式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

199茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)

茶花(ちゃばな)シリーズも早くも夏に入ります。記載の約束事は今までと同じです。

草花の名を列挙して行くにしても、有毒植物のなんと多い事か。これ等の化学物質は、紫外線・虫の食害・カビ・ウィルス・渇水・生存競争などの、植物にとって過酷な戦いに打ち勝つ為の武器と戦略であり、そして、それ等とは真逆の共生関係の維持に必要な物資でもあります。人間側もそれを十分に弁(わきま)えて、慎重に付き合って行かねばなりません。

夏シーズンの項に観葉植物を入れました。観葉植物には花の時期が分からないものが多かったのと、如何にも涼し気で茶室に清涼感を演出するのではないかという思いがあり、そうしました。観葉植物は南国の風情を湛(たた)えたものが多いので、和の床に合わないかも知れません。が、挿し様によっては面白い空間が生まれるかも・・・と言う訳で、種々雑多、合うも合わないも色々取り上げてみます。

 

植物名(漢字表記)(別名)  科  属

開花期 花色 草・樹相 生育環境等 毒性有無 花言葉 絶滅危惧の有無

 

アイビー(ヘデラ)  ウコギ科  キヅタ属

常緑蔓性植物。葉は掌状葉(しょうじょうよう)3裂または5裂する。蔓(つる)を際限なく伸ばす。ペット有毒(サポニン・流涎(りゅうえん(→よだれを流す))・嘔吐・下痢・口腔の痛み)。花言葉・永遠の愛・結婚・不滅・誠実。

※ 掌状葉とは、人の掌(たなごころ)の形をした葉で、例えばカエデやヤツデの様な葉を言う。

 

アガパンサス(紫君子蘭) ヒガンバナ科 ムラサキクンシラン属(アガパンサス属)

花6月-8月。青紫・白・複色。ラッパ型で花冠は6裂。花茎の先端から花火のように放射状に何本も花柄(かへい)を伸ばし、花をつける。見た目は大きなネギ坊主である。多年草散形花序(さんけいかじょ)常緑種と落葉種がある。草丈30-150㎝。 有毒(アルカロイド(フェナントリジン)・嘔吐・下痢))。ペット有毒花言葉・優しい気持ち・知的な装い・ラブレター・誠実な愛等々。

※ 花柄とは、枝や茎と一つの花を結ぶ連絡通路の様な茎。サクランボの実から出ている短い茎と同じもの。例・イチゴの花・フジの花。

※ 散形花序とは、軸の先に花が沢山咲く花の着き方を言う。花には花柄がある。例  ネギ・ヒガンバナ

 

アカメガシワ(赤芽)(五菜葉(ごさいば))(菜盛葉(さいもりば))  トウダイグサ科  アカメガシワ

花6月-7月。 雌雄異株。雄花は淡黄色、雌花は赤味を帯び、後に淡黄色に変化。雌雄とも花弁は無く、極めて小さい。総状花序(そうじょうかじょ)芽生えの葉は赤く、後に緑になる。葉は広卵形(こうらんけい)・浅く三裂する葉も有り。落葉広葉樹高木。本州秋田県以南から沖縄、台湾・中国・朝鮮に分布。有用材(建築・家具・薪炭)。生薬(生薬名アカメガシワ)(イソクマリン胃潰瘍・十二指腸潰瘍・条虫駆除薬)・紅色染料。食器代わり。花言葉・繊細・澄んだ心。

※ 総状花序とは、花軸から花柄を出して花をつけ、下から先端へ順次咲いて行くタイプの花の事を言う。例:ヒヤシンス・ジギタリスなど。

 ※ 広卵形とは次のようなものである。鶏卵の輪郭線は円でもなく、楕円形でもなく、片方が大きく膨らんでいて、反対のもう一方は膨らみが小さくなっている。この形の様に、葉の基部の方が膨らんでいて、葉の先の方がすぼまっているのを卵形と言う。広卵形は卵形を更に一回りも二回りも幅広くした葉の形の事を言う。

 

アサガオ(朝顔)(牽牛花(けにごしorけんごし))  ヒルガオ科  サツマイモ属

花7月-10月。 青・青紫・赤・赤紫・ピンク・白・複色。花弁5枚・合弁花・癒着以前の花弁の中心線に中肋(ちゅうろく)がある。朝顔の花の場合はこの中肋を特別に(よう)と言う。五つの曜が白くなり、中心から放射状に走っている花が多い。蔓性。葉は掌状葉(三裂)か丸葉で毛が有る。奈良時代、唐より種が薬としてもたらされた。江戸時代に園芸が盛んになり、変わり咲きなど品種多様。

八重咲など変わり咲きの花の多くは種を作らず、その遺伝子は途絶えてしまっている。現代は形の変化を追求するよりも、大型化への道を歩んでいる。朝顔は夜が短いと開花が遅れ、照明などで四六時中明るいと蕾(つぼ)みは開かない。種子有毒(ファルビチン・コンボルプリン・腹痛・下痢・嘔吐)。昔、中国では朝顔の種は薬として売買されていた。薬(生薬名(牽牛子)・下剤・駆虫剤・利尿剤)。 ペット有毒 (種にファルビチン・下痢・血便。西洋アサガオマルバアサガオの種にリゼルグ酸アミド・抗精神作用・幻覚)。花言葉・愛情・結束・朝も爽やかに・あなたに絡みつく。

絶滅危惧種

ヒルガオ科のサツマイモ属の中で絶滅危惧種に指定された何々アサガオと言う野生種は以下の通り7種類有る。

アツバアサガオ(厚葉朝顔) 絶滅(宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。

オオバケアサガオ(大葉毛朝顔)環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)

オオバハマアサガオ(大葉浜朝顔) 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。

カワリバアサガオ(変葉朝顔) 情報不足(沖縄県)

ナガバアサガオ(長葉朝顔) 環境省カテゴリ絶滅危惧(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

ノアサガオ(朝顔) 絶滅危惧Ⅰ類(和歌山県高知県大分県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛媛県)

マルバアサガオラクサ(丸葉朝顔) 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

※ 中肋とは、葉の中心を通る一番太い主脈のこと。

※ とは、朝顔の花の主脈に用いられる言葉。朝顔の葉の場合は普通に葉脈と言う。

 

アザミ(薊) キク科 アザミ属

アザミは固有名詞では無くアザミ属の総称 → ブログ№200茶花総覧(5)夏の項でノアザミ(野薊)を掲載予定。

 

アジサイ(紫陽花)  アジサイ科  アジサイ属 

花6月-7月。 白・青・紫。 花弁に見えるのは咢が発達したもので装飾花。 装飾花に囲まれた中心部にある細かい粒々に見えるものが花。 葉は手の平サイズで卵型、鋸歯有り。普通、紫陽花と呼んでいる花は、ガクアジサイの園芸品種。花序が全て装飾花になっているのを手毬咲きと言う。 落葉広葉樹低木。 全有毒(毒成分は未だ特定されず、諸説ある。(青酸配糖体の説も有り)が、食中毒事故は人間にも家畜にも起きている。嘔吐・目眩・顔面紅潮)。料理に添えられたアジサイの葉を食べて中毒発生。アジサイ科の甘茶を灌仏会の時に飲んだ子供が45人中毒を起こした事も有る。 ペット有毒(ファルピチン・下痢・血便)。 花言葉・移り気・辛抱強さ・浮気・無常。

絶滅危惧

アジサイの野生種の内、絶滅に瀕している種は下記の通りである。

コアジサイ 絶滅(千葉県)。 地域個体群(新潟県)    参照:コアジサイの条 

ゴトウヅル 絶滅危惧Ⅰ類(千葉県) 絶滅危惧種(鹿児島県) 

タマアジサイ 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県)。 絶滅危惧種(宮城県・石川県) 

トカラアジサイ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。 分布特性上重要種(鹿児島県)

トカラタマアジサイ 環境省カテゴリ・絶滅危惧A(CR) 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。 

ナンゴクヤマアジサイ  分布特性上重要種(鹿児島県)

ヒュウガアジサイ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(熊本県)絶滅危惧Ⅱ類(宮崎県)。

ヤクシマアジサイ 分布特性上重要種(鹿児島県)

ヤハズアジサイ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県) 絶滅危惧Ⅱ類(大分県香川県)

ヤマアジサイ 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県) 絶滅危惧種(宮城県)。

 

アスパラガス キジカクシ科 クサスギカズラ属 

花5月―7月。黄白色. 花の大きさは米粒くらい。茎は株立ち。髪の毛のように細く枝分かれし、霞むように茂っているのは葉では無く枝。葉は枝の各所に付いているハカマの様な小さな葉。新芽を食用とする。薬(アスパラギン・ルチン・疲労回復・新陳代謝促進・利尿作用)。全有毒(特に種子)(サポニン・腹痛・下痢・嘔吐)。ペット有毒(種子)。花言葉・何も変わらない・普遍・私が勝つ。

 

アマドコロ (甘野老)  キジカクシ科(クサスギガズラ科)  ナルコユリ属(アマドコロ属)

花5月-6月。 白。花は釣り鐘型で、葉の付け根から一つ又は二輪ずつ垂れ下がる(ナルコユリに似ている)。葉は長楕円形で笹に似る。葉は左右に互生。茎は角ばっている。北海道から九州に分布。原野・山地・明るい林間などに自生する。根は地下茎で多肉多年草。草丈30-60cm。若芽と花と地下茎は食用可。果実は有毒(腹痛・嘔吐)。 生薬(生薬名・萎蕤(いずい))(漢方名・玉竹)(アゼチジン・コンバラリン・滋養・強壮・消炎剤)。花言葉・元気を出して・心の痛みの分かる人。

※ 地下茎の多肉とは、ショウガの根のように根が太っている事。

※ 多年草とは、1年で枯れてしまわない花。例:芝桜・菊・スズラン等。

※ 互生とは、茎の節ごとに葉が一枚ずつ方向を替えて生える葉の着き方を言う。

絶滅危惧Ⅱ類(東京都)。 分布特性上重要種(鹿児島県)

 

アマチャ(甘茶)   アジサイ科(ユキノシタ科)  アジサイ

花5月-6月。 淡青色。 散房花序(さんぼうかじょ)ヤマアジサイの変種。葉・茎・葉柄が紫色を帯びる。薬用甘味料。灌仏会(かんぶつえ)(花祭り)の時、お釈迦様に甘茶をかける風習がある。その甘茶を飲んで食中毒が発生した事がある。有毒(有毒成分不明・青酸配糖体との説有り・嘔吐・悪心)。花言葉・祝杯。

アマチャの仲間のバイカアマチャは絶滅が危惧されている。

イカアマチャ  絶滅危惧Ⅰ(愛媛県・福岡県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(奈良県)。絶滅危惧種(愛知県・三重県)。

※ 散房花序とは、主軸の茎頂に皿状に花が広がって並ぶようになる形の花序。頭頂で花の背丈が揃う様になる為、従って、花柄は下に行くほど長くなる。花が咲く順序は外側から咲き始め、中心に向かって開花が進んで行く。

 

アヤメのグループ

アヤメ科のグループは多年草で、世界で1,500種ある。単子葉植物で葉は剣状。6枚の花弁があるが、6枚の内3枚は、実は花弁ではない。外側に3枚ある幅広のものが咢(がく)の変化したもの(外花被片)。内側にあって立ち上がっている3枚の花弁が花である(内花被片)。雌蕊は基部で繋がっており一つだが、先端から基部に至るまで大きく三分裂していて、一見3本あるように見える。但し、雌蕊は普通に見る細い管状では無く、幅を持っていて、外花被片と同じ色をしているので(花柱)、もう一つの小振りの花の様に見える(花柱の先っぽが柱頭)。雌蕊はその下にある雄蕊に覆い被さっている。

※ 外花被片(がいかひへん)内花被片(ないかひへん)とは、花を守る為に花の周りを被(おお)い、且つ昆虫達に蜜の在処(ありか)を教える看板の役目を果たしているものを言う。雄蕊と雌蕊と子房のワンセットを指して「花」と言う。外花被は外側にあるもので、これが咢である。内花被は内側にあるもので、いわゆる花弁と言われるものである。大抵の場合、外花被は緑色や茶色っぽい色をして目立たないが、外花被が大型化し、色も花弁と同じ色か或いは派手な色に変化することがある。アヤメ科やユリ科やラン科などにその特徴がみられる。

 

アヤメ① アヤメ(文目)(綾目)  アヤメ科 アヤメ属

5月上旬から下旬  青紫・白。草丈20-50cm。山野草。山や丘などの草原を好み、湿地を嫌う。従って、水辺に生育している「アヤメ」は本来のアヤメではない。外花被片の基部が黄色から白になり、その上にはっきりとした綾目が見える(白色アヤメはアヤメの筋が少し見えにくい)。花茎に一つの花しかつけない。綾目模様は昆虫に密の在処(ありか)を知らせる為の印で密標(みつひょう)と呼ばれる。外花被片が広いのは昆虫の止まる場所、要はバルコニー。長い細身の葉が真っ直ぐ立つ。落葉する。 全有毒(イリジェニン・イリジン・テクトリジン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸炎)。 原産地・日本・東北アジア花言葉・良い便り・希望。

 

アヤメ イチハツ(一八)(一初)(鳶尾)  アヤメ科 アヤメ属

花4月-5月。青紫。白。草丈30-50cm。多年草。乾いた土を好む。花茎は分岐して一つの花茎に2~3個の花を着ける。外花被片の基部辺りに、白いもじゃもじゃの鳥のとさかの様なものが生えている。それがイチハツを見分けるポイントである。葉は幅広で、檜扇のように重なり合いながら広がる。中国中部~ミャンマー北部原産。アヤメ類の中で最初に咲くから一初という名が有る。一初は風や火を防ぐという言い伝えがあり、室町時代の頃からかやぶきの屋根の上に一初を植える習慣があった(英名Roof Iris)。現代は茅葺屋根そのものが減っているので見掛けない。 有毒(テクトリジン・アンドロシン・嘔吐・下痢)。生薬(食当たり・消化不良・便秘・打撲傷・痔)。 花言葉・火の用心

 

アヤメ カキツバタ(杜若) アヤメ科 アヤメ属  

花5月-6月。紫・青・白・複色。水生植物。草丈50~80cm。落葉。日本・朝鮮半島・東シベリアに分布。外側の花びらの中央部に白or黄色の筋や斑紋が見える。外花被片は余りひらひらせず、内花被片も細身で、スッキリしている。薬用(去痰薬)。花言葉・高貴・思慕・幸せは必ず来る。

『からころもつつ慣れにしましあれば るばる来ぬるびをしぞ思う

  唐衣 着つつ慣れにし 妻しあれば  はるばる来ぬる旅をしぞ思う

という伊勢物語の有名な歌がある。

 

アヤメ④ ハナショウブ(花菖蒲) アヤメ科 アヤメ属

花5月~7月中旬。青・紫・ピンク・白・複色・黄。多年草。草丈50-100cm。原産地・日本・朝鮮半島・東シベリア。外花被片の付け根が黄色で、網目模様はない。葉は狭い剣状で葉脈がはっきりとしている。落葉する。全有毒(イリジェニン・イリジンテク・リジン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸炎)。ペット有毒  

 

