『現在、我が国の維管束植物の約1/4が環境省レッドリストに記載される状況であり、生息域内だけでは保全が困難な種も生じていることから・・・』という書き出しで始まる「絶滅危惧植物種子の収集・保存等に関するマニュアル」という報告が有ります。(2009年2月に環境省自然環境局による発表)
当ブログの茶花総覧で取り上げた植物は、全部で1507種です。
1507種の内、絶滅に瀕している植物は1013種あります。
つまり、絶滅が懸念される種が全体の67.2%を占めていると言う事です。
集計は次の様にして行いました。
1. 広範な品種名を含む普通名詞は数えず、個別品種名についてのみカウントする。
例:「ツバキ」ではカウントしない。ツバキの内の品種名(玉之浦・初嵐・藪椿・侘助等々)の様に、個別の品種名でカウントする。
2. 同種異名は一つと数える。
例:ゼンテイカとニッコウキスゲ。 トリカブトとアコニタム等。
3. 芽吹きの時期、花の時期、実の時期、紅葉の時期など一つの植物で何回も鑑賞する時期を迎え何度も同じ名が登場するケースがあるが、同じ植物ならばそれら全てを一つに纏めて1種とする。
3. 風情や状態を表した名前は、植物名としてカウントしない。
例:照葉(てりは)(黄葉・紅葉・枯葉などの秋冬の風情を表す草木)。オオシダレムスビヤナギ(床飾り)。
5. 同じ品種でも花の色や咲く時期によって名前が違うものについては、まとめて一つのものと数える。
例:シロカンギク、ベニカンギク・テリカンギク
上記の環境省報告書が出たのが2009年、当ブログは2024年4月の環境省レッドリスト改正後に基づいています。都道府県のレッドリストも加えています。また、レッドリストで「情報不足」のカテゴリに分類された植物は、絶滅も生存も確認できない程の減少状態を表していますので、これも絶滅危惧種の仲間に入れました。この様な訳で絶滅危惧種の比率が以前より格段に高くなっています。
天変地異や植物界の植相変遷など人間がどうしても抗(あらが)えない要因の外に、地球温暖化や酸性雨、更には開発・放置・外来種の侵入による駆逐などの環境破壊、限界集落や里山の減少による荒れ地化等々沢山の原因が有って、一概にこれぞ絶滅化の主因だと断定することはできません。ただ、その要因の一つに、乱獲がその一角を占めているのも間違いありません。
減少の一途を辿っているサギソウ、実験室で懸命の復活が図られているミヤマスカシユリ、ツバキの玉之浦は、昭和になって長崎県五島で自生していた所を発見され人気が沸騰、挿木用に枝を切られ過ぎて母樹が枯死したという運命を辿りました。今ある玉之浦はそうして挿木されて生き残った子孫たちです。
風情ある侘びた花が選択的に減少している印象を受けるので、どうしても乱獲や盗掘を疑いたくなってしまうのです。
元々日本の気候風土に順応して自生していたそれらの草木は、多少の自然の脅威に対しても適応力が強く、従って生命力も強い筈です。それなのに何故他種に先駆けて減って行くのか、数値を細かく分析すれば明快な答えを得られるかも知れません。が、今は具体的な草花の名前を挙げ連ねるに留めて、これからの茶花の在り方を考える縁(よすが)にしたいと思います。
話を茶花(ちゃばな)に戻しましょう。冬は冬枯れ、花の草木は減少し、照葉や実、枝ぶりを愉しむものが増えて参ります。花の時期に取り上げた植物も、実や枝の場面で再登場して参ります。また、茶花総覧(1)晩冬~早春で取り上げた草花も、寒い季節の一括りとして冬の項に改めて顔を出しました。
既出の植物に対しては、以前に取り上げたブログ№を記しています。詳しい内容は御面倒でもそちらの方を見て下さると有難いのですが、ここでは手間を省く手段として、そういう植物については、簡単に一行を書き添えて紹介しております。
あ –
い
イワカガミ(岩鏡) イワウメ科 イワカガミ属
ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)で既出。
花は4‐7月・花の色は淡紅色(花期の次にある色名は花の色を表す。以下同じ)・草丈10-20㎝。葉に光沢有・全国の山地に分布。
う
ウグイスカグラ(鶯神楽) スイカズラ科 スイカズラ属
ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)で既出。
花は4-5月・桃色・葉の芽吹きと同時に開花・落葉低木・実は可食。
ウメ(梅) バラ科
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春で既出。
№196では梅・雲龍梅・黄梅・寒紅梅・素心蝋梅・壇香梅・利休梅・蝋梅の8種を簡単に紹介。
ウメモドキ(梅擬) モチノキ科 モチノキ属
ブログ№199茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)と、№202茶花総覧(7)秋(あ行~か行)で 既出。
花は5―6月。白or薄紫色・花よりも実を鑑賞・絶滅危惧種・何々ウメモドキ4種紹介。
ウンリュウバイ(雲龍梅) バラ科 スモモ属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春で既出。
花2-3月。白or桃色。枝がくねくねと曲がる。
え -
お
オオシダレムスビヤナギ(大垂結柳) ヤナギ科 ヤナギ属
植物名はシダレヤナギ。オオシダレムスビヤナギは正月の床飾りのやり方の名前。正月の床飾りに、枝垂れ柳を輪に結んで飾る習慣が有る。中国の風習で、旅立つ人が無事に元へ帰って来る様にと、願いを込めて柳の枝を輪に結んだ。又、柳は龍の音に通じ出世を表し、邪鬼を祓うとも言われ、めでたい標でもある。
(ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春でウンリュウヤナギ等と共に枝垂れ柳を紹介。
余談 王維の詩に次のような七言絶句が有ります。
渭城朝雨浥軽塵 渭城(いじょう)の朝雨 軽塵(けいじん)を浥(うるお)す
客舎青青柳色新 客舎青々柳色新たなり
