲラニウム)(ゲンノショウコ)(医者いらず)(医者殺し)            フウロソウ科  フウロソウ

花7月-8月。  ピンク・白・紫。 花弁5枚。梅の花に似る。葉は深い切れ込みがある。葉は対生・掌状形で切れ込みが深い。匍匐性・宿根多年草。原産地・東アジア・ヨーロッパ・小アジア。 何処にでも生えている雑草。食用可。昔から民間で薬草として知られている。ゲンノショウコは、ドクダミやセンブリと共に日本三大薬草で、ゲンノショウコは下痢止めに効能が有る。民間薬(下痢・便秘・扁桃腺炎・口内炎・うがい薬・食中毒・胃腸疾患)。但し漢方薬としては扱われず。なお、同科同属のアメリカフウロは、ジャガイモやトマトの青枯れ病予防に有効とされ、沖縄ではジャガイモ畑にアメリカフウロを一緒に育てているそうである。

 

ブーゲンビリア(=イカダカズラ)

※ ブーゲンビリアはブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のイカダカズラの条を参照。

 

フシグロセンノウ(節黒仙翁)  ナデシコ科  センノウ属

花7月-10月。 朱赤。 花弁は5枚。花径 35‐50㎜。雄蕊10本・咢は筒状。葉は披針形・長楕円形・葉は対生・有花茎は直立。茎に節あり。節は赤褐色。草丈50‐80㎝。 山地の木陰に生育。日本の太平洋側に分布。日本固有種。

絶滅危惧Ⅰ類(秋田県・東京都・福岡県・佐賀県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・神奈川県・石川県・愛媛県高知県)。準絶滅危惧種(茨城県・埼玉県・富山県大分県)。情報不足(鹿児島県)。地域個体群(新潟県)。要注目(福井県)。

 

フジナデシコ(=ハマナデシコ) → ハマナデシコ参照

 

ブッソウゲ(仏桑花)(=ハイビスカス) →   ハイビスカス参照

  

ブルースター(=オキシペタラム)  

→ ブログ№199茶花総覧(4)  夏(あ行~さ行)のオキシベタラムの条を参照

 

ベニガク(紅額)(ベニガクソウ(紅額草))(ベニガクヤマアジサイ)  

                  アジサイ科  アジサイ

花6月-7月。 白→紅。 ヤマアジサイでは、本来の花は中心部に集まっている粟粒のようなぷつぷつしたものが花で、その周りを囲んでいる花らしく見える4弁或いは3弁の「花」を装飾花と言う。装飾花は咢が変化したものである。ヤマアジサイの変種で、一番外側にある装飾花が赤くなったものを、ベニガク、又はベニガクソウと呼ぶ。紅額は一重咲きで白。開花から時間が経つにつれ、白から紅色に変化して行く。江戸時代から栽培されている。

なお、ヤマアジサイガクアジサイの違いは、

ヤマアジサイの方が開花が早く(5月~6月)、ガクアジサイの方が遅い(6月~7月)。

ヤマアジサイの方が樹高が低く(1~2m)、ガクアジサイの方が背が高い(2~3m)。

ヤマアジサイの方は葉が薄く、ガクアジサイの方が葉が厚い。

ヤマアジサイは林の下の湿った場所を好むが、ガクアジサイは日向の方が好き。(でも、日陰でも育つ)。

 

ベニバナ(紅花)  キク科  ベニバナ属

6月-7月。 黄・橙。 筒状花・花の姿はアザミに似る。咲き始めの花の色は黄色、次第に色が濃くなり朱赤になって行く。葉は披針形・鋸歯有り・鋸歯毎の先端に鋭い棘が有る。紅花を染料などに使う為花摘みが行われるが、棘が朝露に濡れて柔らかくなっている内に、花摘み作業をする。 耐寒性の一年草。草丈0.5‐1m。原産地は未確定・北緯20度~30度のアフリカ・中近東・インド辺りが原産地と推定されている。古代エジプト時代からベニバナは栽培されていた。日本には天平時代以前に既に渡来している。染料・食用油・化粧品・薬用など多方面に利用されている。 生薬(生薬名・紅花(こうか)・カルタミン・サッフロールイエロー・カルタミジン・血流促進・血行障害の改善・産後の不調・更年期障害)。食用可。花言葉・愛する力・熱中・包容力。

 

ホウセンカ(鳳仙花) ツリフネソウ科 ツリフネソウ属

花6月-9月。 赤・白・黄・紫。 花は咢片も花弁も同色。咢片3枚の内、左右の2枚は極く小さく目立たず、下にある咢は花弁を下支えする様に大きなスプーン状になっていて、柄に相当する部分が曲がって距(蜜壺)になっている。かぶさるように上に花弁が1枚、下支えの咢の内側から大きな花弁が2枚、小さな花弁が2枚出ている。花弁は合計5枚。右側の大きな花弁は右側の小さな花弁と合着、左側の小さな花弁と左側の小さな花弁が合着している。従って、見た目では、下から大きな花弁が2枚突出している様に見える。葉腋から2-3の花柄を出して花が着く。花は横向き或いは少し下向き。果実が熟すと、ちょっとした衝撃ではじけて種が飛び出す。葉は披針形・鋸歯有り・互生する。1年草・草丈60㎝。茎は直立・ 生薬(生薬名・鳳仙(ほうせん)・急性子(きゅうせいし)・ナフトキノン類・アントシアニン・チアニジン・ケンフェロール・クエルセチン・筋肉痛・関節痛・対筋肉痙攣・対腫物・対化膿性皮膚炎・対咬傷・対喉の骨刺さり・感冒薬・陣痛誘発剤・無月経・腹部腫瘤・許肉中毒の治療・打撲症などに効能有り)。ペット有毒。花言葉・私に触れないで。

 

ホオズキ(鬼灯)(鬼燈)(酸漿)(輝血(かがち))  ナス科  ホオズキ

花6月-7月。 うす黄。五角形・合弁花・短い柔毛が密集・葉腋から花柄を伸ばし、花を咲かせる。1年草又は多年草。葉は卵形・草丈30-100㎝。受精後、子房肥が肥大して咢が成長。咢が果実をすっぽりと包み込む。お盆の頃真っ赤に色づく。原産地・日本。生薬(生薬名・酸漿(さんしょう))。全有毒(ヒソトニン・子宮収縮作用(妊婦は注意・堕胎の恐れ有)・心臓毒・嘔吐・下痢・腹痛)。ペット有毒。 食用ホウズキは和名オオブドウホオズキと言って、お盆に飾る赤いホオズキとは別物で、トマティーヨと言う。トマティーヨもナス科で有毒だが、完熟した実ならば食用可。  花言葉・自然美・心の平安・偽り・浮気。

園芸に依らない自生種のナス科ホオズキ属の中で、何々ホオズキと言う名前で絶滅に瀕している種は以下の7種ある。

アオホオズキ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(群馬県・埼玉県・東京都・長野県・山梨県・石川県・福井県滋賀県和歌山県兵庫県広島県山口県徳島県高知県・福岡県・熊本県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・神奈川県・岐阜県・愛知県・京都府奈良県鳥取県愛媛県大分県)。絶滅危惧種(静岡県)。情報不足(島根県)。

イガホオズキ 絶滅危惧Ⅰ類(徳島県高知県・福岡県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・東京都・香川県愛媛県山口県長崎県)。絶滅危惧種(奈良県佐賀県熊本県・鹿児島県)

ハダカホオズキ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県群馬県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県)。絶滅危惧種

(宮城県新潟県)。

マルバハダカホオズキ 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県愛媛県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類

(兵庫県徳島県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

ムニンホオズキ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。

メジロホオズキ 絶滅危惧1類(千葉県・兵庫県徳島県)。絶滅危惧Ⅱ類(三重県和歌山県熊本県)。絶滅危惧種(長崎県・鹿児島県)。

ヤマホオズキ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧(栃木県・茨城県・千葉県・東京都・静岡県岐阜県滋賀県兵庫県広島県山口県香川県徳島県高知県愛媛県・福岡県・佐賀県大分県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・京都府大阪府奈良県和歌山県長崎県・鹿児島県)。絶滅危惧種(神奈川県・岡山県熊本県)。

 

ホザキシモツケ(穂咲下野)  バラ科  シモツケ

花7月-8月。 淡紅色。 花弁5枚・梅紋型・花径6㎜・円錐花序・花は頭頂の花から咲き始め、茎の下へ向かって順次咲き始める・有限花序・花柄が短いので、花序軸から花が余り離れず、一見穂の様に見える。雄蕊が目立ち、花序軸全体が毛羽立って見える。花穂(かすい)の長さ8-15㎝。 葉は長楕円形。根茎は地下50㎝くらい深く地中に走る。根茎から枝を直立させて出す。幹は細く、細い枝が群れ立っている様に見える。落葉広葉樹低木・樹高1-2m。 日本では北海道と本州中部山岳以北の湿原や湿原の周辺部で、日当たりの良い所。地味が豊かで停滞水が無い所を好む。ユーラシア大陸の亜寒帯に分布。 花言葉・活発。

絶滅危惧Ⅰ類(青森県岩手県群馬県長崎県)。情報不足(福島県)。要注目(栃木県)。

 

ホソバミツバシモツケ(=ミツバシモツケ)  バラ科  ギレニア属

何々シモツケと言う名前だが、シモツケのグループでは無く、遠縁なので別条を立てて記載。ブログ№201 茶花総覧(6) 夏(ま行~わ行) のミツバシモツケの条参照。

 

ボダイジュ(菩提樹)(コバノシナノキ)  アオイ科  シナノキ

花5月―6月。 クリーム色。花弁5枚・咢片5枚・雄蕊多数。菩提樹の花は、面白い所から花を咲かせる。普通花は、枝や茎の先とか、葉腋から花柄を出して咲かせる。ところが菩提樹は葉っぱの葉脈の途中から花序軸を下垂させ、集散花序で花を咲かせる。花序の長さは6-10㎝。そこに花を3-10輪くらいつける。葉っぱと言っても二種類あって、花序軸を出すのは苞葉というへら状をした葉である。苞葉は心形葉(ハート形)の葉の付け根にある。苞葉は緑の色が薄く、心形葉より小さい。心形葉の葉身は5―10㎝・心形葉に鋸歯有り・葉裏に星形毛が密生・葉裏の色は灰緑色・互生。落葉広葉樹高木。直立。樹高20m。

お釈迦様が悟りを開いたと言われる菩提樹は、アオイ科の本種ではなく、クワ科イチジク属のインドボダイジュである。伝説では明菴栄西が中国から禅宗や茶の種をもたらした際、仏教の聖樹・菩提樹も共に持ち帰ったと言われている。が、それはインドボダイジュでは無く、中国で菩提樹として見立てられていた樹であった、と言われている。インドボダイジュは中国の気候では育たず、中国のお寺ではその代りの樹を菩提樹として植えていた。又、シューベルト歌曲集「冬の旅」に出て来る菩提樹は、セイヨウシナノキある。セイヨウシナノキの葉は心形をしており、愛の想いを託す葉として数多くの詩や物語に登場する。因みに、インドボダイジュも、日本のお寺に植えられている菩提樹(コバノシナノキ)の葉も心形である。

生薬(製薬名・菩提樹(ぼだいじゅか)菩提樹(ぼだいじゅひ)・成分不明・鎮痙・鎮静・発汗)。 花言葉・夫婦愛・結婚・情熱の恋・熱愛。

アオイ科菩提樹で何々ボダイジュと言う名の、絶滅が危惧される種は下記の7件である。

エチゴボダイジュ 情報不足

オオバボダイジュ 絶滅危惧Ⅰ類(石川県)。絶滅危惧種(山梨県)。要注目(福井県)。

チュウゴクボダイジュ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)

ツクシボダイジュ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧(大分県)。

ノジリボダイジュ 分布上希少な雑種(秋田県)。

ブンゴボダイジュ 絶滅危惧Ⅰ類(大分県)。

マンシュウボダイジュ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(山口県)。

絶滅危惧Ⅱ類(岡山県広島県)

 

ホタルブクロ(蛍袋)(釣鐘草)(アメフリバナ)  キキョウ科  ホタルブクロ属

花5月-7月。 白・紫・ピンク。 花は釣鐘型・花冠は浅く5裂・花弁の内側に濃い赤紫の斑点有り・葉腋から数本の花柄を出し、花を着ける。同じ葉腋が出柄した花蕾が同時に開花するのは稀で、大体その中で順番に咲いて行く・総状花序・園芸品種の釣鐘草(カンパニュラ・メディウム)の様に満艦飾に花を咲かせることはない。草丈30-80㎝。山野草多年草。原産地・東北アジアから日本。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県・鹿児島県)。絶滅危惧種(北海道・宮崎県)。

同じ仲間で何々ホタルブクロという名の絶滅危惧されているのは下記の2種類である。

イシダテホタルブクロ  絶滅危惧Ⅰ類(徳島県)。

ヤマホタルブクロ  絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(京都府)。絶滅危惧種

(奈良県鳥取県)。情報不足(兵庫県)。

 

ホトケノザ(仏の座)(元宝草)(宝蓋草)  シソ科  オドリコソウ属

花3月-6月。紫・白。花の形は唇形状。地面に近い方の葉は半円形で丸味を帯びた切れ込みがあって対生する。茎頂に近い葉は対生する相手と合着して茎を抱き込んで一枚になる。葉は段々になって着くので、三階草とも呼ぶ。草丈10-30㎝。食用に不向き(不味い)。春の七草の「ホトケノザ」はこれとは別物。春の七草で食するホトケノザの和名は「コオニタビラコ(小鬼田平子)」と言い、花は黄色、葉はタンポポの葉の形に似ていて、根出葉がロゼット状になる。

 

ポトス(黄金葛(おうごんかずら))  サトイモ科  ハブカズラ属(エピプレムヌム属)

つる性着生植物・観葉植物。葉はハート形。原産地・南太平洋諸島。全有毒(シュウ酸カルシウム・皮膚の炎症)。ペット有毒(皮膚炎症・呼吸困難)。

 

ホヤ(サクララン)  キョウチクトウ科(ガガイモ科)  サクララン属(ホヤ属)

花6月-10月。  うす紅。  花5弁。基部で合着している。花の中心は濃い紅紫。花径12‐15㎜。 観葉植物ホヤには、色々な種類が有る。つる植物で、岩などに張り付いて自生している。葉は肉厚・心形葉・円形・柳葉・カールした葉など様々な形が有る。色も、濃緑や、葉脈模様が浮き出た褐色や黄色の葉、白い斑入り、覆輪と種類が豊富で、観葉植物として楽しめる。草丈30-100㎝。原産地・オーストラリアと東アジア。全有毒(カルデノライド・摂食皮膚炎・心臓に対する軽度な毒性。詳細は不明)。ペット有毒。

 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様なネット情報や本を参考に致しました。(順不同)

日本のレッドデータ検索システム

京都府レッドデータブック2015

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル: 高等植物

公益法人 日本薬学会

医薬品情報21

東京都保健医療局 食品衛生の窓

公益社団法人日本薬学会センダン-生薬の花

日本食品化学学会誌 F344ラットにおけるホウセンカ抽出物の13週間亜慢性毒性試験

知っておきたい『漢方生薬』 一般社団法人 日本東洋医学協会

熊本大学薬学部薬用植物園薬草データベース

岩手県立學校 {A} 誤食により作用発現するもの-植物名 科名 説明

北海道医療大学・北方系生態観察園に自生する薬用植物2

岐阜医療科学大学 薬学部 身近な植物中毒vol.6~ナンテン中毒

岐阜医療科学大学 薬学部 身近な植物中毒Vol7~チューリップ中毒

城西国際大学 薬用に出来ない毒草

小さな家族のために知っておきたい植物の毒性/屋外樹木

井上動物病院 ベットに危険な植物

牧草・飼料作物および雑草にふくまれる有毒物質と家畜中毒 (独)農業環境技術

研究所研究リーダー藤井義晴・雪印種苗(株)af@:yg(4農場首席研究員 橋爪健。

農林水産省有機合成(有機リン)殺虫剤の環境生物に及ぼす影響と開発利用に関する研究

人間・植物関係学会 花店における花作業の従事者に見られる身体の異常反応 米田和夫・斎藤剛敏・鈴木基夫

阿蘇の文化的景観」 保存調査報告書2016(平成28)年3月 

    阿蘇市南小国町、小国町、産山村、高森町、南阿曽村、西原村

林野植物に対する放牧家畜の採食嗜好性  岡野誠一 ・ 故岩元守男

筑波大学生物学類 花序Inflorescence

日本植物生理学会 円錐花序の説明について | みんなの広場

山形大学附属図書館 紅花の豆知識

大五木材 木と炎・ナナカマドの正体①森のかけら

岡山理科大学 ナナカマド

北海道ホームページ ナナカマド(七竈)-建設部まちづくり局環境課

筑波実権植物園エンコウソウ:おすすめコンテンツ>>植物図鑑

国立大学法人 福岡教育大学 ホウセンカ(1)花

北海道開発局 044045 ホザキシモツケ.ai

大学院理学系研究付属植物園 ホザキシモツケ-日光植物園-Spiraea salicifolia

広島大学デジタルミュージアム フジナデシコ-広島大学デジタル博物館

岐阜聖徳学園大学 ナデシコ科の植物図鑑

名古屋大学博物館 7月の植物 | 野外観察園だより

東邦大学 薬学部付属薬用植物園

嬉しハーブ トケイソウを植えてはいけない3つの理由! 毒性と花言葉が怖い・気持ち悪い説も

しぜんたんけんてちょう オニドコロ(トコロ)

[ヒヤリハット報告} ノボロギクを食べそうになった件

知らないと危険! 犬が食べると実は危険な植物リスト~夏と秋編~

誤解された「栴檀は双葉より芳し」

Green Snap [写真付]サツキとツツジの違い| 花や葉、開花時期

タニウツギ(谷空木)(田植え花)(葬式花)(カジバナ) 

サラシナショウマ|高尾山の宝物たち-TAKAO599

宮崎と周辺の植物 ハナミョウガ

国立科学博物館

ウィキペディア / みんなの趣味の園芸 / 松江の花図鑑 / 三河の植物観察 / 植物図鑑 / 樹木図鑑 /  庭木図鑑 / 植木ベディア /四季の山野草 / 趣味の花図鑑  / 植物の育て方図鑑 /  花 かぎけん花図鑑 / 花と緑の図鑑 /  野山に自然に咲く花のページ / リポンネットワーク 毒草

花と観葉植物・ハーブの育て方が良く分かる園芸百科(株)ブティック社

原色植物百科図鑑 集英社

原色牧野日本植物図鑑 北隆館

世界大百科事典 平凡社

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。

まことにありがとうございました。

 

 

 

199茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)

茶花(ちゃばな)シリーズも早くも夏に入ります。記載の約束事は今までと同じです。

草花の名を列挙して行くにしても、有毒植物のなんと多い事か。これ等の化学物質は、紫外線・虫の食害・カビ・ウィルス・渇水・生存競争などの、植物にとって過酷な戦いに打ち勝つ為の武器と戦略であり、そして、それ等とは真逆の共生関係の維持に必要な物資でもあります。人間側もそれを十分に弁(わきま)えて、慎重に付き合って行かねばなりません。

夏シーズンの項に観葉植物を入れました。観葉植物には花の時期が分からないものが多かったのと、如何にも涼し気で茶室に清涼感を演出するのではないかという思いがあり、そうしました。観葉植物は南国の風情を湛(たた)えたものが多いので、和の床に合わないかも知れません。が、挿し様によっては面白い空間が生まれるかも・・・と言う訳で、種々雑多、合うも合わないも色々取り上げてみます。

 

植物名(漢字表記)(別名)  科  属

開花期 花色 草・樹相 生育環境等 毒性有無 花言葉 絶滅危惧の有無

 

アイビー(ヘデラ)  ウコギ科  キヅタ属

常緑蔓性植物。葉は掌状葉(しょうじょうよう)3裂または5裂する。蔓(つる)を際限なく伸ばす。ペット有毒(サポニン・流涎(りゅうえん(→よだれを流す))・嘔吐・下痢・口腔の痛み)。花言葉・永遠の愛・結婚・不滅・誠実。

※ 掌状葉とは、人の掌(たなごころ)の形をした葉で、例えばカエデやヤツデの様な葉を言う。

 

アガパンサス(紫君子蘭) ヒガンバナ科 ムラサキクンシラン属(アガパンサス属)

花6月-8月。青紫・白・複色。ラッパ型で花冠は6裂。花茎の先端から花火のように放射状に何本も花柄(かへい)を伸ばし、花をつける。見た目は大きなネギ坊主である。多年草散形花序(さんけいかじょ)常緑種と落葉種がある。草丈30-150㎝。 有毒(アルカロイド(フェナントリジン)・嘔吐・下痢))。ペット有毒花言葉・優しい気持ち・知的な装い・ラブレター・誠実な愛等々。

※ 花柄とは、枝や茎と一つの花を結ぶ連絡通路の様な茎。サクランボの実から出ている短い茎と同じもの。例・イチゴの花・フジの花。

※ 散形花序とは、軸の先に花が沢山咲く花の着き方を言う。花には花柄がある。例  ネギ・ヒガンバナ

 

アカメガシワ(赤芽)(五菜葉(ごさいば))(菜盛葉(さいもりば))  トウダイグサ科  アカメガシワ

花6月-7月。 雌雄異株。雄花は淡黄色、雌花は赤味を帯び、後に淡黄色に変化。雌雄とも花弁は無く、極めて小さい。総状花序(そうじょうかじょ)芽生えの葉は赤く、後に緑になる。葉は広卵形(こうらんけい)・浅く三裂する葉も有り。落葉広葉樹高木。本州秋田県以南から沖縄、台湾・中国・朝鮮に分布。有用材(建築・家具・薪炭)。生薬(生薬名アカメガシワ)(イソクマリン胃潰瘍・十二指腸潰瘍・条虫駆除薬)・紅色染料。食器代わり。花言葉・繊細・澄んだ心。

※ 総状花序とは、花軸から花柄を出して花をつけ、下から先端へ順次咲いて行くタイプの花の事を言う。例:ヒヤシンス・ジギタリスなど。

 ※ 広卵形とは次のようなものである。鶏卵の輪郭線は円でもなく、楕円形でもなく、片方が大きく膨らんでいて、反対のもう一方は膨らみが小さくなっている。この形の様に、葉の基部の方が膨らんでいて、葉の先の方がすぼまっているのを卵形と言う。広卵形は卵形を更に一回りも二回りも幅広くした葉の形の事を言う。

 

アサガオ(朝顔)(牽牛花(けにごしorけんごし))  ヒルガオ科  サツマイモ属

花7月-10月。 青・青紫・赤・赤紫・ピンク・白・複色。花弁5枚・合弁花・癒着以前の花弁の中心線に中肋(ちゅうろく)がある。朝顔の花の場合はこの中肋を特別に(よう)と言う。五つの曜が白くなり、中心から放射状に走っている花が多い。蔓性。葉は掌状葉(三裂)か丸葉で毛が有る。奈良時代、唐より種が薬としてもたらされた。江戸時代に園芸が盛んになり、変わり咲きなど品種多様。

八重咲など変わり咲きの花の多くは種を作らず、その遺伝子は途絶えてしまっている。現代は形の変化を追求するよりも、大型化への道を歩んでいる。朝顔は夜が短いと開花が遅れ、照明などで四六時中明るいと蕾(つぼ)みは開かない。種子有毒(ファルビチン・コンボルプリン・腹痛・下痢・嘔吐)。昔、中国では朝顔の種は薬として売買されていた。薬(生薬名(牽牛子)・下剤・駆虫剤・利尿剤)。 ペット有毒 (種にファルビチン・下痢・血便。西洋アサガオマルバアサガオの種にリゼルグ酸アミド・抗精神作用・幻覚)。花言葉・愛情・結束・朝も爽やかに・あなたに絡みつく。

絶滅危惧種

ヒルガオ科のサツマイモ属の中で絶滅危惧種に指定された何々アサガオと言う野生種は以下の通り7種類有る。

アツバアサガオ(厚葉朝顔) 絶滅(宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

オオバケアサガオ(大葉毛朝顔)環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)

オオバハマアサガオ(大葉浜朝顔) 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

カワリバアサガオ(変葉朝顔) 情報不足(沖縄県)

ナガバアサガオ(長葉朝顔) 環境省カテゴリ絶滅危惧(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

ノアサガオ(朝顔) 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県高知県大分県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛媛県)

マルバアサガオラクサ(丸葉朝顔) 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

※ 中肋とは、葉の中心を通る一番太い主脈のこと。

※ とは、朝顔の花の主脈に用いられる言葉。朝顔の葉の場合は普通に葉脈と言う。

 

アザミ(薊) キク科 アザミ属

アザミは固有名詞では無くアザミ属の総称 → ブログ№200茶花総覧(5)夏の項でノアザミ(野薊)を掲載予定。

 

アジサイ(紫陽花)  アジサイ科  アジサイ属 

花6月-7月。 白・青・紫。 花弁に見えるのは咢が発達したもので装飾花。 装飾花に囲まれた中心部にある細かい粒々に見えるものが花。 葉は手の平サイズで卵型、鋸歯有り。普通、紫陽花と呼んでいる花は、ガクアジサイの園芸品種。花序が全て装飾花になっているのを手毬咲きと言う。 落葉広葉樹低木。 全有毒(毒成分は未だ特定されず、諸説ある。(青酸配糖体の説も有り)が、食中毒事故は人間にも家畜にも起きている。嘔吐・目眩・顔面紅潮)。料理に添えられたアジサイの葉を食べて中毒発生。アジサイ科の甘茶を灌仏会の時に飲んだ子供が45人中毒を起こした事も有る。 ペット有毒(ファルピチン・下痢・血便)。 花言葉・移り気・辛抱強さ・浮気・無常。

絶滅危惧

アジサイの野生種の内、絶滅に瀕している種は下記の通りである。

コアジサイ 絶滅(千葉県)。 地域個体群(新潟県)    参照:コアジサイの条 

ゴトウヅル 絶滅危惧Ⅰ類(千葉県) 絶滅危惧種(鹿児島県) 

タマアジサイ 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県)。 絶滅危惧種(宮城県・石川県) 

トカラアジサイ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。 分布特性上重要種(鹿児島県)

トカラタマアジサイ 環境省カテゴリ・絶滅危惧A(CR) 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。 

ナンゴクヤマアジサイ  分布特性上重要種(鹿児島県)

ヒュウガアジサイ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(熊本県)絶滅危惧Ⅱ類(宮崎県)。

ヤクシマアジサイ 分布特性上重要種(鹿児島県)

ヤハズアジサイ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県) 絶滅危惧Ⅱ類(大分県香川県)

ヤマアジサイ 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県) 絶滅危惧種(宮城県)。

 

アスパラガス キジカクシ科 クサスギカズラ属 

花5月―7月。黄白色. 花の大きさは米粒くらい。茎は株立ち。髪の毛のように細く枝分かれし、霞むように茂っているのは葉では無く枝。葉は枝の各所に付いているハカマの様な小さな葉。新芽を食用とする。薬(アスパラギン・ルチン・疲労回復・新陳代謝促進・利尿作用)。全有毒(特に種子)(サポニン・腹痛・下痢・嘔吐)。ペット有毒(種子)。花言葉・何も変わらない・普遍・私が勝つ。