アヤメ⑤ ヒオウギアヤメ(檜扇菖蒲)  アヤメ科 アヤメ属

花7月-8月。青紫。花茎60-90cm。葉の長さ20-40cm。外花被片の付け根に網目模様がある。日本原産。アヤメが山地の草原に生育するのに対し、ヒオウギアヤメは亜高山帯から高山帯の湿地に生育する。アヤメは花茎1本の先に一つしか花を持たないが、ヒオウギアヤメは花茎が分岐して2~3の花を咲かせる。葉は剣状で互生し合いながら茎の先へ上昇し、檜扇の様に重なり合いながら扇子状に伸びる。有毒(胃腸炎・皮膚炎)花言葉・高貴・奇跡・華美。

ヒオウギアヤメ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県)。絶滅危惧種(栃木県)。地域個体群(新潟県)。

ナスヒオウギアヤメ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠA(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(栃木県)。

 

アヤメ⑥ ジャーマンアイリス (ドイツアヤメ)  アヤメ科 アヤメ属

花5月-6月(一部は10月-11月にも開花)。赤・オレンジ・ピンク・黄色・白・青・紫・複色。草丈20-100cm。香り有り。根茎多年草ドイツアヤメを基とした交配園芸種。大輪咲き。全有毒(イリジェニン・イリジン・テクトリジン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸炎)。花言葉・燃える思い・情熱。 

 

アラマンダ(有明カズラ)(ゴールデントランペット)  キョウチクトウ科  アリアケガズラ属(アラマンダ属)

花5月-10月。 黄色・ピンク。ラッパ型で花の先は5裂。集散花序。葉は革質の楕円形で夾竹桃の葉に似る。つる性花木50~200cm。低温に弱い。原産地・熱帯アメリカ。全有毒(心毒性配糖体(アルカロイド)・皮膚炎・下痢・発熱・唇の腫れ・喉の渇き嘔吐・下痢)。ペット有毒花言葉・恋に落ちる前・あなたに愛を・隠された美・楽しい追憶・永遠の幸せ。

 ※ 集散花序とは、花を咲かせる主軸から分枝して脇に枝を出し、その脇枝から更に枝分かれしてと言う様に花を沢山つけて行くやり方を集散花序と言う。集散花序の場合、花の開花は主軸の茎頂から始まり、次にそれぞれ分岐した主だった茎頂へと開花が進む。従って花は中心部から外縁部へと広がる様に咲き進んで行く。(←対→散房花序は外側から中心部へ向かって咲き進む)

 

アリアケカズラ → アラマンダ参照。

 

アルストロメリア  ユリズイセン科(ヒガンバナ科ユリ科アルストロメリア科)  ユリズイセン属

花5月-7月。オレンジ・ピンク・赤・黄・白・紫・複色。花弁6枚・外側の花弁は幅広で丸味を帯びており3枚・内側の花弁はそれより細身の3枚。葉は披針形。草丈10-200cm。原産地・南アフリカ全有毒(特に球根)(ツリパリン・ツリポシド・アレルギー性皮膚炎)。ペット有毒(ツリパリン・タンニン・嘔吐・下痢・腹痛・口内炎・発熱)。花言葉・持続・華奢・未来への憧れ・エキゾチック・柔らかな気配り等々他多数。

※ 同じ花なのに、科や属が違うのは、分類方法が違うからである。最も新しい分類体系は、葉緑素のDNAから分類するもので、APG分類体系(Angiosperm Phlogeny Group)と呼ばれている。牧野富太郎の時代の分類は、形が似通ったものを系統化して分類して行ったが、いろいろな知見が深まるにつれ、進化系統樹別の分類方法や遺伝子による分類方法等々が出て来た。アルストロメリアの科が色々に分かれているが、それは、分類の仕方が違うからである。

 

アワモリソウ(泡盛草)(アスチルベ)(アワモリショウマ)  ユキノシタ科 チダケサシ属

花4月-6月。白・ピンク・赤・紫。花径2-3㎜・花弁5枚。有花径の先に盛れ盛れに円錐花序で開花。渓谷の岩の上などに自生。葉は披針形・鋸歯あり。園芸品種有り。草丈50‐80㎝。花言葉・恋の訪れ・自由・繊細。  絶滅危惧Ⅰ類(熊本県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(香川県)絶滅危惧種(大分県)要注目(滋賀県)

イヌマキ(犬槙)  マキ科 マキ属 

花4月-6月。 黄。 雄株は黄白色で穂状花序(すいじょうかじょ)。雌株は白色で先端に胚珠を持つ。果実10月に成熟・果托(=花托or果床or花床)が濃い赤紫色に肥大し、種は白い粉吹き様の灰緑色。葉は線形で革質。常緑樹高木(およそ20m)。本州の房総半島以西から台湾・中国南部まで分布。有用材(建材・生垣・防風・防火・防音・防潮)。果実有毒(イヌマキラクトン・嘔吐・下痢)・ ペット全有毒(タキシン・果肉は食可だが、中の種が特に有毒。痙攣・呼吸麻痺)。果拓の赤い実は食用可。種子の灰緑色の方は有毒。小型犬ならば種一粒でも危険。鳥は実を食べても、種を糞として出してしまうので影響はない。生薬(ラクトン類・羅漢松実(らかんしょうじつ)・胃痛)。準絶滅危惧(奈良県)情報不足(石川県)。

※ 穂状花序とは花柄の無い花が、長く伸びた花軸に直接着いて花を多数咲かせる状態を言う。例:グラジオラス・オオバコ・ワレモコウ・イヌタデ

 

イブキシモツケ(伊吹下野)   バラ科  シモツケ

花4月-6月。 白。 花弁は5枚。 花径0.4-0.6㎝。 葉腋(ようえき)から出る茎先に数十もの花が集合して手毬のように丸くなって咲く。散形花序。細い枝にいくつもの花の手毬を咲かせて枝垂れる。葉は丸味ミを帯びた菱形・鋸歯有り・時に3裂。落葉小低木。 伊吹山中で発見により命名花言葉・純情・穏やか

絶滅危惧I類(和歌山県)。絶滅危惧Ⅱ類(三重県)。絶滅危惧種(岐阜県奈良県香川県・福岡県)。分類上重要種(滋賀県)。シモツケ参照。

※ 葉腋とは、茎と葉の付け根の股(また)の所。

※ 散形花序とは、パラシュートの様に、茎頂の一点から放射状に多数の花柄が伸び、花が咲く形を言う。例:ネギ・ヤツデ・ヒガンバナ・ニンジン等。

 

イブキトラノオ(伊吹虎の尾)   タデ科  イブキトラノオ

花7月-8月。 薄紫・白。 花茎の先端に、小さな花を密集させて花穂を形成。穂状花序。葉は披針形。草丈50‐120cm。山地の草原から高山に分布。

絶滅危惧I類(秋田県・埼玉県・奈良県岡山県)絶滅危惧Ⅱ類(鳥取県)準絶滅危惧(岩手県熊本県)分類上重要種(滋賀県)情報不足(福島県)

 

イブキフウロ(伊吹風露)  フウロウ科

花7月-8月。淡紅紫色。花弁は5枚。花弁の先が浅く3つに切れている。花の基部より紫色の筋がある。離弁花。花の径は3㎝ほど。葉は春菊のように深い切れ込みがあり、鋭角な鋸歯有り。草丈30-80cm。日本固有種。明るい山地や高山帯の草地を好む。本州の中部地方伊吹山と東北地方に生育。生育範囲は極めて限られている。分布上重要種(滋賀県)

 

イワギキョウ(岩桔梗)  キキョウ科  ホタルブクロ属

花7月-8月。青紫。合弁花・花冠は5裂。やや上向きに咲く。葉は根生し倒披針形・鋸歯有り・鋸歯は小さいが棘状に突起。高山の砂礫地に生育。北海道から中部地方の高山・北東ロシア・アラスカ・北米亜高山から高山帯に分布。高山植物花言葉・誠実・感謝・誠実な恋・美点の持ち主。 

絶滅(栃木県)。 絶滅危惧I類(秋田県山形県)絶滅危惧Ⅱ類(岩手県) 情報不足(福島県)地域個体群(新潟県)。

 

イワタバコ(ニガナ)(イワヂシャ)  イワタバコ科  イワタバコ属

花6月-9月。紫・ピンク・白。花はラッパ型・花冠は5裂して星形・咢も5裂・花径は1-1.5㎝。根元からでた花茎の先端に4—5輪の花が纏まって咲く・散形花序。葉は根元からのみ出葉・葉の形は広卵形・鋸歯有り・葉身の長さは10‐30㎝で幅はおよそ10㎝内外。草丈5-30㎝。渓流の水しぶきが掛かる様な岩場に咲く。福島県以南~沖縄・台湾まで分布。花言葉・涼しげ。

絶滅危惧I類(秋田県宮城県・千葉県・新潟県島根県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県・石川県)。分布特性上重要(鹿児島県)

 

イワナシ(岩梨)(砂苺)(岩椿)(浜梨)(豆苺)  ツツジ科  イワナシ属

花5月-6月。淡紅色。花は釣鐘型・花冠5裂・咢も5裂・長さ1㎝。茎の先に3-8輪の花を咲かせる。総状花序。葉は長楕円形で先が尖る・葉身の長さ4-10㎝で巾2-4㎝・角質で艶(クチクラ)有り。果実1㎝・食味は梨に似る。日本固有種。北海道西南部・本州日本海側の山地から亜高山帯に生育。

絶滅危惧Ⅰ類(愛知県・和歌山県島根県)。絶滅危惧Ⅱ類(奈良県)。絶滅危惧種(三重県)。

 

イワナンテン(岩南天)(岩椿) ツツジ科  イワナンテン属

花7月―8月。草丈30-150㎝。花の形は筒型・ドウダンツツに似る。花冠は5裂・花は葉腋から花柄を出して下垂。葉は卵形又は披針形・鋸歯有り・葉身5-9㎝。枝の長さは0.3‐1.5m。。枝は赤味を帯び、枝垂れる。常緑低木。昼なお暗い森林の湿潤な岩場に自生。関東・東海・紀州の海岸沿いの山地。毒性の有無(うむ)は未知。但し市販されている西洋イワナンテンは全有毒(グラヤノトキシン・嘔吐・下痢・筋力低下・失明・昏睡・痙攣・重篤の場合は致死)。花言葉・節制。  絶滅危惧Ⅰ類(栃木県)。絶滅危惧Ⅱ類(山梨県)。準絶滅危惧(埼玉県)。情報不足(富山県)。

 

インパチェンス(アフリカホウセンカ)  ツリフネソウ科 ツリフネソウ属(インパチェンス属) 

花5月―11月。ピンク・オレンジ・赤・白。 花弁5枚・八重咲も有り。一年草・草丈15‐40㎝。原産地・熱帯アフリカ。 ペット有毒(嘔吐・胃腸炎)

 

ウツギ(空木) (ウノハナ(卯の花))  アジサイ科(ユキノシタ科)  ウツギ属

花5月-7月。 白・ピンク。 花弁5枚一重咲・八重咲。花径10-15㎜。咢に星状毛あり。円錐花序。葉は卵形披針形で対生する。枝は中空(空木の由来)。落葉広葉樹低木。樹高1‐2.5m。果実9月~10月。 花言葉・思い出・気品。

アジサイ科のウツギ属の中で絶滅危惧種に指定された何々ウツギと言う野生種は以下の通り18種類有る。

アオコウツギ・ウツギ・ウメウツギ・ウラジロウツギ・オオシマウツギ・オオバナオオシマウツギ・オキナワヒメウツギ・ガクウツギ・コガクウツギ・コミノヒメウツギ・ツクシウツギ・ノリウツギバイカウツギヒメウツギ・ビロードウツギ・ブンゴウツギ・マルバウツギ・マルバコウツギ。

※ 星状毛とは一点から5本の短毛が出て、それが5方向に向いている状態の毛。

※ 円錐花序とは複総状花序とも言い、茎が下から上へ何度も分岐し、上方ほど分岐が減り、全体は円錐状に花が咲く状態を言う。例:ナンテンサルスベリ・ヤツデ等。

※ 卵形とは、鶏卵の輪郭線に似た葉の形を言う。基部の方が幅が広く丸味を帯び、葉先に行くにつれて窄(すぼ)まる。例:シソの葉(大葉)・桜の葉。

 

ウツボグサ(靭草)(夏枯草(かごそう))  シソ科  ウツボグサ属

花6月-8月。紫。唇形の花・上唇が陣笠状・下唇が3裂・有花茎先端に3-8㎝の花穂を形成して下から順次開花。茎は角張っている。花穂が、武士が矢を入れて背中に背負う靭(うつぼ)に似ているからの命名。開花後根元から茎を伸ばして匍匐(ほふく)。茎を伸ばした先で発根し立ち上がる。草丈10-30cm。葉は披針形又は卵状長楕円形・鋸歯有り。葉は対生する。漢方薬(漢方薬名・夏枯草散・止涙補肝散)(ブルネリン・カリウム塩・苦味質・タンニン・アルカロイド・利尿促進剤・抗菌作用・消炎剤・妊娠中は使用不可)。 花言葉・協調性。絶滅危惧種(鹿児島県)。

タテヤマウツボグサ 準絶滅危惧種 (秋田県福島県福井県)。

ミヤマウツボグサ 絶滅危惧Ⅱ類(青森県) 要注目(福井県)。

 

ウマノアシガタ   キンポウゲ科  キンポウゲ属 

花期は夏。花の色は黄色。花弁は5枚・花径は凡そ10-12㎜。葉は根元近くが掌状(吸物用の三つ葉似)で、茎の上部へ行くと鋸歯が有る披針形になり、更には線形になる。草丈30-60㎝。キンポウゲはキンポウゲ科の総称名で、花の固有名詞ではない。キンポウゲ科の代表的な花がウマノアシガタという植物である。全有毒(プロトアネモニン・かぶれ・皮膚炎・口内炎・消化器炎症・腹痛)。ペット有毒花言葉・栄誉・栄光・子供らしさ・美しい人格・中傷。

キンポウゲ科のキンポウゲ属の中で絶滅危惧種に指定された何々アシガタと言う種類は以下の通り3種類有ります。

ウマノアシガタ 絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。 分布特性上重要(鹿児島県)

オオウマノアシガタ 絶滅危惧Ⅱ類(栃木県)。 絶滅危惧種(青森県)

ヒメウマノアシガタ  絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)

 

ウラシマソウ(浦島草)(マムシグサ(蝮草))  サトイモ科  テンナンショウ属

花4月-5月。黒褐色・赤褐色・緑白色(以上花弁では無く仏炎苞(ぶつえんほう)の色)。形は蛇のコブラが鎌首を上げて長い舌を出している様な姿。花は仏炎苞の中に肉穂花序(にくすいかじょ)で存在する。花は若い時は雄花で、成長すると雌花に性転換する。葉は茎頂の先に鳥の足を広げた様に何枚も長披針形の葉が付く。草丈 ~50㎝。全有毒(シュウ酸カルシウム・口唇と口内のしびれ・腫れ・痛み・腎機能障害)。ペット有毒 花言葉・不在の友を想う・懐古・回想。

サトイモ科のテンナンショウ属の中で絶滅危惧種に指定された何々ウラシマソウと言う種類は以下の通り3種類有ります。

ウラシマソウ 絶滅危惧Ⅰ類(愛媛県高知県山口県)。絶滅危惧Ⅱ類(長野県)。絶滅危惧種(埼玉県・山梨県京都府)。

ナンゴクウラシマソウ 絶滅危惧I類(大阪府鳥取県香川県)。絶滅危惧Ⅱ類(和歌山県兵庫県高知県)。絶滅危惧種(徳島県愛媛県大分県)。情報不足(三重県)