勧君更尽一杯酒 君に勧(すす)む 更に尽くせ一杯の酒
西出陽関無故人 西のかた陽関を出(い)づれば 故人なからん
友との送別の朝、雨上がりの宿屋の前の柳は青々として清々しい。王維は友を見送る時、その柳の枝を輪に結んで無事の帰りを祈り、枝を手折って幸先(さいさき)良かれと贈ったのではないだろうか(婆幻想)。
か
カキノキ(柿の木) カキノキ科 カキノキ属
花5月―6月。 乳白色・花は葉腋に下向きに着き、地味で目立たない。葉は楕円形or円形・葉身7-17㎝・秋には紅葉する。果実9月-12月・果実は品種により扁平から筆型まで多様・食用・ビタミン類など栄養豊富・古来より「柿が赤く成れば医者が青くなる」と言われている。 落葉広葉樹小高木・樹高4-10m。東アジア原産・日本の柿は有名。材質は硬く家具・工芸品などに利用・茶湯では棗や炉縁などで珍重される。柿渋に消臭・抗菌・防水・防腐作用有り。 柿には渋柿と甘柿がある。甘柿は渋柿の突然変異である。渋抜きは、アルコールや炭酸ガスを使った方法や、リンゴと一緒に一週間密閉保存・干し柿等々色々ある。 生薬(使用部位はヘタ)(ヘミセルロース・オレイン酸ほか・しゃっくり止め)。生薬(葉)(ビタミンC・カキタンニン等々・血管強化・止血・咳止め)。葉に殺菌作用有り。 花言葉・自然美・優しさ・恩恵。
カマツカ(鎌柄)(ウシゴロシ) バラ科 カマツカ属
花4月-6月。白・花弁5個・花径1㎝・複散房花序。葉は披針状楕円形・葉身4-7㎝・果実10-11月。赤く熟す。果実は0.8‐1㎝で倒卵形又は楕円形。材質は強靭堅牢・成長は遅く・直径15㎝になるまでに50年はかかる。鎌(かま)・玄翁(げんのう)・鑿(のみ)・斧(おの)などの柄に用いられる。 株立ち・落葉広葉樹中木・樹高5―7m。雑木林などを好む。北海道から九州まで分布。日本以外では東アジア。 花言葉・真実・愛嬌・真心。
ガマズミ(莢蒾) ガマズミ科(最新のAPGⅣ体系) ガマズミ属
(スイカズラ科(新エングラー体系)) (レンブクソウ科(APGⅢ体系))
花5月-6月。 白・花冠は5深裂・花径5㎜・雄蕊5個。葉は対生・円形~倒卵形・鋸歯有り・葉身6-15㎝・秋に紅葉。 果期9-10月・果径6㎜・球形・果実食用可・菓子や果実酒・漬物の色付けなどに利用。 材質は丈夫なので農具などの柄に使われる。また、柔軟性が有り、縄などに利用。生薬(フェニルプロパノイド・疲労回復・利尿作用)。 花言葉・結合・私を見て・私を無視しないで・愛は強し。
カンギク(寒菊) キク科 キク属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春で既出。
花12月-1月。白・黄・赤。耐寒性の小菊の園芸品種。宿根草。
ガンタンザクラ(元旦桜)(元日桜)(寒緋桜)(緋寒桜) バラ科 サクラ属
ブログ№197茶花総覧(2) 春あ行~さ行)のサクラのグループの7番目に既出。
花1-3月。濃紫紅色。ガンタンザクラは寒緋桜又は緋寒桜の別名。旧暦正月頃に咲く。花冠は釣り鐘状・花は開き切らず、萼ごと落下する。
カンザクラ(寒桜) バラ科 サクラ属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春でカンザクラの条で既出。
花1-2月。淡桃色・大島桜と寒緋桜、又は山桜と寒緋桜との雑種か?
カンボタン(寒牡丹) ボタン科 ボタン属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春のボタンの条で既出。
牡丹は春秋の二期咲き。春の花芽を摘んで秋の花芽を咲かせたのが寒牡丹。
き
キササゲ(木大角豆)(ライデンボク) ノウゼンカズラ科 キササゲ属
花5月-7月。乳白色。花の内側に紫の縦縞絞りや斑点が有る・花冠はロート状・花冠は浅く5裂で縁がフリルになっている・花径2㎝・枝先に円錐花序で花を10個以上つける。その状態は桐の花に似ている。雌雄同株・雌蕊1雄蕊5個。 葉は心形状卵形大型・葉の直径9-20㎝・葉柄20㎝・3~5浅裂する葉もある。 果実は野菜のササゲ状でその長さは20-30㎝・一か所から束になってぶら下がる。 種子は楕円形で長めの毛が生えている。 雷よけの木と信じられており、神社仏閣や城などに植えられる例が有る。別名ライデンボク(雷電木)(ナナカマドにもライデンボクの名が有る)・黄葉する。落葉広葉樹大木。樹高15m。 花言葉・夢見心地。
く
クロモジ(黒文字) クスノキ科 クロモジ属
ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)で既出。
花3-4月。淡黄緑色・落葉広葉樹低木・樹木芳香有・爪楊枝・箸・精油・薬用などに利用。
クロロウバイ(黒蝋梅)(クロバナロウバイ) ロウバイ科 クロバナロウバイ属
花5-6月。チョコレート色・花弁は細身の倒卵形又は楕円形で花弁多数・萼と花弁が同形同色で区別が困難・葉腋から出る新芽にに1~2個の花を咲かせる。花径4-6㎝・花にイチゴの様な芳香有り。種子強毒(アルカロイド(カルカンチン)・神経毒・硬直性の痙攣・延髄や血管及び呼吸中枢に作用・放牧の家畜に被害が見られる) 落葉広葉樹低木。
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春のウメの条で7番目にロウバイを紹介。但し、ロウバイの属はロウバイ属、クロロウバイの属はクロバナロウバイ属なので、違う植物。両方とも強毒を有す。
け -
こ -
さ
サガギク(嵯峨菊) キク科 キク属
ブログ№202茶花総覧(7)秋(あ行~か行)のキクの条で7番目に既出。
ブログ№203茶花総覧(8)秋(さ行~た行)のサガギクで既出。
花10-11月。白・黄・朱・桃。嵯峨天皇遺愛の菊・野生種改良。丈2mにして三段仕立てにするのが、嵯峨菊保存会の流儀。
サツマイナモリ(薩摩稲森) アカネ科 サツマイナモリ属