 

アマドコロ (甘野老)  キジカクシ科(クサスギガズラ科)  ナルコユリ属(アマドコロ属)

花5月-6月。 白。花は釣り鐘型で、葉の付け根から一つ又は二輪ずつ垂れ下がる(ナルコユリに似ている)。葉は長楕円形で笹に似る。葉は左右に互生。茎は角ばっている。北海道から九州に分布。原野・山地・明るい林間などに自生する。根は地下茎で多肉多年草。草丈30-60cm。若芽と花と地下茎は食用可。果実は有毒(腹痛・嘔吐)。 生薬(生薬名・萎蕤(いずい))(漢方名・玉竹)(アゼチジン・コンバラリン・滋養・強壮・消炎剤)。花言葉・元気を出して・心の痛みの分かる人。

※ 地下茎の多肉とは、ショウガの根のように根が太っている事。

※ 多年草とは、1年で枯れてしまわない花。例:芝桜・菊・スズラン等。

※ 互生とは、茎の節ごとに葉が一枚ずつ方向を替えて生える葉の着き方を言う。

絶滅危惧Ⅱ類(東京都)。 分布特性上重要種(鹿児島県)

 

アマチャ(甘茶)   アジサイ科(ユキノシタ科)  アジサイ

花5月-6月。 淡青色。 散房花序(さんぼうかじょ)ヤマアジサイの変種。葉・茎・葉柄が紫色を帯びる。薬用甘味料。灌仏会(かんぶつえ)(花祭り)の時、お釈迦様に甘茶をかける風習がある。その甘茶を飲んで食中毒が発生した事がある。有毒(有毒成分不明・青酸配糖体との説有り・嘔吐・悪心)。花言葉・祝杯。

アマチャの仲間のバイカアマチャは絶滅が危惧されている。

イカアマチャ  絶滅危惧Ⅰ(愛媛県・福岡県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(奈良県)。絶滅危惧種(愛知県・三重県)。

※ 散房花序とは、主軸の茎頂に皿状に花が広がって並ぶようになる形の花序。頭頂で花の背丈が揃う様になる為、従って、花柄は下に行くほど長くなる。花が咲く順序は外側から咲き始め、中心に向かって開花が進んで行く。

 

アヤメのグループ

アヤメ科のグループは多年草で、世界で1,500種ある。単子葉植物で葉は剣状。6枚の花弁があるが、6枚の内3枚は、実は花弁ではない。外側に3枚ある幅広のものが咢(がく)の変化したもの(外花被片)。内側にあって立ち上がっている3枚の花弁が花である(内花被片)。雌蕊は基部で繋がっており一つだが、先端から基部に至るまで大きく三分裂していて、一見3本あるように見える。但し、雌蕊は普通に見る細い管状では無く、幅を持っていて、外花被片と同じ色をしているので(花柱)、もう一つの小振りの花の様に見える(花柱の先っぽが柱頭)。雌蕊はその下にある雄蕊に覆い被さっている。

※ 外花被片(がいかひへん)内花被片(ないかひへん)とは、花を守る為に花の周りを被(おお)い、且つ昆虫達に蜜の在処(ありか)を教える看板の役目を果たしているものを言う。雄蕊と雌蕊と子房のワンセットを指して「花」と言う。外花被は外側にあるもので、これが咢である。内花被は内側にあるもので、いわゆる花弁と言われるものである。大抵の場合、外花被は緑色や茶色っぽい色をして目立たないが、外花被が大型化し、色も花弁と同じ色か或いは派手な色に変化することがある。アヤメ科やユリ科やラン科などにその特徴がみられる。

 

アヤメ① アヤメ(文目)(綾目)  アヤメ科 アヤメ属

5月上旬から下旬  青紫・白。草丈20-50cm。山野草。山や丘などの草原を好み、湿地を嫌う。従って、水辺に生育している「アヤメ」は本来のアヤメではない。外花被片の基部が黄色から白になり、その上にはっきりとした綾目が見える(白色アヤメはアヤメの筋が少し見えにくい)。花茎に一つの花しかつけない。綾目模様は昆虫に密の在処(ありか)を知らせる為の印で密標(みつひょう)と呼ばれる。外花被片が広いのは昆虫の止まる場所、要はバルコニー。長い細身の葉が真っ直ぐ立つ。落葉する。 全有毒(イリジェニン・イリジン・テクトリジン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸炎)。 原産地・日本・東北アジア花言葉・良い便り・希望。

 

アヤメ イチハツ(一八)(一初)(鳶尾)  アヤメ科 アヤメ属

花4月-5月。青紫。白。草丈30-50cm。多年草。乾いた土を好む。花茎は分岐して一つの花茎に2~3個の花を着ける。外花被片の基部辺りに、白いもじゃもじゃの鳥のとさかの様なものが生えている。それがイチハツを見分けるポイントである。葉は幅広で、檜扇のように重なり合いながら広がる。中国中部~ミャンマー北部原産。アヤメ類の中で最初に咲くから一初という名が有る。一初は風や火を防ぐという言い伝えがあり、室町時代の頃からかやぶきの屋根の上に一初を植える習慣があった(英名Roof Iris)。現代は茅葺屋根そのものが減っているので見掛けない。 有毒(テクトリジン・アンドロシン・嘔吐・下痢)。生薬(食当たり・消化不良・便秘・打撲傷・痔)。 花言葉・火の用心

 

アヤメ カキツバタ(杜若) アヤメ科 アヤメ属  

花5月-6月。紫・青・白・複色。水生植物。草丈50~80cm。落葉。日本・朝鮮半島・東シベリアに分布。外側の花びらの中央部に白or黄色の筋や斑紋が見える。外花被片は余りひらひらせず、内花被片も細身で、スッキリしている。薬用(去痰薬)。花言葉・高貴・思慕・幸せは必ず来る。

『からころもつつ慣れにしましあれば るばる来ぬるびをしぞ思う

  唐衣 着つつ慣れにし 妻しあれば  はるばる来ぬる旅をしぞ思う

という伊勢物語の有名な歌がある。

 

アヤメ④ ハナショウブ(花菖蒲) アヤメ科 アヤメ属

花5月~7月中旬。青・紫・ピンク・白・複色・黄。多年草。草丈50-100cm。原産地・日本・朝鮮半島・東シベリア。外花被片の付け根が黄色で、網目模様はない。葉は狭い剣状で葉脈がはっきりとしている。落葉する。全有毒(イリジェニン・イリジンテク・リジン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸炎)。ペット有毒  

 

アヤメ⑤ ヒオウギアヤメ(檜扇菖蒲)  アヤメ科 アヤメ属

花7月-8月。青紫。花茎60-90cm。葉の長さ20-40cm。外花被片の付け根に網目模様がある。日本原産。アヤメが山地の草原に生育するのに対し、ヒオウギアヤメは亜高山帯から高山帯の湿地に生育する。アヤメは花茎1本の先に一つしか花を持たないが、ヒオウギアヤメは花茎が分岐して2~3の花を咲かせる。葉は剣状で互生し合いながら茎の先へ上昇し、檜扇の様に重なり合いながら扇子状に伸びる。有毒(胃腸炎・皮膚炎)花言葉・高貴・奇跡・華美。

ヒオウギアヤメ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県)。絶滅危惧種(栃木県)。地域個体群(新潟県)。

ナスヒオウギアヤメ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠA(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(栃木県)。

 

アヤメ⑥ ジャーマンアイリス (ドイツアヤメ)  アヤメ科 アヤメ属

花5月-6月(一部は10月-11月にも開花)。赤・オレンジ・ピンク・黄色・白・青・紫・複色。草丈20-100cm。香り有り。根茎多年草ドイツアヤメを基とした交配園芸種。大輪咲き。全有毒(イリジェニン・イリジン・テクトリジン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸炎)。花言葉・燃える思い・情熱。 

 

アラマンダ(有明カズラ)(ゴールデントランペット)  キョウチクトウ科  アリアケガズラ属(アラマンダ属)

花5月-10月。 黄色・ピンク。ラッパ型で花の先は5裂。集散花序。葉は革質の楕円形で夾竹桃の葉に似る。つる性花木50~200cm。低温に弱い。原産地・熱帯アメリカ。全有毒(心毒性配糖体(アルカロイド)・皮膚炎・下痢・発熱・唇の腫れ・喉の渇き嘔吐・下痢)。ペット有毒花言葉・恋に落ちる前・あなたに愛を・隠された美・楽しい追憶・永遠の幸せ。

 ※ 集散花序とは、花を咲かせる主軸から分枝して脇に枝を出し、その脇枝から更に枝分かれしてと言う様に花を沢山つけて行くやり方を集散花序と言う。集散花序の場合、花の開花は主軸の茎頂から始まり、次にそれぞれ分岐した主だった茎頂へと開花が進む。従って花は中心部から外縁部へと広がる様に咲き進んで行く。(←対→散房花序は外側から中心部へ向かって咲き進む)

 

アリアケカズラ → アラマンダ参照。

 

アルストロメリア  ユリズイセン科(ヒガンバナ科ユリ科アルストロメリア科)  ユリズイセン属

花5月-7月。オレンジ・ピンク・赤・黄・白・紫・複色。花弁6枚・外側の花弁は幅広で丸味を帯びており3枚・内側の花弁はそれより細身の3枚。葉は披針形。草丈10-200cm。原産地・南アフリカ全有毒(特に球根)(ツリパリン・ツリポシド・アレルギー性皮膚炎)。ペット有毒(ツリパリン・タンニン・嘔吐・下痢・腹痛・口内炎・発熱)。花言葉・持続・華奢・未来への憧れ・エキゾチック・柔らかな気配り等々他多数。

※ 同じ花なのに、科や属が違うのは、分類方法が違うからである。最も新しい分類体系は、葉緑素のDNAから分類するもので、APG分類体系(Angiosperm Phlogeny Group)と呼ばれている。牧野富太郎の時代の分類は、形が似通ったものを系統化して分類して行ったが、いろいろな知見が深まるにつれ、進化系統樹別の分類方法や遺伝子による分類方法等々が出て来た。アルストロメリアの科が色々に分かれているが、それは、分類の仕方が違うからである。

 

アワモリソウ(泡盛草)(アスチルベ)(アワモリショウマ)  ユキノシタ科 チダケサシ属

花4月-6月。白・ピンク・赤・紫。花径2-3㎜・花弁5枚。有花径の先に盛れ盛れに円錐花序で開花。渓谷の岩の上などに自生。葉は披針形・鋸歯あり。園芸品種有り。草丈50‐80㎝。花言葉・恋の訪れ・自由・繊細。  絶滅危惧Ⅰ類(熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(香川県)絶滅危惧種(大分県)要注目(滋賀県)。

 

イカダカズラ(筏葛)(=ブーゲンビリア)  オシロイバナ科 イカダカズラ属(ブーゲンビリア属)

花期 春~秋。季語は夏。 白・赤・ピンク・オレンジ・黄・複色。 外花被片の華やかな色の花弁は花弁では無く、包葉(葉っぱ)の変化したものである。本当の花は苞葉の真ん中にある白色の小さい三つの花である。蔓性広葉樹・樹高(蔓伸長2-5m)・葉は互生・全縁。原産地・中米及び南米の熱帯雨林。ペットに対する有毒性は不明。但し本科オシロイバナにはトリゴネリンと言う有毒物質がある。 花言葉・情熱。

 

イヌマキ(犬槙)  マキ科 マキ属 

花4月-6月。 黄。 雄株は黄白色で穂状花序(すいじょうかじょ)。雌株は白色で先端に胚珠を持つ。果実10月に成熟・果托(=花托or果床or花床)が濃い赤紫色に肥大し、種は白い粉吹き様の灰緑色。葉は線形で革質。常緑樹高木(およそ20m)。本州の房総半島以西から台湾・中国南部まで分布。有用材(建材・生垣・防風・防火・防音・防潮)。果実有毒(イヌマキラクトン・嘔吐・下痢)・ ペット全有毒(タキシン・果肉は食可だが、中の種が特に有毒。痙攣・呼吸麻痺)。果拓の赤い実は食用可。種子の灰緑色の方は有毒。小型犬ならば種一粒でも危険。鳥は実を食べても、種を糞として出してしまうので影響はない。生薬(ラクトン類・羅漢松実(らかんしょうじつ)・胃痛)。準絶滅危惧(奈良県)情報不足(石川県)。

※ 穂状花序とは花柄の無い花が、長く伸びた花軸に直接着いて花を多数咲かせる状態を言う。例:グラジオラス・オオバコ・ワレモコウ・イヌタデ

 

イブキシモツケ(伊吹下野)   バラ科  シモツケ

花4月-6月。 白。 花弁は5枚。 花径0.4-0.6㎝。 葉腋(ようえき)から出る茎先に数十もの花が集合して手毬のように丸くなって咲く。散形花序。細い枝にいくつもの花の手毬を咲かせて枝垂れる。葉は丸味ミを帯びた菱形・鋸歯有り・時に3裂。落葉小低木。 伊吹山中で発見により命名花言葉・純情・穏やか

絶滅危惧I類(和歌山県)。絶滅危惧Ⅱ類(三重県)。絶滅危惧種(岐阜県奈良県香川県・福岡県)。分類上重要種(滋賀県)。シモツケ参照。

※ 葉腋とは、茎と葉の付け根の股(また)の所。

※ 散形花序とは、パラシュートの様に、茎頂の一点から放射状に多数の花柄が伸び、花が咲く形を言う。例:ネギ・ヤツデ・ヒガンバナ・ニンジン等。

 

イブキトラノオ(伊吹虎の尾)   タデ科  イブキトラノオ

花7月-8月。 薄紫・白。 花茎の先端に、小さな花を密集させて花穂を形成。穂状花序。葉は披針形。草丈50‐120cm。山地の草原から高山に分布。

絶滅危惧I類(秋田県・埼玉県・奈良県岡山県)絶滅危惧Ⅱ類(鳥取県)準絶滅危惧(岩手県熊本県)分類上重要種(滋賀県)情報不足(福島県)

 

イブキフウロ(伊吹風露)  フウロウ科

花7月-8月。淡紅紫色。花弁は5枚。花弁の先が浅く3つに切れている。花の基部より紫色の筋がある。離弁花。花の径は3㎝ほど。葉は春菊のように深い切れ込みがあり、鋭角な鋸歯有り。草丈30-80cm。日本固有種。明るい山地や高山帯の草地を好む。本州の中部地方伊吹山と東北地方に生育。生育範囲は極めて限られている。分布上重要種(滋賀県)

 

イワギキョウ(岩桔梗)  キキョウ科  ホタルブクロ属

花7月-8月。青紫。合弁花・花冠は5裂。やや上向きに咲く。葉は根生し倒披針形・鋸歯有り・鋸歯は小さいが棘状に突起。高山の砂礫地に生育。北海道から中部地方の高山・北東ロシア・アラスカ・北米亜高山から高山帯に分布。高山植物花言葉・誠実・感謝・誠実な恋・美点の持ち主。 

絶滅(栃木県)。 絶滅危惧I類(秋田県山形県)絶滅危惧Ⅱ類(岩手県) 情報不足(福島県)地域個体群(新潟県)。

 

イワタバコ(ニガナ)(イワヂシャ)  イワタバコ科  イワタバコ属

花6月-9月。紫・ピンク・白。花はラッパ型・花冠は5裂して星形・咢も5裂・花径は1-1.5㎝。根元からでた花茎の先端に4—5輪の花が纏まって咲く・散形花序。葉は根元からのみ出葉・葉の形は広卵形・鋸歯有り・葉身の長さは10‐30㎝で幅はおよそ10㎝内外。草丈5-30㎝。渓流の水しぶきが掛かる様な岩場に咲く。福島県以南~沖縄・台湾まで分布。花言葉・涼しげ。

絶滅危惧I類(秋田県宮城県・千葉県・新潟県島根県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県・石川県)。分布特性上重要(鹿児島県)

 

イワナシ(岩梨)(砂苺)(岩椿)(浜梨)(豆苺)  ツツジ科  イワナシ属

花5月-6月。淡紅色。花は釣鐘型・花冠5裂・咢も5裂・長さ1㎝。茎の先に3-8輪の花を咲かせる。総状花序。葉は長楕円形で先が尖る・葉身の長さ4-10㎝で巾2-4㎝・角質で艶(クチクラ)有り。果実1㎝・食味は梨に似る。日本固有種。北海道西南部・本州日本海側の山地から亜高山帯に生育。

絶滅危惧Ⅰ類(愛知県・和歌山県島根県)。絶滅危惧Ⅱ類(奈良県)。絶滅危惧種(三重県)。

 

イワナンテン(岩南天)(岩椿) ツツジ科  イワナンテン属

花7月―8月。草丈30-150㎝。花の形は筒型・ドウダンツツに似る。花冠は5裂・花は葉腋から花柄を出して下垂。葉は卵形又は披針形・鋸歯有り・葉身5-9㎝。枝の長さは0.3‐1.5m。。枝は赤味を帯び、枝垂れる。常緑低木。昼なお暗い森林の湿潤な岩場に自生。関東・東海・紀州の海岸沿いの山地。毒性の有無(うむ)は未知。但し市販されている西洋イワナンテンは全有毒(グラヤノトキシン・嘔吐・下痢・筋力低下・失明・昏睡・痙攣・重篤の場合は致死)。花言葉・節制。  絶滅危惧Ⅰ類(栃木県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。準絶滅危惧(埼玉県)。情報不足(富山県)。

 

インパチェンス(アフリカホウセンカ)  ツリフネソウ科 ツリフネソウ属(インパチェンス属) 

花5月―11月。ピンク・オレンジ・赤・白。 花弁5枚・八重咲も有り。一年草・草丈15‐40㎝。原産地・熱帯アフリカ。 ペット有毒(嘔吐・胃腸炎)

 

ウツギ(空木) (ウノハナ(卯の花))  アジサイ科(ユキノシタ科)  ウツギ属

花5月-7月。 白・ピンク。 花弁5枚一重咲・八重咲。花径10-15㎜。咢に星状毛あり。円錐花序。葉は卵形披針形で対生する。枝は中空(空木の由来)。落葉広葉樹低木。樹高1‐2.5m。果実9月~10月。 花言葉・思い出・気品。

アジサイ科のウツギ属の中で絶滅危惧種に指定された何々ウツギと言う野生種は以下の通り18種類有る。

アオコウツギ・ウツギ・ウメウツギ・ウラジロウツギ・オオシマウツギ・オオバナオオシマウツギ・オキナワヒメウツギ・ガクウツギ・コガクウツギ・コミノヒメウツギ・ツクシウツギ・ノリウツギバイカウツギヒメウツギ・ビロードウツギ・ブンゴウツギ・マルバウツギ・マルバコウツギ。

※ 星状毛とは一点から5本の短毛が出て、それが5方向に向いている状態の毛。

※ 円錐花序とは複総状花序とも言い、茎が下から上へ何度も分岐し、上方ほど分岐が減り、全体は円錐状に花が咲く状態を言う。例:ナンテンサルスベリ・ヤツデ等。

※ 卵形とは、鶏卵の輪郭線に似た葉の形を言う。基部の方が幅が広く丸味を帯び、葉先に行くにつれて窄(すぼ)まる。例:シソの葉(大葉)・桜の葉。

 

ウツボグサ(靭草)(夏枯草(かごそう))  シソ科  ウツボグサ属

花6月-8月。紫。唇形の花・上唇が陣笠状・下唇が3裂・有花茎先端に3-8㎝の花穂を形成して下から順次開花。茎は角張っている。花穂が、武士が矢を入れて背中に背負う靭(うつぼ)に似ているからの命名。開花後根元から茎を伸ばして匍匐(ほふく)。茎を伸ばした先で発根し立ち上がる。草丈10-30cm。葉は披針形又は卵状長楕円形・鋸歯有り。葉は対生する。漢方薬(漢方薬名・夏枯草散・止涙補肝散)(ブルネリン・カリウム塩・苦味質・タンニン・アルカロイド・利尿促進剤・抗菌作用・消炎剤・妊娠中は使用不可)。 花言葉・協調性。絶滅危惧種(鹿児島県)。

タテヤマウツボグサ 準絶滅危惧種 (秋田県福島県福井県)。

ミヤマウツボグサ 絶滅危惧Ⅱ類(青森県) 要注目(福井県)。

 

ウマノアシガタ   キンポウゲ科  キンポウゲ属 

花期は夏。花の色は黄色。花弁は5枚・花径は凡そ10-12㎜。葉は根元近くが掌状(吸物用の三つ葉似)で、茎の上部へ行くと鋸歯が有る披針形になり、更には線形になる。草丈30-60㎝。キンポウゲはキンポウゲ科の総称名で、花の固有名詞ではない。キンポウゲ科の代表的な花がウマノアシガタという植物である。全有毒(プロトアネモニン・かぶれ・皮膚炎・口内炎・消化器炎症・腹痛)。ペット有毒花言葉・栄誉・栄光・子供らしさ・美しい人格・中傷。

キンポウゲ科のキンポウゲ属の中で絶滅危惧種に指定された何々アシガタと言う種類は以下の通り3種類有ります。

ウマノアシガタ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。 分布特性上重要(鹿児島県)

オオウマノアシガタ 絶滅危惧Ⅱ類(栃木県)。 絶滅危惧種(青森県)

ヒメウマノアシガタ  絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)

 

ウメモドキ(梅擬)  モチノキ科  モチノキ属

花5月-6月。白または薄紫色。花弁4-5・雌雄異株・葉腋に小花を沢山咲かせる。葉は卵形で互生・果実11月頃完熟して真っ赤になる。果実の直径5㎜。北海道を除く全国に分布・山地の湿り気のある所を好む。花よりも実を鑑賞する木である。

絶滅危惧種Ⅰ類(秋田県)。絶滅危惧種Ⅱ類(千葉県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

モチノキ科モチノキ属で何々ウメモドキと言う絶滅危惧種が上記の外に下記の4種がある。

イヌウメモドキ  準絶滅危惧種(鹿児島県)

オクノフウリンウメモドキ 絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)。絶滅危惧種(福島県・長野県・石川県・福井県)。分布上重要(滋賀県)

フウリンウメモドキ8絶滅危惧Ⅰ類(福島県・神奈川県・福岡県・熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。絶滅危惧種(山口県・宮崎県)。

ミヤマウメモドキ 絶滅危惧Ⅰ類(群馬県三重県奈良県島根県山口県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・京都府岡山県鳥取県)。絶滅危惧種(石川県・広島県)。分布上重要(滋賀県)

ブログ№202 茶花総覧(7) 秋(あ行~わ行)でもこれと同文で再出予定。(理由:花の時期と実の鑑賞時期と違う為)

 

ウラシマソウ(浦島草)(マムシグサ(蝮草))  サトイモ科  テンナンショウ属

花4月-5月。黒褐色・赤褐色・緑白色(以上花弁では無く仏炎苞(ぶつえんほう)の色)。形は蛇のコブラが鎌首を上げて長い舌を出している様な姿。花は仏炎苞の中に肉穂花序(にくすいかじょ)で存在する。花は若い時は雄花で、成長すると雌花に性転換する。葉は茎頂の先に鳥の足を広げた様に何枚も長披針形の葉が付く。草丈 ~50㎝。全有毒(シュウ酸カルシウム・口唇と口内のしびれ・腫れ・痛み・腎機能障害)。ペット有毒 花言葉・不在の友を想う・懐古・回想。

サトイモ科のテンナンショウ属の中で絶滅危惧種に指定された何々ウラシマソウと言う種類は以下の通り3種類有ります。

ウラシマソウ 絶滅危惧Ⅰ類(愛媛県高知県山口県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県)。絶滅危惧種(埼玉県・山梨県京都府)。

ナンゴクウラシマソウ 絶滅危惧I類(大阪府鳥取県香川県)。絶滅危惧Ⅱ類(和歌山県兵庫県高知県)。絶滅危惧種(徳島県愛媛県大分県)。情報不足(三重県)

ヒメウラシマソウ 絶滅危惧Ⅱ類(長崎県)。 絶滅危惧種(鹿児島県)

※ 仏炎苞とは、仏像の向背の様な形をした苞のこと。

※ 肉穂花序とは、太って多肉質になった花茎に、直接花がびっしり着いている様な花のパターン。

 

ウリノハナ(瓜の花)  ウリ類の花の総称。

ウリノハナという固有名詞の植物は無い。瓜全般にわたっての花と言う意味である。茶花を紹介する本の中にウリノハナとあったので、取り上げてみた。

キュウリ、カボチャ、トウガン、スイカ、ヘチマ、カラスウリ、ゴーヤー、ユウガオ、ヒョウタン等々あるが、ウリ科の植物は全て合弁花で、その殆どが蔓性である。

キュウリの花は黄色で花冠は5裂 ・ カボチャの花は黄色で花冠は5裂 ・ トウガンの花は黄色で花冠は5裂 ・ スイカの花は黄色で花冠は5裂 ・  ヘチマの花は黄色で花冠は5裂 ・ カラスウリの花は白で花冠は5裂し、花弁の先がレースの様に糸状に裂ける ・ ゴーヤーの花は黄色で花冠は5裂 ・ ユウガオの花は白色で花冠は5裂・大形花径5-10㎝。 ヒョウタンの花は白色で花冠は5裂。

 

ウルシ(漆)   ウルシ科  ウルシ属

花5-6月。 黄緑色 花は小さい、花弁は5枚・咢も5枚。雌雄異株。落葉広葉樹高木。黄葉する。 原産地・中央アジア有毒(ウルシオール・かぶれる)。ペット有毒。有用材(樹液は漆塗りの原料)。花言葉・頭脳明晰・賢明。絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

エキナセア(ムララサキバレンギク(紫馬簾菊))(パープルコーンフラワー)  

         キク科  ムラサキバレンギク属(エキセア属)

花6月-8月。 赤・ピンク・オレンジ・黄・白・緑。 花は管状花と舌状花から成る。管状花は花の中心にあってドーム状に盛り上がり、舌状花はそのドーム状の管状花を一重に取り囲み、花弁先を下垂させる。花の姿はタンポ(稽古用の槍先につける綿入り防具)に似る。葉は披針形・有花茎は能く分枝・分枝の先端に花を一つ付ける。落葉多年草・草丈30-100㎝。乾燥土壌の草原を好む。原産地・北米。 薬用(フムレン・カリオフィレン・配糖体エキナコシド・多糖類など。まだ研究途上・十分な科学的根拠は無い・米国国立保管統合永生センターが助成する研究では、何らかのバクテリアとの関係が推測され、免疫システム活性化に関与有りとか)。長期服用の影響は未知・副作用は吐気・胃痛。アメリカ原住民の伝統的な薬。 花言葉・優しさ・深い愛・あなたの痛みを癒します。

 

エゴノキ  エゴノキ科  エゴノキ属 

花5月―6月。 白。花弁5枚・星形・釣鐘状。小枝の先に1-6輪の花を纏まって房のように付ける。葉は基部も先端も尖った卵形。葉身4.5‐8㎝。互生。果実10月。全有毒(特に果皮)(エゴサポニン・溶血作用・血球破壊・胃腸障害・咽頭胃粘膜の刺激・眼の充血)。ペット有毒花言葉・壮大。