ヒメウラシマソウ 絶滅危惧Ⅱ類(長崎県)。 絶滅危惧種(鹿児島県)

※ 仏炎苞とは、仏像の向背の様な形をした苞のこと。

※ 肉穂花序とは、太って多肉質になった花茎に、直接花がびっしり着いている様な花のパターン。

 

ウリノハナ(瓜の花)  ウリ類の花の総称。

ウリノハナという固有名詞の植物は無い。瓜全般にわたっての花と言う意味である。茶花を紹介する本の中にウリノハナとあったので、取り上げてみた。

キュウリ、カボチャ、トウガン、スイカ、ヘチマ、カラスウリ、ゴーヤー、ユウガオ、ヒョウタン等々あるが、ウリ科の植物は全て合弁花で、その殆どが蔓性である。

キュウリの花は黄色で花冠は5裂 ・ カボチャの花は黄色で花冠は5裂 ・ トウガンの花は黄色で花冠は5裂 ・ スイカの花は黄色で花冠は5裂 ・  ヘチマの花は黄色で花冠は5裂 ・ カラスウリの花は白で花冠は5裂し、花弁の先がレースの様に糸状に裂ける ・ ゴーヤーの花は黄色で花冠は5裂 ・ ユウガオの花は白色で花冠は5裂・大形花径5-10㎝。 ヒョウタンの花は白色で花冠は5裂。

 

ウルシ(漆)   ウルシ科  ウルシ属

花5-6月。 黄緑色 花は小さい、花弁は5枚・咢も5枚。雌雄異株。落葉広葉樹高木。黄葉する。 原産地・中央アジア有毒(ウルシオール・かぶれる)。ペット有毒。有用材(樹液は漆塗りの原料)。花言葉・頭脳明晰・賢明。絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

エゴノキ  エゴノキ科  エゴノキ属 

花5月―6月。 白。花弁5枚・星形・釣鐘状。小枝の先に1-6輪の花を纏まって房のように付ける。葉は基部も先端も尖った卵形。葉身4.5‐8㎝。互生。果実10月。全有毒(特に果皮)(エゴサポニン・溶血作用・血球破壊・胃腸障害・咽頭胃粘膜の刺激・眼の充血)。ペット有毒花言葉・壮大。

エゴノキ科のエゴノキ属の内、下記は絶滅危惧Ⅱ類である。

オオバケエゴノキ(大葉毛エゴノキ) 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)

 

エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)  ナデシコ科  ナデシコ

花6月-9月。淡紅色。花弁5枚・花弁は扇で先が細かく深く裂けている。花径3-3.5㎝。咢は筒型で長さは2-3㎝。葉は線形~披針形で対生。茎は直立・上部で分枝(ぶんし)。葉も茎も白っぽい緑である。草丈30-80㎝。多年草。本州中部山地から北海道・ユーラシア中部以北に分布。ペット弱有毒。 花言葉・大胆・可憐。 絶滅危惧種Ⅱ類(新潟県鳥取県)要注目種(京都府)。情報不足(滋賀県)。

 

エゾフウロ(蝦夷風露) フウロソウ科  フウロソウ

花7月-8月。紅紫色。花は楕円形で5弁・濃紅色の縦筋が何本か入る・咢5個。花径2.5‐3㎝。葉は深く掌状に切れ込み、毛が密生・対生する。草丈30-80㎝。千島列島中部から北海道・東北地方の山地や草原に生育。絶滅種(京都府)・絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県)・絶滅危惧種(福井県岩手県)分布上重要種(滋賀県)。

 

エニシダ(金雀花) マメ科 エニシダ

花5月-6月。黄・白・複色。形はマメ科特有の蝶の様な花。前年枝の葉腋(ようえき)に約2㎝の花が付く。果実8-10月。枝は枝垂れる。常緑低木・1.5‐3m。全有毒(スパルテイン・シチシン・サロタムニン・ゲニスティン・スコバリン・頭痛・皮膚炎・嘔吐・神経麻痺・血圧降下・呼吸麻痺・心臓麻痺・重篤の場合は致死) 。ペット有毒(嘔吐・目眩・頭痛・腹痛・下痢・胃腸痙攣・血圧降下・中枢神経の麻痺・重篤の場合は致死)。生薬(スパルテイン・チラミン・ゲニステイン。強心剤・利尿薬・子宮収縮)。花言葉・博愛・謙虚・謙遜・清楚・清潔・豊穣・卑下等

 

エンコウソウ(猿猴草) キンポウゲ科  リュウキンカ

花5月-7月。黄。花弁5-6弁・但し花弁に見えるのは咢片・花径2-3㎝。草長50㎝位。匍匐(ほふく)性の水辺の植物・茎を伸ばした先の節目の着地点で発根発芽。テナガザルが手を伸ばした様な姿なので猿猴草と言う。葉は基部がハート形に裂けているが全形は円形(腎臓型)。弱有毒(少量以外は重度の胃腸障害の可能性有り・妊婦産婦は摂取危険)。リュウキンカと同科同属。→リュウキンカ(立金花)参照。

絶滅(奈良県大阪府)。絶滅危惧Ⅰ類(茨城県群馬県・愛知県・福井県京都府和歌山県山口県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県・栃木県・新潟県・長野県・岐阜県兵庫県)。絶滅危惧種(岩手県広島県)。

 

エンレイソウ(延齢草)  シュロソウ科  エンレイソウ属 

花4月-6月。白・茶・ピンク。花は3弁、葉も3葉。多年草。草丈20~30cm。落葉する。低山から中程度の山の落葉樹林に生育。栽培が困難なので山採りのものが多く、自家栽培ならとも角、乱獲を防ぐ意味でも茶花に使用しない方が望ましい。全有毒(タキシン・トリリン・サポニン。嘔吐・下痢・血便・酩酊)。薬草(悪いものを食べた時の吐瀉(としゃ)促進剤)。北海道大学の校章のデザインの元。

絶滅危惧種

シュロソウ科のエンレイソウ属の中で絶滅危惧種に指定された何々エンレイソウと言う種類は以下の通り10種類有ります。

エンレイソウオオバナノエンレイソウ ・ カワユエンレイソウクロミエンレイソウ ・ コジマエンレイソウ ・ シラオイエンレイソウ ・ シロバナエンレイソウ ・ トカチエンレイソウ ・ ヒダカエンレイソウ ・ ミヤキエンレイソウ

ブログ№197 茶花総覧(2)春(あ行~さ行)の内、エンレイソウの条で同じ記事(絶滅危惧種名を除く)を既出

 

オイランソウ(花魁草)(クサキョウチクトウ)(フロックス)

   ハナシノブ科 フロックス属(クサキョウチクトウ属)

花6月-9月。白・赤・ピンク。花弁5枚・花はキョウチクトウ似・総状花序・葉は長卵形で対生・葉先は尖る。茎は直立・草丈50‐100㎝。多年草。北米原産。ペット有毒(嘔吐・下痢・口内炎・消化器官の炎症・神経症状・重篤の場合は致死)。花言葉・協調・合意・一致・温和。

 

オオデマリ(大手毬)(手毬花)  スイカズラ科(レンブクソウ科) ガマズミ属

花5月-6月。白。但し、花弁に見えるのは咢が変化したもの。咢が5裂しているので一見花弁が5枚有る様に見える。小枝の先に多数の花が丸く纏まって咲く。英語名はジャパニーズ スノーボール。落葉広葉樹低木。果実有毒(ポリフェノール配糖体・嘔吐・下痢・腹痛)。ペット有毒花言葉・華やかな恋・絆・私は誓います。優雅な嗜み。

 

 オオヤマレンゲ(大山蓮華)  モクレン科  モクレン属  利休7選花の一つ

花5月-7月。白。花弁は蓮の花の形・お椀咲き・花弁の内、3枚は咢片。花は下向きか或いは横向きに咲く。芳香有。花茎5‐10㎝。葉は倒卵形卵形・葉長最大15㎝・横幅10㎝。果実9月-10月。落葉広葉樹低木。奈良県大峰山系の自生地は天然記念物に指定されている。乱獲と動物の食害によりその数を減らしている。 絶滅危惧Ⅰ類(群馬県・埼玉県・静岡県・石川県・奈良県島根県山口県徳島県・福岡県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(福井県広島県)。準絶滅危惧Ⅱ類(岐阜県愛媛県大分県長崎県)。環境省により、上信越高原国立公園中部山岳国立公園南アルプス国立公園白山国立公園などで自然公園指定植物になっている。

オオヤマレンゲは茶花(ちゃばな)として人気が高い。種子による栽培が可能。実際に栽培されているのはオオヤマレンゲでは無く、オオバオオヤマレンゲが多いそうである。 花言葉・変わらぬ愛。 

※ 倒卵形とは、卵形の逆の形。即ち、鶏卵を立てたような形で、葉の先端の方が大きく幅広に膨らんでいて、基部の方が窄(すぼ)まっている形を言う。

 

オカトラノオ(岡虎の尾)  サクラソウ科  オカトラノオ

花7月-8月。白。花弁5-6枚・小さな花の総状花序・花穂がアーチを描いて垂れる。葉は長楕円形で互生・葉先は窄まる。鋸歯無く全縁・葉柄有り。山野草多年草。草丈40-100㎝。山地の日当たりの良い草原に自生・群生する。北海道から九州朝鮮半島から中国に分布。薬(生理不順・むくみ・打撲)。 花言葉・忠実・貞操・優しい風情・清純な心・騎士道。 分布特性上重要な種(鹿児島県)

 

オグルマ(小車)  キク科  オグルマ属

花7月-10月。黄。筒状花(とうじょうか)舌状花(ぜつじょうか)頭状花序(とうじょうかじょ)・花の形は野菊に似る。花径3-4㎝。葉腋から能く分茎して茎頭に花を開花する。葉は長楕円形で先細り。小さな鋸歯有り。葉身5-10㎝。草丈20-60㎝。日当たりの良い湿地や水田の畔などに生息。多年草。北海道から九州・朝鮮半島・中国に分布。オグルマから「イヌリン」が発見される(オグルマ属=Inula)。生薬(セスキテルペン・健胃・去痰・消炎・利尿作用・鎮咳作用)。絶滅危惧1類(東京都・石川県・大阪府和歌山県香川県愛媛県長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・富山県京都府徳島県・福岡県・鹿児島県)。絶滅危惧種(埼玉県・神奈川県・三重県奈良県兵庫県熊本県)。その他重要種(滋賀県)。

上記オグルマの外に何々オグルマと付く絶滅危惧種が下記の通り5種類ある。

エゾオグルマ ・ オカオグルマ ・ サクラオグルマ ・ サワオグルマ ・ ホソバオグルマ。

この内、オカオグルマが22都府県で、サワオグルマが14都府県で、ホソバオグルマが20都府県絶滅危惧に指定され、特にホソバは環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)にも指定されている。

 ※ 筒状花とは、筒状の花弁の中に雄蕊と雌蕊が有る花。

※ 舌状花とは、舌の様に長い花弁一枚に雄蕊と雌蕊が有る花。

※ 頭状花序とは、花茎の先端が丸く台座状になっていて、そこに花が密集して咲く花のタイプを言う。キク科の植物は筒状花と舌状花が台座の上に纏まって咲く。

 

オキシペタラム(ブルースター)  キョウチクトウ科(ガガイモ科)  トゥイ-ディア属

花5月-10月。青・白・ピンク。花弁は重なり合わず細目で5弁星形。常緑多年草。葉は披針形。草丈40-60㎝。有毒(有毒成分不明・乳汁により皮膚炎)。原産地・南米。花言葉・幸福な愛。

 

オキナワスズメウリ(沖縄雀瓜)  ウリ科  オキナワスズメウリゾク

花7月-10月。クリーム色。5裂し、毛深い。花の大きさ1㎝。果実2㎝・球形。果実の成り始めは緑で熟すと赤くなる。果実に白い縦模様が入る。スイカの模様に似ている。蔓性。近頃遮光カーテンに利用され始めている。果実有毒(ククルビタシン・嘔吐・下痢・腹痛) ペット有毒。 花言葉・いたずら好き。

オキナワスズメウリ クロミオキナワスズメウリ が 絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

オシロイバナ(夕化粧) オシロイバナ科 オシロイバナ

花6月-10月。白・黄・ピンク・オレンジ・赤・複色・咲き分け。草丈30~100cm。一年草(多年草)。種を割ると白い粉が出て来る。原産地・中南米全有毒(トリゴネリン・嘔吐・腹痛・下痢)。ペット有毒(アルカロイド(トリゴネリン)・嘔吐・下痢・腹痛・皮膚炎・粘膜への刺激作用)。 花言葉・臆病・内気・恋を疑う。

 

オダマキ(苧環) キンポウゲ科 オダマキ

日本野生種:ヤマオダマキミヤマオダマキは花5月-6月。西洋オダマキは5月-6月。 白・ピンク・オレンジ・赤・黄・青・紫・茶・黒。多年草。草丈30-50㎝。花茎は株元から数本立ち上がり上方で分枝、分枝先の先端に花を咲かせる。外側にある大きな花弁は咢(がく)、その内側にあるのが花弁。花弁の後ろに(きょ)がある花はうつむき加減。八重咲など園芸品種が作出されている。全有毒(プロトアネモニン・皮膚炎・腹痛・下痢・口腔潰瘍・嘔吐・流涎・胃腸炎・眼に入ると流涙・血尿・多尿・心臓麻痺等)。ペット有毒(アドニトキシン・アネモニン・心臓麻痺・呼吸麻痺)。 花言葉・愚か・必ず手に入る・勝利への決意・心配して震えている。

ヤマオダマキ 絶滅(京都府)。絶滅危惧Ⅰ類(東京都・奈良県大分県・宮崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・石川県・鳥取県和歌山県)。

ミヤマオダマキ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県宮城県群馬県・石川県)絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)情報不足(福島県)。

※ 距とは、花の後ろに天狗の鼻の様に飛び出た器官の事を言い、蜜などを溜める場所です。スミレ科やツリフネソウ科の花に見られます。距の元来の意味は鶏や雉などの蹴爪の事。

 

オトギリソウ(弟切草)(血止め草)(青薬)(薬師草) オトギリソウ科 オトギリソウ属

花7月-9月。 黄。花弁5枚・花径15㎜・茎頂に分枝した先に集散花序で咲く。葉は披針形又は長楕円形・葉先は丸い・葉の基部は茎を抱く・。草丈・30‐80㎝。山地の疎林や草地・道端に自生。日本・朝鮮半島・中国に分布。名前の由来は、平安時代の事、兄の鷹匠が鷹の傷薬としていた秘薬のオトギリソウを、弟が外部に漏らしたために兄が激昂、弟を殺害したという伝説が有る。その血を浴びたのが弟切草。花・茎・葉に黒い斑点が有る。ヨーロッパでも同じような伝説が有り、これと似た植物に「聖ヨハネの血」と言う名が付いているものがある。生薬(ヒペリシン・クエルセチン・タンニン・止血・鎮痛・利尿・収斂(しゅうれん)・月経不順・扁桃炎・鎮咳・虫刺され。 中風・リウマチ・神経通の予防薬)。花言葉・怨念・迷信・敵意。