花12‐5月。 白or淡紅色。花はロート状・ロートの長さは1-1.5㎝・ 花冠の先は5裂し開平。花弁に無数の毛が生えている。横向きに咲く。萼の付け根に線形の苞がある。長い花柱と短い雄蕊の組み合わせの花と、短い花柱と長い雄蕊の組み合わせの花がある・枝先に集散花序を成す。 葉は披針状卵形~披針状長楕円形・葉の先端は尖る・全縁・葉身2-11㎝・匍匐性(ほふくせい)。湿り気の多い斜面を斜上する。草丈10-40㎝。 名前のイナモリは発見場所の三重県稲森山に因む。原産地・日本・台湾・中国・ベトナム。 花言葉・愛のささやき・素朴な暗し。 絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・奈良県・和歌山県・兵庫県)・ 準絶滅危惧種(京都府・鳥取県)
※ 集散花序とは、花軸が枝分かれして多数の花が集まって咲く。例:キク・バラ・大根
サネカズラ(実葛) (ビナンカズラ)別称多数 マツブサ科 サネカズラ属
ブログ№203茶花総覧(8)秋(さ行~た行)のサネカズラで既出。
花7-8月。淡黄色。花径~2㎝・蔓性常緑樹・整髪剤に利用・生薬・和歌多数。
「さね」は「小寝(さね)」に通じ、小寝は寝る事。他樹に絡まるサネカズラは、共に寝る姿をイメージする事から恋の歌によく使われる。
名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られで来るよしもがな
藤原定方
サンザシ(山査子) バラ科 サンザシ属
ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)のサンザシで既出。
花4-5月。白。梅花似。芳香有。落葉広葉樹低木・生薬・食用可・絶滅危惧種2種有。
サンシュユ(山茱萸) ミズキ科 ミズキ属
ブログ№197茶花総覧(2)春(あ行~さ行)でサンシュユ既出。
花3-4月。鮮黄色。芽吹き前に開花・散形花序。実は赤い・落葉樹高木。食用・生薬。
※ 散形花序とは、枝や花茎の先端から放射状に花がつく形を言う。例:ネギ・ヒガンバナ
し
シオギク(潮菊)(シオカゼギク) キク科 キク属
花11月‐12月。 黄。 花径8-10㎜・筒状花のみ・筒状花の花冠は5裂・極小・一つの頭花に筒状花が50個以上密集・その密集の集合体が一つの総苞に包まれて纏まっている。これ等が散房花序を成す。 草丈25-35㎝・葉は披針状倒卵形or披針状長楕円形・葉身およそ4㎝・葉幅3㎝・肉厚・丸味を帯びた大振りの鋸歯が左右に二つか三つ・葉は白く縁取られる。葉の表は灰緑色・葉の裏は細毛が密集して灰色。 他のキク科の植物と交雑し易く、純粋種の維持が難しい。潮風が当たる様な海岸の崖地や岩場に生育。 高知県東部と徳島県南部に限定的に分布。
準絶滅危惧種(徳島県)。
キク科キク属で何々シオギクと言う名の絶滅が危惧されている種が、上記の他に下記の 2 種がある。
キノクニシオギク 準絶滅危惧種(和歌山県・三重県)。
ウゴシオギク 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県)。
シクラメン(ブタノマンジュウ)(カガリビバナ) サクラソウ科 シクラメン属
花10月-3月。 白・赤・ピンク・黄・紫・複色。 花は下向きに咲く・花冠は5深裂・萼5裂・花冠基部は球形で筒状になる・筒状基部より深裂して180度反り返り、花弁は上を向く。その様子から和名はカガリビバナ(篝火花)・英名は豚の饅頭と言い、球根の形から名付けられたとも或いは受粉後の花茎が螺旋状になって丸るまってしまう事からなどとも言われている。花茎は葉の葉柄よりも高く飛び出る。葉は心形・球根より花茎も葉柄も群生。球根は半分地上から露出。球根は正しくは塊茎である(茎が肥大化したもの)。シクラメンは冬になると花屋の店頭に溢れる程に並ぶ。日本での生産量は1800万鉢に及ぶと言う。原産地は地中海沿岸のギリシャやチュニジア。野生のシクラメンはワシントン条約で保護されており、輸入は許可制。 球根有毒(サポニン配当体シクラミン)・且つてはジャガイモが登場するまでは、この球根を食用にしていた。大航海時代に南アメリカからジャガイモがヨーロッパにもたらされてからは、シクラメンの球根を食べなくなった。(因みにジャガイモも塊茎で有毒である)
シロカンギク(白寒菊) キク科 キク属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春の内カンギクで既出。
キク科キク属のカンギクで、花色が白の耐寒性の園芸品種をシロカンギクいう。
す
スイセン(水仙) ヒガンバナ科 スイセン屬
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春の内スイセンで既出。
花12‐2月。白・黄。冬の茶花の代表的な花の一つ・全有毒・ペット有毒。
ズイナ(髄菜)(瑞菜)(ヨメナの木)(希少糖の木) ズイナ科(ユキノシタ科) ズイナ属
花5月-6月。 白・花弁5枚・小さい花である。枝先に総状花序を成す・花序の長さ10-20㎝・一見白いシソの穂状。葉は長楕円形・葉先が尖る・鋸歯有り・葉身5-12㎝・互生・紅葉する。希少糖D-プシコースを含む唯一の木。D-プシコースは太らない糖と言われ、又、血糖値を抑制する作用も有る。香川県園芸センターで栽培中・若葉は食用可・お浸しなど・昔、灯心に利用。落葉低木・樹高1-3m。日本固有種。
絶滅危惧Ⅰ類(愛媛県)。 準絶滅危惧(宮崎県)。
ズイナ科ズイナ属で何々ズイナという絶滅に瀕している植物は、上記の他に下記の1種が有る。
ヒイラギズイナ 準絶滅危惧(鹿児島県)
せ
センリョウ(千両) センリョウ科 センリョウ属
ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)の内センリョウで既出。
花6-7月。黄緑。穂状花序・実は枝先に着く。正月用飾花・生薬・準絶滅危惧種。
そ
ソシンロウバイ(素心蝋梅) ロウバイ科 ロウバイ属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春のウメの条の内、ソシンロウバイは4番目に既出。