エゴノキ科のエゴノキ属の内、下記は絶滅危惧Ⅱ類である。

オオバケエゴノキ(大葉毛エゴノキ) 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)

 

エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

花6月-9月。淡紅色。花弁5枚・花弁は扇で先が細かく深く裂けている。花径3-3.5㎝。咢は筒型で長さは2-3㎝。葉は線形~披針形で対生。茎は直立・上部で分枝(ぶんし)。葉も茎も白っぽい緑である。草丈30-80㎝。多年草。本州中部山地から北海道・ユーラシア中部以北に分布。ペット弱有毒。 花言葉・大胆・可憐。 絶滅危惧種Ⅱ類(新潟県鳥取県)要注目種(京都府)。情報不足(滋賀県)。

 

エゾフウロ(蝦夷風露) フウロソウ科  フウロソウ

花7月-8月。紅紫色。花は楕円形で5弁・濃紅色の縦筋が何本か入る・咢5個。花径2.5‐3㎝。葉は深く掌状に切れ込み、毛が密生・対生する。草丈30-80㎝。千島列島中部から北海道・東北地方の山地や草原に生育。絶滅種(京都府)・絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県)・絶滅危惧種(福井県岩手県)分布上重要種(滋賀県)。

 

エニシダ(金雀花) マメ科 エニシダ

花5月-6月。黄・白・複色。形はマメ科特有の蝶の様な花。前年枝の葉腋(ようえき)に約2㎝の花が付く。果実8-10月。枝は枝垂れる。常緑低木・1.5‐3m。全有毒(スパルテイン・シチシン・サロタムニン・ゲニスティン・スコバリン・頭痛・皮膚炎・嘔吐・神経麻痺・血圧降下・呼吸麻痺・心臓麻痺・重篤の場合は致死) 。ペット有毒(嘔吐・目眩・頭痛・腹痛・下痢・胃腸痙攣・血圧降下・中枢神経の麻痺・重篤の場合は致死)。生薬(スパルテイン・チラミン・ゲニステイン。強心剤・利尿薬・子宮収縮)。花言葉・博愛・謙虚・謙遜・清楚・清潔・豊穣・卑下等

 

エンコウソウ(猿猴草) キンポウゲ科  リュウキンカ

花5月-7月。黄。花弁5-6弁・但し花弁に見えるのは咢片・花径2-3㎝。草長50㎝位。匍匐(ほふく)性の水辺の植物・茎を伸ばした先の節目の着地点で発根発芽。テナガザルが手を伸ばした様な姿なので猿猴草と言う。葉は基部がハート形に裂けているが全形は円形(腎臓型)。弱有毒(少量以外は重度の胃腸障害の可能性有り・妊婦産婦は摂取危険)。リュウキンカと同科同属。→リュウキンカ(立金花)参照。

絶滅(奈良県大阪府)。絶滅危惧Ⅰ類(茨城県群馬県・愛知県・福井県京都府和歌山県山口県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県・栃木県・新潟県・長野県・岐阜県兵庫県)。絶滅危惧種(岩手県広島県)。

 

エンレイソウ(延齢草)  シュロソウ科  エンレイソウ属 

花4月-6月。白・茶・ピンク。花は3弁、葉も3葉。多年草。草丈20~30cm。落葉する。低山から中程度の山の落葉樹林に生育。栽培が困難なので山採りのものが多く、自家栽培ならとも角、乱獲を防ぐ意味でも茶花に使用しない方が望ましい。全有毒(タキシン・トリリン・サポニン。嘔吐・下痢・血便・酩酊)。薬草(悪いものを食べた時の吐瀉(としゃ)促進剤)。北海道大学の校章のデザインの元。

絶滅危惧種

シュロソウ科のエンレイソウ属の中で絶滅危惧種に指定された何々エンレイソウと言う種類は以下の通り10種類有ります。

エンレイソウオオバナノエンレイソウ ・ カワユエンレイソウクロミエンレイソウ ・ コジマエンレイソウ ・ シラオイエンレイソウ ・ シロバナエンレイソウ ・ トカチエンレイソウ ・ ヒダカエンレイソウ ・ ミヤキエンレイソウ

ブログ№197 茶花総覧(2)春(あ行~さ行)の内、エンレイソウの条で同じ記事(絶滅危惧種名を除く)を既出

 

オイランソウ(花魁草)(クサキョウチクトウ)(フロックス)

   ハナシノブ科 フロックス属(クサキョウチクトウ属)

花6月-9月。白・赤・ピンク。花弁5枚・花はキョウチクトウ似・総状花序・葉は長卵形で対生・葉先は尖る。茎は直立・草丈50‐100㎝。多年草。北米原産。ペット有毒(嘔吐・下痢・口内炎・消化器官の炎症・神経症状・重篤の場合は致死)。花言葉・協調・合意・一致・温和。

 

オオデマリ(大手毬)(手毬花)  スイカズラ科(レンブクソウ科) ガマズミ属

花5月-6月。白。但し、花弁に見えるのは咢が変化したもの。咢が5裂しているので一見花弁が5枚有る様に見える。小枝の先に多数の花が丸く纏まって咲く。英語名はジャパニーズ スノーボール。落葉広葉樹低木。果実有毒(ポリフェノール配糖体・嘔吐・下痢・腹痛)。ペット有毒花言葉・華やかな恋・絆・私は誓います。優雅な嗜み。

 

 オオヤマレンゲ(大山蓮華)  モクレン科  モクレン属  利休7選花の一つ

花5月-7月。白。花弁は蓮の花の形・お椀咲き・花弁の内、3枚は咢片。花は下向きか或いは横向きに咲く。芳香有。花茎5‐10㎝。葉は倒卵形卵形・葉長最大15㎝・横幅10㎝。果実9月-10月。落葉広葉樹低木。奈良県大峰山系の自生地は天然記念物に指定されている。乱獲と動物の食害によりその数を減らしている。 絶滅危惧Ⅰ類(群馬県・埼玉県・静岡県・石川県・奈良県島根県山口県徳島県・福岡県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(福井県広島県)。準絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県愛媛県大分県長崎県)。環境省により、上信越高原国立公園中部山岳国立公園南アルプス国立公園白山国立公園などで自然公園指定植物になっている。

オオヤマレンゲは茶花(ちゃばな)として人気が高い。種子による栽培が可能。実際に栽培されているのはオオヤマレンゲでは無く、オオバオオヤマレンゲが多いそうである。 花言葉・変わらぬ愛。 

※ 倒卵形とは、卵形の逆の形。即ち、鶏卵を立てたような形で、葉の先端の方が大きく幅広に膨らんでいて、基部の方が窄(すぼ)まっている形を言う。

 

オカトラノオ(岡虎の尾)  サクラソウ科  オカトラノオ

花7月-8月。白。花弁5-6枚・小さな花の総状花序・花穂がアーチを描いて垂れる。葉は長楕円形で互生・葉先は窄まる。鋸歯無く全縁・葉柄有り。山野草多年草。草丈40-100㎝。山地の日当たりの良い草原に自生・群生する。北海道から九州朝鮮半島から中国に分布。薬(生理不順・むくみ・打撲)。 花言葉・忠実・貞操・優しい風情・清純な心・騎士道。 分布特性上重要な種(鹿児島県)

 

オグルマ(小車)  キク科  オグルマ属

花7月-10月。黄。筒状花(とうじょうか)舌状花(ぜつじょうか)頭状花序(とうじょうかじょ)・花の形は野菊に似る。花径3-4㎝。葉腋から能く分茎して茎頭に花を開花する。葉は長楕円形で先細り。小さな鋸歯有り。葉身5-10㎝。草丈20-60㎝。日当たりの良い湿地や水田の畔などに生息。多年草。北海道から九州・朝鮮半島・中国に分布。オグルマから「イヌリン」が発見される(オグルマ属=Inula)。生薬(セスキテルペン・健胃・去痰・消炎・利尿作用・鎮咳作用)。絶滅危惧1類(東京都・石川県・大阪府和歌山県香川県愛媛県長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・富山県京都府徳島県・福岡県・鹿児島県)。絶滅危惧種(埼玉県・神奈川県・三重県奈良県兵庫県熊本県)。その他重要種(滋賀県)。

上記オグルマの外に何々オグルマと付く絶滅危惧種が下記の通り5種類ある。

エゾオグルマ ・ オカオグルマ ・ サクラオグルマ ・ サワオグルマ ・ ホソバオグルマ。

この内、オカオグルマが22都府県で、サワオグルマが14都府県で、ホソバオグルマが20都府県絶滅危惧に指定され、特にホソバは環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)にも指定されている。

 ※ 筒状花とは、筒状の花弁の中に雄蕊と雌蕊が有る花。

※ 舌状花とは、舌の様に長い花弁一枚に雄蕊と雌蕊が有る花。

※ 頭状花序とは、花茎の先端が丸く台座状になっていて、そこに花が密集して咲く花のタイプを言う。キク科の植物は筒状花と舌状花が台座の上に纏まって咲く。

 

オキシペタラム(ブルースター)  キョウチクトウ科(ガガイモ科)  トゥイ-ディア属

花5月-10月。青・白・ピンク。花弁は重なり合わず細目で5弁星形。常緑多年草。葉は披針形。草丈40-60㎝。有毒(有毒成分不明・乳汁により皮膚炎)。原産地・南米。花言葉・幸福な愛。

 

オキナワスズメウリ(沖縄雀瓜)  ウリ科  オキナワスズメウリゾク

花7月-10月。クリーム色。5裂し、毛深い。花の大きさ1㎝。果実2㎝・球形。果実の成り始めは緑で熟すと赤くなる。果実に白い縦模様が入る。スイカの模様に似ている。蔓性。近頃遮光カーテンに利用され始めている。果実有毒(ククルビタシン・嘔吐・下痢・腹痛) ペット有毒。 花言葉・いたずら好き。

オキナワスズメウリ クロミオキナワスズメウリ が 絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

オシロイバナ(夕化粧) オシロイバナ科 オシロイバナ

花6月-10月。白・黄・ピンク・オレンジ・赤・複色・咲き分け。草丈30~100cm。一年草(多年草)。種を割ると白い粉が出て来る。原産地・中南米全有毒(トリゴネリン・嘔吐・腹痛・下痢)。ペット有毒(アルカロイド(トリゴネリン)・嘔吐・下痢・腹痛・皮膚炎・粘膜への刺激作用)。 花言葉・臆病・内気・恋を疑う。

 

オダマキ(苧環) キンポウゲ科 オダマキ

日本野生種:ヤマオダマキミヤマオダマキは花5月-6月。西洋オダマキは5月-6月。 白・ピンク・オレンジ・赤・黄・青・紫・茶・黒。多年草。草丈30-50㎝。花茎は株元から数本立ち上がり上方で分枝、分枝先の先端に花を咲かせる。外側にある大きな花弁は咢(がく)、その内側にあるのが花弁。花弁の後ろに(きょ)がある花はうつむき加減。八重咲など園芸品種が作出されている。全有毒(プロトアネモニン・皮膚炎・腹痛・下痢・口腔潰瘍・嘔吐・流涎・胃腸炎・眼に入ると流涙・血尿・多尿・心臓麻痺等)。ペット有毒(アドニトキシン・アネモニン・心臓麻痺・呼吸麻痺)。 花言葉・愚か・必ず手に入る・勝利への決意・心配して震えている。

ヤマオダマキ 絶滅(京都府)。絶滅危惧Ⅰ類(東京都・奈良県大分県・宮崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・石川県・鳥取県和歌山県)。

ミヤマオダマキ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県宮城県群馬県・石川県)絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)情報不足(福島県)。

※ 距とは、花の後ろに天狗の鼻の様に飛び出た器官の事を言い、蜜などを溜める場所です。スミレ科やツリフネソウ科の花に見られます。距の元来の意味は鶏や雉などの蹴爪の事。

 

オトギリソウ(弟切草)(血止め草)(青薬)(薬師草) オトギリソウ科 オトギリソウ属

花7月-9月。 黄。花弁5枚・花径15㎜・茎頂に分枝した先に集散花序で咲く。葉は披針形又は長楕円形・葉先は丸い・葉の基部は茎を抱く・。草丈・30‐80㎝。山地の疎林や草地・道端に自生。日本・朝鮮半島・中国に分布。名前の由来は、平安時代の事、兄の鷹匠が鷹の傷薬としていた秘薬のオトギリソウを、弟が外部に漏らしたために兄が激昂、弟を殺害したという伝説が有る。その血を浴びたのが弟切草。花・茎・葉に黒い斑点が有る。ヨーロッパでも同じような伝説が有り、これと似た植物に「聖ヨハネの血」と言う名が付いているものがある。生薬(ヒペリシン・クエルセチン・タンニン・止血・鎮痛・利尿・収斂(しゅうれん)・月経不順・扁桃炎・鎮咳・虫刺され。 中風・リウマチ・神経通の予防薬)。花言葉・怨念・迷信・敵意。

 

カキツバタ(杜若) アヤメ科 アヤメ属→アヤメのグループの内③カキツバタ参照

 

ガクアジサイ(額紫陽花)(額集真藍)  アジサイ科(ユキノシタ科)・アジサイ属。

花5月-7月。紫・薄紫・赤紫・青・空・白・ピンク。落広低木1~2m。日本固有のアジサイの原種。 有毒(有毒成分が有る事は確かだが、成分は未だ不明。食中毒(料理に添えたアジサイの葉を食べて嘔吐・目眩を起こし入院。甘茶(アジサイ科)を、花まつりに飲んだ幼稚園児28人、小学生45人が嘔吐症状の食中毒を起こした事例がある。生薬・抗マラリア薬(副作用で嘔吐を伴う)。ペット有毒(過呼吸・興奮・痙攣・ふらつき・重篤の場合致死)。花言葉・謙虚

 

ガクソウ(額草) → ガクアジサイの事。 ガクアジサイを参照。

 

カザグルマ(風車)  キンポウゲ科  センニンクサ属  クレマチス参照

花5月-6月。白または淡紫色。花弁に見えるのは咢片・花径約6-15cm・咢片の枚数は8枚。(←テッセンは6枚)。花の中央に蕊(しべ)が集まり、雄蕊は長く伸びて先端に紫色の細い葯を付けている。葉は卵形又は狭卵形。落葉蔓性低木。全有毒(プロトアネモニン・サポニン接触皮膚炎・水疱・胃腸炎)。薬(鎮痛作用・対痛風・対リュウマチ)。花言葉・策略・精神の美・旅人の喜び。

環境省カテゴリ・準絶滅危惧種絶滅(石川県・福岡県)絶滅危惧Ⅰ類(岩手県山形県福島県群馬県・埼玉県・千葉県・長野県・山梨県・愛知県・滋賀県京都府三重県奈良県大阪府和歌山県山口県高知県大分県宮城県熊本県)。 絶滅危惧種(栃木県・広島県)。

キンポウゲ科のセンニングサ属の絶滅危惧種には外に次の1種がある。

シロバナカザグルマ  絶滅危惧1類 (東京都・香川県)

 

ガザニア(勲章菊)   キク科  ガザニア属(クンショウギク属)

花4月-10月。オレンジ・赤・黄・白・ピンク。目の覚めるような鮮やかな色合いで、花弁の基部に行くにつれ色が濃くなる。形は一重咲の菊に似ている。葉はへら状のものや切れ込みがあるものが混ざる。表は艶があるが、葉裏は毛におおわれている。草丈15-40㎝。南アフリカ原産。ペット有毒(嘔吐・下痢・口内の痛み・発熱・流涎・元気がない・食欲無)。

 

カスミソウ(霞草)  スイカズラ科  カスミソウ属(ギプソフィラ属)

花5月―7月。 白・ピンク。(紫・赤・青・黄の花は着色したもの)。細かい小さな花が一面に咲く。一重咲き・八重咲。一重咲きの花弁は5枚。草丈20-100㎝。一年草宿根草がある。全有毒(サポニン・皮膚炎・発疹・痒み・ドライフラワーの場合は喘息・呼吸困難誘発)。ペット有毒(サポニン・嘔吐・下痢)。花言葉・幸福・感謝・無邪気・親切・清らかな心。

 

カーネーション(オランダセキチク) ナデシコ科 ナデシコ属(ダイアンサス属)

花4月-6月。赤・ピンク・白・黄・複色。八重咲。草丈30-60㎝。一茎一花のタイプと、スプレー咲きタイプがある。葉は細く、蠟質で灰色系青緑色。日本の花卉(かき)産業では菊・バラと並ぶ三大生産量の一つである。母の日の花として知られる。地中海沿岸が原産地。 ペット有毒(サポニン・ギポセニン・嘔吐・胃腸障害)。花言葉・母への愛・感謝・他多数。

 

カノコソウ(鹿の子草)(ハルオミナエシ) オミナエシ科 カノコソウ属

花5月-7月。淡桃色。花径3-5㎜・花長4-7㎜。根元から直立した花茎の先端に散房花序(さんぼうかじょ)で密生。下部の葉は長柄が有り、長柄の両サイドに羽状(うじょう)に深裂・小葉は披針形で鋸歯有り・草丈40~80cm。山地のやや湿った草原を好む。根茎に生薬となる精油有り。自生種は乱獲や開発で希少になった。生薬(生薬名・カノコソウ・吉草根(きっそうこん)・ボルニルイソバレート・ボルニアセテート・βビネン・イリドイド配糖体・鎮静効果・対ヒステリー・対神経過敏症・対心悸亢進)。

絶滅(神奈川県)絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県・長野県・岐阜県・石川県・福井県京都府三重県大阪府徳島県高知県)絶滅危惧Ⅱ類(青森県福島県奈良県愛媛県長崎県)絶滅危惧種(岩手県島根県・鹿児島県)要注目種(静岡県)分類上重要種(滋賀県)

上記のカノコソウの外にツルカノコソウが絶滅危惧種に指定されている。

ツルカノコソウ  絶滅危惧Ⅰ類(長野県・長崎県)絶滅危惧Ⅱ類(青森県山梨県)絶滅危惧種(秋田県・埼玉県・佐賀県)

※ 散房花序とは、花軸に間隔をあけて花柄が着き、下に行くほど花柄が長くなる。従って、花は上の方でお皿の様に並ぶか、ゆるく盛り上がった傘状になる。

※ 羽状とは、鳥の羽根のように小さな葉が葉軸に並んで付いている状態の葉を言う。例:オジギソウ・バラ・カラスノエンドウ等。羽状のパターンが繰り返されると羽状複葉と言う。例:ナンテン

 

カノコユリ(鹿の子百合)  ユリ科  ユリ属

花7月-8月。淡紅色・花弁の内側に赤紫の鹿の子模様の斑点が有る。花弁の外縁近くは白っぽく、内側に入るにつれて赤味を増す。花弁6枚の内、3枚が咢片。花は基部より反り返る。葉は長卵形又は披針形・有花茎の上方で分枝を何回か繰り返し、その都度分枝の先に花を着ける。草丈1-1.5m。傾斜地や岩場に自生。花言葉・荘厳・威厳・上品・慈悲深さ。  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧1類(福岡県)絶滅危惧Ⅱ類(徳島県長崎県熊本県)。準絶滅危惧(鹿児島県)。

 

カラー(海芋(かいう))  サトイモ科 オランダカイウ属 

花6月-7月。白・黄・紫・ピンク・グリーン。花に見えるのは仏炎苞。花は仏炎苞の中に肉穂花序として存在。湿地型と畑地型がある。アフリカ原産。全有毒(不溶性シュウ酸カルシウム・口腔炎症・流涎・嘔吐・嚥下困難)。ペット有毒花言葉・華麗なる美・乙女のしとやかさ・清浄。

 

カライトソウ  バラ科  ワレモコウ属

花7月-9月。紅紫色。一つの花の径は1㎜。花弁は無。雌蕊1本・雄蕊6-12本。雄蕊は咢より長い。蕾の時は直立しているが、上から開花して行くに連れ全体が垂れ下がる。尾状花序。一見ネコジャラシかアカマンマ。葉はバラの葉似(葉の茎に小葉が対で着き茎の先端にも小葉1枚→羽状奇数複葉)。草丈30-100㎝。 花言葉・深い思い・繊細。

絶滅危惧種Ⅰ類(EN)(長野県・滋賀県)・準絶滅危惧(岐阜県福井県)・地域個体群(LP)(新潟県)。

※ 尾状花序とは、雄花(多くは花弁が無い)が集まって円筒状になり、葉腋から垂れ下がり、尾の様に見える花のパターンを言う。雌花は別個に咲く。例:ハシバミ・ヤナギ等。

 

カラジウム  サトイモ科 カラジウム属 

観葉植物。花は肉穂花序。花は目立たない。葉を鑑賞する。多年草。葉の色や模様が多様。草丈10-30㎝。ペット有毒(スパティフィラム・嘔吐・口腔・喉の炎症・唾液過多・嚥下困難)。 花言葉・喜び・歓喜・爽やかさ。

 

カラマツソウ (唐松草) (落葉松草)  キンポウゲ科  カラマツソウ属

花7月-9月。白・淡紅色。開花と同時に咢が落下、花弁は無い。花火の様に広がる白い筋は雄蕊の花糸(白色)。花径(雄蕊の花糸の広がり)1㎝。雌蕊の子房は紅紫色。複散房花序。葉は2回3出複葉・小葉は掌状又は倒卵形・小葉の長さ0.5‐3㎝。托葉有り。 草丈50‐120㎝・高山では背が低くなる。落葉多年生。 花言葉・さりげない優しさ・献身・大胆。 絶滅危惧1類(埼玉県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(広島県)。絶滅危惧種(奈良県岡山県)。その他重要種(滋賀県)。

 

カルミア(花笠石楠花)  ツツジ科 ハナガサシャクナゲ属(カルミア属) 

花5月-6月。 白・赤・ピンク・茶。蕾は金平糖に似る。花冠は浅く5裂してお椀型・雌蕊の柱頭は赤・雄蕊は花弁中央の窪みに癒着。茎の先端に20-30輪が集まって咲く。葉は革質・倒披針形で長さ5-10㎝。 常緑低木。全有毒(グラヤノドキシン・アルブチン・筋肉や神経の働きを阻害・口腔咽頭炎症・流涎・嘔吐・下痢・腹痛・発汗・神経麻痺・筋力低下・不整脈・昏睡・低血圧・呼吸困難・心不全重篤の場合は致死)。カルミア混在の蜂蜜で中毒事例有り。ペット有毒(グラヤノトキシン・アルブチン・食欲不振・衰弱・流涎・痙攣・下痢・嘔吐・昏睡・致死)。花言葉・優美な女性・賑やかな家庭・爽やかな笑顔・裏切り・野心。

 

カロライナジャスミン  マチン科 ゲルセミウム属

花4月—6月。 黄色。合弁花。甘い蜜が有る。つる植物。全猛毒(ゲルセミシン・めまい・痙攣・呼吸麻痺・致死)。ペット有毒(ゲルセミシン・シクトキシン・中枢神経麻痺・呼吸停止・致死)。同属でゲルセミウム・エレガンスと言う品種は世界最強と言われる猛毒で、矢毒に使用。花言葉・甘い囁き・長寿・気立ての良さ。

ジャスミンの名前が付いているのでジャスミン茶にして誤飲し、中毒事故を起こすケースがある。(ジャスミン茶に使用するジャスミンはモクセイ科)。

 

カワラナデシコ(河原撫子) ナデシコ科 ナデシコ属 

花7月-10月。 淡紅色。花弁5枚。花冠は細く裂けている。花茎の上部が分岐し、その先に数個の花をつける。咢は筒状。葉は細長く4—7㎝で対生。日当たりの良い川原などを好む。乱獲と開発で著しく減少。東アジアに分布。秋の七草。生薬(生薬名・全草から瞿麦(くばく)、種子から瞿麦子(くばくし)と言う薬を作る)(成分・サポニン)(消炎・利尿・月経不順・膀胱炎・尿路結石・浮腫)。ペット有毒(特に猫)(サポニン・ギポセニン・嘔吐・胃腸障害)。花言葉・純粋な愛・貞節

ナデシコ科の絶滅危惧種には下記の2つの野生種が有る。

カワラナデシコ 絶滅危惧Ⅰ類(東京都)。絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・鹿児島県)。絶滅危惧種(岩手県茨城県・千葉県・宮崎県)。

エゾカワラナデシコ 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県鳥取県)要注目種(京都府)情報不足(滋賀県)

 

カンパニュラ(風鈴草)  キキョウ科  ホタルブクロ属 

花5月-7月。白・ピンク・薄紫・青紫。カンパニュラには300種を超える品種がある。代表的なのがカンパニュラ・メディウムと言う品種。メディウムは釣り鐘型。葉は披針形・根元で葉をロゼット状に広げた後、中心部から真っ直ぐ花茎を伸ばし、葉腋ごとに花を咲かせる。ペット有毒(ピロリジジンアルカロイド・嘔吐・下痢・腹痛・脱水症状・痙攣・意識障害)。(参考までに、同属のホタルブクロは食用になる)。花言葉・感謝・誠実な愛・共感・節操・思いを告げる。

※ ロゼット状とは、植物の葉が根元から横に広がり、地面に寝ている様な葉の状態を言う。

 

ガンピ(雁皮)  ジンチョウゲ科  ガンピ属

花5月-6月。黄。花に見える黄色は咢。咢は筒状・7-8㎜・花冠は4裂。葉は3-5cmの痩せた卵型。和紙の原料。自生種の乱獲により減少、人工栽培によって増産を図る。鳥の子紙の原料。花言葉・変わらぬ愛。

ジンチョウゲ科のガンピ属の中で絶滅危惧種に指定された何々ガンピと言う種類は以下の通り9種類有ります。

アオガンピ 情報不足(鹿児島県)。

オオシマガンピ 環境省カテゴリ絶滅危惧IA類(CR) 。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

ガンピ 準絶滅危惧種(石川県・佐賀県)。

キガンピ 絶滅危惧I類(和歌山県島根県大分県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・愛媛県)。絶滅危惧種(京都府)。分布特性上重要種(鹿児島県)。

コガンピ 絶滅(栃木県・埼玉県)。絶滅地危惧Ⅰ類(茨城県群馬県・東京都・福岡県)。絶滅危惧種(京都府奈良県佐賀県)。

サクラガンビ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県)。絶滅危惧種(静岡県)。独自カテゴリ(愛知県)。

シマサクラガンピ 絶滅危惧I類(徳島県高知県熊本県)。絶滅危惧種

(大分県・鹿児島県)。

シャクナンガンピ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

ミヤマガンピ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧(奈良県・宮崎県)。準絶滅危惧種(大分県)。

 

キキョウ(桔梗)(アリノヒフキ)(盆花)(ヨメトリバナ) キキヨウ科 キキョウ属。

花6月-9月。 青紫・園芸品種に白・ピンクなどあり。合弁花・ラッパ型の星形・花冠5裂・。雄蕊5本・葉は長楕円形(葉身の中程が一番幅広く、基部と葉先が窄(すぼ)まっている形)。草丈10~120cm。多年草 全有毒(キキョウサポニン嘔吐・胃腸のただれ・下痢・腹痛・溶血作用)。 ペット有毒(サポニン・下痢・溶結性貧血・呼吸困難・意識障害重篤の場合致死)。根は漢方薬(鎮咳作用)。野生での生息数が激減している。 花言葉・変わらぬ愛・清楚・誠実・気品。