 

カキツバタ(杜若) アヤメ科 アヤメ属→アヤメのグループの内③カキツバタ参照

 

ガクアジサイ(額紫陽花)(額集真藍)  アジサイ科(ユキノシタ科)・アジサイ属。

花5月-7月。紫・薄紫・赤紫・青・空・白・ピンク。落広低木1~2m。日本固有のアジサイの原種。 有毒(有毒成分が有る事は確かだが、成分は未だ不明。食中毒(料理に添えたアジサイの葉を食べて嘔吐・目眩を起こし入院。甘茶(アジサイ科)を、花まつりに飲んだ幼稚園児28人、小学生45人が嘔吐症状の食中毒を起こした事例がある。生薬・抗マラリア薬(副作用で嘔吐を伴う)。ペット有毒(過呼吸・興奮・痙攣・ふらつき・重篤の場合致死)。花言葉・謙虚

 

ガクソウ(額草) → ガクアジサイの事。 ガクアジサイを参照。

 

カザグルマ(風車)  キンポウゲ科  センニンクサ属  クレマチス参照

花5月-6月。白または淡紫色。花弁に見えるのは咢片・花径約6-15cm・咢片の枚数は8枚。(←テッセンは6枚)。花の中央に蕊(しべ)が集まり、雄蕊は長く伸びて先端に紫色の細い葯を付けている。葉は卵形又は狭卵形。落葉蔓性低木。全有毒(プロトアネモニン・サポニン接触皮膚炎・水疱・胃腸炎)。薬(鎮痛作用・対痛風・対リュウマチ)。花言葉・策略・精神の美・旅人の喜び。

環境省カテゴリ・準絶滅危惧種絶滅(石川県・福岡県)絶滅危惧Ⅰ類(岩手県山形県福島県群馬県・埼玉県・千葉県・長野県・山梨県・愛知県・滋賀県京都府三重県奈良県大阪府和歌山県山口県高知県大分県宮城県熊本県)。 絶滅危惧種(栃木県・広島県)。

キンポウゲ科のセンニングサ属の絶滅危惧種には外に次の1種がある。

シロバナカザグルマ  絶滅危惧1類 (東京都・香川県)

 

ガザニア(勲章菊)   キク科  ガザニア属(クンショウギク属)

花4月-10月。オレンジ・赤・黄・白・ピンク。目の覚めるような鮮やかな色合いで、花弁の基部に行くにつれ色が濃くなる。形は一重咲の菊に似ている。葉はへら状のものや切れ込みがあるものが混ざる。表は艶があるが、葉裏は毛におおわれている。草丈15-40㎝。南アフリカ原産。ペット有毒(嘔吐・下痢・口内の痛み・発熱・流涎・元気がない・食欲無)。

 

カスミソウ(霞草)  スイカズラ科  カスミソウ属(ギプソフィラ属)

花5月―7月。 白・ピンク。(紫・赤・青・黄の花は着色したもの)。細かい小さな花が一面に咲く。一重咲き・八重咲。一重咲きの花弁は5枚。草丈20-100㎝。一年草宿根草がある。全有毒(サポニン・皮膚炎・発疹・痒み・ドライフラワーの場合は喘息・呼吸困難誘発)。ペット有毒(サポニン・嘔吐・下痢)。花言葉・幸福・感謝・無邪気・親切・清らかな心。

 

カーネーション(オランダセキチク) ナデシコ科 ナデシコ属(ダイアンサス属)

花4月-6月。赤・ピンク・白・黄・複色。八重咲。草丈30-60㎝。一茎一花のタイプと、スプレー咲きタイプがある。葉は細く、蠟質で灰色系青緑色。日本の花卉(かき)産業では菊・バラと並ぶ三大生産量の一つである。母の日の花として知られる。地中海沿岸が原産地。 ペット有毒(サポニン・ギポセニン・嘔吐・胃腸障害)。花言葉・母への愛・感謝・他多数。

 

カノコソウ(鹿の子草)(ハルオミナエシ) オミナエシ科 カノコソウ属

花5月-7月。淡桃色。花径3-5㎜・花長4-7㎜。根元から直立した花茎の先端に散房花序(さんぼうかじょ)で密生。下部の葉は長柄が有り、長柄の両サイドに羽状(うじょう)に深裂・小葉は披針形で鋸歯有り・草丈40~80cm。山地のやや湿った草原を好む。根茎に生薬となる精油有り。自生種は乱獲や開発で希少になった。生薬(生薬名・カノコソウ・吉草根(きっそうこん)・ボルニルイソバレート・ボルニアセテート・βビネン・イリドイド配糖体・鎮静効果・対ヒステリー・対神経過敏症・対心悸亢進)。

絶滅(神奈川県)絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県・長野県・岐阜県・石川県・福井県京都府三重県大阪府徳島県高知県)絶滅危惧Ⅱ類(青森県福島県奈良県愛媛県長崎県)絶滅危惧種(岩手県島根県・鹿児島県)要注目種(静岡県)分類上重要種(滋賀県)

上記のカノコソウの外にツルカノコソウが絶滅危惧種に指定されている。

ツルカノコソウ  絶滅危惧Ⅰ類(長野県・長崎県)絶滅危惧Ⅱ類(青森県山梨県)絶滅危惧種(秋田県・埼玉県・佐賀県)

※ 散房花序とは、花軸に間隔をあけて花柄が着き、下に行くほど花柄が長くなる。従って、花は上の方でお皿の様に並ぶか、ゆるく盛り上がった傘状になる。

※ 羽状とは、鳥の羽根のように小さな葉が葉軸に並んで付いている状態の葉を言う。例:オジギソウ・バラ・カラスノエンドウ等。羽状のパターンが繰り返されると羽状複葉と言う。例:ナンテン

 

カノコユリ(鹿の子百合)  ユリ科  ユリ属

花7月-8月。淡紅色・花弁の内側に赤紫の鹿の子模様の斑点が有る。花弁の外縁近くは白っぽく、内側に入るにつれて赤味を増す。花弁6枚の内、3枚が咢片。花は基部より反り返る。葉は長卵形又は披針形・有花茎の上方で分枝を何回か繰り返し、その都度分枝の先に花を着ける。草丈1-1.5m。傾斜地や岩場に自生。花言葉・荘厳・威厳・上品・慈悲深さ。  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧1類(福岡県)絶滅危惧Ⅱ類(徳島県長崎県熊本県)。準絶滅危惧(鹿児島県)。

 

カラー(海芋(かいう))  サトイモ科 オランダカイウ属 

花6月-7月。白・黄・紫・ピンク・グリーン。花に見えるのは仏炎苞。花は仏炎苞の中に肉穂花序として存在。湿地型と畑地型がある。アフリカ原産。全有毒(不溶性シュウ酸カルシウム・口腔炎症・流涎・嘔吐・嚥下困難)。ペット有毒花言葉・華麗なる美・乙女のしとやかさ・清浄。

 

カライトソウ  バラ科  ワレモコウ属

花7月-9月。紅紫色。一つの花の径は1㎜。花弁は無。雌蕊1本・雄蕊6-12本。雄蕊は咢より長い。蕾の時は直立しているが、上から開花して行くに連れ全体が垂れ下がる。尾状花序。一見ネコジャラシかアカマンマ。葉はバラの葉似(葉の茎に小葉が対で着き茎の先端にも小葉1枚→羽状奇数複葉)。草丈30-100㎝。 花言葉・深い思い・繊細。

絶滅危惧種Ⅰ類(EN)(長野県・滋賀県)・準絶滅危惧(岐阜県福井県)・地域個体群(LP)(新潟県)。

※ 尾状花序とは、雄花(多くは花弁が無い)が集まって円筒状になり、葉腋から垂れ下がり、尾の様に見える花のパターンを言う。雌花は別個に咲く。例:ハシバミ・ヤナギ等。

 

カラジウム  サトイモ科 カラジウム属 

観葉植物。花は肉穂花序。花は目立たない。葉を鑑賞する。多年草。葉の色や模様が多様。草丈10-30㎝。ペット有毒(スパティフィラム・嘔吐・口腔・喉の炎症・唾液過多・嚥下困難)。 花言葉・喜び・歓喜・爽やかさ。

 

カラマツソウ (唐松草) (落葉松草)  キンポウゲ科  カラマツソウ属

花7月-9月。白・淡紅色。開花と同時に咢が落下、花弁は無い。花火の様に広がる白い筋は雄蕊の花糸(白色)。花径(雄蕊の花糸の広がり)1㎝。雌蕊の子房は紅紫色。複散房花序。葉は2回3出複葉・小葉は掌状又は倒卵形・小葉の長さ0.5‐3㎝。托葉有り。 草丈50‐120㎝・高山では背が低くなる。落葉多年生。 花言葉・さりげない優しさ・献身・大胆。 絶滅危惧1類(埼玉県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(広島県)。絶滅危惧種(奈良県岡山県)。その他重要種(滋賀県)。

 

カルミア(花笠石楠花)  ツツジ科 ハナガサシャクナゲ属(カルミア属) 

花5月-6月。 白・赤・ピンク・茶。蕾は金平糖に似る。花冠は浅く5裂してお椀型・雌蕊の柱頭は赤・雄蕊は花弁中央の窪みに癒着。茎の先端に20-30輪が集まって咲く。葉は革質・倒披針形で長さ5-10㎝。 常緑低木。全有毒(グラヤノドキシン・アルブチン・筋肉や神経の働きを阻害・口腔咽頭炎症・流涎・嘔吐・下痢・腹痛・発汗・神経麻痺・筋力低下・不整脈・昏睡・低血圧・呼吸困難・心不全重篤の場合は致死)。カルミア混在の蜂蜜で中毒事例有り。ペット有毒(グラヤノトキシン・アルブチン・食欲不振・衰弱・流涎・痙攣・下痢・嘔吐・昏睡・致死)。花言葉・優美な女性・賑やかな家庭・爽やかな笑顔・裏切り・野心。

 

カロライナジャスミン  マチン科 ゲルセミウム属

花4月—6月。 黄色。合弁花。甘い蜜が有る。つる植物。全猛毒(ゲルセミシン・めまい・痙攣・呼吸麻痺・致死)。ペット有毒(ゲルセミシン・シクトキシン・中枢神経麻痺・呼吸停止・致死)。同属でゲルセミウム・エレガンスと言う品種は世界最強と言われる猛毒で、矢毒に使用。花言葉・甘い囁き・長寿・気立ての良さ。

ジャスミンの名前が付いているのでジャスミン茶にして誤飲し、中毒事故を起こすケースがある。(ジャスミン茶に使用するジャスミンはモクセイ科)。

 

カワラナデシコ(河原撫子) ナデシコ科 ナデシコ属 

花7月-10月。 淡紅色。花弁5枚。花冠は細く裂けている。花茎の上部が分岐し、その先に数個の花をつける。咢は筒状。葉は細長く4—7㎝で対生。日当たりの良い川原などを好む。乱獲と開発で著しく減少。東アジアに分布。秋の七草。生薬(生薬名・全草から瞿麦(くばく)、種子から瞿麦子(くばくし)と言う薬を作る)(成分・サポニン)(消炎・利尿・月経不順・膀胱炎・尿路結石・浮腫)。ペット有毒(特に猫)(サポニン・ギポセニン・嘔吐・胃腸障害)。花言葉・純粋な愛・貞節

ナデシコ科の絶滅危惧種には下記の2つの野生種が有る。

カワラナデシコ 絶滅危惧Ⅰ類(東京都)。絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・鹿児島県)。絶滅危惧種(岩手県茨城県・千葉県・宮崎県)。

エゾカワラナデシコ 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県鳥取県)要注目種(京都府)情報不足(滋賀県)

 

カンパニュラ(風鈴草)  キキョウ科  ホタルブクロ属 

花5月-7月。白・ピンク・薄紫・青紫。カンパニュラには300種を超える品種がある。代表的なのがカンパニュラ・メディウムと言う品種。メディウムは釣り鐘型。葉は披針形・根元で葉をロゼット状に広げた後、中心部から真っ直ぐ花茎を伸ばし、葉腋ごとに花を咲かせる。ペット有毒(ピロリジジンアルカロイド・嘔吐・下痢・腹痛・脱水症状・痙攣・意識障害)。(参考までに、同属のホタルブクロは食用になる)。花言葉・感謝・誠実な愛・共感・節操・思いを告げる。

※ ロゼット状とは、植物の葉が根元から横に広がり、地面に寝ている様な葉の状態を言う。

 

ガンピ(雁皮)  ジンチョウゲ科  ガンピ属

花5月-6月。黄。花に見える黄色は咢。咢は筒状・7-8㎜・花冠は4裂。葉は3-5cmの痩せた卵型。和紙の原料。自生種の乱獲により減少、人工栽培によって増産を図る。鳥の子紙の原料。花言葉・変わらぬ愛。

ジンチョウゲ科のガンピ属の中で絶滅危惧種に指定された何々ガンピと言う種類は以下の通り9種類有ります。

アオガンピ 情報不足(鹿児島県)。

オオシマガンピ 環境省カテゴリ絶滅危惧IA類(CR) 。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

ガンピ 準絶滅危惧種(石川県・佐賀県)。

キガンピ 絶滅危惧I類(和歌山県島根県大分県)。絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・愛媛県)。絶滅危惧種(京都府)。分布特性上重要種(鹿児島県)。

コガンピ 絶滅(栃木県・埼玉県)。絶滅地危惧Ⅰ類(茨城県群馬県・東京都・福岡県)。絶滅危惧種(京都府奈良県佐賀県)。

サクラガンビ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(神奈川県)。絶滅危惧種(静岡県)。独自カテゴリ(愛知県)。

シマサクラガンピ 絶滅危惧I類(徳島県高知県熊本県)。絶滅危惧種

(大分県・鹿児島県)。

シャクナンガンピ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)。

ミヤマガンピ  環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧(奈良県・宮崎県)。準絶滅危惧種(大分県)。

 

キキョウ(桔梗)(アリノヒフキ)(盆花)(ヨメトリバナ) キキヨウ科 キキョウ属。

花6月-9月。 青紫・園芸品種に白・ピンクなどあり。合弁花・ラッパ型の星形・花冠5裂・。雄蕊5本・葉は長楕円形(葉身の中程が一番幅広く、基部と葉先が窄(すぼ)まっている形)。草丈10~120cm。多年草 全有毒(キキョウサポニン嘔吐・胃腸のただれ・下痢・腹痛・溶血作用)。 ペット有毒(サポニン・下痢・溶結性貧血・呼吸困難・意識障害重篤の場合致死)。根は漢方薬(鎮咳作用)。野生での生息数が激減している。 花言葉・変わらぬ愛・清楚・誠実・気品。

環境省カテゴリー・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。

絶滅危惧I類(秋田県山形県新潟県群馬県・栃木県・埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・富山県福井県京都府島根県徳島県高知県大分県熊本県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(北海道・青森県岩手県福島県茨城県静岡県・愛知県・石川県・奈良県大阪府愛媛県・福岡県・佐賀県・鹿児島県)。 絶滅危惧種(宮城県山梨県・長野県・岐阜県三重県和歌山県香川県山口県)。

 

キスゲ(黄菅)(夕菅)(ヘメロカリス)  ワスレグサ科(キスゲ科)(ゼンテイカ科) (スレグサ属)(キキョウラン属)