花11月-2月 黄色。中心基部も黄色(素心は素芯で、中心部まで同じ色を表す。ロウバイの中心部は茶褐色や暗紫色)・花弁は楕円形・半透明の蝋細工の様な花弁・花弁数は15‐25・ 花径3㎝。やや俯き加減に咲く。芳香有り。葉は対生・卵形又楕円形・落葉広葉樹低木・秋に黄葉。果実は(偽果)3-5㎝・樹高2-5m。庭木としてよく植えられている。生薬(シネオール・ボルネオール・リナロール・カリカンチン(アルカロイド)・αカロテン(フラボノイド)等・鎮咳・解熱・火傷)。全有毒(特に種子)(カリカンチン・神経毒・強直性痙攣・重症の場合は致死・殺鼠剤にも使用)。中国原産。 花言葉・慈愛・愛情・先見・優しい心・ゆかしさ。
なお、ソシンロウバイはブログ№196晩冬~早春の内、ウメの条で名前を挙げ、簡単に説明している。又、ロウバイについても同№196で簡単に触れている。ロウバイもソシンロウバイも「梅」と言う字が使われているが、ウメの仲間ではない。ウメはバラ目バラ科であり、ロウバイやソシンロウバイはクスノキ目ロウバイ科である。全くの別種である。ウメの条目にこの二種を差し入れた事、誠に紛らわしい行為であったと深く反省している。
た
タニグワ(谷桑)(フサザクラ) フサザクラ科 フサザクラ属
ブログ№198茶花総覧( 3)春(た行 ~わ行) では、タニグワとフサザクラが既出。タニグワは名前のみで、フサザクラの条に説明文既出。
花3-4月。花弁無し・赤い雄蕊が束になって枝に着く。遠目に赤い桜の様な景観を成す。
ち -
つ
ツクバネ(突羽根)(ハネツキノキ)(ハゴノキ)
ビャクダン科 ツクバネ属
ブログ№200茶花総覧(5)夏(た行~は行) の中で、ツクバネとツクバネウツギが既出。
ツクバネはビャクダン科で花は緑色、ツクバネウツギはスイカズラ科で花は白くラッパ型、両者とも果実は羽根突の羽根の様な形をしているので、紛らわしい。
花5-6月。緑色。花は小さい・果実は羽根突の羽根そっくり。落葉樹・絶滅危惧種。
ツバキ
ツバキは寒い時期の茶花(ちゃばな)として最も利用されている花木である。新しい品種が次々と作出され、バラやキクなどと共に園芸品種の多さを競い、大きな一群を成している。
常緑照葉樹で、葉に厚みが有り、硬くて照りがある。托葉が無く、花は枝先又は葉腋につき、雄蕊の花糸は非常に多く、その基部は合着している(例外有⇒梅芯)。ツバキの原種・ヤブツバキの花弁は五枚だが、園芸界では一重咲と言うと花弁が5枚~8枚までの範囲を言う。八重咲きや千重咲などの変化も多様でその品種も多い。これを共通項として以下ツバキの品種名を列挙する。
ここに挙げるのは寒い季節に咲く椿である。ナツツバキ(=サラソウジュ=ツユツバキ)やエイラク、オトメツバキなど春~夏に咲く椿は除外している。
椿は、園芸品種が多く、作出し発表される段に漢字で品種が登録されているものが多いので、それに従って植物名を漢字で表記する。なお参考までに、品種名の後ろの( )内に数字があるのは、以前に紹介したブログ番号を記している。
花の形について
抱え咲き(玉咲) 花弁が余り開かず、内側に籠る様に丸まった咲き方をする。
筒咲き 筒形に近い形で花弁の上部が少し開く。大きくは開かない。
ラッパ咲き 下部が筒咲き、上部が外側に反り返ってラッパ型になる。
猪口(ちょこ)咲き 花の基部から徐々に開き始め、半開きの様な形になる。
椀咲き 基部が丸味を帯びて膨らみ、お椀の様に咲く。全開はしない。
平開 全開し、花弁は水平近くまでに開く。
剣弁咲(桔梗咲) 花弁の上端が曲がり(中折れ)、剣弁状になっている。
唐子咲 花弁の内側に在る雄蕊全体が花弁化し、密集して咲く。
獅子咲 唐子咲似だが、外側弁も内側弁も大小区別なく密集。
蓮花咲 花弁と花弁の間に隙が有り、花弁の先が中折れて反る。
品種名 備考
ツバキ① 赤腰蓑(あかこしみの) 深紅・八重・ 唐子咲き
ツバキ② 秋の山(あきのやま) 白地に紅縦絞・一重・ラッパ咲~筒咲・花10-4月
ツバキ③ 曙(あけぼの)(№196) 薄桃色・一重・椀咲・大輪・花1-4月
ツバキ④ 吾妻絞(あづましぼり) 白or薄桃色の地に紅縦絞 一重 筒咲き
ツバキ⑤ 荒獅子(あらじし) 濃紅色・八重・獅子咲・中輪~大輪・花9-4月。
ツバキ⑥ 一子侘助(いちこわびすけ)(№196) 濃紅色(希に白い斑が入る事も有り)・一重・猪口咲き・小輪・花径1-2㎝・開花11‐3月。(侘助系では無く薮椿系の花)
ツバキ⑦ 有楽(うらく)(=太郎冠者(たろうかじゃ)) 織田信長の弟・織田有楽(おだうらく)が愛した椿が太郎冠者椿。有楽が好んで茶花に用いたので、何時しか太郎冠者椿を有楽椿と呼ぶようになった。太郎冠者を参照。
ツバキ⑧ 加茂本阿弥(かもほんなみ) 白・一重・椀咲・中輪~大輪・花2-4月。
ツバキ⑨ 寒椿(かんつばき)(№196) 紅色・桃色・白。八重・平開・サザンカとツバキの交雑種・散る時は花弁がバラバラに落ちる。花12-3月。
ツバキ⑩ 菊月(きくづき) 桃・一重・筒咲・中輪・剣咲・花12‐4月。
ツバキ⑪ 菊冬至(きくとうじ) 深紅に白の斑入・八重・中輪・平開・花10-4月。
ツバキ⑫ 胡蝶侘助(こちょうわびすけ)(№196) 紅地に白の斑入・一重・極小輪・猪口咲・江戸時代の古典椿。花期1-4月。
ツバキ⑬ 絞鑞月(しぼりろうげつ) 白に淡紅縦絞・一重・平開・中輪-大輪・花10-12月
ツバキ⑭ 秋彩(しゅうさい) 鮮紅色・一重・椀咲・中輪
ツバキ⑮ 秋風楽(しゅうふうらく) 白・一重・筒咲・中輪・古品種。花12-4月
ツバキ⑯ 白玉(しらたま) 白・一重・抱え咲き・中輪・古典品種・花10-3月。
ツバキ⑰ 白腰蓑(しろこしみの)(№196) 白・唐子咲・中輪・花11‐3月。
ツバキ⑱ 白八朔(しろはっさく) 白・一重・筒咲・花11‐4月。
ツバキ⑲ 白卜伴(しろぼくはん) 白・唐子咲・小輪・平開・古品種・個性的・花11‐3月
ツバキ⑳ 白侘助(しろわびすけ)№(196) 白・一重・猪口咲・小輪・花1-4月。