環境省カテゴリー・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。

絶滅危惧I類(秋田県山形県新潟県群馬県・栃木県・埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・富山県福井県京都府島根県徳島県高知県大分県熊本県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(北海道・青森県岩手県福島県茨城県静岡県・愛知県・石川県・奈良県大阪府愛媛県・福岡県・佐賀県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(宮城県山梨県・長野県・岐阜県三重県和歌山県香川県山口県)。

 

キスゲ(黄菅)(夕菅)(ヘメロカリス)  ワスレグサ科(キスゲ科)(ゼンテイカ科) (スレグサ属)(キキョウラン属)

花6月―7月。黄。花弁6枚に見えるが、その内3枚は咢片。花はユリ似・但しユリは花筒が無いがキスゲには花筒がある。ユウスゲは夕方から朝にかけて咲くが、朝には枯れる。1日花である。英語名もディリリーday lily。葉は線形で剣状・二列互生で扇の様に株元から広がって出葉。日本原産 / キスゲとそっくりで朝に咲いて夕方に枯れるのがゼンテイカ(禅定花)(=ニッコウキスゲ)である。ニッコウキスゲの本来の名前はゼンテイカ。観光地の地名が冠されて有名になり、今ではニッコウキスゲの方の通りが良い。仲間にヤブカンゾウなどが有る。/ キスゲは食用可。花言葉・麗しき姿。

キスゲ(ユウスゲ)は絶滅危惧種である。絶滅危惧Ⅰ類類(千葉県・福井県三重県大阪府和歌山県徳島県高知県愛媛県島根県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(山口県大分県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧種(長野県・岐阜県滋賀県京都府奈良県兵庫県香川県)

 

キョウガノコ(京鹿子)  バラ科  シモツケソウ属

花6月-7月。濃桃色。花弁4-5枚。花径5‐6㎜。雄蕊は花弁をはみ出す程長く突き出す。複散房花序。葉は掌状形で深く5~7裂する・葉柄長い・葉身およそ20㎝。草丈60-100㎝。林間の半日陰で少し湿った場所を好む・山野草。原産国・日本。キョウガノコの花色が白の品種は「ナツユキソウ」という。

次回ブログ№200茶花総覧(5)夏(た行~)のナツユキソウで再登場する予定。内容は当条の花色が白に替わるだけで他は同じ。

 

キョウチクトウ(夾竹桃) キョウチクトウ科 キョウチクトウ

花6月-9月。紅色・黄色・白。一重咲。八重咲。常緑広低木。インド原産。排気ガスなどの公害に強い為、街路樹などに植栽されている。全猛毒(オレアンドリン・サポニン・ジギトトキシン・カルデノライド・皮膚炎・視力障害・下痢・嘔吐・胃痛・食欲不振・不整脈・血圧低下・筋力低下・重篤の場合致死)。特にオレアンドリンは青酸カリの1,000倍の毒性を持つ。枯れ枝は勿論の事、焼却灰も煙も植えていた土壌も全て有毒なので市によっては捨て方が決められている。ペット・家畜有毒(落葉数枚が飼料に混入した場合でも死亡。治療薬無し)。花言葉・油断大敵・注意・用心・逞しい精神。

 

キリンソウ(麒麟草)  ベンケイソウ科  キリンソウ属。

花5月-8月。黄。長三角形のスリムな花弁5枚で星形・花径(かけい)は1cm弱。茎は根元から直立。株立ちする。葉は披針形で肉厚・有花茎(ゆうかけい)に互生し密集。草丈5-30㎝・山岳地帯に生育のものは背が低く、平地では背が高くなる。花言葉・警戒・要注意。(キリンソウとアキノキリンソウでは全く別の科の花)。

ベンケイソウ科のキリンソウ属の中で絶滅危惧種に指定された何々キリンソウと言う種類は以下の通り5種類有ります。

カンザシキリンソウ  絶滅危惧Ⅰ類(香川県)。

キリンソウ  絶滅危惧I類(徳島県長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・奈良県兵庫県)  絶滅危惧種(京都府・宮崎県)。情報不足(高知県)。

ハコダテキリンソウ  準絶滅危惧種(青森県)

ヒメキリンソウ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(徳島県)。注目種(高知県)。

ホソバノキリンソウ  絶滅(神奈川県・三重県)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(岡山県)。

※ 花径とは、花が開いた時の横幅・直径の寸法。

※ 有花茎とは、花も葉もつける茎の事である。(参考:それに対して、根から直接出て花だけを付ける茎(くき)の事を花茎(かけい)と言う。例:タンポポ)

 

キングサリ(金鎖)(黄花藤)  マメ科  キングサリ属 

花5月-6月。 黄。藤の花を黄色くしたような花・枝から20-30センチの房を下垂する。総状花序。葉は楕円形で3枚一組・葉裏に毛がある。蔓性では無く落葉広葉樹中木・樹高7m・株立ち。ヨーロッパ中南部原産。全有毒(特に種子)(シチシン・嘔吐・震え・昏睡・重篤の場合致死)。ペット有毒。薬(禁煙治療薬・(シチシンはニコチンと類似構造をしている))。花言葉・哀愁・淋しい美しさ・相思相愛。

 

キンギョソウ(金魚草)  オオバコ科  キンギョソウ属(アンティリナム属)

花4月-6月。赤・ピンク・オレンジ・黄・白・複色。金魚に似た花を着ける。多年草(一年草扱い)。草丈20-120㎝。原産地・地中海沿岸地方。花言葉・お喋り・出しゃばり・お節介・上品・優雅。

 

キンシバイ(金糸梅)  オトギリソウ科  オトギリソウ属

花5月-7月。黄。花弁5枚・花径2.5- 4.0㎝・梅の花に似る・新しい枝の先端に1~3輪つく・集散花序。枝は長く下垂気味。葉は披針形・葉身1-6㎝。鋸歯無し(全縁)・枝に水平に対生。同属のビヨウヤナギは水平に開平し雄蕊が長く外に飛び出し、キンシバイはお椀型に咲いて雄蕊はお椀の中に納まる。株立ち・常緑広葉樹低木。生薬(生薬名・芒種(ぼうしゅか)・クロマン誘導体・フラボノイド・解毒・利尿作用・肝炎・咳・浮腫・口内炎・下痢・骨折・切り傷等々に薬効)。花言葉・きらめき・悲しみを止める・秘密・太陽の輝き。

 

キンチャクソウ(=カルセオラリア)  キンチャクソウ科  キンチャクソウ属

花4月-6月。黄。オレンジ・赤・白・紫。花弁の下側が膨らんで袋状になっている。袋に無数の小さな斑点有り。カルセオラリアの名前はラテン語のスリッパから来ている。葉は卵形。草丈10-100㎝。花言葉・私の伴侶に・援助。

 

ギンバイカ(マートル)(銀梅花)(銀盃花)  フトモモ科  ギンバイカ

花5月-7月。白。雄蕊は200本以上有・花糸は白・葯は黄色・雄蕊は花弁より長く花弁を覆い尽くす。花は梅花似。花弁より雄蕊が目立つ。花径2㎝。芳香有り。シュメール、ギリシャ、ローマ或いはユダヤなどの古来では、聖花や豊穣の花、祝祭の花などとされ、結婚式のブーケなどに使われて来た。葉は披針形・全縁(鋸歯が無い)。日当たりを好む。常緑広葉樹低木・樹高1-3m。原産地・地中海沿岸。ペット有毒(アセトアルデヒト・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣)。花言葉・愛・愛のささやき。

※ 参照:ギンバイカはブログ№201茶花総覧(6) 夏(ま)行~わ行)で、マートルの条で再出。文面はこれとは多少違っている。

 

ギンバイソウ(銀梅草)   アジサイ科 アジサイ属  

                (旧分類 ユキノシタギンバイソウ属)

花7月-8月。 白。装飾花と両性花が混在。装飾花は咢片3枚・両性花は花弁5枚に咢片5枚で雄蕊多数・雌蕊1つ。花径2㎝。はじめ花は上向きに咲くが、後に下に俯(うつむ)く。茎頂に10-20個の 散房花序を成す。葉は対生・楕円形or倒卵形・葉の先端が2裂(V字型に切れ込む)・荒い鋸歯と細かい鋸歯の二重鋸歯。葉身10-20㎝。茎は直立・草丈40-70㎝。日本原産。 花言葉・平和・愛のささやき。 絶滅危惧1類(茨城県群馬県香川県・福岡県)。絶滅危惧2類(三重県京都府大阪府和歌山県奈良県山口県)。絶滅危惧種(栃木県・福井県岐阜県大分県)。

 

キンミズヒキ(金水引)(竜牙草(りゅうがそう))  バラ科  キンミズヒキ

花7月-10月。黄・花弁5枚・花弁長さ3-6㎜・花径6-11㎜。総状花序(花と茎が花柄で繋がっている花序)。秋に咲くタデ科のミズヒキとは別種。茎は直立。葉は奇数複葉・鋸歯有り。果実9-10月・果実は棘のある咢片に包まれる。衣服や動物に取り付いて種を散布。漢方生薬(生薬名(竜牙草)・黄竜尾・他多数・アグリモニン・タンニン・サポニン他・歯茎の出血・痛み・口内炎扁桃炎・歯槽膿漏・湿疹・傷口洗浄・下痢止めに効能)。花言葉・感謝の気持ち。

キンミズヒキ科には下記のように4種類の絶滅危惧種がある。

キンミズヒキ 絶滅危惧Ⅰ類 (沖縄県)

チョウセンキンミズヒキ  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類 (福島県群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・岐阜県三重県大分県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類 (高知県)。絶滅危惧種 (北海道・岩手県宮城県・栃木県・長野県・滋賀県・鹿児島県)。

ハコネキンミズヒキ 絶滅危惧Ⅰ類 (神奈川県)。

ヒメキンミズヒキ 準絶滅危惧種 (鹿児島県)。

※ 奇数複葉とは、バラの葉のように、葉茎の左右に対に小葉が出て、その先端にもう一枚の葉が着くようなタイプの葉の事を言う。対の偶数+1枚。例:バラ・セリ等。

 

キンロバイ(金露梅)  バラ科  ギジムシロ属(キンロバイ属)

花6月-9月。黄・白。花は梅花に似る・花弁5枚・花径2-2.5㎝。白色の花をギンロバイ、又はハクロバイと呼ぶ。葉は奇数複葉・全縁(鋸歯無し)・小葉披針形。落葉小低木・樹高30-100㎝。高い山に生育しているキンロバイは背が低くなっている。高山の日当たりの良い岩場に生息。盗掘と生育地の自然崩落によりその数を減らしている。

キンロバイ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧I類(秋田県山形県宮城県群馬県・長野県・山梨県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県新潟県静岡県)。絶滅危惧種(北海道)。

ハクロバイ(白露梅) 絶滅(東京都)。絶滅危惧Ⅰ類 (埼玉県・山梨県・長野県・奈良県徳島県高知県)。

 

クサアジサイ(草紫陽花)  ユキノシタ科(アジサイ科)  クサアジサイ

花7月-10月。 白又は淡紅色。花に見えるのは装飾花となっている咢片で3枚・装飾花の数は少なくてまばら。散らばっている様に見える粒々の蕾(つぼみ)状のものが花で両性花・花は咢筒と子房が一体化して合着・小さい花弁5枚・集散花序。葉は披針形・普通のアジサイの葉は手の平サイズの丸っこい形をしているが、クサアジサイの葉は披針形や楕円形・鋸歯有り・葉と花を草軸に着けた有花茎は直立・草丈は20‐80㎝。全体に毛がある。クサアジサイには八重咲きのヤエザキクサアジサイがある。 絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。地域個体群(新潟県)。

他に、何々クサアジサイと名がつくもので絶滅危惧種は下記の2種が有る。

アマミクサアジサイ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)

オオクサアジサイ 絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。

 

クサノオウ(草の王)(いぼ草)(田虫草)(皮癬草)(血止草)  ケシ科  クサノオウ

花5月―7月。黄。花径2㎝。花弁4枚・枝先に数輪の花を着ける。奇数羽状複葉。小葉は菊の葉状。茎は中空。草丈40-80㎝。損傷すると黄橙色の乳汁が出る。乳汁有毒。草全体が白い毛で覆われている。全有毒(ケリドリンなど21種類のアルカロイド・中枢神経抑制)。ペット有毒(嘔吐・胃腸炎・体温低下・脈拍低下・幻覚・呼吸困難・重症の場合致死)。漢方薬名(白屈菜(はっくつさい))(水虫・消炎性鎮痛剤・下剤など)。花言葉・思い出・私を見つけて。 絶滅危惧種 (鹿児島県)。

 

グラジオラス(唐菖蒲)(オランダ菖蒲)  アヤメ科 トウショウブ属(グラジオラス属)

花6月-10月。 赤・ピンク・黄・オレンジ・白・青・紫・緑・褐色。花茎に下から上へと次々と花を咲かせる。球根。草丈60‐150㎝。葉は剣状。原産地・南アフリカ。 全有毒(球根特に注意)(イリジェニン・イリジン・テクトリジン・皮膚炎・胃腸炎)。ペット有毒(特に猫に注意)。 夏の季語。 花言葉・勝利・密会・忍び合い・用心深い。

 

クララ  マメ科  クララ属 

花6月-7月。 淡黄色。花は長細い蝶型・花は茎の途中から上に向かって順次咲いて行く。総状花序で下垂する。葉は披針形・羽状奇数複葉で小葉は互生・全縁。和名のクララは女性の名では無く、根を噛むとくらくらするほど苦いから。草丈50‐150㎝。本州・四国・九州と中国大陸に分布。生薬(生薬名は苦参(くじん)・利尿・消炎・鎮痒・健胃)。薬(農作物の害虫駆除・家畜の寄生虫駆除)。

絶滅危惧Ⅰ類(佐賀県)・絶滅危惧Ⅱ類 (東京都・愛媛県)・絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

クルマバハグマ(車葉白熊)  キク科  コウヤポウキ属

花8月-9月。白。筒状花・花冠が深く5裂・5裂した花弁が細く糸状に長く伸び、その先端がクルッと巻いている。筒の中心から雄蕊と雌蕊が角の様に出ている。そういう筒状花が鱗状の咢の中に数輪、花束に纏めた様に入っている。一つの咢内にある花を全部合わせて花径1㎝。円錐花序で十数個の花を着ける。葉は倒卵形で、茎の中ほどに7-8枚が輪生する。山野草・木間の乾いた場所に自生。草丈50‐80㎝。

絶滅(兵庫県)。絶滅危Ⅰ類(茨城県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)。絶滅危惧種(秋田県京都府)。

※ 倒卵形とは、基部が細く葉身の中心より葉先の方が幅広で丸味があり、葉先ですぼまっている葉の事を言う)。

 

クレマチス   キンポウゲ科  センニンソウ属 → カザグルマ(風車)参照

クレマチスセンニンソウ属全般の事を言い、中でも園芸品種で花が大きく見ごたえのある品種を指して言う事が多い。この中にはテッセン(鉄線or鉄仙)やカザグルマ(風車)も含まれる。

或いは逆に、クレマチスの事をテッセンやカザグルマと言う事も有る。花は春咲、四季咲、夏~秋咲、冬咲、と種類が豊富である。園芸品種は2,000種を超える。花弁は無い。花弁に見えるのは咢である。全有毒(ブロトアネモニン・サポニン・ラヌンクリン・皮膚炎・口内炎・嘔吐・胃腸炎・下痢)。ペット有毒(流涎・口腔炎・皮膚炎。嘔吐・下痢・目眩・胃腸粘膜爛れ)

 

クロバナロウバイ(黒花蝋梅)(ニオイロウバイ) ロウバイ科 クロバナロウバイ

花5月‐6月。チョコレート色。咢と花弁同色で八重咲。甘い芳香有り。葉は卵形で基部と先端が尖る・桜の葉の形・鋸歯無(全縁)。草丈0.5‐1m。北米原産。全強毒(特に種子)(カリカンチン・神経毒)(硬直性痙攣・血圧上昇・口から泡吹く・のけぞる・叫喚・致死)。ペット有毒花言葉・深い慈愛。

 

クルマバツクバネソウ(車葉衝羽根草)  シュロソウ科  ツクバネソウ属

花6月-7月。緑。花は常識的な形をしていない。有花茎の頂上に緑色の4枚の外花被片が水平に輪生して広がっている。外花被片は披針形をしていて、緑の葉っぱそのものの姿である。その真ん中に黒紫色の球がある。これが雌蕊の子房である。球を取り囲むように8本の雄蕊が上に向かって立ち上がっている。内花被片の花弁は糸のように細い。糸状の花弁は緑色の外花被片の間を抜けて垂れ下がり、陰に隠れてしまって発見しにくい。本来の葉は茎の中ほどに7-8枚で輪生。葉身は5-20㎝。輪生した所から花茎が伸び、天辺に上記の様な花を一輪咲かせる。葉は鋸歯無(全縁)。草丈20-60㎝。日本での分布・北海道・本州・四国・九州の山地や亜高山地帯の林内に生育。 漢方(漢方名・王孫(おうそん)・養生薬)。

絶滅危惧Ⅰ類(東京都。神奈川県・福井県徳島県高知県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県山形県・埼玉県・愛媛県)。絶滅危惧種(秋田県福島県)。地域個体群(新潟県)。情報不足(奈良県)

 

クルマユリ(車百合)  ユリ科  クルマユリ

花7月-8月。オレンジ色。花弁6枚・花弁に濃い斑点が有る。花粉は赤褐色・葉は披針形で茎に輪生。花径5―6㎝。草丈30-100㎝。高山帯や亜高山帯の草原に生育。日本・中国・朝鮮・ロシア北東部に分布。絶滅危惧1(東京都・神奈川県・奈良県徳島県)絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・福井県)

サドクリマユリ  絶滅危惧Ⅰ類(石川県)。

 

クロユリ(黒百合)  ユリ科  バイモ属

花6月-8月。暗紫褐色。花は釣り鐘状・花弁6枚・花弁長さ25‐30㎜。下向きに咲く。悪臭有り。茎は直立・単子葉植物・葉は披針形で、茎に数段に渡って輪生。草丈10-50㎝。北海道・千島列島・サハリン・米国に分布。本州では高山に生育。花言葉・恋・呪い。

クロユリでは下記の3種類が絶滅危惧種に指定されている。

エゾクロユリ 絶滅危惧Ⅰ類(岩手県)

クロユリ 絶滅危惧Ⅱ類(山形県)。地域個体群(新潟県)。絶滅危惧種(北海道)。

ミヤマクロユリ絶滅危惧Ⅰ類(山梨県)。絶滅危惧Ⅱ類(福井県)。絶滅危惧種(北海道)。

 

グロリオサ(つるユリ)(ユリグルマ)(キツネユリ) 

イヌサフラン科(ユリ科) キツネユリ属(グロリオサ属)

花7-9。白・赤・ピンク・オレンジ・黄・複色。 花は6弁。ユリの花弁を細くして強く反り返らせたような花の形をしている。球根多年草・つる性。巻きひげで物に掴まって成長する。落葉。原産地・アフリカ。全猛毒(コルヒチン・口腔・咽頭灼熱感・発熱・嘔吐・下痢・背部疼痛・臓器不全・致死)。根を山芋と間違えて摂取、死亡例有。少量でも致死量。ペット有毒(コルヒチン・致死)。球根一齧(かじ)りで致死量になる。犬・猫・小児・認知症の方への注意を怠らないように。

 

クワズイモ(喰わず芋) サトイモ科 クワズイモ属  

花5月-8月。 花は黄色を帯びた白。 花茎は15-25㎝。 仏炎苞は黄緑色でやや白みを帯びる。筒部は4—8㎝。 果実は赤くて丸い実の集合体。観葉植物・多年草。葉はハート形。地上部に出た根茎が独特の形をしているので、それも観賞の一つとされている。 草丈~1m。 全有毒(シュウ酸カルシュウム・悪心・嘔吐・下痢・麻痺・皮膚炎)。葉が里芋と非常に似ているので誤食例が毎年のようにある。ペット有毒(シュウ酸カルシュウム・口内炎・口唇炎・皮膚炎)。 花言葉・仲直り。

クワズイモでは下記の3種類が環境省のレッドデータに登録されている。情報不足と言うのは、どうやら生存も絶滅も確定できない消息不明の事らしい。

クワズイモ 絶滅危惧Ⅱ類(高知県・宮崎県)

シマクワズイモ 情報不足(鹿児島県)。

オキナワクワズイモ 情報不足(沖縄県)。

 

け -

コアジサイ(小紫陽花)(シバアジサイ)  アジサイ科  アジサイ

花6月-7月。淡紫色。本物の花弁5枚(普通のアジサイは咢片が転じて花弁の様に見えているが、コアジサイにはそれが無く、全て花弁)・花径4㎜・雄蕊は10本・雄蕊は長く、花径よりはみ出す。故にその集合体である花球全体が霞みの様に見える。枝先に複散房状に咲く。葉は卵形か倒卵形・鋸歯有り・葉身5-8.5㎝・シソの大葉に似る。日本固有種。関東以西~九州に自生。栽培困難。市販のコアジサイは交配種のもの。落葉広葉樹・樹高1-1.5m。花言葉・忍耐強い愛。

絶滅危惧Ⅰ類 (千葉県)。 地域個体群(新潟県)。

※ 倒卵形とは、葉先の方の丸味が大きく、基部の方の丸みが小さくてすぼまっているい葉の形を言う。例:カシワ(柏餅に使うカシワの葉。柏の葉は縁が波打っている(波状縁)が、全体の形は倒卵形である)・モクレン・コブシ等。

 

コウホネ(河骨)  スイレン科  コウホネ

花6月-10月。黄。 黄色い咢片5枚・咢片の内側に小さくて黄色い花弁多数。水生植物。花茎は水面より高く出で、花を空中に咲かす。葉は沈水・浮水・水上の三態があり、細長いハート形・ハートの切れ込みが直線的で鋭い。浅い水路や河川や湖沼に生息。

絶滅危惧Ⅰ類(群馬県・千葉県・神奈川県・愛知県・兵庫県徳島県・・熊本県)。 絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・茨城県大阪府香川県愛媛県高知県・福岡県・佐賀県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧種(岩手県・長野県・埼玉県・石川県・福井県滋賀県和歌山県鳥取県島根県大分県)。

上記のスイレンコウホネの外に、何々コウホネと言う絶滅の危機に瀕している種類は下記の通り10種有る。

オグラコウホネ・オゼコウホネ・サイコクヒメコウホネ・サイジョウコウホネシモツケコウホネ・ナガバコウホネ・ナガレコウホネネムコウホネヒメコウホネ・ベニオグラコウホネ

 

コエビソウ(小海老草)(ベロペロネ)  キツネノマゴ科  キツネノマゴ属

花5月-10月。赤・黄・白。花は筒状で唇形花。花径2-3㎝。樹高約2m。但し、日本では大きく育たず。花が赤色の苞に覆われ、小海老の尻尾に似ている。苞は鱗の様になって帯の様に連なる。葉は対生・卵形。常緑樹低木。日本の気候では冬に地上部が枯れるので、宿根多年草の「草」扱い。挿し木で殖やす。種からでも生育。枝が地面に接地した所からでも発根する。原産地メキシコ。熱帯植物。花言葉・ひょうきん・お転婆

 

コバイケイソウ(小梅蕙草)  シュロソウ科(メランチウム科)(ユリ科)  シュロソウ属

花6月-8月。 白。花弁6枚・梅の花弁に似る・雄蕊6本・小さい花が短い花柄で茎に密生・茎は分枝してそれぞれ長い円錐花序を形作る。一見白い泡の塔の様に見える。草丈約1m。亜高山や高山のお花畑などに良く群生する。葉は長楕円形(幅広なシランの葉に似ている)。全有毒(プロトベラトリン・嘔吐・痙攣・血管拡張・血圧降下・重篤の場合致死)。誤食による食中毒が毎年発生。高山植物

要注目種(福井県)。

 

コマクサ(駒草)  ケシ科  コマクサ属

花7月-8月。 淡紅色。 花弁4枚で外側2枚・内側2枚。外側2枚は花茎側の基部が大きく膨らみ、先端部は反り返っている。内側の2枚は細く、外花被に包まれるようにして長く外まで伸びている。花の長さの中央部が縊(くび)れている。花茎の高さ10‐15㎝。高山の砂礫地に生息。日本の中部高山帯から北海道・シベリアからカムチャッカ半島まで分布。かつて薬草の原料として売られ、一部地域で取り尽くされた事がある。全有毒(デイセントリン・プロトピン・嘔吐・体温の低下・呼吸麻痺・心臓麻痺)。花言葉・高根の花・誇り・気高い心・貴重品。

コマクサでは下記の2種類が絶滅危惧種に指定されている。

コマクサ 絶滅危惧Ⅰ類 (秋田県福島県群馬県)。 絶滅危惧Ⅱ類(岩手県山形県新潟県)。絶滅危惧種 (北海道・宮城県)。情報不足 (山梨県)。

シロバナコマクサ 絶滅危惧Ⅱ類 (北海道)

 

サギソウ(鷺草)(サギラン)  ラン科 サギソウ属(ミズトンボ属)(ハベナリア属)

花7月-9月。白。花径3㎝。鷺が翼を広げて飛翔する様子に似ている。翼に当たる花弁は、唇弁が三つに分かれた内の左右の二つで先が羽根の様に細かく裂けている。真ん中は流線形で、胴体に見える。花茎の先に1-5輪の花を咲かせる。葉は細長い剣状。日当たりの良い湿地を好む。盛んに市販されているが、ウィルス感染し易く長く健全に育てるのは困難を極める。大抵は枯らす。故に業者や観光客による盗掘・乱獲あとを絶たず、自生地は壊滅状態。

ラン科サギソウ属の内、環境省レッドリストに挙げられ、絶滅の危機に瀕している種類が下記の16種ある。

オオバナオオヤマサギソウ ・ オオヤマサギソウ ・ サギソウ ・ シマツレサギソウ ・ タカサゴサギソウ ・ タカネサギソウ ・ タコガタサギソウ ・ ダイサギソウ ・ ツレサギソウ ・ テツオサギソウ ・ ハシナガヤマサギソウ ・ ヒュウガトンボ ・ マイサギソウ ・  マンシュウヤマサギソウ ・ ヤマサギソウ ・ リュウキュウサギソウ

これ等の植物の中には、サギソウの名が語尾についていても、その殆どの花が鷺の鳥の様な形をしていない。が、何れも和の風情を湛(たた)えているので、好事家の標的にされ易い。生育地の開発などで激減したと言われているが、それならば、狙い撃ちされた様にこの種だけが大きく偏って減っている理由にはならないと思う。上記の16種のどれもが何らかの絶滅危惧種に指定されている。その中で代表的なものをピックアップする。

オオバナオオヤマサギソウ 環境省カテゴリ1A類(CR)。 絶滅(埼玉県)。絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県・山梨県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(静岡県)。

オオヤマサギソウ 絶滅(東京都)。絶滅危惧I類(神奈川県・山梨県・石川県・三重県・都府・大阪府和歌山県兵庫県香川県・宮崎県・熊本県)。絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・静岡県・愛知県・滋賀県徳島県山口県大分県)。絶滅危惧種(岩手県茨城県富山県奈良県岡山県広島県)。情報不足(福岡県)。