花6月―7月。黄。花弁6枚に見えるが、その内3枚は咢片。花はユリ似・但しユリは花筒が無いがキスゲには花筒がある。ユウスゲは夕方から朝にかけて咲くが、朝には枯れる。1日花である。英語名もディリリーday lily。葉は線形で剣状・二列互生で扇の様に株元から広がって出葉。日本原産 / キスゲとそっくりで朝に咲いて夕方に枯れるのがゼンテイカ(禅定花)(=ニッコウキスゲ)である。ニッコウキスゲの本来の名前はゼンテイカ。観光地の地名が冠されて有名になり、今ではニッコウキスゲの方の通りが良い。仲間にヤブカンゾウなどが有る。/ キスゲは食用可。花言葉・麗しき姿。

キスゲ(ユウスゲ)は絶滅危惧種である。絶滅危惧Ⅰ類類(千葉県・福井県三重県大阪府和歌山県徳島県高知県愛媛県島根県・福岡県)。絶滅危惧Ⅱ類(山口県大分県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧種(長野県・岐阜県滋賀県京都府奈良県兵庫県香川県)

 

キョウガノコ(京鹿子)  バラ科  シモツケソウ属

花6月-7月。濃桃色。花弁4-5枚。花径5‐6㎜。雄蕊は花弁をはみ出す程長く突き出す。複散房花序。葉は掌状形で深く5~7裂する・葉柄長い・葉身およそ20㎝。草丈60-100㎝。林間の半日陰で少し湿った場所を好む・山野草。原産国・日本。キョウガノコの花色が白の品種は「ナツユキソウ」という。

次回ブログ№200茶花総覧(5)夏(た行~)のナツユキソウで再登場する予定。内容は当条の花色が白に替わるだけで他は同じ。

 

キョウチクトウ(夾竹桃) キョウチクトウ科 キョウチクトウ

花6月-9月。紅色・黄色・白。一重咲。八重咲。常緑広低木。インド原産。排気ガスなどの公害に強い為、街路樹などに植栽されている。全猛毒(オレアンドリン・サポニン・ジギトトキシン・カルデノライド・皮膚炎・視力障害・下痢・嘔吐・胃痛・食欲不振・不整脈・血圧低下・筋力低下・重篤の場合致死)。特にオレアンドリンは青酸カリの1,000倍の毒性を持つ。枯れ枝は勿論の事、焼却灰も煙も植えていた土壌も全て有毒なので市によっては捨て方が決められている。ペット・家畜有毒(落葉数枚が飼料に混入した場合でも死亡。治療薬無し)。花言葉・油断大敵・注意・用心・逞しい精神。

 

キリンソウ(麒麟草)  ベンケイソウ科  キリンソウ属。

花5月-8月。黄。長三角形のスリムな花弁5枚で星形・花径(かけい)は1cm弱。茎は根元から直立。株立ちする。葉は披針形で肉厚・有花茎(ゆうかけい)に互生し密集。草丈5-30㎝・山岳地帯に生育のものは背が低く、平地では背が高くなる。花言葉・警戒・要注意。(キリンソウとアキノキリンソウでは全く別の科の花)。

ベンケイソウ科のキリンソウ属の中で絶滅危惧種に指定された何々キリンソウと言う種類は以下の通り5種類有ります。

カンザシキリンソウ  絶滅危惧Ⅰ類(香川県)。

キリンソウ  絶滅危惧I類(徳島県長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・奈良県兵庫県)  絶滅危惧種(京都府・宮崎県)。情報不足(高知県)。

ハコダテキリンソウ  準絶滅危惧種(青森県)

ヒメキリンソウ  環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(徳島県)。注目種(高知県)。

ホソバノキリンソウ  絶滅(神奈川県・三重県)。絶滅危惧Ⅰ類(山形県)。絶滅危惧Ⅱ類(岡山県)。

※ 花径とは、花が開いた時の横幅・直径の寸法。

※ 有花茎とは、花も葉もつける茎の事である。(参考:それに対して、根から直接出て花だけを付ける茎(くき)の事を花茎(かけい)と言う。例:タンポポ)

 

キングサリ(金鎖)(黄花藤)  マメ科  キングサリ属 

花5月-6月。 黄。藤の花を黄色くしたような花・枝から20-30センチの房を下垂する。総状花序。葉は楕円形で3枚一組・葉裏に毛がある。蔓性では無く落葉広葉樹中木・樹高7m・株立ち。ヨーロッパ中南部原産。全有毒(特に種子)(シチシン・嘔吐・震え・昏睡・重篤の場合致死)。ペット有毒。薬(禁煙治療薬・(シチシンはニコチンと類似構造をしている))。花言葉・哀愁・淋しい美しさ・相思相愛。

 

キンギョソウ(金魚草)  オオバコ科  キンギョソウ属(アンティリナム属)

花4月-6月。赤・ピンク・オレンジ・黄・白・複色。金魚に似た花を着ける。多年草(一年草扱い)。草丈20-120㎝。原産地・地中海沿岸地方。花言葉・お喋り・出しゃばり・お節介・上品・優雅。

 

キンシバイ(金糸梅)  オトギリソウ科  オトギリソウ属

花5月-7月。黄。花弁5枚・花径2.5- 4.0㎝・梅の花に似る・新しい枝の先端に1~3輪つく・集散花序。枝は長く下垂気味。葉は披針形・葉身1-6㎝。鋸歯無し(全縁)・枝に水平に対生。同属のビヨウヤナギは水平に開平し雄蕊が長く外に飛び出し、キンシバイはお椀型に咲いて雄蕊はお椀の中に納まる。株立ち・常緑広葉樹低木。生薬(生薬名・芒種(ぼうしゅか)・クロマン誘導体・フラボノイド・解毒・利尿作用・肝炎・咳・浮腫・口内炎・下痢・骨折・切り傷等々に薬効)。花言葉・きらめき・悲しみを止める・秘密・太陽の輝き。

 

キンチャクソウ(=カルセオラリア)  キンチャクソウ科  キンチャクソウ属

花4月-6月。黄。オレンジ・赤・白・紫。花弁の下側が膨らんで袋状になっている。袋に無数の小さな斑点有り。カルセオラリアの名前はラテン語のスリッパから来ている。葉は卵形。草丈10-100㎝。花言葉・私の伴侶に・援助。

 

ギンバイカ(マートル)(銀梅花)(銀盃花)  フトモモ科  ギンバイカ

花5月-7月。白。雄蕊は200本以上有・花糸は白・葯は黄色・雄蕊は花弁より長く花弁を覆い尽くす。花は梅花似。花弁より雄蕊が目立つ。花径2㎝。芳香有り。シュメール、ギリシャ、ローマ或いはユダヤなどの古来では、聖花や豊穣の花、祝祭の花などとされ、結婚式のブーケなどに使われて来た。葉は披針形・全縁(鋸歯が無い)。日当たりを好む。常緑広葉樹低木・樹高1-3m。原産地・地中海沿岸。ペット有毒(アセトアルデヒト・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣)。花言葉・愛・愛のささやき。

 

キンミズヒキ(金水引)(竜牙草(りゅうがそう))  バラ科  キンミズヒキ

花7月-10月。黄・花弁5枚・花弁長さ3-6㎜・花径6-11㎜。総状花序(花と茎が花柄で繋がっている花序)。秋に咲くタデ科のミズヒキとは別種。茎は直立。葉は奇数複葉・鋸歯有り。果実9-10月・果実は棘のある咢片に包まれる。衣服や動物に取り付いて種を散布。漢方生薬(生薬名(竜牙草)・黄竜尾・他多数・アグリモニン・タンニン・サポニン他・歯茎の出血・痛み・口内炎扁桃炎・歯槽膿漏・湿疹・傷口洗浄・下痢止めに効能)。花言葉・感謝の気持ち。

キンミズヒキ科には下記のように4種類の絶滅危惧種がある。

キンミズヒキ 絶滅危惧Ⅰ類 (沖縄県)

チョウセンキンミズヒキ  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類 (福島県群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・岐阜県三重県大分県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類 (高知県)。絶滅危惧種 (北海道・岩手県宮城県・栃木県・長野県・滋賀県・鹿児島県)。

ハコネキンミズヒキ 絶滅危惧Ⅰ類 (神奈川県)。

ヒメキンミズヒキ 準絶滅危惧種 (鹿児島県)。

※ 奇数複葉とは、バラの葉のように、葉茎の左右に対に小葉が出て、その先端にもう一枚の葉が着くようなタイプの葉の事を言う。対の偶数+1枚。例:バラ・セリ等。

 

キンロバイ(金露梅)  バラ科  ギジムシロ属(キンロバイ属)

花6月-9月。黄・白。花は梅花に似る・花弁5枚・花径2-2.5㎝。白色の花をギンロバイ、又はハクロバイと呼ぶ。葉は奇数複葉・全縁(鋸歯無し)・小葉披針形。落葉小低木・樹高30-100㎝。高い山に生育しているキンロバイは背が低くなっている。高山の日当たりの良い岩場に生息。盗掘と生育地の自然崩落によりその数を減らしている。

キンロバイ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧I類(秋田県山形県宮城県群馬県・長野県・山梨県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県新潟県静岡県)。絶滅危惧種(北海道)。

ハクロバイ(白露梅) 絶滅(東京都)。絶滅危惧Ⅰ類 (埼玉県・山梨県・長野県・奈良県徳島県高知県)。

 

クサアジサイ(草紫陽花)  ユキノシタ科(アジサイ科)  クサアジサイ

花7月-10月。 白又は淡紅色。花に見えるのは装飾花となっている咢片で3枚・装飾花の数は少なくてまばら。散らばっている様に見える粒々の蕾(つぼみ)状のものが花で両性花・花は咢筒と子房が一体化して合着・小さい花弁5枚・集散花序。葉は披針形・普通のアジサイの葉は手の平サイズの丸っこい形をしているが、クサアジサイの葉は披針形や楕円形・鋸歯有り・葉と花を草軸に着けた有花茎は直立・草丈は20‐80㎝。全体に毛がある。 絶滅危惧Ⅱ類(宮城県)。絶滅危惧種(鹿児島県)。地域個体群(新潟県)。

他に、何々クサアジサイと名がつくもので絶滅危惧種は下記の2種が有る。

アマミクサアジサイ 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県)

オオクサアジサイ 絶滅危惧Ⅱ類(沖縄県)。

 

クサノオウ(草の王)(いぼ草)(田虫草)(皮癬草)(血止草)  ケシ科  クサノオウ

花5月―7月。黄。花径2㎝。花弁4枚・枝先に数輪の花を着ける。奇数羽状複葉。小葉は菊の葉状。茎は中空。草丈40-80㎝。損傷すると黄橙色の乳汁が出る。乳汁有毒。草全体が白い毛で覆われている。全有毒(ケリドリンなど21種類のアルカロイド・中枢神経抑制)。ペット有毒(嘔吐・胃腸炎・体温低下・脈拍低下・幻覚・呼吸困難・重症の場合致死)。漢方薬名(白屈菜(はっくつさい))(水虫・消炎性鎮痛剤・下剤など)。花言葉・思い出・私を見つけて。 絶滅危惧種 (鹿児島県)。

 

グラジオラス(唐菖蒲)(オランダ菖蒲)  アヤメ科 トウショウブ属(グラジオラス属)

花6月-10月。 赤・ピンク・黄・オレンジ・白・青・紫・緑・褐色。花茎に下から上へと次々と花を咲かせる。球根。草丈60‐150㎝。葉は剣状。原産地・南アフリカ。 全有毒(球根特に注意)(イリジェニン・イリジン・テクトリジン・皮膚炎・胃腸炎)。ペット有毒(特に猫に注意)。 夏の季語。 花言葉・勝利・密会・忍び合い・用心深い。

 

クララ  マメ科  クララ属 

花6月-7月。 淡黄色。花は長細い蝶型・花は茎の途中から上に向かって順次咲いて行く。総状花序で下垂する。葉は披針形・羽状奇数複葉で小葉は互生・全縁。和名のクララは女性の名では無く、根を噛むとくらくらするほど苦いから。草丈50‐150㎝。本州・四国・九州と中国大陸に分布。生薬(生薬名は苦参(くじん)・利尿・消炎・鎮痒・健胃)。薬(農作物の害虫駆除・家畜の寄生虫駆除)。

絶滅危惧Ⅰ類(佐賀県)・絶滅危惧Ⅱ類 (東京都・愛媛県)・絶滅危惧種(鹿児島県)。

 

クルマバハグマ(車葉白熊)  キク科  コウヤポウキ属

花8月-9月。白。筒状花・花冠が深く5裂・5裂した花弁が細く糸状に長く伸び、その先端がクルッと巻いている。筒の中心から雄蕊と雌蕊が角の様に出ている。そういう筒状花が鱗状の咢の中に数輪、花束に纏めた様に入っている。一つの咢内にある花を全部合わせて花径1㎝。円錐花序で十数個の花を着ける。葉は倒卵形で、茎の中ほどに7-8枚が輪生する。山野草・木間の乾いた場所に自生。草丈50‐80㎝。

絶滅(兵庫県)。絶滅危Ⅰ類(茨城県)。絶滅危惧Ⅱ類(岩手県)。絶滅危惧種(秋田県京都府)。

※ 倒卵形とは、基部が細く葉身の中心より葉先の方が幅広で丸味があり、葉先ですぼまっている葉の事を言う)。

 

クレマチス   キンポウゲ科  センニンソウ属 → カザグルマ(風車)参照

クレマチスセンニンソウ属全般の事を言い、中でも園芸品種で花が大きく見ごたえのある品種を指して言う事が多い。この中にはテッセン(鉄線or鉄仙)やカザグルマ(風車)も含まれる。

或いは逆に、クレマチスの事をテッセンやカザグルマと言う事も有る。花は春咲、四季咲、夏~秋咲、冬咲、と種類が豊富である。園芸品種は2,000種を超える。花弁は無い。花弁に見えるのは咢である。全有毒(ブロトアネモニン・サポニン・ラヌンクリン・皮膚炎・口内炎・嘔吐・胃腸炎・下痢)。ペット有毒(流涎・口腔炎・皮膚炎。嘔吐・下痢・目眩・胃腸粘膜爛れ)

 

クロバナロウバイ(黒花蝋梅)(ニオイロウバイ) ロウバイ科 クロバナロウバイ

花5月‐6月。チョコレート色。咢と花弁同色で八重咲。甘い芳香有り。葉は卵形で基部と先端が尖る・桜の葉の形・鋸歯無(全縁)。草丈0.5‐1m。北米原産。全強毒(特に種子)(カリカンチン・神経毒)(硬直性痙攣・血圧上昇・口から泡吹く・のけぞる・叫喚・致死)。ペット有毒花言葉・深い慈愛。

 

クルマバツクバネソウ(車葉衝羽根草)  シュロソウ科  ツクバネソウ属

花6月-7月。緑。花は常識的な形をしていない。有花茎の頂上に緑色の4枚の外花被片が水平に輪生して広がっている。外花被片は披針形をしていて、緑の葉っぱそのものの姿である。その真ん中に黒紫色の球がある。これが雌蕊の子房である。球を取り囲むように8本の雄蕊が上に向かって立ち上がっている。内花被片の花弁は糸のように細い。糸状の花弁は緑色の外花被片の間を抜けて垂れ下がり、陰に隠れてしまって発見しにくい。本来の葉は茎の中ほどに7-8枚で輪生。葉身は5-20㎝。輪生した所から花茎が伸び、天辺に上記の様な花を一輪咲かせる。葉は鋸歯無(全縁)。草丈20-60㎝。日本での分布・北海道・本州・四国・九州の山地や亜高山地帯の林内に生育。 漢方(漢方名・王孫(おうそん)・養生薬)。