ツバキ㉑ 数寄屋(すきや)(=数寄屋侘助)(№196)・淡桃色・一重・猪口咲き・小輪・花12‐3月。江戸椿。
ツバキ㉒ 素粧(そしょう) 淡桃色・一重・筒咲・中輪・花12‐3月。
ツバキ㉓ 西王母(せいおうぼ)(№196)・淡桃紅暈し・一重・抱咲or筒咲・中輪・花11‐4月
ツバキ㉔ 太神楽(だいかぐら)(№196)・紅地に大小の白斑入・獅子咲or牡丹咲・大輪・古典品種・花10-4月。
ツバキ㉕ 玉之浦(たまのうら)(№196)・濃紅色に白覆輪・一重・筒咲~ラッパ咲・昭和時代に長崎県五島で発見された自生種・新品種作出の母樹の一つ・花1-4月。
ツバキ㉖ 太郎庵(たろうあん)(№196) 桃色・一重・抱え咲き・花11‐3月。
ツバキ㉗ 太郎冠者(たろうかじゃ)(=有楽(うらく))(№196) 桃色・一重・猪口咲orラッパ咲・小輪・薄侘助の別名も持つ。花1-4月。
ツバキ㉘ 東方朔(とうぼうさく) 桃色・一重・椀咲・輪芯(雄蕊が筒形に纏まらず、開ける)・中輪・西王母の自然実生・花10-4月。
ツバキ㉙ 土佐有楽(とさうらく) 桃色・一重・ラッパ咲・中輪・花2-4月。
ツバキ㉚ 初嵐(はつあらし)(№196) 咲き始めは淡桃色で、次第に白へ変わって行く・一重・筒咲・中輪。古典品種・花11‐3月。
ツバキ㉛ 雛侘助(ひなわびすけ) 桃色・白・絞り・赤。一重・猪口咲・極小輪・白侘助の姉妹・花11‐3月。
ツバキ㉜ 紅侘助(べにわびすけ) 桃色や紅・一重・猪口咲・小輪・花12‐3月。
ツバキ㉝ 妙蓮寺(みょうれんじ)(№196) 紅・一重・抱え咲き・椀形・中輪・花11‐4月。
ツバキ34 桃雀(ももすずめ) 淡桃~鴇色・一重・筒咲・極小輪・成長が遅い・花1-4月
ツバキ㉟ 薮椿(やぶつばき)(№196)・ 紅・一重咲・五弁花 ・花の大きさに色々有り・花径7-15㎝・原産地は日本・台湾・朝鮮半島。花期12-4月。ツバキを代表する樹。園芸品種の約7割方の母樹。
霊鑑寺(れいかんじ) 霊鑑寺は京都市左京区に有る臨済宗南禅寺派の門跡寺院である。
寺には100種類以上の椿が植えられており、中には京都市指定の天然記念物・日光椿(じっこうつばき)がある。「日光」は深紅で唐子咲き、樹齢350年を経た相当な巨木だったそうだが、残念ながら枯れ、現在あるのはその二代目だそうである。又、境内に有る散り椿も有名。霊漢寺椿は、品種の固有名詞では無く、お寺にある全ての椿の総称である。
ツバキ㊱ 臘月(ろうげつ)(=角葉白玉) 白・一重・筒咲~ラッパ咲・花10-3月。
ツバキ㊲ 侘助(わびすけ) 赤・桃色・白など。一重・猪口咲き・極小輪~小輪。
「侘助」はツバキ界に一つの山脈を築いている。山脈と言うのも可笑しいが、侘助の遺伝子を持っているツバキが大変多い。小さくて慎ましく、楚々とした花の姿が、侘茶の雰囲気に合っているのだろう。茶人達に愛でられ、茶花に欠かせなくなっている。中には侘助の遺伝子を持っていないツバキまでも、花の形が似ているだけで何々侘助と命名されている品種もある。
ワビスケのルーツはヤブツバキが変異したものと言われている。が、ソメイヨシノと同じで、ワビスケは種子が出来ない。雄蕊の葯が退化していて花粉が作られないのだ。どうした弾みか極まれに実を結ぶ事も有るが、日本に広がっている何々侘助の殆どは挿し木である。代を継いで行く内に変異が起きて、色などが多彩になった。ワビスケという一群は、太郎冠者(=有楽(うらく))と言う品種を親としており、何々侘助はその子孫である。(変異:藪椿⇒太郎冠者⇒侘助⇒何々侘助)
ツワブキ(石蕗) キク科 ツワブキ属
ブログ№203 茶花総覧( 8) 秋(さ行~た行)の内、ツワブキで既出。
花10-1月。黄(白・橙)。菊花似・葉は円状腎臓形・常緑多年草。食用可・生薬。
て
デイジー(ヒナギク) キク科 ヒナギク属
花12月-5月。白・ピンク・赤・紫・複色。中心に管状花(筒状花)・管状花は黄色・管状花の周囲を取り囲んで舌状花が有る・花色が多彩なのは舌状花。舌状花は八重。葉は根生葉・へら型葉・葉身5㎝・葉に毛が生えている。草丈10-20㎝。日本では1年草。ペット有毒(全草)(セスキテルペンラクトン・ピレトリン・嘔吐・下痢・消化器異常・接触による皮膚炎)。ヨーロッパ・地中海沿岸。 花言葉・純潔・美人・平和・希望。
テリカンギク(照寒菊) キク科 キク属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春の内、カンギクを1行で紹介。
花12‐2月、霜に当たって寒菊の葉が紅葉し、照り輝くような状態になった寒菊のことをテリカンギクという。
テリハ(照葉)
照葉とは、植物の種名では無く、枯葉の付いた枝の事。茶湯では枯淡の風情を味わい、侘びの世界に誘(いざな)うべく、季の花として紅葉・黄葉・枯葉などや枯れ枝そのものを床に飾る事ある。
と
トウジバイ(冬至梅)(トウジウメ)
花12月-2月。 白。一重咲・早咲き品種・野梅系 野梅性(やばいけい やばいしょう)のウメで、原種の野梅(のうめ)に近いと言われている。
※ 野梅系(やばいけい)とは、原種に近い梅のことである。
※ 野梅性(やばいしょう)とは、野梅が持つ性質のことで、枝が細い・棘が多い・花は小振り・白又は淡紅・香りが高い・果実が丸いなどの特徴を持つ。
ドウダンツツジ(満天星躑躅)(灯台躑躅) ツツジ科 ドウダンツツジ属
花4月-5月。 白。花冠は釣鐘形・葉腋から数本の花柄を出し、その先に花を下向きにつける。花径5㎜・散形花序。 葉は卵形・葉身2㎝・枝先に数枚の葉が集まって着く。紅葉が鮮やかである。落葉広葉樹・剪定に強い。庭木や公園・生垣など盛んに植栽されているが、野生の自生種は少ない。関東地方から九州にかけて、低地の岩山などを好む。ペット有毒 (特に猫)(グラヤノトキシン・嘔吐・下痢・不整脈・運動失調・痙攣・昏睡) 花言葉・節制・上品・愛の喜び・私の想いを受け止めて。
絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県・宮崎県)。準絶滅危惧種(高知県)。