サギソウ 環境省カテゴリ・準絶滅危惧(NT)。 絶滅(群馬県・東京都・山梨県徳島県高知県)。絶滅危惧Ⅰ類(北海道・秋田県岩手県山形県宮城県福島県茨城県・千葉県・新潟県・長野県・富山県・石川県・岐阜県福井県京都府奈良県和歌山県鳥取県島根県香川県愛媛県・福岡県・大分県長崎県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・静岡県・愛知県・三重県大阪府兵庫県岡山県広島県山口県・佐賀・熊本県)。絶滅危惧種(滋賀県)。

ダイサギソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅(神奈川県)。絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・静岡県和歌山県香川県高知県・福岡県・佐賀県長崎県大分県・宮崎県・熊本県・鹿児島県)。情報不足(石川県)。
 お願いだから、もうこれ以上採取しないで。個人的趣味でサギソウの挿花や鉢を自慢する人を見ると、悲しくなります。

もののあわれを知るならば そっと野に置けサギの花

 

ザクロ(石榴/柘榴)  ミソハギ科  ザクロ属

花6月。朱赤。花弁6枚・花弁には皺が有る。雄蕊多数・離弁花。咢も朱赤で筒状・咢の上縁が6裂。枝先に花を数個つける。葉は長楕円形か倒長卵形・葉身4㎝。枝に棘有り。液果は球形・果皮は革質で堅い。中にルビー色の実が粒になって入っている。果実・落葉小高木。外側の堅い果皮は有毒(ペレチエリン・下痢・吐き気・中枢神経異常・目眩)。 生薬(生薬名(石榴皮(せきりゅうひ)・石榴根皮(せきりゅうこんぴ)・ぺレチエリン・スペウドペレチエリン・タンニン・駆虫・細菌性やアメーバー性腸炎の下痢に有効・対性器出血や脱肛・対口内炎や虫歯)。花言葉・優美・円熟した優美・優雅な美しさ・愚かしさ

 

ササバギンラン(笹葉銀欄)  ラン科  キンラン属

花5月-6月。咢片白・側花弁白。花は完全に開花する事はない。咢片3枚が上と左右横から、側花弁2枚と唇弁と葯を包み込むようにして咲いている。咢片1㎝前後。唇弁の付け根に短い距がある。花柄(かへい)はねじれて茎に着く。花柄の付け根に線形状の長い包葉がある。茎に毛がある。有花茎(ゆうかけい)。葉は披針形で茎を抱く。草丈30-50㎝。山地の樹林下に自生。

絶滅(香川県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅰ類(滋賀県三重県奈良県徳島県高知県愛媛県山口県長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(石川県・福井県京都府岐阜県兵庫県鳥取県岡山県大分県)絶滅危惧種(埼玉県・東京都・千葉県・愛知県)。

※ 花柄とは、花と茎を繋ぐ連絡通路。例:桜の花と枝を結ぶ短い茎。

※ 有花茎とは、花茎が花のみを咲かせる茎ならば(例:タンポポ)、有花茎は、葉も花も同軸上の茎に着ける茎の事を言う。

 

ササユリ(笹百合)  ユリ科  ユリ属

花5月-7月。 淡紅色・稀に白。 花弁6枚・花弁の長さ10‐15㎝・花の形はロート状。花弁の先は反り返る。花粉は赤褐色。葉は披針形・笹の葉に似る。種は風に運ばれる。種が着地した移動先で発芽するのは2年後の春である。それから開花する迄7年かかる。山地の草原や日当たりの良い疎林に生育。日本固有種。

絶滅危惧Ⅰ(山梨県香川県徳島県高知県大分県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県愛媛県)。 絶滅危惧種(長野県・石川県・三重県奈良県)。

 

サツキ ツツジ科 ツツジ属 

→ ブログ№198茶花総覧(3) 春(タ行~わ行)の内、ツツジのグループ・ツツジ④サツキ(映山紅)参照の事。

 

サツキウメ(五月梅)

→ブログ№200茶花総覧(5)  夏(た行~わ行)の内、バイカウツギの条を記載する予定です。

 

サラシナショウマ(晒菜升麻)   キンポウゲ科  サラシナショウマ

花8月-10月。白。雄花と雌花が有る。花弁3-5㎜、花柄(かへい)5―10㎜。総状花序で茎にぎっしりと着く。花穂の長さは20-30㎝。開花時に花弁と咢が共に落下、花蕊(かずい)だけになり、(しべ)花糸(かし)が密集している様子が、瓶を洗うブラシに似る。3回3出羽状複葉(うじょうふくよう)互生(ごせい)・草丈40-150㎝。生薬・漢方薬・(薬名・升麻(しょうま)・乙字湯・小魔葛根湯等々)・発汗・解熱・解毒・対胃炎・対腸炎・消化不良改善)

絶滅危惧I類(鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(東京都・香川県)要注目種(京都府)

※ 花蕊とは、雌蕊雄蕊の事である。

※ 花糸とは、雄蕊の先端にある葯(やく(花粉の入っている袋))を支える柄である。

※ 3回3出とは、葉軸(ようじく)に頂葉・左葉・右葉の3枚の小葉(しょうよう)が着いたものをワンセットとすると、そのセットが3回現れた葉序を3回3出と言う。(例:ナンテンの葉の様な形)

※ 羽状複葉とは、葉軸の左右に小葉が何枚も並んで付き、鳥の羽根の様に見えるもの。例:バラの葉やオジギソウの葉等。

※ 互生とは、葉が重ならない様に互い違いに葉が茎に付く事。

 

サラソウジュ   サラソウジュという固有名詞を持つ植物は存在せず。

サラ(沙羅)の樹はフタバガキ科・コディアウエム属のインド原産の常緑高木である。樹高30mにも達し、花は5弁で白に近い薄黄緑色。花径2㎝。総状円錐花序。花の時期になると、樹が白い花の雲に覆われてしまうのではないかと思う程に花が溢れ、芳香を放つ。双樹と言うのは二本の樹と言う意味。サラノキは種を風に飛ばし、群落を作る。生息域はインドのヒマラヤ山脈のふもとの熱帯雨林。日本では育たない。日本では白い椿をサラの樹に見立ててサラソウジュとしている。或いはナツツバキと呼んでいる。→ ナツツバキ参照(次回のブログ№200で掲載予定)。

 

サルビア(緋衣草)(スカーレット・セージ) シソ科 アキギリ属(サルビア属)

花6月-11月。赤・ピンク・白・紫・複色。花は唇形花(しんけいか)で筒型・咢も筒型で花と同色・花は1日花で咲き終わると落花するが、咢がそのまま茎に残るので、何時までも花が咲いている様に見える。茎の上方に穂状花序(すいじょうかじょ)を出し、花は間隔を密にしながら段々状に上に向かって咲いて行く。葉は広卵形(こうらんけい)鋸歯(きょし)あり・葉身7㎝前後。草丈1m(花壇用矮性では30―50cm)。1年草と宿根多年草がある。ブラジル原産。弱有毒(サルビノリンA・幻覚作用)。ペット有毒(嘔吐・下痢・発熱・痙攣重篤の場合は致死)。花言葉・尊敬・知恵・よい家庭・家族愛。

※ 唇形花(しんけいか)とは、シソ科に見られる特徴的な形の花を言う。花弁が合着して筒状になり、筒先が大きく上下に割れる。下の裂片は唇を突き出す様になっており、上の裂片はそれに傘を翳(かざ)す様に被さっている。(例:ホトケノザサルビア)

※ 穂状花序(すいじょうかじょ)とは、主軸が長く伸び、花柄が無く、花が直接茎に密着して穂の様に長く連なって咲く花のタイプを言う。例:オオバコ・ミズヒキ・グラジオラス。

※ 広卵形(らんけい)とは、広い幅の卵形の葉の事を言う。卵形は葉身の半分よりも基部に近い方が丸味が大きく、半分よりも葉先の方が丸味が小さい葉の事を言う。披針形(基部の方が幅が広いが、茎に着く直前に急に楔形になる葉)に近いが基部で楔形にはならず、丸味を帯びたまま茎に着く。

※ 鋸歯(きょし)とは、葉の縁にあるギザギザの事。

 

サワトラノオ(沢虎の尾)  サクラソウ科  オカトラノオ

花4-5月。白。花弁5―6裂・花弁の先は丸くなり、梅紋の様な形・花径7-8㎜。 雄蕊5本・葯は暗赤紫色・花柄有り・総状花序で密に咲く。葉は長倒卵形か広線形・葉身2-4.5㎝。互生・茎は直立・草丈40-80㎝。低湿地・水辺の湿地に生育。日本での生育地は限られている。本州で3県、九州で3県のみ生息が確認できる。サワトラノオ生育地の湿原保護活動がある。環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅(東京都・神奈川県)。絶滅危惧Ⅰ類(埼玉県・静岡県大阪府・福岡県・佐賀県熊本県・宮崎県)。絶滅危惧2類(鹿児島県)。情報不足(富山県広島県)。

茶花総覧にサワトラノオをリストアップするのは、この花を茶花に推奨している様で罪悪感がある。どうか採取しないで欲しい。飾らないで欲しい。サワトラノオばかりではない。その外の多くの絶滅危惧種の花々を己の趣向のために切らないで欲しい。その生命を彼等の子孫と私達の子孫のために永らえさせてやって欲しい。見えない所で賢明に保護活動をしている人達もいる。もし願えるならば、このブログでリストアップした絶滅危惧の名前については、不採取の特記事項の枠に納めて、留意して欲しい。

 

サンザシ(山査子)   バラ科  サンザシ属

花4月-5月。白。芽吹きと共に開花。花弁5枚。形は梅の花に似る。芳香有り。葉は1㎝以下の倒卵形で粗い目の鋸歯有り。茎に棘有。落葉広葉樹低木・樹高1.5-3m。漢方薬(漢方名(加味平胃散(かみへいいさん)・啓脾湯(けいひとう))・対高血圧薬・健胃として]。生薬(生薬名(山査子)・健胃・消化・止瀉・鎮静・慢性下痢・産後腹痛に効能・出血性下痢/西洋サンザシ・強心薬・対扁桃炎・対消化不良)。西洋サンザシ有毒(副作用有り・目眩・吐気・消化器症状・心疾患薬との不整合)。 栄養(オレアノール酸・フラボノイド・カロテン・ビタミンC等)。果実酒・お菓子・調味料・ドライフルーツ等。花言葉・希望・新しい光・唯一つの愛・慎重。 

サンザシの絶滅が懸念されている種は2種ある。

アラゲアカサンザシ 情報不足(北海道)。

クロミサンザシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類・絶滅危惧Ⅰ類(北海道・長野県)。

 

サンスベリア(虎の尾)(千歳蘭)  キジカクシ科  ドラセナ属

多肉観葉植物。葉に黒味を帯びた濃緑色の横段縞がある。花期 ? (稀に咲く)。花は白。花茎の上方に糸くずを束ねた様な花を穂状花序で着ける。花は夜開花・芳香有り。葉は肉厚の葉物。原産地・アフリカの乾燥地帯。乾燥に強い。無毒説と有毒説が混在。要は摂取量の多少に依るようである。含有しているサポニンは、これまでの植物リストを読むと分かるように、生薬に含まれている場合も有るし、又、有毒成分の一つでもある。毒も薬であり、薬も毒である。普段飲用している日本茶にも或いは抹茶にもサポニンは含まれている。ペット有毒(サポニン・胃腸障害・吐気・嘔吐・下痢)。 花言葉・永久・不滅・幸福・開運。 トラノオ参照(次回ブログ№200茶花総覧(5)夏(た行~)でも同文で再記載の予定)。

 

サンリンソウ(三輪草)  キンポウゲ科  イチリンソウ

花5月-7月。白。花弁5枚。但し、5枚の花弁と見えているのはいずれも咢。花径2㎝。1本の茎が途中で分枝(ぶんし)して3輪の花が咲くと言うが、例外多々・1~5輪の場合も有り。根から直接出る葉(根生葉)は3出複葉(吸い物に使う三つ葉の形)で鋸歯深裂・葉柄有。茎に着く葉も3出複葉だが、鋸歯の切れ込みが更に深くなる。輪生。トリカブトの葉に似ている。草丈15‐30㎝。落葉広葉樹林の下や林縁に見られる。有毒(成分不明。鹿が食べない・有毒植物が多いキンポウゲ科の植物なので、用心必要)。北海道・本州中部に分布。花言葉・友情・協力。

絶滅危惧Ⅰ類(山形県・埼玉県・福井県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県福島県岐阜県)。絶滅危惧種(北海道・岩手県)情報不足(岡山県)。

 

ジキタリス 旧分類では ゴマノハエグサ科  ジキタリス属 

        新分類(APG)では  オオバコ科  ジキタリス属

花5月- 7月。 白・ピンク・オレンジ・黄・紫・茶・複色。 二年草(本来宿根草)。草丈30-180㎝。花茎が真っ直ぐ伸び立ち、釣り鐘状の花を穂状にびっしり付ける。全有毒(ジキトキシン・ギトキシン・胃腸障害・嘔吐・下痢・不整脈・頭痛・目眩・心機能停止・重篤の場合は致死)。薬(ジキトキシン・うっ血性心不全治療薬)。コンフリーと間違えて誤食のケースが多い。 ペット有毒  花言葉・不誠実・熱愛。

 

シペラス  カヤツリグサ科 カヤツリグサ属(シペラス属)

観葉植物。シペラスの葉は古代エジプト紙・パピルスとして使われていた。水生植物。茎の断面は三角形・茎で直立。葉は線状で、茎の頭頂から放射状に出葉・打ち上げ花火の姿に似る。シペラスの草丈1.5-2.5m。清涼感を誘う、或いは寂寥感を演出。原産地アフリカ。

※ ブログ№200茶花総覧(5)夏(た行~は行)の中でも同属のヒメシペラスについて触れている。内容は多少の違いはあるがほぼ同じ。

 

シマアシ(縞葦(しまあしorしまよし))(リボングラス) イネ科  クサヨシ属

花5月-7月。淡緑色 or 淡紫色。茎頂に約15㎝位の円錐花序の穂を咲かす。草葦(くさよし)の葉の覆輪斑入りの種をシマアシorシマヨシと言う。葉は線形・草丈70-180㎝。日当たりの湿地を好む。北半球の温帯に分布。茶花(ちゃばな)として鑑賞するのは専(もっぱ)ら花ではなく葉の方。

 

シモツケ(下野)(木下野(きしもつけ))  バラ科  シモツケ

花5月-8月。 ピンク・赤・白。花弁5枚・花弁の形は梅の花に似る・花径3-6㎜・両性花・今年出た枝先に複散房花序で花が咲く。葉身1-8㎝・幅2-4㎝・披針形(ひしんけい) or 卵形(らんけい)で互生・葉裏の葉脈は隆起・葉質は堅め・葉の先端が尖る。株立ち・樹高0.2‐1m。落葉低木。ペット有毒(アセトアルデヒト・プロピオンアルデヒト・クロゲン酸・カフェイン酸・嘔吐・下痢・発熱・痙攣・意識障害・呼吸困難)。花言葉・無言の愛。

バラ科シモツケ属の内、環境省レッドリストに挙げられ、絶滅の危機に瀕している種類が下記の13種がある。

アイズシモツケ ・ アイヅシモツケ イブキシモツケイワシモツケ ・  ウスゲオニシモツケ ・  ウラジロイワガサ ・ エゾシモツケ ・  エゾノシロバナシモツケ ・ オニシモツケ ・ オニホソバシモツケ ・ キイシモツケ ・ キビノシモツケ シモツケ

上記の13種の内、代表的なものをピックアップする。

イブキシモツケ 絶滅危惧I類(和歌山県)絶滅危惧Ⅱ類(三重県)絶滅危惧種(岐阜県奈良県香川県・福岡県)分類上重要種(滋賀県)。→イブキシモツケ参照。

イワシモツケ 絶滅危惧I類(福島県茨城県・埼玉県・山梨県・愛知県)。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・石川県・東京都)絶滅危惧種(滋賀県)。

シモツケ 絶滅危惧I類(奈良県)絶滅危惧Ⅱ類(京都府兵庫県岡山県徳島県)準絶滅危惧種(島根県広島県愛媛県・福岡県)その他重要種(滋賀県)。

※ 複散房花序とは、散房花序(花軸の先に、幾つもの花柄(かへい)が少しずつ間隔を開けて着き、頭頂で水平または半球状に花が並ぶもの)が複数集まったもの(例:フジバカマ)

※ 披針形とは、鈹鍼で使う刃針(はばり)を披針と言い、その披針は両刃で平たく細く、手元が少し幅広く、先が尖っている形をしている。そういう形をした葉の事を披針形と言う。(例:リンドウ・ヒャクニチソウ・ゲッケイジュ等々)

※ 卵形とは、葉元が幅広で丸味を帯び、葉先も丸味を帯びているが葉元よりも幅が小さい葉の事を言う。

 

シモツケソウ(下野草)(草下野)  バラ科  シモツケソウ属

シモツケは「」であり、シモツケソウは「」である。同科同属で非常によく似ている。

花6月-8月。淡紅色。花弁3-5枚・雄蕊多数で花弁より長い・咢片4—5個で卵形。葉は掌状(カエデの葉の様)で切り込みが深い。鋸歯有り。シモツケと下野草の見分け方は、シモツケの葉は披針形か卵形、シモツケソウの葉は掌状。多年草。日当たりの良い山地のやや湿った草地を好む。本州・四国・九州に分布・日本固有種。花言葉・控えめな可愛さ・純情・穏やか。

絶滅危惧Ⅰ 類(愛知県・三重県奈良県・福岡県・熊本県・宮崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類 (京都府兵庫県山口県)絶滅危惧種(宮城県新潟県岡山県大分県)分布特性上重要(滋賀県)。天然記念物(伊吹山頂草原植物群落)。採取・損傷禁止植物指定(吉野熊野・大山隠岐阿蘇九重の各国立公園。鈴鹿国定公園・氷ノ山後山那岐山(ひょうのせん うしろやま なぎさん)国定公園)。

シモツケソウでは上記の外に絶滅危惧種に指定されている種が2種ある。

アカバシモツケソウ(絶滅危惧Ⅱ類(福島県))  シコクシモツケソウ(環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(vu))である。

→ シモツケ(木)と、シモツケソウ(草) & キョウガノコ(草) & ナツユキソウ(草)は酷似。(ナツユキソウ(花は白色)は次回ブログ№200に記載予定))

 

シャガ(射干)(胡蝶花)  アヤメ科  アヤメ属

花4月—5月。白地に紫と黄の斑点。園芸品種には薄紫色や淡紫色有。花は小さいアヤメの形。草丈50‐60㎝。葉は剣状で艶が有る。葉は斜めに傾く性質が有る。根茎で横に伸び群落を作る。自生場所は人里近くの林間に生育。山野草。中国原産。ペット有毒(テルペノイド・嘔吐・下痢・倦怠感・涎・血便)。

 

シャクナゲ(石楠花) 

→ブログ№198茶花総覧(3)春(た行~ワ行)の内ツツジのグループ⑤のシャクナゲ(石楠花)を参照の事。

 

シャクヤク(芍薬) (花の宰相)  ボタン科 ボタン属

花5月-6月。 紅・桃色・紫紅色・白・黄など花色多彩。一重咲・八重咲・千重咲。花径10-20cm。有花茎は直立・茎頂に花を咲かせる。芽吹きの頃の葉は赤茶色・成長すると緑色になる。茎は束出。葉は2回3出羽状複葉・小葉は披針形 or 卵形・鋸歯は無・葉に艶有り・無毛・芳香有り。草丈0.5‐1m。 シベリア・中国・モンゴル原産。牡丹の接ぎ木用の台木に利用。薬用(ペオニフロリン・アルビフロリン・ガロンタンニン・消炎・鎮痛・抗菌・止血・浄血・抗痙攣)

シャクヤクには園芸品種の上記の芍薬の外に、野生種の芍薬が下記の通りに有る。

ケナシベニバナヤマシャクヤク 絶滅危惧Ⅰ類 (茨城県大分県)

ヤマシャクヤク  絶滅危惧Ⅱ類 (茨城県)。

ベニバナヤマシャクヤク  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧Ⅰ類(北海道・青森県・岩手県山形県福島県茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・山梨県・長野県・新潟県静岡県・愛知県・三重県滋賀県富山県三重県京都府大阪府奈良県岡山県広島県鳥取県島根県山口県香川県愛媛県高知県徳島県・宮崎県・熊本県)絶滅危惧Ⅱ類 (宮城県兵庫県)情報不足(岐阜県)

ヤマシャクヤク    環境省カテゴリ・準絶滅危惧種(NT)。絶滅(千葉県)絶滅危惧Ⅰ類 (山形県・栃木県・群馬県・東京都・富山県・石川県・大阪府和歌山県・福岡県・大分県佐賀県長崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(青森県岩手県宮城県福島県茨城県・埼玉県・新潟県・長野県・岐阜県・愛知県・三重県福井県京都府岡山県香川県山口県)絶滅危惧種(北海道・秋田県・神奈川県・山梨県静岡県滋賀県奈良県鳥取県広島県徳島県熊本県・宮崎県)。

 

ジャーマンアイリス → アヤメのグループの内 アヤメ⑥のジャーマンアイリスの条参照

 

ジュズサンゴ(数珠珊瑚)(リビナ) ヤマゴボウ科(ジュズサンゴ科) リビナ属

花6月-10月。淡紅色~白。花弁4枚・花径5㎜内外・花弁の形は痩せ型楕円形or倒披針形・総状花序・花序の長さ4—15㎝・花と果実が混在・果実の色は真っ赤で艶が有る。実の色にピンク・黄色も有り。葉は卵形~楕円形。草丈60㎝。半蔓性・多年草(温帯地方では1年草)・道端や森林内の湿り気のある半日陰、北米南部原産・アフリカ・アジアにも分布。全有毒(成分未分析・喉と胃の灼熱感・口内痺れ・咳・喉の渇き・嘔吐・下痢)。ペット有毒(成分未分析・嘔吐・下痢・腹痛・脱水症状・ショック症状・重篤の場合は致死)。人に無毒の記述も有るが、猛毒のヨウシュヤマゴボウと同じ科なので用心肝要。花言葉・ひたむきな姿勢・移り気。

 

ジョチュウギク(シロバナムシヨケギク)(白花除虫菊)  キク科 ヨモギギク属 

花5月—7月。 白。 宿根草。 マーガレットの様な花。葉は春菊に似ている。草丈40-60㎝。ペット有毒(ピレトリン・くしゃみ・鼻炎・咳・悪心)。但し、かなり大量摂取しないと中毒症状は現れないと言われている。花言葉・忍ぶ恋・清楚。

 

シャリンバイ(車輪梅)  バラ科  シャリンバイ属

花4月-6月。白or淡紅色。花弁5枚・梅の花に似る・花径1-1.5㎝・両性花。葉は楕円形・厚手で艶有り・葉身4-8㎝・真上から見ると、枝先を葉が車輪の様に取り囲んでいる。横から見ると互生しているのが分かる。海岸の日当たりの岩などに生育。有用材・大気汚染や乾燥に強く道路・生垣などに植栽。大島紬の黒色の染料。薬(消炎・潰瘍・打撲(外用)。

シャリンバイには下記の3種が有る。

シャリンバイ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県福島県)絶滅危惧Ⅱ類(鳥取県)要注目種(宮城県)

ホソバシャリンバイ 絶滅危惧種(鹿児島県)

マルバシャリンバイ 絶滅危惧Ⅰ類 (秋田県)絶滅危惧Ⅱ類(石川県)絶滅危惧種(鹿児島県)地域個体群(新潟県)。

 

シライトソウ(白糸草)  シュロソウ科 シライトソウ属

花5月-6月。白。花弁6弁の内、4弁が6-10㎜前後、残りの2弁は1-2㎜前後で花茎に密着。長い4弁は細長い糸状・糸状の先端がスプーンの様に少ししゃくれて曲がっている・小さい茶杓の様・花弁の長さ6-9㎜・雄蕊6個。雌蕊の花柱は3裂・花茎は直立して25-65㎝。花は穂状花序(すいじょうかじょ)で密集。花序の長さは~10数㎝。一見試験管洗浄ブラシに似ている。葉は根元からロゼット状に生え、長楕円形又は倒披針形・葉身8-14㎝。秋田県以西・本州・四国・九州山地と韓国に分布。

シライトソウには下記の8種が有ります。

アズマシライトソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧種Ⅰ類(埼玉県・東京都)。

キイヒメシライトソウ 情報不足(三重県奈良県)

クロカミシライトソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(佐賀県)。

クロヒメシライトソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(秋田県)絶滅危惧Ⅱ類(新潟県)

シライトソウ 絶滅危惧Ⅰ類(長野県・長崎県)絶滅危惧Ⅱ類(福岡県)絶滅危惧種

(京都府佐賀県)分類特性上重要種(鹿児島県)

チャボシライトソウ  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧I類(静岡県・愛知県・三重県和歌山県徳島県山口県・宮崎県)絶滅危惧Ⅱ類(奈良県高知県・鹿児島県)

ミノシライトソウ   環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB類(EN)。 絶滅危惧Ⅰ類(岐阜県)

ヤクシマシライトソウ  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

 穂状花序とは、花柄が無く、花が直接茎に密着し、穂の様に長く連なって着つくもの。

 

シラタマユリ(白玉百合)(シロカノコユリ)(シロバナカノコユリ)(翁百合)  

               ユリ科 ユリ属

花7月-8月。白。花は基部より反り返る。カノコユリが白色化したもの。カノコユリにある赤紫色の鹿の子模様の斑点が無く、その代り、真っ白な小さな突起が花弁内側に点在している。葯は赤橙色。葉は長卵形又は披針形・有花茎の上方で分枝を何回か繰り返し、その都度分枝の先に花を着ける。草丈1-1.5m。花言葉・荘厳・威厳・上品・慈悲深さ。→参考カノコユリ

 

シラネアオイ(白根葵)(山芙蓉)(春芙蓉) キンポウゲ科  

花5月-7月。紫・赤紫・白。花弁に見えているのは咢片(花弁無)4枚・花径(かけい)7-8㎝。有花茎(ゆうかけい)が地上部に一本立ちして、茎頂に花を咲かせる。葉は掌状で基部は心形・二重鋸歯・草丈20-30㎝。高山植物。日本固有種。

絶滅危惧Ⅰ類(福島県・栃木県)。絶滅危惧Ⅱ類(北海道・群馬県・長野県)。準絶滅危惧(秋田県宮城県富山県)。

 花とは、花の直径のこと

※ 有花とは、花茎に花も葉も着ける茎(くき)の事を言う。例:キク。

(参考:花茎とは花だけを着ける茎の事を言う。例:タンポポ。)

 

シラン(紫欄)(ベニラン)  ラン科 シラン属

花4月―6月。 紫紅色・白。草丈40-70㎝・総状花序。日向(ひなた)・半日陰・乾燥・過湿に強い。家庭園芸盛ん。栽培種は増えているが、自生種は絶滅危機多年草。原産地・日本・台湾・中国。