絶滅危惧Ⅰ類(東京都。神奈川県・福井県徳島県高知県)。絶滅危惧Ⅱ類(宮城県山形県・埼玉県・愛媛県)。絶滅危惧種(秋田県福島県)。地域個体群(新潟県)。情報不足(奈良県)

 

クルマユリ(車百合)  ユリ科  クルマユリ

花7月-8月。オレンジ色。花弁6枚・花弁に濃い斑点が有る。花粉は赤褐色・葉は披針形で茎に輪生。花径5―6㎝。草丈30-100㎝。高山帯や亜高山帯の草原に生育。日本・中国・朝鮮・ロシア北東部に分布。絶滅危惧1(東京都・神奈川県・奈良県徳島県)絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・福井県)

サドクリマユリ  絶滅危惧Ⅰ類(石川県)。

 

クロユリ(黒百合)  ユリ科  バイモ属

花6月-8月。暗紫褐色。花は釣り鐘状・花弁6枚・花弁長さ25‐30㎜。下向きに咲く。悪臭有り。茎は直立・単子葉植物・葉は披針形で、茎に数段に渡って輪生。草丈10-50㎝。北海道・千島列島・サハリン・米国に分布。本州では高山に生育。花言葉・恋・呪い。

クロユリでは下記の3種類が絶滅危惧種に指定されている。

エゾクロユリ 絶滅危惧Ⅰ類(岩手県)

クロユリ 絶滅危惧Ⅱ類(山形県)。地域個体群(新潟県)。絶滅危惧種(北海道)。

ミヤマクロユリ絶滅危惧Ⅰ類(山梨県)。絶滅危惧Ⅱ類(福井県)。絶滅危惧種(北海道)。

 

グロリオサ(つるユリ)(ユリグルマ)(キツネユリ) 

イヌサフラン科(ユリ科) キツネユリ属(グロリオサ属)

花7-9。白・赤・ピンク・オレンジ・黄・複色。 花は6弁。ユリの花弁を細くして強く反り返らせたような花の形をしている。球根多年草・つる性。巻きひげで物に掴まって成長する。落葉。原産地・アフリカ。全猛毒(コルヒチン・口腔・咽頭灼熱感・発熱・嘔吐・下痢・背部疼痛・臓器不全・致死)。根を山芋と間違えて摂取、死亡例有。少量でも致死量。ペット有毒(コルヒチン・致死)。球根一齧(かじ)りで致死量になる。犬・猫・小児・認知症の方への注意を怠らないように。

 

クワズイモ(喰わず芋) サトイモ科 クワズイモ属  

花5月-8月。 花は黄色を帯びた白。 花茎は15-25㎝。 仏炎苞は黄緑色でやや白みを帯びる。筒部は4—8㎝。 果実は赤くて丸い実の集合体。観葉植物・多年草。葉はハート形。地上部に出た根茎が独特の形をしているので、それも観賞の一つとされている。 草丈~1m。 全有毒(シュウ酸カルシュウム・悪心・嘔吐・下痢・麻痺・皮膚炎)。葉が里芋と非常に似ているので誤食例が毎年のようにある。ペット有毒(シュウ酸カルシュウム・口内炎・口唇炎・皮膚炎)。 花言葉・仲直り。

クワズイモでは下記の3種類が環境省のレッドデータに登録されている。情報不足と言うのは、どうやら生存も絶滅も確定できない消息不明の事らしい。

クワズイモ 絶滅危惧Ⅱ類(高知県・宮崎県)

シマクワズイモ 情報不足(鹿児島県)。

オキナワクワズイモ 情報不足(沖縄県)。

 

け -

コアジサイ(小紫陽花)(シバアジサイ)  アジサイ科  アジサイ

花6月-7月。淡紫色。本物の花弁5枚(普通のアジサイは咢片が転じて花弁の様に見えているが、コアジサイにはそれが無く、全て花弁)・花径4㎜・雄蕊は10本・雄蕊は長く、花径よりはみ出す。故にその集合体である花球全体が霞みの様に見える。枝先に複散房状に咲く。葉は卵形か倒卵形・鋸歯有り・葉身5-8.5㎝・シソの大葉に似る。日本固有種。関東以西~九州に自生。栽培困難。市販のコアジサイは交配種のもの。落葉広葉樹・樹高1-1.5m。花言葉・忍耐強い愛。

絶滅危惧Ⅰ類 (千葉県)。 地域個体群(新潟県)。

※ 倒卵形とは、葉先の方の丸味が大きく、基部の方の丸みが小さくてすぼまっているい葉の形を言う。例:カシワ(柏餅に使うカシワの葉。柏の葉は縁が波打っている(波状縁)が、全体の形は倒卵形である)・モクレン・コブシ等。

 

コウホネ(河骨)  スイレン科  コウホネ

花6月-10月。黄。 黄色い咢片5枚・咢片の内側に小さくて黄色い花弁多数。水生植物。花茎は水面より高く出で、花を空中に咲かす。葉は沈水・浮水・水上の三態があり、細長いハート形・ハートの切れ込みが直線的で鋭い。浅い水路や河川や湖沼に生息。

絶滅危惧Ⅰ類(群馬県・千葉県・神奈川県・愛知県・兵庫県徳島県・・熊本県)。 絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・茨城県大阪府香川県愛媛県高知県・福岡県・佐賀県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧種(岩手県・長野県・埼玉県・石川県・福井県滋賀県和歌山県鳥取県島根県大分県)。

上記のスイレンコウホネの外に、何々コウホネと言う絶滅の危機に瀕している種類は下記の通り10種有る。

オグラコウホネ・オゼコウホネ・サイコクヒメコウホネ・サイジョウコウホネシモツケコウホネ・ナガバコウホネ・ナガレコウホネネムコウホネヒメコウホネ・ベニオグラコウホネ

 

コエビソウ(小海老草)(ベロペロネ)  キツネノマゴ科  キツネノマゴ属

花5月-10月。赤・黄・白。花は筒状で唇形花。花径2-3㎝。樹高約2m。但し、日本では大きく育たず。花が赤色の苞に覆われ、小海老の尻尾に似ている。苞は鱗の様になって帯の様に連なる。葉は対生・卵形。常緑樹低木。日本の気候では冬に地上部が枯れるので、宿根多年草の「草」扱い。挿し木で殖やす。種からでも生育。枝が地面に接地した所からでも発根する。原産地メキシコ。熱帯植物。花言葉・ひょうきん・お転婆

 

コバイケイソウ(小梅蕙草)  シュロソウ科(メランチウム科)(ユリ科)  シュロソウ属

花6月-8月。 白。花弁6枚・梅の花弁に似る・雄蕊6本・小さい花が短い花柄で茎に密生・茎は分枝してそれぞれ長い円錐花序を形作る。一見白い泡の塔の様に見える。草丈約1m。亜高山や高山のお花畑などに良く群生する。葉は長楕円形(幅広なシランの葉に似ている)。全有毒(プロトベラトリン・嘔吐・痙攣・血管拡張・血圧降下・重篤の場合致死)。誤食による食中毒が毎年発生。高山植物

要注目種(福井県)。

 

コマクサ(駒草)  ケシ科  コマクサ属

花7月-8月。 淡紅色。 花弁4枚で外側2枚・内側2枚。外側2枚は花茎側の基部が大きく膨らみ、先端部は反り返っている。内側の2枚は細く、外花被に包まれるようにして長く外まで伸びている。花の長さの中央部が縊(くび)れている。花茎の高さ10‐15㎝。高山の砂礫地に生息。日本の中部高山帯から北海道・シベリアからカムチャッカ半島まで分布。かつて薬草の原料として売られ、一部地域で取り尽くされた事がある。全有毒(デイセントリン・プロトピン・嘔吐・体温の低下・呼吸麻痺・心臓麻痺)。花言葉・高根の花・誇り・気高い心・貴重品。

コマクサでは下記の2種類が絶滅危惧種に指定されている。

コマクサ 絶滅危惧Ⅰ類 (秋田県福島県群馬県)。 絶滅危惧Ⅱ類(岩手県山形県新潟県)。絶滅危惧種 (北海道・宮城県)。情報不足 (山梨県)。

シロバナコマクサ 絶滅危惧Ⅱ類 (北海道)

 

サギソウ(鷺草)(サギラン)  ラン科 サギソウ属(ミズトンボ属)(ハベナリア属)

花7月-9月。白。花径3㎝。鷺が翼を広げて飛翔する様子に似ている。翼に当たる花弁は、唇弁が三つに分かれた内の左右の二つで先が羽根の様に細かく裂けている。真ん中は流線形で、胴体に見える。花茎の先に1-5輪の花を咲かせる。葉は細長い剣状。日当たりの良い湿地を好む。盛んに市販されているが、ウィルス感染し易く長く健全に育てるのは困難を極める。大抵は枯らす。故に業者や観光客による盗掘・乱獲あとを絶たず、自生地は壊滅状態。

ラン科サギソウ属の内、環境省レッドリストに挙げられ、絶滅の危機に瀕している種類が下記の16種ある。

オオバナオオヤマサギソウ ・ オオヤマサギソウ ・ サギソウ ・ シマツレサギソウ ・ タカサゴサギソウ ・ タカネサギソウ ・ タコガタサギソウ ・ ダイサギソウ ・ ツレサギソウ ・ テツオサギソウ ・ ハシナガヤマサギソウ ・ ヒュウガトンボ ・ マイサギソウ ・  マンシュウヤマサギソウ ・ ヤマサギソウ ・ リュウキュウサギソウ

これ等の植物の中には、サギソウの名が語尾についていても、その殆どの花が鷺の鳥の様な形をしていない。が、何れも和の風情を湛(たた)えているので、好事家の標的にされ易い。生育地の開発などで激減したと言われているが、それならば、狙い撃ちされた様にこの種だけが大きく偏って減っている理由にはならないと思う。上記の16種のどれもが何らかの絶滅危惧種に指定されている。その中で代表的なものをピックアップする。

オオバナオオヤマサギソウ 環境省カテゴリ1A類(CR)。 絶滅(埼玉県)。絶滅危惧Ⅰ類(東京都・神奈川県・山梨県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(静岡県)。

オオヤマサギソウ 絶滅(東京都)。絶滅危惧I類(神奈川県・山梨県・石川県・三重県・都府・大阪府和歌山県兵庫県香川県・宮崎県・熊本県)。絶滅危惧Ⅱ類(埼玉県・静岡県・愛知県・滋賀県徳島県山口県大分県)。絶滅危惧種(岩手県茨城県富山県奈良県岡山県広島県)。情報不足(福岡県)。

サギソウ 環境省カテゴリ・準絶滅危惧(NT)。 絶滅(群馬県・東京都・山梨県徳島県高知県)。絶滅危惧Ⅰ類(北海道・秋田県岩手県山形県宮城県福島県茨城県・千葉県・新潟県・長野県・富山県・石川県・岐阜県福井県京都府奈良県和歌山県鳥取県島根県香川県愛媛県・福岡県・大分県長崎県・宮崎県・鹿児島県)。絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・静岡県・愛知県・三重県大阪府兵庫県岡山県広島県山口県・佐賀・熊本県)。絶滅危惧種(滋賀県)。

ダイサギソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB類(EN)。絶滅(神奈川県)。絶滅危惧Ⅰ類(千葉県・静岡県和歌山県香川県高知県・福岡県・佐賀県長崎県大分県・宮崎県・熊本県・鹿児島県)。情報不足(石川県)。
 お願いだから、もうこれ以上採取しないで。個人的趣味でサギソウの挿花や鉢を自慢する人を見ると、悲しくなります。

もののあわれを知るならば そっと野に置けサギの花

 

ザクロ(石榴/柘榴)  ミソハギ科  ザクロ属

花6月。朱赤。花弁6枚・花弁には皺が有る。雄蕊多数・離弁花。咢も朱赤で筒状・咢の上縁が6裂。枝先に花を数個つける。葉は長楕円形か倒長卵形・葉身4㎝。枝に棘有り。液果は球形・果皮は革質で堅い。中にルビー色の実が粒になって入っている。果実・落葉小高木。外側の堅い果皮は有毒(ペレチエリン・下痢・吐き気・中枢神経異常・目眩)。 生薬(生薬名(石榴皮(せきりゅうひ)・石榴根皮(せきりゅうこんぴ)・ぺレチエリン・スペウドペレチエリン・タンニン・駆虫・細菌性やアメーバー性腸炎の下痢に有効・対性器出血や脱肛・対口内炎や虫歯)。花言葉・優美・円熟した優美・優雅な美しさ・愚かしさ

 

ササバギンラン(笹葉銀欄)  ラン科  キンラン属

花5月-6月。咢片白・側花弁白。花は完全に開花する事はない。咢片3枚が上と左右横から、側花弁2枚と唇弁と葯を包み込むようにして咲いている。咢片1㎝前後。唇弁の付け根に短い距がある。花柄(かへい)はねじれて茎に着く。花柄の付け根に線形状の長い包葉がある。茎に毛がある。有花茎(ゆうかけい)。葉は披針形で茎を抱く。草丈30-50㎝。山地の樹林下に自生。

絶滅(香川県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅰ類(滋賀県三重県奈良県徳島県高知県愛媛県山口県長崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(石川県・福井県京都府岐阜県兵庫県鳥取県岡山県大分県)絶滅危惧種(埼玉県・東京都・千葉県・愛知県)。

※ 花柄とは、花と茎を繋ぐ連絡通路。例:桜の花と枝を結ぶ短い茎。

※ 有花茎とは、花茎が花のみを咲かせる茎ならば(例:タンポポ)、有花茎は、葉も花も同軸上の茎に着ける茎の事を言う。

 

ササユリ(笹百合)  ユリ科  ユリ属

花5月-7月。 淡紅色・稀に白。 花弁6枚・花弁の長さ10‐15㎝・花の形はロート状。花弁の先は反り返る。花粉は赤褐色。葉は披針形・笹の葉に似る。種は風に運ばれる。種が着地した移動先で発芽するのは2年後の春である。それから開花する迄7年かかる。山地の草原や日当たりの良い疎林に生育。日本固有種。

絶滅危惧Ⅰ(山梨県香川県徳島県高知県大分県・宮崎県)。 絶滅危惧Ⅱ類(新潟県愛媛県)。 絶滅危惧種(長野県・石川県・三重県奈良県)。

 

サツキ ツツジ科 ツツジ属 

→ ブログ№198茶花総覧(3) 春(タ行~わ行)の内、ツツジのグループ・ツツジ④サツキ(映山紅)参照の事。

 

サツキウメ(五月梅)

→ブログ№200茶花総覧(5)  夏(た行~わ行)の内、バイカウツギの条を記載する予定です。

 

サラシナショウマ(晒菜升麻)   キンポウゲ科  サラシナショウマ

花8月-10月。白。雄花と雌花が有る。花弁3-5㎜、花柄(かへい)5―10㎜。総状花序で茎にぎっしりと着く。花穂の長さは20-30㎝。開花時に花弁と咢が共に落下、花蕊(かずい)だけになり、(しべ)花糸(かし)が密集している様子が、瓶を洗うブラシに似る。3回3出羽状複葉(うじょうふくよう)互生(ごせい)・草丈40-150㎝。生薬・漢方薬・(薬名・升麻(しょうま)・乙字湯・小魔葛根湯等々)・発汗・解熱・解毒・対胃炎・対腸炎・消化不良改善)