ツツジ科ドウダンツツジ属で何々ドウダンツツジという絶滅に瀕している植物は、上記の他に下記の1種が有る。
ヒロハドウダンツツジ 絶滅危惧Ⅰ類(三重県・和歌山県・徳島県・長崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・愛知県・山口県)。
トサミズキ(土佐水木) マンサク科 トサミズキ属
ブログ№198 茶花総覧(3 ) 春(た行~わ行) の内、トサミズキで既出。
花3-4月。淡黄色・Ⅰつの花柄に7-8輪の花を着けて下垂・穂状花序(すいじょうかじょ)。
な
ナンテン(南天) メギ科 ナンテン属
ブログ№200茶花総覧(5)夏(た行~は行) の内、で既出。
花5-6月。 黄白色。円錐花序・果実11-12月・赤い実がなる。全有毒&生薬。
に
ニシキギ(錦木)(ヤハズニシキギ)(キツネノカミソリ) ニシキギ科 ニシキギ属
ブログ№204茶花総覧(9)秋(な行~は行) の内、ニシキギで既出。
花5-6月。薄黄緑。花径6㎜・落葉樹低木。紅葉が美しい。全有毒・準絶滅危惧種。
ぬ -
ね
ネコヤナギ(猫柳)(カワヤナギ) ヤナギ科 ヤナギ属
ブログ№196茶花総覧(1 )晩冬 ~早春で、ヤナギの条の6番目にネコヤナギで既出
花3-4月。白。花に銀白色の絹毛有・冬は赤い鱗片を被っている。落葉低木。
の
ノコンギク(野紺菊) キク科 シオン属
ブログ№202茶花総覧(7)秋(あ行~か行) のキク内、13番目でノコンギク既出。
花8-11月。薄紫・中心部は黄色。草丈50-100㎝。鹿児島県で分布特性上重要な種指定
は
ハシバミ (榛) ガバノキ科 ハシバミ属
ブログ№198茶花総覧(3)春(た行~わ行) で、ハシバミで既出。
花3-4月。雄花黄褐色。尾状花序(びじょうかじょ)・枝先から垂れる。落葉樹低木。
ハツカリ(初雁)=(初雁梅) バラ科 アンズ属(サクラ属)
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春 の内、ウメの条を設け、8種の梅の字が付く花木を紹介。そこでバラ科の梅を4種(梅・雲龍梅・寒紅梅・琉球梅)、バラ科以外の梅の字付の花木を4種(黄梅・素心蝋梅・壇香梅・蝋梅)を紹介している。ハツカりはそこでは紹介していない。
花。白。一重。原種に近い梅(野梅系(やばいけい))で、野梅性(やばいしょう)の特徴を持つ。香りが高い。ウメは2千年以上前に稲作の技術と共に中国から渡来。花ウメの白梅は奈良時代に伝えられた。貴族達は唐の文化を盛んに取り入れ、詩歌に梅を詠み、庭に植え、愛した。
菅原道真が『東風吹かば思い起こせよ梅の花 あるじ無しとて春な忘れそ』と歌ったのは、香りが高いと言うこのハツカリかも知れない。
ハマギク(浜菊)(日本デイージー) キク科 ハマギク属
ブログ№202茶花総覧(7)秋あ行~か行) のキクの条の内、ハマギクは15番目に既出。
花9-11月。中心管状花黄色・周囲舌状花白。葉は肉厚・紅葉する。日本固有種・準絶滅危惧種(千葉県)。ブログ№202では、この外にハマギク属の絶滅危惧種2種を紹介。
ハボタン(葉牡丹) アブラナ科 アブラナ属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春 のボタンの条の内、ハボタンは4番目に既出。
花3-4月。黄色。冬は葉を鑑賞・春に塔が立ち菜の花を咲かせる。牡丹とは全くの別種。
ひ
ヒイラギ(柊)(疼木)(木) モクセイ科 モクセイ属
花10月-12月。 白。花冠4裂・花径5㎜・葉腋に小さい花が密集・雌雄異株・雄株の雄蕊は2本で大きく発達し、雌株の雌蕊は雄蕊より長く伸びる。芳香有り・葉は楕円形~卵状長楕円形・対生・葉は厚味が有り堅い・光沢有・鋸歯有り・鋸歯の先が鋭い棘になっている。葉身4-7㎝。棘が邪鬼除け魔除けになると信じられており、縁起物の木である。果実は翌年の6-7月に熟す・果実の色は黒紫色・果実径10‐15㎜。常緑小高木・樹高4-8m。台湾と日本に分布・日本では本州から沖縄までの山地に生育。庭木や生垣等で栽培される。老木になるに従って棘が減り、仕舞いには全縁になる。なお、クリスマスに用いられる赤い実のヒイラギはモチノキ科のセイヨウヒイラぎである。花言葉・用心深さ・保護・先見の明。
絶滅危惧Ⅰ類(宮崎県・鹿児島県)。 準絶滅危惧種(福島県)。
モクセイ科モクセイ属で何々ヒイラギという絶滅に瀕している植物は、上記の他に下記の1種が有る。
ヤエヤマヒイラギ 絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。
ヒュウガミズキ(日向水木) №198
ブログ№198茶花総覧(3)春(た行~わ行) の内、ヒュウガミズキで既出。
花3-4月。黄・芽吹き前に開花・1~3の花を花穂につけて下垂。穂状花序・落葉低木
ビワ(枇杷) バラ科 シャリンバイ属
花11‐2月。 乳白色。花弁5個・花径1㎝・芳香有り。萼は茶色で軟毛に包まれている。葉は披針状長倒卵形~長楕円形。葉質は硬い・葉脈ごとに凸凹している。常緑広葉樹小高木・樹高5-10m。果実5-6月に黄橙色の偽果がなる(偽果は子房以外の部位が肥大して出来た果実の事を言う。ビワの場合は花托が肥大。リンゴ・イチゴなども偽果)。ビワの実は直径約4㎝前後・長さ6㎝前後・1個の重さ50g前後・中に数個の種子がある。種子は大きく、種子の大きさは実の3割ぐらいを占める。生薬(生薬名・枇杷葉(びわよう))(トリテルペノイド・セスキテルポノイド・青酸配糖体(アミグダリン)・タンニン類・鎮咳・去痰・健胃・利尿・あせも改善)・注意:ビワの種子に含まれる青酸配糖体アミグダリンは有毒であり、農林水産省はビワの種子の粉末を食べない様にしましょうとの注意喚起を行っている(健康食品や抗癌作用などの誤った情報が流布されている)。アミグダリンは青梅の種子にもある。中国南西部原産。 花言葉・温和・治癒・あなたに打ち明ける。 情報不足(奈良県)
ふ