環境省レッドリスト・準絶滅危惧(NT)絶滅(群馬県)絶滅危惧Ⅰ類(福島県茨城県・埼玉県・山梨県京都府大阪府愛媛県熊本県)絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・千葉県・和歌山県岡山県香川県)絶滅危惧種(神奈川県・静岡県・愛知県・滋賀県三重県奈良県徳島県・福岡県・大分県・・宮崎県)情報不足(富山県兵庫県・鹿児島県)。

 

スイカズラ(金銀花)(忍冬(にんとう)) スイカズラ科 スイカズラ

花5月-7月。白から黄色へ変化。花は筒状花(とうじょうか)で上下に二裂・上は唇状で4つに浅裂・下弁はへら状で下へ反り返る。花は葉腋から二輪ずつ咲く。蜜は甘い。芳香有り。葉は卵形・つる性植物。蔓の長さ5―17m。果実9月-12月。果実の色は熟すと青黒く光沢があり、2個ずつなる。 漢方薬(蕾から作る生薬名は金銀花)(葉と茎から作る生薬名は忍冬(にんとう)(忍冬藤(にんどうとう))(セリルアルコール・イノシートル・利尿・解熱・鎮痛薬・化膿症・解毒・浄血・腰痛・関節痛・打ち身・あせも・入浴剤)。 花言葉・愛の絆・献身的な愛。

スイカズラには下記の2種が知られています。

スイカズラ   分類上重要種(鹿児島県)。

ヒメスイカズラ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県・沖縄県)。

※ キンギンボク(金銀木)(=ヒョウタンボク(瓢箪木)) と キンギンカ(金銀花)(=スイカズラ(吸葛))は似ているので間違え易い。同科同属であり、花もほぼ同形同色。キンギンボクは低木であり、キンギンカはつる性低木である。

 

スイレン(睡蓮)(水連)  スイレン科  スイレン

花5月-10月。白・黄・ピンク・赤・複色。花弁は5枚以上・花は水底から花茎を伸ばし、水面か水面より上に出て開花。水底の地下に根を張り、葉は水中(沈水葉)や水面に浮かぶ浮水葉、水面から突き出る抽水葉の三態がある。葉形は円形又は楕円形で基部は深く切れ込みハート形になる。スイレンスイレン属50種ほどの総称。日本に自生しているスイレンヒツジグサのみの一種類である。後は園芸品種。

→ ヒツジグサ参照(ブログ№20茶花総覧(5)夏(た行~ )に掲載予定。

 

スズカケソウ(篠懸草)(鈴懸草) ゴマノハエグサ科 クガイソウ

花7月-8月。紫。筒状花(ヤグルマソウの小花一つの形)が葉腋毎に10-20個纏まって咲く。花柱が長く葯(やく)が橙色で目立つ。一見毛玉のポンポン。山伏の着ける篠懸に見立てたネーミング。葉は卵形。葉も茎も毛深い。蔓性の山野草。  境省絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(岐阜県徳島県)

 

スズラン(鈴蘭) キジカクシ科(クサスギカズラ科) スズラン属

花5月-6月。白。一本の花茎に釣鐘の様な白い花が並んで釣り下がる。芳香有り。全猛毒(コンパラトキシン・コンパラマリン等38種の毒。嘔吐・頭痛・めまい・心不全・血圧低下・心臓麻痺・致死。青酸カリを上回る毒性)。注意: 鈴蘭を触って花粉が手に付着する可能性が有るので、鈴蘭を扱った後は必ず手を良く洗う事。鈴蘭を挿した花瓶の水も要注意。行者ニンニクと似ているので誤食をして、中毒を起こす例が跡を絶たない。ぺっト有毒・馬・牛などに対しても有毒・危険

絶滅(埼玉県・富山県)絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県静岡県奈良県熊本県)絶滅危惧Ⅱ類(宮城県福島県茨城県・栃木県)地域個体群(新潟県)情報不足(兵庫県)。

スズランには上記の外に絶滅に瀕している種が下記の通り2種有ります。

エゾスズラン 絶滅(兵庫県)絶滅危惧Ⅰ類(山形県・石川県・三重県奈良県岡山県広島県徳島県高知県大分県熊本県・宮崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(宮城県・埼玉県・東京都・神奈川県・新潟県富山県滋賀県)絶滅危惧種(秋田県)。情報不足(茨城県岐阜県)

ミスズスズラン 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧種Ⅰ類(青森県岩手県・栃木県・群馬県・埼玉県・山梨県・長野県・静岡県)

 

ストレチア(極楽鳥の花)(ストレリチア)  バショウ科 ストレリチア

花5月-9月。オレンジと黄色と紫。極楽鳥に似る。花茎の頂上に花は一つ。咢が横に曲がり、それを突き破って上に花を咲かせる。一葉一茎で根元から茎立・茎の分枝無し・葉は卵形・長くて硬い葉柄を持つ。草丈1-2m。観葉植物・南アフリカ原産。花言葉・輝かしい未来・寛容。ペット有毒(有毒化学物質無し。但し、植物細胞内に針状のシュウ酸カルシュウムがあり、嘔吐・眠気・口内炎や消化管の炎症が起きる) 

 

スパイダーリリー → スパイダーリリーはヒメノカリスとして茶花総覧シリーズの夏編(た行~ワ行)に記載予定。

 

スパティフィラム  サトイモ科 ササウチワ属

花5月-10月。白。花と見えるのは咢の仏炎苞(ぶつえんほう)。花は仏炎苞の中から突き出ている黄色い棒の様なもの(花の集合体・肉穂花序)。観葉植物。草丈30-80cm。ペット有毒(シュウ酸カルシウム・口や舌や唇の痛み・嘔吐・口内炎・唾液過多・嚥下困難)。 花言葉・上品な淑女・清らかな心。

 

スモークツリー(ハグマノキ)  ウルシ科  ハグマキノキ属

花6-8月。 緑・赤。 花序が長く無数に枝わかれして出る。花序の長さが20㎝くらいになる。花が終わった後、花の柄が伸び、遠くから見ると煙のように見える。雌雄異株。 原産地・ヨーロッパ・ヒマラヤ・中国。漆の仲間なのでかぶれる。有毒(ウルシオール・肌の弱い人は皮膚炎症)。ペット有毒。 花言葉・煙に巻く・賢明・賑やかな家庭・はかない青春。

 

セッコク(セキコク)(石斛)(長生蘭)(スクナヒコグスリ)  ラン科 セッコク

花5月-6月。白・淡紫紅色。花に見える弁は6枚(背咢片1・側咢片2・側花弁2・唇弁1・葉は長楕円形又は倒卵形。偽鱗茎or偽球茎と呼ばれる太った茎(バルブ)があり、バルブで栄養や水分を蓄える。セッコクはラン科の種類で言えばデンドロビウムの仲間である。日本・朝鮮半島・中国に分布。 薬(デンドロビン・ノピロニン・デンドロキシン・解熱・強壮・健胃作用・口渇や食欲不振や胃腸障害の改善・対インポテンツ)。「スクナヒコグスリ」の別名は日本神話の医薬の神様・少彦名神(すくなひこなのかみ)に由来する。

絶滅危惧Ⅰ類(岩手県宮城県群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県新潟県・長野県・岐阜県・石川県・福井県滋賀県大阪府和歌山県兵庫県香川県長崎県)絶滅危惧Ⅱ類(福島県茨城県・東京都・京都府奈良県岡山県鳥取県島根県山口県徳島県愛媛県・福岡県・佐賀県大分県)絶滅危惧種(栃木県・静岡県・愛知県・三重県広島県・鹿児島県)。

セッコクには上記の外に絶滅に瀕している種が下記の通り3種有ります。

オキナワセッコク 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

キバナセッコク 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(徳島県高知県大分県熊本県・宮崎県・長崎県沖縄県)絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

リュウキュウセッコク 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。情報不足(鹿児島県)。

※ 咢片(がくへん)とは、花の一番外側にあって花を守る役目の「咢」が変化し、葉に近い形になり、更に虫を誘う為に美しく花弁化したもの。咢片は葉の性質を持った花弁である。

※ 背咢片(せがくへん)(ドーサル セパル or アッパー セパル)とは、唇弁に正対面している花被片(咢片)である。花の一番外側の、一番上にある。

※ 側咢片(そくがくへん)(ラテラル セパル)とは、花の外側にあり、左右の横側から出ている咢片である。

※ 側花弁(そくかべん)(ペタル)とは、花の内側にあり、左右の横側から出ている花弁である。

※ 唇弁(しんべん)(リップ)とは、花の内側の一番下にあって蕊を抱えている。

 

セキチク(石竹)(唐撫子)  ナデシコ科 ナデシコ

花4月-7月。 赤・白・ピンク。花弁5枚・花径2-4㎝。中心部に蛇の目模様有り。花弁の先が不規則にギザギザしている。茎が幾度も分枝し、その茎先に花を着ける。咢の長さ2㎝。線形の包葉が4-6枚咢を取り囲む。葉は広線形で先が尖る。草丈20-40㎝。原産・中国。生薬(生薬名・瞿麦(くばく))(サポニン(ダイアンチネノサイド類)・清熱・利水・血の滞りを治す・水腫・無月経・目の充血・化膿性の腫物等々)。ペット有毒(テルペノイドサポニン・ギボセニン・嘔吐・下痢)。花言葉・あなたが嫌いです・才色兼備・いつも愛して・純愛。

 

センダン(栴檀)(唐変木(とうへんぼく))(雲見草(くもみぐさ)(楝(あうち)or樗(おうち)) 

                                          センダン科 センダン属  

花5月-6月。淡紫色。落葉高木。樹高5-20m。果実10月頃。「センダンは双葉より芳し」は誤解。インド産のセンダンには香りがあるが、日本産のセンダンには香りが無い。(白檀と取り違えている)。生薬(苦楝皮(くれんぴ)・虫下し(回虫・蟯虫・条虫/苦楝子(くれんし)・腹痛や疝痛に効果・ひび・あかぎれ・しもやけ)。同属のトウセンダンからも生薬が作られる(川楝子(せんれんし)・鎮静薬)。 ペット有毒(メリアトキシン・サポニン・嘔吐・痙攣・昏睡・重篤の場合致死)。動物用の抗癌薬(薬名センダンアルファー・成分メリアトキシン)。

 

ゼンテイカ(禅庭花)  

    ワスレグサ科(ツルボラン科)(ススキノ科)(ユリ科) ワスレグサ属

花7月-8月。橙黄。ゼンテイカとは聞きなれない花の名前である。実はこれがニッコウキスゲの本名である。日光観光アピールの花として有名になり、今や本名よりニッコウキスゲの方が有名になっている。花の形はユリに似る。花弁6枚・その内3枚は咢片が変化したものである。ラッパ型。花径10㎝。朝開花して夕方しぼむ1日花である。花茎の頭頂に数輪の花を密集させて咲く。花茎は葉よりも背が高い。花茎の高さは60‐80㎝。葉は広線形・葉は扇状に行儀よく左右に開き束生。尾瀬や日光の霧降高原の群落が有名だが、ゼンテイカは日本の各地に分布している。本州中部地方~東北地方の高山帯、寒冷地に行くにつれて低地でも分布し、北海道では海岸でも咲いている。

天然記念物  磐梯朝日国立公園(福島県)雄国沼湿原植物群落

天然記念物  福島県昭和村と南会津町間にある駒留湿原

天然記念物  長野県八ヶ岳中信高原国定公園内の霧ケ峰三湿原

特別天然記念物 尾瀬

絶滅危惧Ⅰ類(愛知県・島根県)絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・東京都・滋賀県)。絶滅危惧種(茨城県山梨県福井県)。要注目種(京都府)。

 

センノウ(仙翁)  ナデシコ科  センノウ属(マンテマ属)

センノウは、何々センノウと言う植物の総称である。世界にセンノウ属は30種あり、日本にはその内の6種類がある。命名の由来はその昔、京都の仙翁寺の庭で発見されたから。茶花に良く使われているのが「マツモト」「マツモトソウ」「マツモトセンノウ」と呼ばれるセンノウであり、これら3つの名前は全てマツモトセンノウの事を指している。(→マツモトセンノウについては、後々のブログに記載予定。)

なお、日本在来の6種のセンノウの内、以下の種類が絶滅が危惧されている。

エゾセンノウ 環境省カテゴリ情報不足(北海道)

エンビセンノウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(北海道・青森県・長野県)。

オグラセンノウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅(大阪府)。絶滅危惧Ⅰ類(岡山県広島県大分県熊本県)。

フシグロセンノウ 絶滅(長崎県)。絶滅危惧Ⅰ類(秋田県・東京都・福岡県・佐賀県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・神奈川県・石川県・愛媛県高知県山口県)。準絶滅危惧(茨城県・埼玉県・富山県大分県)。地域個体群(新潟県)。要注目(福井県)。情報不足(鹿児島県)。

マツモトセンノウ 絶滅危惧Ⅰ類(熊本県・宮崎県)。

 

センリョウ(千両)  センリョウ科  センリョウ属

花6月-7月。黄緑色。花弁と咢片無し・雄蕊黄白色1個・葯は黄色で2個・雌蕊は緑の球形・蕊の全形3-4㎜。花は苞の腋に咲く・穂状花序。果期11月-1月。真っ赤な実(黄色の実も有り)を枝の先端につける。葉は卵形・鋸歯有り・革質で艶有り。草丈50-150㎝。栽培が盛んである。正月用の飾り花。野生種は常緑広葉樹林内の半日陰に群生し、近年その数を減らしている。 生薬(生薬名・九節茶)(セスキテルペン・クマロン・鎮痛作用・対打撲傷・対関節炎の痛み・風邪の引き始め)。花言葉・利益・富・財産・裕福・恵まれた才能。

絶滅危惧種(千葉県・奈良県兵庫県)。

 

そ 

ソケイ(素馨)(ジャスミン)   モクセイ科  ソケイ属

花7月-11月。 白。花弁5枚に見える・基部で合着しているので正しくは筒状花で5裂(~10裂するものもある)。花は平らに開く・花径3.5㎝。芳香有り。葉は奇数羽状複葉・小葉は細長い卵状。つる性植物・樹高1-3m。インド・パキスタン原産。素馨の名は漢の時代の女性に由来。素馨が亡くなった時、その墓から香りのよい白い花が咲いたから。素は白を表し馨は芳香を表現する。ソケイはジャスミン属を表す名前。同じ仲間のシロバナインドソケイは、ハワイのレイに使われる花(ブルメリア)。ペット有毒・特に猫(運動失調・嚥下困難・痙攣・呼吸麻痺・重篤の場合致死) 花言葉・優美・可憐。

 

 

余談  絶滅危惧種について

ブログ№199 茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)で取り上げた植物は全部で237種です。

(237種のなかには茶花総覧(1)~(3)までの植物は含まれていません)。

237種の内、絶滅に瀕している自生植物が188種あります。実に79.2%が絶滅危惧種と言う事になります。

園芸品種が盛んに栽培され、また、新しい品種が作出されていく中で、日本古来から自生していた山野草が、人知れず急速に絶滅して行く現実に目を向けなければなりません。和の風情をを求めて「わび」の名の下に挿す一輪の花の、トレーサビリティは確かなものなのか、是非とも考えて欲しいと思います。トレーサビリティとは、そのものの出自を厳密に遡って行き、不具合は無いのか、手抜きや誤魔化しは無いのか、正統で純正な材料や行程なのかを吟味する工業的手法の事です。花屋で買って来たものだから大丈夫だとか、栽培したものだからOKだとか、いやいや、そういう問題では無くて、そもそも栽培する苗は何処から手に入れたのか、タネはどこでどういう手段で採ったのか、農家に委託したとして、農家は畑で育てたのか、それとも採取業者が花屋に卸したのものなのか・・・

そして、更に言うならば、もう、「わび」「さび」に拘らず、発想を転換して日本の季節を産業的に花卉栽培された花で演出しても良いのではないかと、憂慮の果てに思うのです。

2024年(令和6年)3月26日、環境省がレッドデータリストを更改しました。この茶花総覧も手直しに追われ、夏の(あ行~さ行)の項だけなんとか間に合わせました。それ以前にアップしたものについては、まだ手をつけておりません。正直言うならば、まだその頃はこの問題を軽く考えていて、一木一草の吟味を怠っていたのです。

万葉集源氏物語に登場する花々や利休が愛した花が何時までも残って行くように、100年後の子孫のために、茶花の在り方を考え直してみませんか? 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様な本やネット情報を参考に致しました。(順不同)

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル 高等植物

環境省 絶滅危惧種分布情報公開ページ

厚生労働省eJIN エキセアナ

日本のレッドデータ検索システム

熊本大学薬学部薬用植物園薬草データベース

東邦大学薬学部付属薬用植物園

岐阜大学教育学部理科教育座 キンポウゲ科の植物図鑑

筑波大学生物学類 キンポウゲ科 /  咢片と咢 Sepal & calyx

甲子園短期大学紀要 園芸活動において注意すべき有毒植物について 土橋豊

近畿大学薬学部 薬用植物園 四季のしおり

北海道医療大学・北方系生態観察園に自生する薬用植物

岡山理科大学生物地球学部生物地球学科 旧植物生態研究室ホームページ

デジタル岡山大百科 アサガオの種子の毒

武庫川女子大学薬用植物園 エキセアナ-薬用植物データベース

富山県薬剤師会9号

富山県中央植物園 

公益社団法人 日本薬学会

日本植物生理学協会 みんなの広場 植物Q & A

一般社団法人日本アカネ再生機構 日本茜とは

生物多様性保全ネットワーク新潟 有毒植物

国土技術政策総合研究所第2編 在来野草種毎の生育特性

東京都保健医療局 食品衛生の窓

renmei.kyoto 令和4年度に有毒植物による食中毒が発生した。

井上動物病院ペット有毒植物

食品安全委員会 アスパラギン

株式会社科学技術研究所

岐阜県公式ホームページ イブキフウロ 環境生活政策課

山科植物資料館 植物紹介

HiroKen 花さんぽ  野山に自然に咲く花のページ 

四季の山野草(イワナシ)

BIGLOBE ウラシマソウ「浦島草」有毒植物
医薬品情報21 エゴノキの毒性

身近な園芸植物の毒性~その美しさの誘惑 千葉大名誉教授(薬学博士)池上文雄

葉の形-葉と枝による樹木羂索図鑑-FC2

ウィキペディア / みんなの趣味の園芸 / ガーデニングの図鑑 / 

松江の花図鑑   /   植物図鑑    /    三河の植物観察 / 

樹木図鑑    /    庭木図鑑    /   植木ベディア / 

趣味の花図鑑  /   植物の育て方図鑑   /   花 かぎけん花図鑑 /

花と緑の図鑑   /    野山に自然に咲く花のページ / リポンネットワーク 毒草 

KBの果物歳時記 ギンバイカ / 木々の移ろい アキチョウジ  

ゴマクサ-兵庫県の湿生・水生植物。

はてなブログ 葉の形について(その2)-身近な自然も良いね

茶道会館 茶花

茶湯手帳 株式会社 宮帯出版社

平凡社 世界大百科事典

原色植物百科図鑑 集英社   

原色牧野日本植物図鑑 北隆館

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。

まことにありがとうございました。

 

 

 

 

198 茶花総覧(3) 春(た行~わ行)

春の野にすみれ摘みにと来し我ぞ 野をなつかしみ一夜寝にける  山部赤人

古人の若菜摘みの様子が目に浮かぶようです。そんな風に心のままに野に遊んでみたいものだと憧れていると、夫が「すみれ」はすみれさんかもしれないよ、と・・・うむー。オトナの解釈! 

脇道はさて置き、前号に引き続き茶花を書き連ねていきます。記載の約束事は今まで通りです。

 

タイツリソウ(鯛釣草) → ケマンソウ参照  

※ ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行) ケマンソウで既出。

 

タニグワ(谷桑) → フサザクラ(総桜)参照

 

タンチョウソウ(丹頂草)(岩八手) ユキノシタ科 タンチョウソウ属(ムクデニア属)  

花3月-4月。 白。蕾(つぼみ)の時は赤く、咲くと白くなる。 また、雄蕊(おしべ)が赤い。花の直径は1㎝ほどで、花茎は先で枝分かれし、その枝分かれした茎に行儀よく一列に密に花を咲かせる。花弁は5~6枚、花よりも大きく目立つ白い咢が5~6枚ある。葉はヤツデの葉に似ていて深い切れ込みがある。落葉宿根多年草。 草丈10-20㎝。山野草の盆栽として人気がある。 渓谷の岩場などを好む。原産地・中国・朝鮮。  花言葉・勇気・希望。

 

タンポポ(蒲公英)  キク科 タンポポ属 

花3月-5月。 黄色・白。広く世界に分布している。日本には、日本タンポポと西洋タンポポがある。西洋タンポポは明治になって入って来た外来種である。土地が痩せて環境が悪い場所にも強い西洋タンポポは、アスファルトの割れ目などでも生育でき、その為、都会で目にするタンポポのその殆どが外来種である。環境の悪化を嫌う日本タンポポは生育地を田舎に移している。

日本タンポポと西洋タンポポの見分け方は、花の基部全体を包んでいる咢(がく)のようなもの(総苞(そうほう))の先が、真っ直ぐなものが日本タンポポで、反り返っているものが西洋タンポポである。なお、交雑種もあるので注意。 食用可。薬草・漢方薬(イヌリン・ラエブリン・マンナン・タラキシアチン・タラキシアセリン・イノシット・ビタミンB1,B2,A,C,など。健胃剤・解熱剤・利尿・胆汁分泌促進剤)。  花言葉・愛の神託・幸せ・神託・真心の愛。

 

チゴユリ(稚児百合)  イヌサフラン科 チゴユリ

花4月-6月。白。花弁1枚は長三角形。花弁6枚。全体の花の大きさ1㎝。全体の形は六稜の痩せた星形で椀形。茎の先に1~2輪、下向きに咲く。草丈10-30㎝。落葉広葉樹林のやや湿った場所に育つ。地下茎で繁殖する。全有毒(嘔吐・めまい・下痢)。佐賀県と鹿児島県で絶滅危惧種長崎県危急種。 季語・晩春。花言葉・恥ずかしがり屋・純潔。

 

チューリップ(鬱金草)  ユリ科 チューリップ属  

花3月-5月。 白・赤・ピンク・オレンジ・黄色・緑・紫・黒・複色。 球根・多年草。草丈10-70㎝。原産地・トルコ・中央アジア全有毒(ツリピン・ツリバリン・チューリッピン・接触性皮膚炎(チューリップフィンガー)・発汗・嘔吐・呼吸困難・血圧降下)。ペット有毒(ツリピン・ツリバリン・犬の場合は嘔吐・下痢・心臓麻痺。猫の場合は、瞳孔の拡大・目眩・下痢・嘔吐・血便・呼吸困難・粘膜の乾燥。 / 腎不全・心不全重篤の場合は致死(球根は糖度が高く甘いので、ペットが食べてしまう事故が頻発する。(特に猫)))。 薬草(化粧品の原料・コラーゲン産生増強)。無毒で食用可の品種もあ.る(農薬注意))。オランダでは無毒のチューリップの花弁をサラダや炒め物にする。 花言葉・思いやり・博愛。色別花言葉・赤は真実の愛・愛の告白・家族への感謝。ピンクは労い・愛の芽生え・誠実な愛。オレンジは照れ屋・紫は気高さ・白は待ちわびて。

 

ツツジのグループ  ツツジ科 ツツジ

ツツジを纏めて記します。

ツツジは人間に対してもペットに対しても有毒です。

主な有毒成分症状はグラヤノトキシン類(アセポトキシン・ロードトキシン・アンドロメドトキシン)で、嘔吐・痙攣・下痢・酔っぱらったようになる酩酊状態の症状が出ます。グラヤノトキシンは体内のナトリウムイオンとカルシウムイオンの割合を狂わせ、筋肉の収縮を強め、神経を麻痺させる作用を持っています。重篤の場合、呼吸不全や心臓麻痺を引き起こし死に至る事も有ります。

ツツジの種類に依って弱毒から強毒までのグラデーションが有り、摂取量の違いや人間側の個体差や、家畜・ペットなどのそれぞれの個体差で症状の現れ方が違ってきます。

ギリシャ・ローマ時代にツツジ毒が戦争に使われたと言う記録を、ソクラテスの弟子で軍人かつ哲学者のクセノフォンが書いています。ローマ軍に襲われた或る村が、戦略的撤退で村を空にし、その代り、蜂蜜の壺を各所に置いたそうです。難無く村を占領したローマ軍は喜んでその蜂蜜のご馳走にありつき、全員ヨレヨレになり戦力を失ったそうです。その蜂蜜はツツジの蜜を採取したものだったと言われています。今でも、蜂蜜による事故は発生しています。こういう毒を持っているのがツツジ科の共通項です。

 

ツツジとサツキの違いは次の様になります。

ツツジ  開花4—5月。 花と葉は大きめ。雄蕊は5本以上多数。葉は柔らかく毛があり、長楕円形で4-5㎝。越年した葉はそのままだが、新芽は花が散ってから出る。

サツキ  開花5-6月。花も葉も小振りで、葉の長さは2-2,5㎝。雄蕊の数は5本。葉は小さく堅めで艶がある。花が咲くより前に新芽が先に出て来る。「サツキ」の名前は旧暦の5月に咲くに由来する。旧暦の五月(さつき)は旧暦正月から5番目の月の事を指し、その月は必ず夏至を含んでいる。つまり、太陽暦で言うと5月下旬から7月上旬に当たる。サツキの花は、ツツジよりワンテンポ遅れて咲き始める。

 

ツツジ アカヤシオ  ツツジ科  ツツジ

花4月-5月。淡いピンク。花の直径5―6㎝。花は合弁花でロート状、先が五裂する。落葉広葉樹低木。 深山の岩場や尾根に生育。東北南部・紀伊半島までの太平洋側に分布。全有毒。ペット有毒。 花言葉・愛の絆・柔らかな視線。

※ 合弁花とは、花弁が1枚1枚別々では無く、全部合わさって1枚で雄しべ雌しべを囲っているもの。例:アサガオ、キキョウ。

 

ツツジ アザレア(西洋ツツジ)   ツツジ科  ツツジ

花4月—6月。 赤・白・ピンク・褐色。一重咲・八重咲。常緑低木。全有毒(グラヤノトキシン・ロードヤポニン・嘔吐・痙攣・昏睡)。ペット有毒。花言葉・慈しみ・節制。

 

ツツジ キリシマツツジ(霧島躑躅)  ツツジ科 ツツジ

花4月-5月。 赤・朱赤・ピンク・赤紫・白・複色。枝先に2-3輪ずつ花が咲く。花は合弁花でロート状、先が五裂する。常緑低木。九州の霧島山に自生。薩摩藩が江戸に持って来て爆発的に栽培が盛んになった。園芸品種は200種に及ぶ。全有毒。 ペット有毒。 花言葉・燃え上がる恋・節度・慎み。  

 

ツツジ サツキ(映山紅(えいざんこう))  ツツジ科 ツツジ

花5月-7月。白・赤・ピンク・紫・みどり・複色。常緑広葉樹低木。原産地・日本。関東地方・富山県以西九州屋久島まで分布。谷川の岩などに自生する。増水や洪水に備えて背丈は低く横に這う性質がある。園芸品種が盛んに作出され、盆栽や庭木、公園などでよくお目にかかる。サツキの人気は高く大いに栽培されているが、渓流などに咲く原種のサツキは治水工事や開発などでその数を減らしつつある。 全有毒。ペット有毒。花言葉・節約・幸福・節制・貞淑・協力を得られる。