絶滅危惧I類(鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(東京都・香川県)要注目種(京都府)

※ 花蕊とは、雌蕊雄蕊の事である。

※ 花糸とは、雄蕊の先端にある葯(やく(花粉の入っている袋))を支える柄である。

※ 3回3出とは、葉軸(ようじく)に頂葉・左葉・右葉の3枚の小葉(しょうよう)が着いたものをワンセットとすると、そのセットが3回現れた葉序を3回3出と言う。(例:ナンテンの葉の様な形)

※ 羽状複葉とは、葉軸の左右に小葉が何枚も並んで付き、鳥の羽根の様に見えるもの。例:バラの葉やオジギソウの葉等。

※ 互生とは、葉が重ならない様に互い違いに葉が茎に付く事。

 

サラソウジュ   サラソウジュという固有名詞を持つ植物は存在せず。

サラ(沙羅)の樹はフタバガキ科・コディアウエム属のインド原産の常緑高木である。樹高30mにも達し、花は5弁で白に近い薄黄緑色。花径2㎝。総状円錐花序。花の時期になると、樹が白い花の雲に覆われてしまうのではないかと思う程に花が溢れ、芳香を放つ。双樹と言うのは二本の樹と言う意味。サラノキは種を風に飛ばし、群落を作る。生息域はインドのヒマラヤ山脈のふもとの熱帯雨林。日本では育たない。日本では白い椿をサラの樹に見立ててサラソウジュとしている。或いはナツツバキと呼んでいる。→ ナツツバキ参照(次回のブログ№200で掲載予定)。

 

サルビア(緋衣草)(スカーレット・セージ) シソ科 アキギリ属(サルビア属)

花6月-11月。赤・ピンク・白・紫・複色。花は唇形花(しんけいか)で筒型・咢も筒型で花と同色・花は1日花で咲き終わると落花するが、咢がそのまま茎に残るので、何時までも花が咲いている様に見える。茎の上方に穂状花序(すいじょうかじょ)を出し、花は間隔を密にしながら段々状に上に向かって咲いて行く。葉は広卵形(こうらんけい)鋸歯(きょし)あり・葉身7㎝前後。草丈1m(花壇用矮性では30―50cm)。1年草と宿根多年草がある。ブラジル原産。弱有毒(サルビノリンA・幻覚作用)。ペット有毒(嘔吐・下痢・発熱・痙攣重篤の場合は致死)。花言葉・尊敬・知恵・よい家庭・家族愛。

※ 唇形花(しんけいか)とは、シソ科に見られる特徴的な形の花を言う。花弁が合着して筒状になり、筒先が大きく上下に割れる。下の裂片は唇を突き出す様になっており、上の裂片はそれに傘を翳(かざ)す様に被さっている。(例:ホトケノザサルビア)

※ 穂状花序(すいじょうかじょ)とは、主軸が長く伸び、花柄が無く、花が直接茎に密着して穂の様に長く連なって咲く花のタイプを言う。例:オオバコ・ミズヒキ・グラジオラス。

※ 広卵形(らんけい)とは、広い幅の卵形の葉の事を言う。卵形は葉身の半分よりも基部に近い方が丸味が大きく、半分よりも葉先の方が丸味が小さい葉の事を言う。披針形(基部の方が幅が広いが、茎に着く直前に急に楔形になる葉)に近いが基部で楔形にはならず、丸味を帯びたまま茎に着く。

※ 鋸歯(きょし)とは、葉の縁にあるギザギザの事。

 

サワトラノオ(沢虎の尾)  サクラソウ科  オカトラノオ

花4-5月。白。花弁5―6裂・花弁の先は丸くなり、梅紋の様な形・花径7-8㎜。 雄蕊5本・葯は暗赤紫色・花柄有り・総状花序で密に咲く。葉は長倒卵形か広線形・葉身2-4.5㎝。互生・茎は直立・草丈40-80㎝。低湿地・水辺の湿地に生育。日本での生育地は限られている。本州で3県、九州で3県のみ生息が確認できる。サワトラノオ生育地の湿原保護活動がある。環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅(東京都・神奈川県)。絶滅危惧Ⅰ類(埼玉県・静岡県大阪府・福岡県・佐賀県熊本県・宮崎県)。絶滅危惧2類(鹿児島県)。情報不足(富山県広島県)。

茶花総覧にサワトラノオをリストアップするのは、この花を茶花に推奨している様で罪悪感がある。どうか採取しないで欲しい。飾らないで欲しい。サワトラノオばかりではない。その外の多くの絶滅危惧種の花々を己の趣向のために切らないで欲しい。その生命を彼等の子孫と私達の子孫のために永らえさせてやって欲しい。見えない所で賢明に保護活動をしている人達もいる。もし願えるならば、このブログでリストアップした絶滅危惧の名前については、不採取の特記事項の枠に納めて、留意して欲しい。

 

サンザシ(山査子)   バラ科  サンザシ属

花4月-5月。白。芽吹きと共に開花。花弁5枚。形は梅の花に似る。芳香有り。葉は1㎝以下の倒卵形で粗い目の鋸歯有り。茎に棘有。落葉広葉樹低木・樹高1.5-3m。漢方薬(漢方名(加味平胃散(かみへいいさん)・啓脾湯(けいひとう))・対高血圧薬・健胃として]。生薬(生薬名(山査子)・健胃・消化・止瀉・鎮静・慢性下痢・産後腹痛に効能・出血性下痢/西洋サンザシ・強心薬・対扁桃炎・対消化不良)。西洋サンザシ有毒(副作用有り・目眩・吐気・消化器症状・心疾患薬との不整合)。 栄養(オレアノール酸・フラボノイド・カロテン・ビタミンC等)。果実酒・お菓子・調味料・ドライフルーツ等。花言葉・希望・新しい光・唯一つの愛・慎重。 

サンザシの絶滅が懸念されている種は2種ある。

アラゲアカサンザシ 情報不足(北海道)。

クロミサンザシ 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠB類・絶滅危惧Ⅰ類(北海道・長野県)。

 

サンスベリア(虎の尾)(千歳蘭)  キジカクシ科  ドラセナ属

多肉観葉植物。葉に黒味を帯びた濃緑色の横段縞がある。花期 ? (稀に咲く)。花は白。花茎の上方に糸くずを束ねた様な花を穂状花序で着ける。花は夜開花・芳香有り。葉は肉厚の葉物。原産地・アフリカの乾燥地帯。乾燥に強い。無毒説と有毒説が混在。要は摂取量の多少に依るようである。含有しているサポニンは、これまでの植物リストを読むと分かるように、生薬に含まれている場合も有るし、又、有毒成分の一つでもある。毒も薬であり、薬も毒である。普段飲用している日本茶にも或いは抹茶にもサポニンは含まれている。ペット有毒(サポニン・胃腸障害・吐気・嘔吐・下痢)。 花言葉・永久・不滅・幸福・開運。 トラノオ参照(次回ブログ№200茶花総覧(5)夏(た行~)でも同文で再記載の予定)。

 

サンリンソウ(三輪草)  キンポウゲ科  イチリンソウ

花5月-7月。白。花弁5枚。但し、5枚の花弁と見えているのはいずれも咢。花径2㎝。1本の茎が途中で分枝(ぶんし)して3輪の花が咲くと言うが、例外多々・1~5輪の場合も有り。根から直接出る葉(根生葉)は3出複葉(吸い物に使う三つ葉の形)で鋸歯深裂・葉柄有。茎に着く葉も3出複葉だが、鋸歯の切れ込みが更に深くなる。輪生。トリカブトの葉に似ている。草丈15‐30㎝。落葉広葉樹林の下や林縁に見られる。有毒(成分不明。鹿が食べない・有毒植物が多いキンポウゲ科の植物なので、用心必要)。北海道・本州中部に分布。花言葉・友情・協力。

絶滅危惧Ⅰ類(山形県・埼玉県・福井県)。絶滅危惧Ⅱ類(秋田県福島県岐阜県)。絶滅危惧種(北海道・岩手県)情報不足(岡山県)。

 

ジキタリス 旧分類では ゴマノハエグサ科  ジキタリス属 

        新分類(APG)では  オオバコ科  ジキタリス属

花5月- 7月。 白・ピンク・オレンジ・黄・紫・茶・複色。 二年草(本来宿根草)。草丈30-180㎝。花茎が真っ直ぐ伸び立ち、釣り鐘状の花を穂状にびっしり付ける。全有毒(ジキトキシン・ギトキシン・胃腸障害・嘔吐・下痢・不整脈・頭痛・目眩・心機能停止・重篤の場合は致死)。薬(ジキトキシン・うっ血性心不全治療薬)。コンフリーと間違えて誤食のケースが多い。 ペット有毒  花言葉・不誠実・熱愛。

 

シマアシ(縞葦(しまあしorしまよし))(リボングラス) イネ科  クサヨシ属

花5月-7月。淡緑色 or 淡紫色。茎頂に約15㎝位の円錐花序の穂を咲かす。草葦(くさよし)の葉の覆輪斑入りの種をシマアシorシマヨシと言う。葉は線形・草丈70-180㎝。日当たりの湿地を好む。北半球の温帯に分布。茶花(ちゃばな)として鑑賞するのは専(もっぱ)ら花ではなく葉の方。

 

シモツケ(下野)(木下野(きしもつけ))  バラ科  シモツケ

花5月-8月。 ピンク・赤・白。花弁5枚・花弁の形は梅の花に似る・花径3-6㎜・両性花・今年出た枝先に複散房花序で花が咲く。葉身1-8㎝・幅2-4㎝・披針形(ひしんけい) or 卵形(らんけい)で互生・葉裏の葉脈は隆起・葉質は堅め・葉の先端が尖る。株立ち・樹高0.2‐1m。落葉低木。ペット有毒(アセトアルデヒト・プロピオンアルデヒト・クロゲン酸・カフェイン酸・嘔吐・下痢・発熱・痙攣・意識障害・呼吸困難)。花言葉・無言の愛。

バラ科シモツケ属の内、環境省レッドリストに挙げられ、絶滅の危機に瀕している種類が下記の13種がある。

アイズシモツケ ・ アイヅシモツケ イブキシモツケイワシモツケ ・  ウスゲオニシモツケ ・  ウラジロイワガサ ・ エゾシモツケ ・  エゾノシロバナシモツケ ・ オニシモツケ ・ オニホソバシモツケ ・ キイシモツケ ・ キビノシモツケ シモツケ

上記の13種の内、代表的なものをピックアップする。

イブキシモツケ 絶滅危惧I類(和歌山県)絶滅危惧Ⅱ類(三重県)絶滅危惧種(岐阜県

奈良県香川県・福岡県)分類上重要種(滋賀県)。→イブキシモツケ参照。

イワシモツケ 絶滅危惧I類(福島県茨城県・埼玉県・山梨県・愛知県)。絶滅危惧Ⅱ類(新潟県・石川県・東京都)絶滅危惧種(滋賀県)。

シモツケ 絶滅危惧I類(奈良県)絶滅危惧Ⅱ類(京都府兵庫県岡山県徳島県)準絶滅危惧種(島根県広島県愛媛県・福岡県)その他重要種(滋賀県)。

※ 複散房花序とは、散房花序(花軸の先に、幾つもの花柄(かへい)が少しずつ間隔を開けて着き、頭頂で水平または半球状に花が並ぶもの)が複数集まったもの(例:フジバカマ)

※ 披針形とは、鈹鍼で使う刃針(はばり)を披針と言い、その披針は両刃で平たく細く、手元が少し幅広く、先が尖っている形をしている。そういう形をした葉の事を披針形と言う。(例:リンドウ・ヒャクニチソウ・ゲッケイジュ等々)

※ 卵形とは、葉元が幅広で丸味を帯び、葉先も丸味を帯びているが葉元よりも幅が小さい葉の事を言う。

 

シモツケソウ(下野草)(草下野)  バラ科  シモツケソウ属

シモツケは「」であり、シモツケソウは「」である。同科同属で非常によく似ている。

花6月-8月。淡紅色。花弁3-5枚・雄蕊多数で花弁より長い・咢片4—5個で卵形。葉は掌状(カエデの葉の様)で切り込みが深い。鋸歯有り。シモツケと下野草の見分け方は、シモツケの葉は披針形か卵形、シモツケソウの葉は掌状。多年草。日当たりの良い山地のやや湿った草地を好む。本州・四国・九州に分布・日本固有種。花言葉・控えめな可愛さ・純情・穏やか。

絶滅危惧Ⅰ 類(愛知県・三重県奈良県・福岡県・熊本県・宮崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類 (京都府兵庫県山口県)絶滅危惧種(宮城県新潟県岡山県大分県)分布特性上重要(滋賀県)。天然記念物(伊吹山頂草原植物群落)。採取・損傷禁止植物指定(吉野熊野・大山隠岐阿蘇九重の各国立公園。鈴鹿国定公園・氷ノ山後山那岐山(ひょうのせん うしろやま なぎさん)国定公園)。

シモツケソウでは上記の外に絶滅危惧種に指定されている種が2種ある。

アカバシモツケソウ(絶滅危惧Ⅱ類(福島県))  シコクシモツケソウ(環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(vu))である。

→ シモツケ(木)と、シモツケソウ(草) & キョウガノコ(草) & ナツユキソウ(草)は酷似。(ナツユキソウ(花は白色)は次回ブログ№200に記載予定))

 

シャガ(射干)(胡蝶花)  アヤメ科  アヤメ属

花4月—5月。白地に紫と黄の斑点。園芸品種には薄紫色や淡紫色有。花は小さいアヤメの形。草丈50‐60㎝。葉は剣状で艶が有る。葉は斜めに傾く性質が有る。根茎で横に伸び群落を作る。自生場所は人里近くの林間に生育。山野草。中国原産。ペット有毒(テルペノイド・嘔吐・下痢・倦怠感・涎・血便)。

 

シャクナゲ(石楠花) 

→ブログ№198茶花総覧(3)春(た行~ワ行)の内ツツジのグループ⑤のシャクナゲ(石楠花)を参照の事。

 

シャクヤク(芍薬) (花の宰相)  ボタン科 ボタン属

花5月-6月。 紅・桃色・紫紅色・白・黄など花色多彩。一重咲・八重咲・千重咲。花径10-20cm。有花茎は直立・茎頂に花を咲かせる。芽吹きの頃の葉は赤茶色・成長すると緑色になる。茎は束出。葉は2回3出羽状複葉・小葉は披針形 or 卵形・鋸歯は無・葉に艶有り・無毛・芳香有り。草丈0.5‐1m。 シベリア・中国・モンゴル原産。牡丹の接ぎ木用の台木に利用。薬用(ペオニフロリン・アルビフロリン・ガロンタンニン・消炎・鎮痛・抗菌・止血・浄血・抗痙攣)

シャクヤクには園芸品種の上記の芍薬の外に、野生種の芍薬が下記の通りに有る。

ケナシベニバナヤマシャクヤク 絶滅危惧Ⅰ類 (茨城県大分県)