フクジュソウ(福寿草)(元日草)(朔日草(ついたちそう)) キンポウゲ科 フクジュソウ属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春の内、フクジュソウで既出。
花2-4月。黄・花が葉に先行して開花。花冠椀形・生薬・強毒(特に根)・ペット有毒
へ
ベニカンギク(紅寒菊) キク科 キク属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春 の内、カンギクで既出。
花12-1月。紅。耐寒性の小菊の園芸品種のなかで、紅色のもの。
ほ
ポインセチア (クリスマスフラワー)(猩々木(しょうじょうぼく))
トウダイグサ科 トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
花12月‐2月。赤・桃色・乳白色・淡緑黄色・斑入り。 ポインセチアの花は、他の花に比べて花弁1枚が大きく、それが何枚も重なって咲いているので、色の鮮やかさとも相まって花屋の店頭で特に目立つ。但し、これは本当の花ではない。苞が大きくなり花弁化して色付いたものである。花は中央にあるアズキ大の小さなつぶつぶである。粒一つの中に花が数個入っている。
花の色は浅緑~黄緑色。杯状花序(はいじょうかじょ)。花は奇妙な形をしている。イチジクの実の形をした壺状の頂きが少し割れ、そこから雄花の一部の赤い雄蕊が顔をのぞかせる。雄花には花弁が無い。雄蕊の葯は黄色。雌蕊は壺の中から更に小さな壺状の子房をたんこぶの様に外に突き出し、赤い花柱を出している。雌花にも花弁は無い。花柱の先端は4裂。また。イチジク状の壺の外側に黄色い瘤がくっ付いている。瘤は臼を潰したような楕円形をしており、横一線の溝がある。溝から蜜が出ている。この黄色い瘤は腺体である。これ等の花の構造全て合わせての花序径は6㎜。6㎜の花序1個は、雌花と数個の雄花との集合体の杯状花序だが、木全体では杯状花序が集まって集散花序を成している。 葉は濃緑色・長楕円形・常緑低木。樹高2-3m。全有毒(ホルボールエステル・ユーフォルビン・皮膚炎・水疱・小児の誤食による死亡例有り・発ガン性)。ペット有毒(炎症・下痢・嘔吐)。原産地はメキシコ・中央アメリカ。花言葉・祝福・聖夜・清純・私の心は燃えている。
※ 杯状花序とは、雄花と雌花がお椀のような総苞に包まれて、茎頂に幾つかの花を咲かせる花序。トウダイグサ属の特徴。
ボタン(牡丹) ボタン科 ボタン属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春 の内、ボタンで既出。
ボタンは二期咲き。寒牡丹・春牡丹・冬牡丹があるのは栽培方法で季節を調整しているから。
ま
マユミ(真弓)(檀) ニシキギ科 ニシキギ属
ブログ№201茶花総覧(8)夏(ま行~わ行) の内、マユミで既出。
花5-6月。淡緑白。花は目立たず・果実赤・紅葉or黄葉。有毒。分布上重要な種。
ブログ№201では、上記の外に絶滅が心配されるマユミの仲間を10種紹介。
★ マルバノキ(丸葉の木)(ベニマンサク)
マンサク科 マルバノキ属 ★利休七選花の一つ
ブログ№205茶花総覧(10)秋(ま行~わ行)でマルバノキを挙げ、当種が利休七選花の一つなので、それに因み七選花も紹介している。
花10-11月。赤紫。花は常に二輪一緒・花と紅葉と実を同時期に鑑賞・絶滅危惧種。
ボタン(牡丹) ボタン科 ボタン属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春 の内、ボタンで既出。
ボタンは二期咲き。寒牡丹・春牡丹・冬牡丹があるのは栽培方法で季節を調整しているから。
マーガレット キク科 モクシュンギク属
花11月-5月。 白・クリーム・黄・薄いオレンジ・ピンク・赤。一重咲・八重咲・ポンポン咲き。葉は春菊に似る。古株になると茎が木質化する。多年草・低木。草丈or樹高30‐100㎝。原産地・カナリア諸島。 花言葉・恋占い・真実の愛・信頼。
マルバハギ(丸葉萩)(ミヤマハギ) マメ科 ハギ属
ブログ№205茶花総覧(10 )秋(ま行~わ行) の内、マルバハギ で既出。
花7-9月。花は赤紫。蝶花が葉腋に咲く・総状花序。低木・絶滅が危惧される。
マンサク(万作) マンサク科 マンサク属
ブログ№196茶花総覧(1 )晩冬~早春 の内、マンサクで既出。
花2-4月。花は黄色で錦糸卵の房状。実9-10月。紅葉・黄葉が美しい。
マンリョウ(万両)(ヤブタチバナ) サクラソウ科 ヤブコウジ属
ブログ№201茶花総覧(6) 夏(ま行~わ行) の内、マンリョウで既出。マンリョウの仲間で絶滅が危惧されている種をこの他に3件紹介。
花7-8月。白。花は小枝の先に下向きに咲く。散形花序・株立ち・赤い果実を鑑賞。生薬。
ミツマタ(三椏)(三枝)(三又) ジンチョウゲ科 ミツマタ属
ブログ№198茶花総覧(3) 春(た行~わ行) の内、ミツマタで既出。
花3-4月。花は黄or赤。葉より開花先行・無弁花・萼片4裂・手毬咲・和紙原料・全有毒
ミズキ(水木) ミズキ科 ミズキ属
花5月-6月。白。花弁4個・花径7-8㎜・枝先に水平に広がって咲き、樹冠を白く染める・散房花序・葉は枝先に集まって互生・広卵形又は長卵形・葉身6-15㎝・全縁。 秋に黄葉する・黄葉は基本的には黄色や橙色だが、赤紫や茶色など変化に富む。果実は直径7-8㎜の赤い球形で、後に黒紫に熟す。材質は白く柔らかい・建築材などに利用・こけしや正月の祝箸などの材に使われる。ミズキは早春の頃成長が盛んで、水を大量に吸い上げる。枝を切ると樹液が滴り落ちて来ると言われている。名前の水木の由来はそこから来ている。落葉広葉樹高木・樹高10-20m。日当たりの良い丘陵地などを好み、アジア東部~南部・ヒマラヤから南千島まで分布。 花言葉・永続性・返礼・私の想いを受けて下さい。
ムラサキシキブ(紫式部) シソ科 ムラサキシキブ属
ブログ№201茶花総覧(6)夏(ま行~わ行) の内、ムラサキシキブで既出。ムラサキシキブの仲間で絶滅が危惧されている種は、これを含めて2件紹介。