 

ツツジ⑤ シャクナゲ(石楠花)  ツツジ科 ツツジ属  

花4—5月。 ピンク・白・赤・紫・オレンジ・黄・茶。花はロート状で5‐7裂している。幾つもの花が手毬(てまり)のように枝先にまとまって咲く。 常緑広葉樹。ヒマラヤの様な高山帯から熱帯の高山まで広く分布している。寒冷地を好む。高山植物。原種・自然変異種・園芸種など含めてその数は数百種類はあると言う。 葉を石楠花茶にして飲用する愛好家も居るが、大変危険である。全有毒(グラヤノトキシン類・嘔吐・下痢・血圧低下・目眩・痙攣)。血圧を下げる効果があると知って石楠花茶を飲み、急激な血圧降下でショック症状を呈して入院、また、外国から持ち帰った蜂蜜による中毒で視覚障害や呼吸困難になったケースなどがある。 ペット有毒。 花言葉・危険・警戒・威厳・荘厳。

(前項ブログ№197でもシャクナゲの条で記載済。中国の薬用茶「石南花茶」の石南花と石楠花と混同するケースが有るので敢えて再登場。「南」と「楠」の一字違いに注目。)

 

ツツジ ドウダンツツジ ツツジ科 ドウダンツツジ

花4月-5月。 白。花は小さな壺形。枝先に葉が輪生状に付き、その真ん中から2-5本の花柄(かへい)を伸ばしてその先に花をつける。花柄は1㎝くらいの長さ。花は下垂する。落葉低木。小枝が盛んに出て、刈込に強い。公園の植え込みや生け垣などに良く使われる。原産国・日本。 全有毒。 ペット有毒(アンドロメドトキシン・嘔吐・下痢・酩酊・呼吸停止・重篤の場合致死)。 花言葉・上品・節制・私の想いを受けて。

 

ツツジ⑦ フジツツジ(藤躑躅)  ツツジ科 ツツジ

花3月-4月。 淡紅紫色(藤色)。花は合弁花でロート状、先が五裂する。花の直径は3㎝。半常緑低木。紀伊半島東部・四国・九州東部に分布。全有毒。ペット有毒  花言葉・節度・自制心・恋の喜び。

 

ツツジ ミツバツツジ(三葉躑躅)(雌躑躅)  ツツジ科  ツツジ

花4月-5月 淡紅紫。 花の直径は3-5㎝。花は合弁花でロート状、先が五裂する。雄蕊は5本。落葉広葉樹低木。樹高1-3m。葉は3枚一組になって枝につく。葉より花の方が先に咲く。関東・東海・近畿の太平洋側の丘陵地帯に生育。果実・7月-10月(熟すと中から種がはじける)。紅葉する。全有毒(グラヤノトキシン・唾液過多・嘔吐・下痢・腹部膨満・疝痛(せんつう)・昏睡・心不全重篤の場合は致死)。ペット有毒。花言葉・節制・節度。 

 

ツツジ ミヤマキリシマ  ツツジ科 ツツジ

花5月下旬。紅紫・朱紅・桃色・淡紅色・白。花は合弁花でロート状、先が五裂する。 九州の高山(霧島山・えびの高原・阿蘇山九重山雲仙岳鶴見岳)。 全有毒。 ペット有毒。 花言葉・情熱・自制・節制。

 

ツツジ ヤマツツジ  ツツジ科 ツツジ

花4月-6月。赤・朱赤・紅紫。花は合弁花でロート状、先が五裂する。枝先に2-3個の花をつける。半落葉広葉低木。春葉と秋葉があり、春葉が落葉し、秋葉は春葉より小さくて越冬する。樹高1-4m。果実・8月-10月(熟すと裂けて中から種がはじける)。低山の疎林内や日当たりの良い尾根筋などに生育。北海道南部・本州・四国・九州に分布。野生ツツジの代表種。 全有毒。ペット有毒。 花言葉・燃える思い。

 

ツツジ レンゲツツジ  ツツジ科 ツツジ

花4月—6月。 朱橙色。花は新芽が出て来ると同時に咲く。花は合弁花でロート状、先が五裂する。前年の枝先に2-8個の花をつける。果実10月-11月(熟すと中から種がはじける)。落葉広葉樹低木。紅葉する。北海道南部・本州・四国・九州に分布。 全有毒(ツツジの中でも最強)(葉にはアンドロメドトキシン・花にロドヤポニン・グラヤノトキシン・根にはスパラソール・嘔吐・痙攣・下痢・呼吸停止・重篤の場合は致死)。 ペット有毒。 花言葉・情熱。

 

ツバキのグルーブ  ツバキ科 ツバキ属

椿(つばき)は茶室に良く飾られている花です。特に花の少ない冬では、重宝しております。中でも、小振りで、控えめで、可憐な風情を湛(たた)えた侘助(わびすけ)という品種が人気です。その為か、侘助とついた名前の椿が幾つも有ります。

どのワビスケもその花の佇まいに一つの傾向が有ります。花弁は小輪で一重、そして窄(すぼ)まり加減です。侘助と名前の付いた椿は、一子(いちこ)侘助・胡蝶侘助・白侘助・数寄屋侘助・有楽(うらく)侘助(=太郎冠者(たろうかじゃ))(以上5種はブログ№196で既出)と、黒侘助(=永楽)などが有ります。いずれも、太郎冠者(有楽侘助)を生みの親としています。有楽の名前は織田有楽斎長益(信長弟)が太郎冠者椿を好んで使った椿だから、と言われております。植物的性質は、雄蕊の頭が退化して葯(やく)(←花粉を作る所)が無い事、平開しない(花弁が平らになるほど開き切らない)で、筒咲きか猪口咲であること、一重で小振りな事などが有ります。当条では黒侘助を載せております。

 

晩冬から早春までのツバキをブログ№196 でupしましたが、ここでは早春以後から晩春迄のツバキを載せます。ツバキの開花期は、エイラク(永楽)のように種によっては長いので(永楽は12月~4月)、厳密に季節を分けて記載する事が出来ません。それを念頭に置きながら、ここでは、前々号№196で漏れてしまったものも拾い上げたいと思います。

 

ツバキ① アカシガタツバキ(明石潟椿)  ツバキ科 ツバキ属

花3月-4月。 紅桃色。 八重咲・平開咲・筒型の蕊(しべ)・極大輪・花の大きさは径15㎝にも及ぶ。結実はしない。江戸時代の園芸品種。

 

ツバキ② イチラクツバキ(一楽椿)   ツバキ科 ツバキ属

花3月-4月。白。一重咲・小輪・筒咲。ユキツバキとヤブツバキの交雑で出来たツバキ。

 

ツバキ③ イワネシボリ(岩根絞) ツバキ科 ツバキ属

花3月-5月。濃い紅と白の絞り咲き。八重咲・大輪(8~10cm)。江戸時代の園芸品種。               

 

ツバキ④ エイラク(永楽)  ツバキ科 ツバキ屬

花12月-4月。黒みを帯びた濃紅色。一重筒咲。中輪。1957年大坂片山樹楽園発表。

 

ツバキ⑤ エゾニシキツバキ 

花3月-4月。薄い桃色地に紅色の細かい絞り・中輪。

 

ツバキ⑥ オトメツバキ(乙女椿) ツバキ科 ツバキ属

花3月-5月。ピンク。八重咲。花弁は相似形のまま数学的規律を以って開いて行く。花は中輪。花はなかなか落下せず、仕舞いに茶色に変色してしまう。花言葉・控えめな美・控えめな愛。

 

ツバキ⑦  カモホンアミ(加茂本阿弥) ツバキ科 ツバキ屬

花2月-4月。白。一重咲。花はお椀の様な形。蕾は珠状。蕾が膨らむと、雌蕊が一本中から顔を出してくる。

 

ツバキ⑧ クロツバキ(黒椿) ツバキ科 ツバキ屬

花4月-5月。黒みを帯びた濃紅色。八重咲・花弁の数は少ない。花弁に光沢がある。小~中輪。江戸の園芸品種。 花言葉・気取らない優雅さ。

 

ツバキ  クロワビスケ → エイラク(永楽)を参照

 

ツバキ⑨ ゴシキヤエチリ(五色八重散椿)

花4月-5月。薄いピンクに紅の縦絞り・絞りは少ない。白・紅・桃・白覆輪など色々ある。花弁は一枚ずつばらけて落ちる。

 

ツバキ⑩    ソデカクシ(袖隠) ツバキ科 ツバキ屬

花4月-5月。白。極大輪八重大筒咲~抱え咲き。常緑低木。

 

ツバキ  チリツバキ  ゴシキヤエチリを参照。

 

ツバキ⑪ ナツツバキ(夏椿)(サラノキ)(沙羅) ツバキ科 ナツツバキ属

花6月-7月。白orほんのりピンク。一重咲。落葉広葉樹高木(~15m)。夏椿は沙羅の樹ではない。日本では育たない沙羅の樹を、その代用として夏椿を持って来て植え、沙羅と呼んでいるのである。お釈迦様を慕う心がそうさせているのかも知れない。

インドに生育する本当の沙羅の花は円錐花序の複合型で、花全体の骨格は垣根に良く使われているネズミモチの花に似ている。一つ一つの花は小さく、樹冠を一面に覆うほど沢山咲く。芳香を放ち、樹高は30‐50mにも達する。双樹は二本の樹を意味し、植物の名前では無い。沙羅は低温に弱く、温帯では育たない。

 

ツバキ⑫ ヒカルゲンジ(光源氏)ツバキ

花3月-4月。ピンク地に紅絞り白の覆輪。 八重咲大輪(7-11cm)。華やか。

 

ツバキ⑬ ヒゴモミジガリ(肥後紅葉狩り)  ツバキ科  ツバキ属

花3月-4月。紅。一重咲き・大輪、 花弁7枚。 蕊は筒状にならず、放射状に広がる。

 

ツバキ⑭  モロヒト(師人)(モロビト)  ツバキ科 ツバキ属

花3月-4月。 白。一重咲・筒咲き。花弁は5枚・小輪。樹高低木。藪椿の変種。

 

ツバキ⑮  ユリツバキ(百合椿)  ツバキ科 ツバキ属

花4月。濃紅色。一重咲・ラッパ咲き。蕊(しべ)は筒状だが花糸がやや乱れる。葉の形はユリの葉に似て細くて長い。厚みがしっかりと有り、クチクラ(照り)が発達している。枝垂れる性質。葉は常緑高木。

 

ツルニチニチソウ  キョウチクトウ科  ツルニチソウ属(ビンカ属)

花3月-6月。 青紫色・白。 合弁花・深く5裂していて、一見花弁が5枚に見える。花径は4-5cm。  地を這い、蔓を伸ばして節ごとに根を出して伸びて行く。宿根多年草。原産地・南ヨーロッパ北アフリカ・北アメリカ・オーストラリア。全有毒(ビンクリスチン・ドキソルビシン・ヴィンカミン・レセルピン・神経障害・腎障害・肝障害・血圧低下・重篤の場合は致死)。ペット有毒(嘔吐・下痢・低血圧・うつ病・ふるえ・発作・昏睡・重篤の場合は致死)。 薬(抗癌剤・止血)。生態系被害防止重点対策外来種 花言葉・優しい・思い出。

  

ドクウツギ(イチロベエゴロシ)(毒空木)  ドクウツギ科 ドクウツギ属 

花4月—6月。赤茶(花弁に見えるのは鱗片)・本物の花弁の大きさは1㎜で見え難い。受粉が終わると5枚の花弁が子房を包むように成長して赤くなり、完全に子房を覆ってしまう。一見ナンテンの実の様に見える。葉は対生。細く長い枝に15~18対ほどの葉が行儀よく並んで出ている有様は、ゲジゲジの足の様である。落葉広葉樹低木。樹高1-2m。雌雄同株。果実は初め赤く、後に黒紫色に熟す。甘味有り。果実の中に在る種子は特に猛毒。山野や河原の日当たりに生育。日本三大有毒植物の一つ。(日本三大有毒植物はトリカブト・ドクゼリ・ドクウツギの三つ)。全猛毒・特に果実(神経毒・コリアミルチン・ツチン・コリアリン・嘔吐・痙攣・呼吸麻痺・致死)。 ペット有毒。 花言葉・謙虚・野生・元気。

 

トケイソウ(時計草)  トケイソウ科  トケイソウ

花4月-5月。白・黄・赤・青・紫など色々。花弁5枚・咢片5枚。花弁と咢片が同形同色なので、一見10枚の花弁が有るように見える。花被片10枚が円盤状に広がる。トケイソウには花びらの内側に副花冠というもう一つの花がある。副花冠と言うのは、譬えれば水仙の花弁の内側にあるカップ状のもので、トケイソウにもそれがある。但し、トケイソウの副花冠はカップ状では無く、無数に裂けて糸状になっており、まるで花糸が花の円盤を放射状に覆っているように見える。それが時計の文字盤に見立てられ、日本ではトケイソウと名付けられた。雌蕊の花柱が3裂・これが長針・短針・秒針に見立てられた。雄蕊は5本。副花冠には蛇の目の様な模様が有る。ヨーロッパでは、これをキリストが十字架に架かって釘を打たれ、後光がさしている時の様子に見立てており、パッション(受難)の花と解釈している。トケイソウの実はパッションフルーツだが、情熱(パッション)の意味ではない。有毒(シアン化物・アルカロイド・呼吸困難・動悸・頭痛・目眩・吐気・嘔吐・昏睡・無呼吸・全身痙攣・肺水腫・重篤の場合は致死。但し、クダモノトケイソウの実や葉や茎には毒性がない)。花言葉・信心・信仰・聖なる愛。

 

トサミズキ(土佐水木) マンサク科 トサミズキ属

花3月-4月 淡黄色 落葉低木 葉が芽吹くより先に花が咲く。一つの花柄(かへい)に7~8個の花を着けて下垂する。穂状花序(すいじょうかじょ)。ヒュウガミズキより穂が長い。自生地は土佐。季語は仲春。花言葉・清楚・優雅。

※ 花柄とは、枝や茎と花を結ぶ連絡通路の様な茎。サクランボの実から出ている短い茎と同じもの。他にもサクラやアサガオなど、ごく普通に見られる。

※ 穂状花序とは、グラジオラスやミズヒキやネジバナのように、花が花柄を持たずに直に茎にくっ付いて、先端まで咲くタイプの花を言う。

 

トルコキキョウ  リンドウ科 トルコキキョウ属

花3月-6月。 紫・青・ピンク・白・黄・緑・複色・茶。一重咲き・八重咲。 一年草。草丈20-120㎝。原産地・北アメリカ南部から中南米。 リンドウ科の植物にはラクトンという「マタタビ」の成分が含まれているので猫が好み、なめたり齧(かじ)ったりする。 ペット有毒(ラクトン・意識朦朧・酩酊・嘔吐・流涎)。花言葉・清々しい美しさ・深い思いやり。

 

ナズナ(ぺんぺん草)  アブラナ科  ナズナ

花3月-7月。 白。花弁4枚。一つの花の大きさ3㎜くらい。総状花序。葉はロゼットを形成。その真ん中から花の茎が出て、次から次へと花茎の先端に花を咲かせながら、成長していく。実は三角形になり種はその中にある。草丈10-50cm。葉は野菜として栄養豊富。春の七草の一つ。生育場所を選ばず日当たりの良い所なら何処でも生える。荒れ地にも生えるので、何もかも失い荒廃した家を「ぺんぺん草が生える」「ぺんぺん草さえ生えない」と表現する事がある。原産地・ヨーロッパ。分布は北半球全域。  生薬(漢方名・薺菜(せいさい)・薺菜花(せいさいか))(コリン・アセチルコリン・フマール酸・利尿・便秘・解熱・目薬・止血・緩下・動脈硬化予防・子宮や腸の出血・月経困難緩和)。 食品(100グラム中の栄養はほうれん草と比肩かそれを上回る。エネルギー・炭水化物・カルシウム・リン・鉄・銅・カロテン・ビタミンB1・B2・B6・Cでほうれん草を上回り、亜鉛葉酸ではほぼ同等である)。芭蕉の句に「よく見みればなずな花咲く垣根かな」の句がある。 花言葉・あなたに私の全てを捧げる。

※ 総状花序とは、花軸から花柄を出して花をつけ、順次上へ咲いて行くタイプの花の事を言う。例:フジ・ヒヤシンス・ジギタリスなど。

※ ロゼットとは、根元から何枚もの葉が地面に寝る様に、放射状に横に広がって出ている状態を言う。

 

ナルトサワギク(鳴門沢菊)(コウベギク)() キク科 キオン属

花一年中。 黄色。花は一重のタンポポという感じ。草丈30-70㎝。帰化植物特定外来生物指定アレロパシー作用を持っている。アレロパシーというのは、自分が繁殖する為に化学物質を出してその土地を自分好みの土壌に仕上げてしまい、他の植物の進出を妨げる作用を持つことを言う。その代表例がセイタカアワダチソウや松など(松林の下では、雑草雑木が繁茂するような藪が出来ない)。在来植物を駆逐する恐れがある。栽培は止めた方が良い。全有毒(セネシオン・ピロリジジン(アルカロイド)・肝癌誘発・家畜では死亡事例有り)。ペット有毒

 

ニリンソウ(二輪草) キンポウゲ科 イチリンソウ属   

花期は3月-5月。白。花弁は5枚。花弁の形は楕円形。花茎の途中の葉付の所で二股に分岐、それぞれ二本の茎の頭頂に花を一つずつ、あわせて二輪の花を付ける。同科・同属の一輪草(毒草)と見た目が良く似ているが、花の数で区別できる。ニリンソウは弱毒で、地上部は茹でて熱を通し、ゆで汁を茹でこぼすと食用に出来る。お浸し・和え物・汁の実など。ニリンソウの若株は猛毒のトリカブトとそっくりの姿をしている。おまけに二つは一緒に生えている事が多く、誤食による中毒が時々発生する。花が咲いていない時期に食用としての採取は厳禁である。 花言葉・友情・協力・ずっと離れない。

 

ニワウメ(庭ウメ)(林生梅(りんしょうばい))(小梅)(赤花ユスラウメ) バラ科 ニワウメ属(サクラ属)

花3月-4月。 淡桃色。一重咲。花弁5枚。花の姿は梅に似るが、梅よりもずっと小振り。花柄(かへい)の先に花をつける。(ユスラウメは花柄が無く、直接枝に花が付いている)。葉より先に花が咲くか、或いは葉と花が同時になる。果実6-7月。実は可食。落葉広葉樹低木。株立ちする(株の根元から幾つも幹が出て来る)。庭梅の葉の葉脈は余り主張せず、葉は平板でつるっとしている。根と種子が薬用(イクリニン・イクリコン・利尿・通便・腹水や浮腫・歯の治療に用いる) 花言葉・願望・喜び・秘密の恋。

 

ニワザクラ(庭桜)(ハネズ)  バラ科 サクラ属

花3月-4月。白・淡紅色。八重咲。花弁の数は5-50枚ほど。葉より先に花が咲くか、或いは葉と開花が同時になる。花の直径は1.5-2.5㎝。ニワウメよりも花が大きい。落葉広葉樹低木。細かな幹が株立ちする。葉の裏の葉脈には毛がある。 花言葉・高尚・秘密の恋・うつろいやすい愛。

 

ニワトコ(接骨木(せっこつぼく))(庭常)(ヤマタズ(山多豆(やまたず))(造木(みやつこぎ))

 ガマズミ科(スイカズラ科) ニワトコ属  

花3月-5月。淡黄白色。粟(あわ)の様な小さい花をこんもりと枝先に沢山つける。落葉広葉樹低木(2~6m)。果実6月-7月。実は赤。南天の実の様に一杯つける。若芽は食用可。 生薬(茎・葉・花を生薬として利用)(打撲傷・利尿剤) 食用可(但し、食べ過ぎ厳禁。下痢をする)。 花言葉・天真爛漫・心を癒す・思いやり。

 

バイモ(貝母)(編笠百合) ユリ科 バイモ属   

花3月-4月。 淡黄緑色の花。卵型で先が尖っている様な形の花弁が6枚・一輪の大きさ3~4cm。花の内側に赤紫色の網目模様がある。草丈30~80cm。葉はユリの葉の様に細くて長い。茎の先端の方の葉は糸のように細くなり、葉の先が巻いている。 漢方薬(咳止・止血・解熱))。 花言葉・謙虚な心。

 

ハクサンボク(白山木)(イセビ)(山照らし(やまてらし))(イヌデマリ) 

          レンブクソウ科(スイカズラ科) ガマズミ属

花3月-5月。白。花冠は深く5裂する。裂片は水平に開く。雄蕊は花冠から突き出る。花径5―8㎜。集散花序(しゅうさんかじょ)。花序の差し渡し8-15㎝。葉は卵形で5―15㎝。小さな鋸歯あり。葉の表面に艶が有る。悪臭有り。常緑広葉樹中木。日本固有種。花言葉・忠実。

※ 集散花序(しゅうさんかじょ)とは、花軸の頭頂から花が咲き始め、下へ向かって順次開花して行くタイプの花。有限花序の一つ。

 

ハクモクレン(白木蓮)  モクレン科 モクレン

花2月-4月。 白。広葉落葉樹高木。花後に芽吹き始める。果実8月‐10月。ハクモクレンの色違いでシモクレン(紫木蓮)がある。 花言葉・崇高・気高さ・慈悲・自然への愛。   

(※ ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)のシモクレンを参照)

 

ハシバミ (榛) ガバノキ科  ハシバミ属

花3月-4月。 雄花は黄褐色。 黄褐色の尾状花序(びじょうかじょ)が枝先の(ほう)から垂れ下がる。長は3-7cmくらい。丁度黄褐色の短い与紐(くみひも)を垂らした様にみえる。雌花は別の枝先に上向きにつく。雌花は芽鱗(がりん)に包まれていて、咲くと芽鱗の天辺から赤い柱頭を出す。 落葉広葉樹低木1-5m。株立ち。ロシア沿海州から東アジア北東部全域。 花言葉・仲直り・調和。

※ 尾状花序とは、小さな円筒状の花が密集してひも状になって繋がっており、垂れ下がっている。個々の花に花弁は無く、垂れ下がった様子は尻尾の様に見える。

※ 苞とは、芽や蕾を包み、保護している葉のこと。大抵は小さい葉だが、水芭蕉のように大きな苞もある。

※ 芽鱗とは、花芽や芽を保護する鱗状の組織。

 

ハシリドコロ(オメキグサ)(サワナス)(走野老)  ナス科 ハシリドコロ

花4月-5月。暗い紫紅色。 花の形は釣り鐘状。下を向いて咲く。多年草。芽吹きの状態がフキノトウに似ている。全有毒(特に根茎と根)(アルカロイド(ヒヨスチアミン・スコポラミン・アトロビン)・嘔吐・下痢・血便・瞳孔散大・目眩・異常興奮・痙攣・昏睡・重篤の場合致死)。異常興奮などで走り回って苦しみ、多量摂取すると呼吸困難で死亡する。フキノトウなどの山菜と誤食の例がしばしば。 劇薬(鎮痛薬)。ペット有毒。 花言葉・沈黙・殺してしまいたいほど愛している。

 

ハナイカダ(花筏)(嫁の涙)(ママコナ) ハナイカダ科 ハナイカダ

花4月-6月。淡黄緑色。花は葉の真ん中に咲く。丁度葉の上に花がちょこんと乗っている感じ。それを筏に乗っている花と見立てて、花筏と名付けられた。落葉広葉低木。果実9月-11月。葉は料理に使える。天ぷら・お浸し・酢味噌・あえ物など。

 

ハナカイドウ(花海棠) バラ科(ナシ科) リンゴ属

花4月-5月。 淡紅色。一重咲。落葉広葉樹小高木。中国原産。玄宗皇帝が楊貴妃を花海棠に譬えたので、花海棠は美人の代名詞になっている。 花言葉・美人の眠り・艶麗(えんれい)・温和。

 

ハナズオウ(花蘇芳)(蘇芳)  マメ科  ハナズオウ

花4月開花。紅紫色・白。 葉が展開するより前に花が咲く。花は枝に直につく。葉はハート形。9月にはサヤになり、種(豆)ができる。 花言葉・裏切り・不信・高貴・喜び・目覚め・豊かな生涯。西洋では聖書の影響で悪い印象の花言葉が多いが、日本や中国では春を喜ぶ縁起の良い花とされている。

 

ハナミズキ (花水木)  ミズキ科  サンシュユ

花4月—5月。  花は黄緑。4枚の苞(ほう)が大きくて花弁に見える。白・赤・ピンク。(苞→葉が変化したもの) 花は苞の中心にある丸いボッチ(花の集合体)。 芽吹きと同時に開花。ヤマボウシより時期的に早く咲く。果期9-10月。落葉広葉樹小高木。原産地・北アメリカ。葉有毒(葉の表面の毛に刺激性物質があり、皮膚炎を起こす)。ペット有毒(ヒベリシン・プロトアネモニン・流涎・嘔吐・下痢・食欲不振・元気喪失・痙攣・昏睡)。 花言葉・返礼・永続性・想いを受け取って下さい・華やかな恋。

 

ハナニラ(花韮)(ベツレヘムの星) ネギ科(ユリ科) ハナニラ属(イフェイオン属)

花3月-4月。白・ピンク・黄・青。花大きさ約3㎝。花弁6枚。花茎の先端に一つの花をつける。球根草花。多年草。草丈15‐25㎝。原産地・中央・南アメリカペット有毒(下痢)。 花言葉・悲しい別れ・耐える愛・卑劣・恨み。

 

ハルジオン(春紫苑)  キク科  ムカシヨモギ

花4月-6月。淡い紅色を帯びた白。舌状花は白・筒状花は黄色・形はヒマワリに似る。花径2㎝。有花茎の上部が枝分かれし、茎頭に花を咲かせる。花弁は糸の様に細く(花弁の幅は1ミリ以下)、花弁の数が多い。蕾の時には花首が垂れている。咲くと、まっすぐ上を向く。葉は長楕円形・葉は茎を抱く。食用可・侵略的外来種ワースト100に入っている。ヒメジョオンと酷似している。

 

ヒトリシズカ(一人静) センリョウ科 チャラン属 

花4月-5月。白。花の様に見えるのは雄蕊。穂状花序。 花序の長さは1-2㎝。 花茎の先が白いブラシの様に見える。草丈10‐50㎝。森林の中の湿った場所を好む。鹿児島県の絶滅危惧Ⅱ類和歌山県絶滅危惧種。 花言葉・隠された美・静謐(せいひつ)・愛にこたえて。

 

ヒヤシンス(風信子)(飛信子) キジカクシ科(クサスギカズラ科) ヒヤシンス属

花3月-4月。 赤・ピンク・白・黄・青・紫。球根。多年草。草丈約20㎝。原産地・ギリシア・シリア・小アジア。強い芳香有り。通常球根1球に付き花茎が1本真っ直ぐ立ち上がる。園芸品種ではそれより多いものも有る。有毒(リコリン・シュウ酸カルシウム・嘔吐・下痢・皮膚炎)。 ペット有毒(リコリン・シュウ酸カルシウム・下痢・嘔吐・炎症・発汗・流涎・沈鬱・手足の痺れ・呼吸困難・腎不全・昏睡・重篤の場合致死)。   言葉・スポーツ・ゲーム・哀しみを超えた愛。

