式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

123 武将の人生(4) 足利将軍家 1

家系を繋ぐと言うのは何時の世でも大変な困難を伴います。足利将軍家は正にその典型でした。 男子が生まれない、生まれても大人になる前に病死してしまい満足に育たない、健康ならばそれで目出度いかと言うとそうでも無く、兄弟が死闘を繰り返す・・・徳川幕…

122 武将の人生(3)

室町幕府は守護大名の寄合所帯です。足利将軍はその上に乗っかている御神輿の鳳輦(ほうれん)に過ぎません。足利家は御神輿の安定化を図る為に担ぎ手の守護大名の背丈を揃えようと、強大な守護大名を狙い撃ちにしては内紛を起こさせて弱体化を図り、挑発し…

121 武将の人生(2)

南北朝の動乱の中、足利家で一つの悲劇が同時進行しておりました。それは、日本史最大の兄弟喧嘩とも言える「観応の擾乱(かんのうのじょうらん)」の始まりです。 室町幕府初代将軍・足利尊氏には正室との間に生まれた義詮(よしあきら)と言う男子と、無筋目の…

120 武将の人生 (1) 

豊臣秀吉が天下を取って争乱の時代が終わりを告げたかに見えても、なお戦いは絶えません。小田原征伐・九州征伐・朝鮮征伐、関ケ原、大坂の陣へと続いて行きます。 顧みれば、討死、戦病死、自刃、暗殺、刑死、謀殺・・・畳の上で天寿を全うすると言う事は、…

119 式正の茶碗 

前号で織部焼きの茶碗について触れましたが、式正織部流ではいわゆる「織部茶碗」と言う歪(ひず)んだ茶碗は使いません。また、織部釉(緑色)の茶碗も「織部流だから」と言って使かわねばならない、と言う決まりもありません。 式正織部流で使う茶碗は、ご飯茶…