花6-7月。淡紅紫色。花冠4裂筒状花、集散花序。果実紫・黄葉・落葉樹低木。
ヤグルマギク(矢車菊) キク科 ヤグルマギク属
ブログ№201茶花総覧(6) 夏(ま行~わ行) の内、ヤグルマギクで既出。
花12月-7月。花色は青紫~赤~白まで多彩・花冠は筒状花のみ・花付が矢車に似る。生薬。
ヤツデ(八手) ウコギ科 ヤツデ属
花11月-12月。白。花弁5個・雄蕊5・雌蕊5個・花径5㎜。茎の頭頂に球状の散形花序を作り、更に球状の散形花序が集まって円錐花序を成す。幼葉は卵形・成長につれて奇数分裂し、7裂・9裂・11裂と掌状形の葉になる。成長した葉身は20㎝以上・葉柄は長い・互生又は輪生・株立ち・常緑低木。樹高2-5m。ペット有毒(サポニン・下痢・嘔吐・溶血。誤食すると小動物にとっては危険)。原産地・本州福島県以南~沖縄。 花言葉・分別・健康・親しみ。 分布特性上重要な種(鹿児島県)
ウコギ科ヤツデ属で何々ヤツデという名の絶滅に瀕している種は、上記の外に下記の2種が有る。
ムニンヤツデ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類。
リュウキュウヤツデ 準絶滅危惧種(鹿児島県)
ヤナギ(柳) ヤナギ科 ヤナギ属
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春 のヤナギの条で、ヤナギ属の8種を紹介。
又、当ブログ№203のオオシダレムスビヤナギでヤナギの正月飾りに触れる。
柳は低木から高木、枝垂系・株立系・匍匐系まで樹形様々。冬~春の枝ものとして茶花に登場。
ユキワリソウ(雪割草)⇒ミスミソウ キンポウゲ科 ミスミソウ属
ブログ№196 茶花総覧(1 ) 晩冬~早春 の内、ミスミソウで既出。ユキワリソウは名前を挙げただけ。ミスミソウの方に本文有り。サクラソウ科サクラソウ属のユキワリソウとは別種。
花3‐4月。花弁無。咢の色が白・桃・赤・紫・黄色等々。一重or八重。生薬。北陸に分布
リユウノウギク(竜脳菊) キク科 キク属
ブログ№202茶花総覧(7)秋(あ行~か行) のキクの条で、18番目にリュウノウギクで既出。
花10-11月。白・一重・樟脳の匂い有り・福島新潟以南の丘陵や山地に自生。日本固有種。 絶滅危惧種
ロウバイ(蝋梅) クスノキ目 ロウバイ科 ロウバイ屬
ブログ№196茶花総覧(1)晩冬~早春 のウメの条の内、7番目にロウバイで既出。
花1-2月。花は白、花芯は赤 広落低木。漢方薬・全有毒。
梅の字が付いているが、ウメの仲間ではない。
ワタ(棉) アオイ科 ワタ属
花7月-11月。クリーム色・花弁の内側基部は暗紫紅色・花弁5枚・鐘形・花径3-5cm・苞葉3枚。葉は掌状形で3-5中裂・果実は球形で先端がやや尖った蒴果、熟すと割れて中から綿毛に包まれた種子が弾(はじ)ける。弾けた後の白い綿毛の球が、ふわふわの花弁の集まりの様に見えるので、これを綿花(コットンフラワー)と言う。綿毛の球はコットンボールと言い、種類によってワタの繊維の長さが違う。熱帯の植物・1年草・多年草又は低木。日本では冬越しが出来ない為、1年草扱いである。日本には799年にもたらされたが、江戸時代になってから本格的な栽培が行われる様になった。 有用材・木綿・綿実油。 原産地・エチオピア・メキシコ。 主な栽培国・インド・中国・アメリカ・パキスタン。 花言葉・偉大・崇高。
※ ワタの個人的な栽培や或いは産業目的の栽培に於いて、ワタの種子を輸入しようとする時、農林水産省からの注意が出されている。外国産の種子は、病害虫や除草剤への耐性を上げる為、現在盛んにワタの種子の遺伝子組み換えが行われている。それらの種子を日本国内に持ち込む事は国が禁止しており、法律違反になる。種子を入手する場合は、遺伝子組み換え表示の無いもを選択するように、との事。
この記事を書くに当たり、下記の様なネット情報や本を参考に致しました。(順不同)
Wikipedia
茶湯手帳 宮下玄覇 宮帯出版社
原色植物百科図鑑 集英社
日本のレッドデータ検索システム
徳島の野草www.ne.jp シオギク(潮菊・塩菊)
東京都保健医療局 ビワの種子には、有害な物質が含まれて・・・
GKZ植物事典・シオギク(潮菊)
ソシンロウバイ-旬の薬草- 学校法人東邦大学
ソシンロウバイ | 公益社団法人東京生薬協会
椿を観る[城南宮 つばき図鑑]
かぎけん花図鑑 特集 椿品種一覧
花の手帳 椿図鑑
日本ツバキ協会の品種名称よみかた
日本の美の象徴、「侘助(わびすけ)」ツバキを廻るエピソード 九州大学総合研究博物館
国立科学博物館「ヤブツバキ」
和みの庭 ツバキの品種リスト花色・花形別 五十音・アルファベット順
川崎みどり研究所 ツバキ園芸品種図鑑
北海道大学 ツバキ科
かぎけん花図鑑 特集 椿品種一覧
あきた森づくり活動サポートセンター 樹木シリーズ80カマツカ
ガマズミ | 熊本大学薬学部薬用植物園 薬草データベース
国立大学法人 福岡教育大学 トウダイグサ属
岡山理科大 ポインセチア
筑波大学生物学類 花序 Inflorescence
野山の花たち トウダイグサの花の構造と違い
庭木図鑑 植木ベディア
庭木図鑑 植木ベディア ポインセチア/ぽいんせちあ/猩々木
花しらべ-花図鑑
松江の花図鑑
かぎけん花図鑑
四季の山野草
サツマイナモリ-四季折々の草花-ふるさと種子島
山に出かけてecoライフ ズイナ(髄菜、髄菜)は希少糖の木といわれ、春に白い花が・
デジタル植物写真集 ズイナ-ec-net.jp
花と緑の図鑑 ヒイラギ新・花と緑の詳しい図鑑
月向農園 いろいろな梅の花|なんでも梅学
唐詩散策 目加田誠
このほかにも、各地各園芸店の商品紹介や個人様の花育ての記・旅の記録など大いに参考にさせて頂きました。これ等書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂き、心から御礼申し上げます。誠に有難うございました。