 

ヒュウガミズキ(日向水木) マンサク科 トサミズキ属

花3月-4月 黄色。落葉低木 葉に先立って花が咲く。一つの花穂に花を1~3個つけて、下垂する。穂状花序 土佐水木より花穂が短い。木も土佐水木より小振り。花言葉・思いやり。

 

ヒョウタンボク(瓢箪木)(キンギンボク)(嫁殺し) スイカズラ科 スイカズラ

花4月-6月。花は白後黄色。花は2個ずつ付く。花冠は1.5㎝。落葉広葉低木。樹高1-2m。果実7~8月。赤い実が2個くっ付いて成る。その様子が瓢箪に見える。 絶滅危惧種ⅠB類全有毒(リナロール・ジャスモン・タンニン・ルテオリン・イノシトール。嘔吐・下痢・麻痺・痙攣・昏睡)。 漢方薬(薬名・忍冬(にんとう))(利尿・抗炎症・抗菌作用・解熱・血痢・化膿性疾患・神経痛・リューマチ)。 花言葉・忍耐・饗宴・実り。

 

フサザクラ(房桜)(タニグワ)(ワサクワ)(クワモドキ)(タニハリ) フサザクラ科  フサザクラ属

花3月-4月。 赤。但し、赤く見えるのは花弁では無く、雄蕊の葯(やく)である。雄蕊が房状になり、花弁は無い。しかし、遠目には木全体が赤く見える。雌蕊は雄蕊の下に隠れている。落葉広葉樹高木。葉の形はシソの葉に似る。株立ち。本州・四国・九州に分布。渓流の傍によく生育する。 

 

フジ(藤) マメ科 マメ属

花4月-6月。紫・ピンク・白。房になって咲く。総状花序。落葉つる植物。果実・10月-12月。原産地日本。木に右巻きに巻き付いて上り(山藤は左巻き)、天辺に行って覆い被さる様に広がる。巻き付かれた木は締め付けられて時には枯れる。「絞め殺しの木」とも言われる。花有毒(レクチン・吐き気・めまい・下痢)。 葉・樹皮・豆・ペット有害(ウェスタリン・シチシン・嘔吐・下痢・重篤の場合致死)花言葉・歓迎・恋に酔う・忠実な・優しさ・決して離れない。

 

フタリシズカ(二人静)  センリョウ科  チャラン属

花4月-6月。白。穂状花序。二本の花茎が同じ所から分岐して並び立ち、米粒の様な白い花をシソの実の様に縦に並んでつけている。時には3本~5本花穂が立つ事がある。林の中の半日陰で、川沿いの湿地を好む。果実6月-8月。 花言葉・いつまでも一緒に。

 

フリージア アヤメ科 フリージア

花3月-5月。黄・赤・ピンク・オレンジ・紫・白・複色。球根多年草。草丈20-50㎝。葉は細くて薄くやや硬い帯状・先端は尖る。ペット有毒(イリシジン・皮膚炎・胃腸炎・嘔吐・下痢)。季語・晩春。 色別花言葉・白はあどけなさ・黄は無邪気・赤は純潔・紫は憧れ。

 

フリティラリア(ヨウラクユリ)(編笠百合)  ユリ科  バイモ属  

花3月-6月。 白・赤・オレンジ・黄・緑・紫・茶・黒・複色。球根多年草。草丈10-100㎝。花茎の先端に2-3輪の花が下を向いてつく。花弁は6枚で釣鐘状である。花の色はいろいろあるが、茶花として利用されるのは白っぽい薄黄色の花が多い。外側に緑色の条、内側に紫色の斑点がはいっている。葉は柳の葉や竹の葉の様に細長く、先が尖(とが)っている。全有毒(特に球根)(アルカロイド(フリチリン・フリチラリン・ベルチオリン)・嘔吐・下痢・血圧の低下・筋肉の痙攣・呼吸困難・心不全重篤の場合は致死) 花言葉・謙虚な心。

※ ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)でアミガサユリの名は既出。但しそちらは名前のみで、内容はこちらのフリティラリアに記載。

 

ブルーデージー  キク科  ルリヒナギク属(フェリシア属)

花3月-5月。10月‐12月。 青・白・ピンク。花はミヤコワスレに似ている。長い花茎をのばし、その先に一つの花をつける。葉は、菊の様な切れ込みが無く、丸葉で厚みがある。斑入りの葉も有り。葉の大きさは花の直径と同等かそれより小さい。多年草一年草。草丈20-50㎝。 ペット有毒(セスキテルペンラクトン・ビレトリン)花言葉・純粋・幸運・恵まれている・可愛いあなた・無邪気。

※ ビレトリンは神経毒で昆虫類や両生類・爬虫類に効果がある。植物の自己防衛の為の成分である。これを利用して防虫剤が作られている。また、スキルテルペンラクトンはかなりの植物群が保有している。これ等の植物を大量に摂取しなければ人間にとっては無害であるが、ペットにとっては少量でも有害になってしまう。

 

ベコニア シュウカイドウ科  シュウカイドウ属。

花3月-11月。 ピンク・オレンジ・赤。花期が長い。球根ベコニア、木立性ベコニアなどがある。公園などでもよく見かけ、家庭でも寄せ植えの鉢植えやプランターなどで栽培されている。草丈20-30㎝。 ペット有毒(シュウ酸カルシウム・嘔吐・口内炎・嚥下障害・流涎)。  花言葉・幸福な日々・愛の告白・片思い。

 

ペチュニア(ツクバネアサガオ) ナス科 ツクバネアサガオ属(ペチュニア属)

花3月-11月。赤・・青・ピンク 白・黄・複色。花の形は朝顔形。一年草多年草。草丈10-30㎝。原産地・南アメリカ亜熱帯。ペット有毒(特に猫)(アルカロイド(ヒオスチアミン・スコポラミン・アトロピン・精神錯乱・麻痺・昏睡・失明)。 花言葉・心の安らぎ。

 

ホウチャクソウ(宝鐸草)  イヌサフラン科  チゴユリ

花4月—5月。白から緑のグラデーション。花の形は筒型 (寺院の軒の四隅に下げている大型の鈴・宝鐸(ほうたく)の形になぞらえたもの)。花弁6枚に見えるが、実は花弁3枚と咢片3枚。6枚の弁は合着していない。花の長さ2-3㎝。茎の先端の葉の間から1~4輪の花を下げる。葉は平たくて基部に近い方が幅が広く、先端に行くほど尖っている。花茎(かけい)は分岐する。草丈30-60㎝。林間の湿った日陰を好む。若葉は食用可。但し悪臭がする(食べられたものではないそうです)。薬用・根と地下茎は薬用で結核・骨折に効能あり。 花言葉・あなたを離さない。嫉妬・思いにふける。追憶・よきライバル。

 

ボケ

ボケ① ボケ(木瓜) バラ科 ボケ属

花2月-4月。白・淡紅・白と紅の斑・紅。落葉低木。中国原産。棘有り。果実7~8月。生薬(補血・強壮・疲労回復・咳止め・食あたり・こむら返り・暑気あたり)。食用(果実酒・ジャム)。 花言葉・先駆者・妖精の輝き

 

ボケ② クサボケ(草木瓜)。バラ科 ボケ属。

花3月-5月。色は朱・黄・白。落低木。有棘。果実10~12月。ボケより小振り。日本原産。漢方薬(滋養強壮・利尿作用・鎮静作用)。 食用(果実酒)。 花言葉・平凡・早熟・一目ぼれ

 

ボケ③ カンボケ → カンボケ参照。

※ ブログ№196の茶花総覧(1)「晩冬・早春」の内、カンボケの条で既出

 

ホザキマンサク(穂咲万作)(白花万作)(フォッサギラ・マヨール)(フォッサギラ・モンティコラ)  マンサク科 シンノキモドキ属

花4月-5月。 白。枝の先にブラシの様な花を着ける。株立ち。落葉広葉樹低木。原産地・北米。紅葉が綺麗。 花言葉・不思議な力

 

ボタン(牡丹) ボタン参照 

※ ブログ№196茶花総覧(1)「晩冬~早春」の項の内「ボタン」の条で既出。

 

ミツマタ(三椏)(三枝)(三又)  ジンチョウゲ科  ミツマタ

花3月-4月。 黄・赤。 葉が出るより先に花が咲く。無弁花(花弁が無い)・その代り筒型の咢が花の代わりをしている。咢の内側の色は黄色又は赤。咢の外側は白い柔毛におおわれている。咢片の縁が四裂し花弁の様に見える。一つの花の大きさは12-15㎜。そういう小さな花がざっと20‐50輪くらい集まって、球のようになって枝先から下向きに咲く。枝は必ず三つに枝分かれする。落葉広葉樹。和紙やお札の原料。全有毒(クマリン配糖体・口内炎・胃炎・麻痺・かぶれ・腹痛・硬直・血便・下痢)。民間薬(水虫・タムシ)。花言葉・強靭・肉親の絆。

 

ミヤコワスレ(都忘れ)(深山嫁菜)(野春菊)(東菊)  キク科 ミヤマヨメナ

花4月-6月。 青紫・白・桃色。草丈20~30cm。多年草。都忘れはミヤマヨメナの園芸品種。昔、1221年に承久の乱と言う戦が有った。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも描かれた朝廷(後鳥羽上皇)と幕府(執権北条義時)との武力衝突である。結果、朝廷が破れ後鳥羽院隠岐へ流され、順徳天皇佐渡へ流された。順徳天皇佐渡に流された時、目にした紫色の野の花に都を思い重ねて、もうこの花が有れば都を忘れる事が出来ると言った事から、その野の花を「都忘れ」と言うようになった、とのエピソードが有る。が、ミヤコワスレと言う園芸品種が作出されたのは江戸時代。順徳天皇が眺めた紫色の野の花は、ミヤマヨメナと思われる。→ミヤマヨメナを参照。ミヤコワスレ花言葉は別れ・しばしの憩い。

 

ミヤマヨメナ(深山嫁菜)(ノシュンギク)  キク科 シオン属

花5月―6月。 舌状花は薄紫。管状花(かんじょうか)は黄色。花全体で言えば、真ん中の丸い黄色い部分が管状花の集合体で、それを一周して取り囲む薄紫色の花びらが舌状花の集合体。頭状花序。花茎は何本か纏まって立ち上がり先端に花をつける。草丈20-50㎝。葉は細い楕円形で縁は鋸歯、先端は尖る。根本の葉はロゼット状。ミヤマヨメナミヤコワスレの原種。山地の明るい木陰の下を好む。本州から九州に分布。

※ 舌状花とは。合弁花の花冠が舌のように細長くなって突き出したもので、その基部に雄蕊と雌蕊が包まれている。

※ 管状花とは、筒状花(とうじょうか)とも言い、小さいラッパ形の筒型で、花の縁に五つの切れ込みがあり、中に雌蕊と雄蕊が入っている。

※ 頭状花序とは、花茎の先端に多数の花が集まって咲くので、まるで一つの花のように見えるタイプの並び方を言う。

 

ムサシアブミ(武蔵鐙)(由跋(ゆはつ)) サトイモ科 テンナンショウ属  

花4月-5月。仏炎苞(花と見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)と言って、花を守るカバーの葉)の外側が緑、内側が黒紫と白緑の縦縞模様。果実秋(未熟の実はトウモロコシに似た色をしていて、誤食し易い。完熟の実は真っ赤。中毒例多々有り)。岡山県絶滅危惧種。茨木県では危急種全有毒(シュウ酸カルシウム・唇・口内の痺れ・腫れ・腎機能障害)。薬草(腫物・肩こり・リウマチ)

 

ムスカリ (ブドウヒヤシンス)  キジカクシ科(クサスギカズラ科) ムスカリ

花3月-5月。 青・紫・白・黄・ピンク。 花一つは小壺の形で小豆くらいの大きさ。総状花序。花茎の途中から総状花序になり、花茎に密に付いて先端まで咲く。花の付方はヒヤシンスに似ている。球根多年草。草丈10-30㎝。原産地・地中海沿岸・南西アジア。ペット有毒(成分不明・流涎・腹痛・下痢)。 花言葉・(西洋)絶望・失望・失意・悲嘆・憂鬱。←→ (東洋)寛大な心・明るい未来・夢にかける思い・以心伝心。

 

ムラサキケマン  ケシ科 キケマン属 

花4月-6月。 赤紫・白。 花は面白い形をしている。バナナの皮を先っぽから二つに剥いて上下に分け、中に雄蕊と雌蕊を入れた様な形である。。花冠は上下二つに分かれた唇弁になっていて、筒状の(きょ)がついている。花の長さはおよそ2㎝弱。花柄は距の付け根から出ている(バナナの胴の真ん中から出ている感じ)。花は茎の上部に総状花序で密生する。葉は人参の葉に似ており、葉脈に沿って深く裂けている。人参の葉より少し丸みがあり幅が広い。茎は直立。種はさやの中に包まれ、熟すとサヤがはじけて中の種を飛ばす。ホウセンカのような仕組みになっている。種は、蟻を誘因する物質(エライオソーム)を持っており、地面に落ちた種をさらに遠くへ蟻に運んでもらう仕組みになっている。木陰のやや湿った所を好む。草丈30-50㎝。日本全国に分布。全有毒(プロトピン・嘔吐・呼吸困難・心臓麻痺)。 花言葉・喜び・あなたの助けになる。

※ 距とは、花が虫を誘う器官で、蜜が入っている壺の事である。スミレの花の後ろに天狗の鼻の様に少し突き出した筒があるが、それが距である。

 

モモ(桃)  バラ科  スモモ属

花3月-4月。 薄桃色・紅色。花弁は5枚、或いはそれより多い。葉は柳の葉のようである。長楕円形。落葉中木。原産地・中国。未成熟な果実と種にはアミグダリン(青酸配糖体)が含まれる。花言葉・チャーミング・気立ての良さ・天下無敵・私はあなたの虜。

 

ヤシャブシ(夜叉五倍子)  カバノキ科  ハンノキ属

花3月ー4月。雄花は黄緑色の4-6㎝の長さの尾状で垂れ下がり、雌花は小さなラグビーボールのような形をして雄花より下の葉の腋(わき)から出て、上向きに突起。雌花の色は赤茶色。雌雄同株で雌雄異花。葉が出る前に花が咲く。実は褐色で小さい松ぼっくりに似ている。日本固有種 小高木  黒色の染料になる。

 

ヤブサンザシ(藪山査子)  スグリ科(ユキノシタ科) スグリ

花4月—5月。 薄黄緑色。花の大きさは径7㎜。花弁に見えるのは咢・花弁は退化して、よく観察しないと見過ごすほど小さい。花は葉脇からまとまって多数出る。雄花の咢片は雌花の咢片より幅が広く丸味を帯びている。雌花は咢片が痩せていて雄蕊が退化、雌雄異花。果実は液果で赤い。葉は掌状で三裂。秋になると黄葉し、色付き始めた液果が枝にびっしり付く。葉の縦と横は共に3-6㎝。原産地・日本・東アジア。

絶滅危惧I類(福島県群馬県・千葉県・東京都・和歌山県高知県・福岡県・大分県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県・栃木県・埼玉県・神奈川県・静岡県・・愛知県・三重県・徳島県)。絶滅危惧種(福井県)。

 

ヤマアイ(山藍)  トウダイグサ科 ヤマアイ属

花3月-6月。 緑白色。咢片花弁共に3枚。開花すると花弁より長い蕊(しべ)が現れ、目立つ。茎は葉脇から分岐。総状花序。葉は黒味を帯びた濃い緑で長さは10㎝前後。葉の形はサクラの葉に似ているが、サクラの葉よりやや細長い。葉は対生(たいせい)(左右向き合って付くこと)。多年草。草丈30-40㎝。有毒(サポニン・嘔吐・下痢・腹痛・血便)。染料(藍色)

 

ヤマザクラ(山桜)  →   ヤマザクラ参照 

ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)サクラ基本樹⑩ヤマザクラ(山桜)で既出。

 

ヤマトウチワ(大和団扇) → イワカガミ参照 

※ ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)イワカガミ(岩鏡))で既出。

 

ヤマフジ(藤) マメ科 マメ属 

花4月—5月。藤色。花房は10~20㎝。季語春。日本固有種。落葉広葉樹蔓性。木に巻き付く。蔓(つる)左巻き。果実10~12月。ペット有毒(葉と樹皮にウェスタリン・豆にシチシンを含む。嘔吐・下痢。重篤の場合致死)。なお、フジ(藤)の蔓は右巻きで、花房20cm~100cm。 花言葉・優しさ・歓迎。

 

ヤマハンノキ(山榛の木)   カバノキ科  ハンノキ属

 花4月。 雄花は紫褐色・雌花も紫褐色。 雄花は尾状花序で葉の腋から7㎝ほど垂れ下がり、雌花は小さな松ぽっくりの様な形をしていて、雄花のすぐ下の小枝に上向き数個付く。雄花・雌花共に葉が芽吹くより先に咲く。葉の形は卵形で緩やかで不規則な鋸歯がある。葉脈がはっきりしている。ヤマハンノキは、毛深いケヤマハンノキ・マルバハンノキ・ウラジロヤマハンノキの総称でもあるが、単にヤマハンノキと言う時は、マルバハンノキを指す。ハンノキの近縁種。ヤマハンノキはハンノキよりも葉や果穂が小振りである。葉の大きさは8-15cm。ミドリシジミ蝶の食草。ミドリシジミは葉を巻いて巣を作る(落としぶみ)。極東アジア・北海道~九州に分布。 有用材(土壌改良)。

 

ヤマブキ(山吹) バラ科 ヤマブキ属

花4月-5月。黄色。一重咲・八重咲。一重咲には実がつく。八重咲は実がならない。落葉広葉樹低木。北海道南部から九州・朝鮮半島・中国に分布。やや湿り気味の山の傾斜地・渓谷・明るい林の中などに群生。枝は傾斜地の谷側に伸びて湾曲して枝垂(しだ)れる。若い木の枝は緑色で一見草のようだが、成長するにつれ木質化し、褐色になり枯れる。果実9月-10月。漢方薬(利尿剤・鎮咳・関節炎・むくみ・止血)。 花言葉・気品。春の季語  

 

ユキヤナギ バラ科  シモツケ

花3月-5月。白・薄紅。落葉広葉樹低木。庭や公園などで大いに植栽されているが、日本での自生地は限られていて、石川県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。原産地・中国。 花言葉・静かな思い・愛らしさ・気まま。

 

ユスラウメ(山桜桃梅) バラ科 サクラ属

花3月-4月。白・淡紅色。花弁5枚。花柄が無く、咢が直接枝に着いて咲く(庭梅には花柄がある)。落葉広葉樹低木。果実梅雨の頃。実は庭梅より大きい。食用可。ユスラウメの若葉には産毛の様な怪我生えているが、庭梅の葉には毛が無い。原産地・中国・朝鮮半島。 種子と実が薬用(イクリニン・サンオウトウ・利尿・通便)。 花言葉・郷愁・ノスタルジー・輝き

 

ユズリハ(楪)(交譲木)(譲葉)  ユズリハ科(トウダイグサ科)  ユズリハ

花4月—6月。 雄蕊赤。花弁無し。 総状花序。常緑広葉樹中高木。落葉するが、若葉が出てから古い葉が落ちる。葉の長さは8‐20㎝。分布は中国・朝鮮半島・日本東北地方南部から沖縄まで。 薬(ダフマクロミンA・マクロポダミン・ダフマクロミンI・駆虫・去痰・利尿・出来物・喘息)。 ペット有毒(ダフニフィリン・ダフニマクリン・ユズリミン・ダフェニリン・食欲不振・黄疸・重篤の場合は致死)。ユズリハは親から子への世代交代が円滑に行われる事を愛(め)でて、正月の飾り物にするが、猫や犬が葉を食べては大変危険。北海道の牧場で牛がユズリハの葉を食べて中毒を起こし、中には死亡した牛も居る。 花言葉・世代交代・譲渡・若返り

 

ユーフォルビア トウダイグサ科 トウダイグサ属(ユーフォルビア属)

花4月-1月。 白・赤・オレンジ・緑。但し花と見えているのは花弁では無く、実は苞(ほう)。草花タイプのユーフォルビアは、花が細かく一面に広がっている様に見えるが、それは苞で、花のあしらいなどに用いられる。草丈2-3m。草の性質は乾燥に強く、一年草から宿根草・樹木・サボテンの様な多肉植物など多様である。見た目もそれぞれかなり違う。どのユーフォルビアも乳白色の樹液を出す。有毒(液汁は皮膚がかぶれたり、目に入れば目にダメージを与える。どの種であっても有毒。特に多肉質のポイゾニーと言う品種は毒性が強く、矢毒に用いられていた。) ペット有毒。取り扱いは要手袋。 花言葉・明るく照らして・控えめ。

 

ラナンキュラス キンポウゲ科 キンポウゲ属(ラナンキュロス属)

花3月-5月。オレンジ・赤・黄・ピンク・白・紫・緑・複色。草丈30~50cm。多年草。球根。原産地・ヨーロッパ南東部・中近東。全有毒(ラヌンクリン・プロトアネモニン。皮膚炎・下痢・腹痛・嘔吐・めまい・急性肝炎)。ペット有毒(特に猫)(サポニン・プロトアネモニン・唾液過多・嘔吐・不整脈・痙攣・皮膚炎・胃腸炎・心臓麻痺・重篤の場合は致死)。開花の時期は特に毒性が強くなる。 花言葉・とても魅力的・華やかな魅力・光輝・あなたの魅力に目を奪われる。

  

リナリア(姫金魚草) ゴマノハグサ科 ウンラン属

一年草の場合・花3月-7月。赤・オレンジ・桃・黄・白・紫・褐色。草丈30~60cm。宿根草の場合・花5月-10月。桃・薄紫・白。草丈50~70cm。金魚草の花を小さくしたような花で、茎が細く、葉も細長い。風に揺れる様子は優し気でたおやか。花言葉・この恋に気がついて・乱れる乙女心・幻想。

 

ルピナス(昇り藤)  マメ科 ハウチワマメ属(ルピナス属) 

花4月-6月。 ピンク・赤・オレンジ・黄・紫・白・複色。 一年草・二年草・多年草。草丈20-150㎝。総状花序。大豆アレルギーを回避する為の代替食品として活用されているが、ルピナスの豆にはアルカロイドが含まれており、そのままでは食べられない。アルカロイドを抜く下処理が必要である。ペット有毒(ルピニン・嘔吐・下痢・呼吸困難・心臓麻痺・重篤の場合は致死)。 花言葉・貪欲・想像力・あなたは私の安らぎ。

 

レンギョウ(連翹) モクセイ科 レンギョウ

花3月-4月。芽吹きに先だって花が咲く。黄色。落広低木。中国原産。日本原産のレンギョウもある。中国原産のレンギョウは栽培が盛んで、公園などでよく植栽されているが、日本原産のヤマトレンギョウとショウドシマレンギョウの野生の二種は、環境省レッドリスト絶滅危惧種に指定されている。日本野生種の花の時期は4月-5月頃である。漢方薬(トリテルピン・モノテルペナグ・リコシド・リグナン。抗菌作用。解熱剤・消炎剤・利尿剤・排膿剤・鎮痛剤)。連翹忌は高村光太郎の命日4月2日。花言葉・希望・かなえられた希望・豊かな希望・期待・集中力・情け深い・戸惑い。

 

ロベリア(ルリチョウソウ)  キキョウ科  ミゾカクシ属

花3月-11月。 青・紫・ピンク・赤・白・複色。花弁は5枚。小さい花弁が兎の耳の様に立って2枚、大きい花弁が左右と下に3枚。一つの花の大きさが1㎝くらいで、地面を覆うように一面に咲く。星を散らしたようである。多年草一年草。草丈15-30㎝。茎を横に伸ばして広がっていく。全強毒(アルカロイド(ロベリン(延髄を刺激する))・嘔吐・頭痛・腹痛・下痢・目眩・血圧降下・呼吸困難・痙攣・意識障害・心臓麻痺・重篤の場合は致死)。 ペット有毒花言葉・いつも愛らしい・謙遜・貞淑・悪意。

 

ワサビ(山葵)  アブラナ科  ワサビ属

花3月-5月。 白。 花弁4枚。花の大きさ3㎜。総状花序。葉は丸に近いハート形で根茎の頭から何本も生えて来る。多年生・日本原産。山地の清らかな渓流や湿地に生育。根茎と葉は食用になる。ワサビの辛み成分の一つアリルイソチオシアネートは他の植物の成長を阻害する。 薬味・香辛料。抗菌作用有り。 花言葉・目覚め・うれし涙・実用。

 

ワスレナグサ(勿忘草)  ムラサキ科  ワスレナグサ

花3月-5月。 薄青・青・ピンク・白。花はとても小さい。草丈20cm~50cm。宿根多年生。ヨーロッパ原産。弱毒(ピロリジジン・大量摂取すると体重減少・健康状態の悪化・肝臓病)。花言葉・私を忘れないで・真実の愛 。 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様な本やネット情報を参考に致しました。(順不同)

ウィキペディア

みんなの趣味の園芸  育て方が分かる植物図鑑

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:

国立科学博物館 ホウチャクソウ

岐阜医療科学大学 薬学部/薬学科

医薬品情報21

レファレンス協同データベース わさびが根から放出するアリルイソチオシアネートがどのよう・・・

2021年11月8日 令和3年度第2回医薬品の成分本質に関するワーキング議事概要。

東京都健康安全研究センター

公益法人日本薬学会・生薬の花

熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

學校法人 東邦大学薬学部付属薬用植物園

教員からのメッセージ|福島県立医科大学 保健科学部

環境省農林水産省 生態系被害防止外来種リスト

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 九州支所

公益法人 日本薬学会 ナズナ・生薬の花

琉球大学|亜熱帯生物資源データベース-産学官連携Webサイト

井上動物病院 ペットに危険な植物・毒草図鑑(犬に危険な植物・猫に危険な植物)

環境省 ペットが出会う危険な植物

小さな家族のために知っておきたい植物の毒性/花卉薬草

[獣医師監修]春の散歩で注意したい10種類の花・植物

アイネコ 有毒植物ロベリア・煙草のような興奮作用と呼吸障害を引き起こす毒草

松花堂庭園 つばきマップ 松花堂庭園のツバキの種類一覧

石川県 樹木公園 つばき図鑑

北海道立総合研究機構 林産試験場

草木図譜

GKZ 植物事典

庭木図鑑 植木ペディア

山川草木図譜NEKO-NET.COM

松江の花図鑑 ムラサキケマン(紫華鬘)

花と緑の図鑑

ガーデニングの図鑑

趣味の花図鑑

結晶美術館-山藍の謎

茶道会館 茶花

白岩先生の植物教室 四季に生きる草木と昆虫 専門的な言葉の解説

木のぬくもり・森のぬくもり 樹木図鑑

杜の木漏れ日 君の名は~ミヤマヨメナミヤコワスレ

四季の山野草

木のメモ帳 続・樹の散歩道 バイモの蜜を貯める部位はなんと呼ばれているのか

LOVEGREEN

コトバンク

ジャパンナレッジ

原色植物百科図鑑 集英館

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。

まことにありがとうございます。