ヤマシャクヤク  絶滅危惧Ⅱ類 (茨城県)。

ベニバナヤマシャクヤク  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 絶滅危惧Ⅰ類(北海道・青森県・岩手県山形県福島県茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・山梨県・長野県・新潟県静岡県・愛知県・三重県滋賀県富山県三重県京都府大阪府奈良県岡山県広島県鳥取県島根県山口県香川県愛媛県高知県徳島県・宮崎県・熊本県)絶滅危惧Ⅱ類 (宮城県兵庫県)情報不足(岐阜県)

ヤマシャクヤク    環境省カテゴリ・準絶滅危惧種(NT)。 絶滅(千葉県)絶滅危惧

Ⅰ類 (山形県・栃木県・群馬県・東京都・富山県・石川県・大阪府和歌山県・福岡県・大分県佐賀県長崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(青森県岩手県宮城県福島県茨城県・埼玉県・新潟県・長野県・岐阜県・愛知県・三重県福井県京都府岡山県香川県山口県)絶滅危惧種(北海道・秋田県・神奈川県・山梨県静岡県滋賀県奈良県鳥取県広島県徳島県熊本県・宮崎県)。

 

ジャーマンアイリス → アヤメのグループの内 アヤメ⑥のジャーマンアイリスの条参照

 

ジュズサンゴ(数珠珊瑚)(リビナ) ヤマゴボウ科(ジュズサンゴ科) リビナ属

花6月-10月。淡紅色~白。花弁4枚・花径5㎜内外・花弁の形は痩せ型楕円形or倒披針形・総状花序・花序の長さ4—15㎝・花と果実が混在・果実の色は真っ赤で艶が有る。実の色にピンク・黄色も有り。葉は卵形~楕円形。草丈60㎝。半蔓性・多年草(温帯地方では1年草)・道端や森林内の湿り気のある半日陰、北米南部原産・アフリカ・アジアにも分布。全有毒(成分未分析・喉と胃の灼熱感・口内痺れ・咳・喉の渇き・嘔吐・下痢)。ペット有毒(成分未分析・嘔吐・下痢・腹痛・脱水症状・ショック症状・重篤の場合は致死)。人に無毒の記述も有るが、猛毒のヨウシュヤマゴボウと同じ科なので用心肝要。花言葉・ひたむきな姿勢・移り気。

 

ジョチュウギク(シロバナムシヨケギク)(白花除虫菊)  キク科 ヨモギギク属 

花5月—7月。 白。 宿根草。 マーガレットの様な花。葉は春菊に似ている。草丈40-60㎝。ペット有毒(ピレトリン・くしゃみ・鼻炎・咳・悪心)。但し、かなり大量摂取しないと中毒症状は現れないと言われている。花言葉・忍ぶ恋・清楚。

 

シャリンバイ(車輪梅)  バラ科  シャリンバイ属

花4月-6月。白or淡紅色。花弁5枚・梅の花に似る・花径1-1.5㎝・両性花。葉は楕円形・厚手で艶有り・葉身4-8㎝・真上から見ると、枝先を葉が車輪の様に取り囲んでいる。横から見ると互生しているのが分かる。海岸の日当たりの岩などに生育。有用材・大気汚染や乾燥に強く道路・生垣などに植栽。大島紬の黒色の染料。薬(消炎・潰瘍・打撲(外用)。

シャリンバイには下記の3種が有る。

シャリンバイ 絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県福島県)絶滅危惧Ⅱ類(鳥取県)要注目種(宮城県)

ホソバシャリンバイ 絶滅危惧種(鹿児島県)

マルバシャリンバイ 絶滅危惧Ⅰ類 (秋田県)絶滅危惧Ⅱ類(石川県)絶滅危惧種(鹿児島県)地域個体群(新潟県)。

 

シライトソウ(白糸草)  シュロソウ科 シライトソウ属

花5月-6月。白。花弁6弁の内、4弁が6-10㎜前後、残りの2弁は1-2㎜前後で花茎に密着。長い4弁は細長い糸状・糸状の先端がスプーンの様に少ししゃくれて曲がっている・小さい茶杓の様・花弁の長さ6-9㎜・雄蕊6個。雌蕊の花柱は3裂・花茎は直立して25-65㎝。花は穂状花序(すいじょうかじょ)で密集。花序の長さは~10数㎝。一見試験管洗浄ブラシに似ている。葉は根元からロゼット状に生え、長楕円形又は倒披針形・葉身8-14㎝。秋田県以西・本州・四国・九州山地と韓国に分布。

シライトソウには下記の8種が有ります。

アズマシライトソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧種Ⅰ類(埼玉県・東京都)。

キイヒメシライトソウ 情報不足(三重県奈良県)

クロカミシライトソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(佐賀県)。

クロヒメシライトソウ 環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(秋田県)絶滅危惧Ⅱ類(新潟県)

シライトソウ 絶滅危惧Ⅰ類(長野県・長崎県)絶滅危惧Ⅱ類(福岡県)絶滅危惧種

(京都府佐賀県)分類特性上重要種(鹿児島県)

チャボシライトソウ  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧I類(静岡県・愛知県・三重県和歌山県徳島県山口県・宮崎県)絶滅危惧Ⅱ類(奈良県高知県・鹿児島県)

ミノシライトソウ   環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB類(EN)。 絶滅危惧Ⅰ類(岐阜県)

ヤクシマシライトソウ  環境省カテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

 穂状花序とは、花柄が無く、花が直接茎に密着し、穂の様に長く連なって着つくもの。

 

シラタマユリ(白玉百合)(シロカノコユリ)(シロバナカノコユリ)(翁百合)  

               ユリ科 ユリ属

花7月-8月。白。花は基部より反り返る。カノコユリが白色化したもの。カノコユリにある赤紫色の鹿の子模様の斑点が無く、その代り、真っ白な小さな突起が花弁内側に点在している。葯は赤橙色。葉は長卵形又は披針形・有花茎の上方で分枝を何回か繰り返し、その都度分枝の先に花を着ける。草丈1-1.5m。花言葉・荘厳・威厳・上品・慈悲深さ。→参考カノコユリ

 

シラネアオイ(白根葵)(山芙蓉)(春芙蓉) キンポウゲ科  

花5月-7月。紫・赤紫・白。花弁に見えているのは咢片(花弁無)4枚・花径(かけい)7-8㎝。有花茎(ゆうかけい)が地上部に一本立ちして、茎頂に花を咲かせる。葉は掌状で基部は心形・二重鋸歯・草丈20-30㎝。高山植物。日本固有種。

絶滅危惧Ⅰ類(福島県・栃木県)。絶滅危惧Ⅱ類(北海道・群馬県・長野県)。準絶滅危惧(秋田県宮城県富山県)。

 花とは、花の直径のこと

※ 有花とは、花茎に花も葉も着ける茎(くき)の事を言う。例:キク。

(参考:花茎とは花だけを着ける茎の事を言う。例:タンポポ。)

 

シラン(紫欄)(ベニラン)  ラン科 シラン属

花4月―6月。 紫紅色・白。草丈40-70㎝・総状花序。日向(ひなた)・半日陰・乾燥・過湿に強い。家庭園芸盛ん。栽培種は増えているが、自生種は絶滅危機多年草。原産地・日本・台湾・中国。

環境省レッドリスト・準絶滅危惧(NT)絶滅(群馬県)絶滅危惧Ⅰ類(福島県茨城県・埼玉県・山梨県京都府大阪府愛媛県熊本県)絶滅危惧Ⅱ類(栃木県・千葉県・和歌山県岡山県香川県)絶滅危惧種(神奈川県・静岡県・愛知県・滋賀県三重県奈良県徳島県・福岡県・大分県・・宮崎県)情報不足(富山県兵庫県・鹿児島県)。

 

スイカズラ(金銀花)(忍冬(にんとう)) スイカズラ科 スイカズラ

花5月-7月。白から黄色へ変化。花は筒状花(とうじょうか)で上下に二裂・上は唇状で4つに浅裂・下弁はへら状で下へ反り返る。花は葉腋から二輪ずつ咲く。蜜は甘い。芳香有り。葉は卵形・つる性植物。蔓の長さ5―17m。果実9月-12月。果実の色は熟すと青黒く光沢があり、2個ずつなる。 漢方薬(蕾から作る生薬名は金銀花)(葉と茎から作る生薬名は忍冬(にんとう)(忍冬藤(にんどうとう))(セリルアルコール・イノシートル・利尿・解熱・鎮痛薬・化膿症・解毒・浄血・腰痛・関節痛・打ち身・あせも・入浴剤)。 花言葉・愛の絆・献身的な愛。

スイカズラには下記の2種が知られています。

スイカズラ   分類上重要種(鹿児島県)。

ヒメスイカズラ 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県・沖縄県)。

※ キンギンボク(金銀木)(=ヒョウタンボク(瓢箪木)) と キンギンカ(金銀花)(=スイカズラ(吸葛))は似ているので間違え易い。同科同属であり、花もほぼ同形同色。キンギンボクは低木であり、キンギンカはつる性低木である。

 

スイレン(睡蓮)(水連)  スイレン科  スイレン

花5月-10月。白・黄・ピンク・赤・複色。花弁は5枚以上・花は水底から花茎を伸ばし、水面か水面より上に出て開花。水底の地下に根を張り、葉は水中(沈水葉)や水面に浮かぶ浮水葉、水面から突き出る抽水葉の三態がある。葉形は円形又は楕円形で基部は深く切れ込みハート形になる。スイレンスイレン属50種ほどの総称。日本に自生しているスイレンヒツジグサのみの一種類である。後は園芸品種。

→ ヒツジグサ参照(ブログ№20茶花総覧(5)夏(た行~ )に掲載予定。

 

スズカケソウ(篠懸草)(鈴懸草) ゴマノハエグサ科 クガイソウ

花7月-8月。紫。筒状花(ヤグルマソウの小花一つの形)が葉腋毎に10-20個纏まって咲く。花柱が長く葯(やく)が橙色で目立つ。一見毛玉のポンポン。山伏の着ける篠懸に見立てたネーミング。葉は卵形。葉も茎も毛深い。蔓性の山野草。  境省絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧Ⅰ類(岐阜県徳島県)

 

スズラン(鈴蘭) キジカクシ科(クサスギカズラ科) スズラン属

花5月-6月。白。一本の花茎に釣鐘の様な白い花が並んで釣り下がる。芳香有り。全猛毒(コンパラトキシン・コンパラマリン等38種の毒。嘔吐・頭痛・めまい・心不全・血圧低下・心臓麻痺・致死。青酸カリを上回る毒性)。注意: 鈴蘭を触って花粉が手に付着する可能性が有るので、鈴蘭を扱った後は必ず手を良く洗う事。鈴蘭を挿した花瓶の水も要注意。行者ニンニクと似ているので誤食をして、中毒を起こす例が跡を絶たない。ぺっト有毒・馬・牛などに対しても有毒・危険

絶滅(埼玉県・富山県)絶滅危惧Ⅰ類(秋田県山形県静岡県奈良県熊本県)絶滅危惧Ⅱ類(宮城県福島県茨城県・栃木県)地域個体群(新潟県)情報不足(兵庫県)。

スズランには上記の外に絶滅に瀕している種が下記の通り2種有ります。

エゾスズラン 絶滅(兵庫県)絶滅危惧Ⅰ類(山形県・石川県・三重県奈良県岡山県広島県徳島県高知県大分県熊本県・宮崎県・鹿児島県)絶滅危惧Ⅱ類(宮城県・埼玉県・東京都・神奈川県・新潟県富山県滋賀県)絶滅危惧種(秋田県)。情報不足(茨城県岐阜県)

ミスズスズラン 環境省カテゴリ絶滅危惧ⅠA類(CR)。絶滅危惧種Ⅰ類(青森県岩手県・栃木県・群馬県・埼玉県・山梨県・長野県・静岡県)

 

ストレチア(極楽鳥の花)(ストレリチア)  バショウ科 ストレリチア

花5月-9月。オレンジと黄色と紫。極楽鳥に似る。花茎の頂上に花は一つ。咢が横に曲がり、それを突き破って上に花を咲かせる。一葉一茎で根元から茎立・茎の分枝無し・葉は卵形・長くて硬い葉柄を持つ。草丈1-2m。観葉植物・南アフリカ原産。花言葉・輝かしい未来・寛容。ペット有毒(有毒化学物質無し。但し、植物細胞内に針状のシュウ酸カルシュウムがあり、嘔吐・眠気・口内炎や消化管の炎症が起きる) 

 

スパイダーリリー → スパイダーリリーはヒメノカリスとして茶花総覧シリーズの夏編(た行~ワ行)に記載予定。

 

スパティフィラム  サトイモ科 ササウチワ属

花5月-10月。白。花と見えるのは咢の仏炎苞(ぶつえんほう)。花は仏炎苞の中から突き出ている黄色い棒の様なもの(花の集合体・肉穂花序)。観葉植物。草丈30-80cm。ペット有毒(シュウ酸カルシウム・口や舌や唇の痛み・嘔吐・口内炎・唾液過多・嚥下困難)。 花言葉・上品な淑女・清らかな心。

 

スモークツリー(ハグマノキ)  ウルシ科  ハグマキノキ属

花6-8月。 緑・赤。 花序が長く無数に枝わかれして出る。花序の長さが20㎝くらいになる。花が終わった後、花の柄が伸び、遠くから見ると煙のように見える。雌雄異株。 原産地・ヨーロッパ・ヒマラヤ・中国。漆の仲間なのでかぶれる。有毒(ウルシオール・肌の弱い人は皮膚炎症)。ペット有毒。 花言葉・煙に巻く・賢明・賑やかな家庭・はかない青春。

 

セッコク(セキコク)(石斛)(長生蘭)(スクナヒコグスリ)  ラン科 セッコク

花5月-6月。白・淡紫紅色。花に見える弁は6枚(背咢片1・側咢片2・側花弁2・唇弁1・葉は長楕円形又は倒卵形。偽鱗茎or偽球茎と呼ばれる太った茎(バルブ)があり、バルブで栄養や水分を蓄える。セッコクはラン科の種類で言えばデンドロビウムの仲間である。日本・朝鮮半島・中国に分布。 薬(デンドロビン・ノピロニン・デンドロキシン・解熱・強壮・健胃作用・口渇や食欲不振や胃腸障害の改善・対インポテンツ)。「スクナヒコグスリ」の別名は日本神話の医薬の神様・少彦名神(すくなひこなのかみ)に由来する。

絶滅危惧Ⅰ類(岩手県宮城県群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県新潟県・長野県・岐阜県・石川県・福井県滋賀県大阪府和歌山県兵庫県香川県長崎県)絶滅危惧Ⅱ類(福島県茨城県・東京都・京都府奈良県岡山県鳥取県島根県山口県徳島県愛媛県・福岡県・佐賀県大分県)絶滅危惧種(栃木県・静岡県・愛知県・三重県広島県・鹿児島県)。

セッコクには上記の外に絶滅に瀕している種が下記の通り3種有ります。

オキナワセッコク 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)

キバナセッコク 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(徳島県高知県大分県熊本県・宮崎県・長崎県沖縄県)絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県)。

リュウキュウセッコク 環境省カテゴリ・絶滅危惧ⅠB(EN)。絶滅危惧Ⅰ類(沖縄県)。情報不足(鹿児島県)。

※ 咢片(がくへん)とは、花の一番外側にあって花を守る役目の「咢」が変化し、葉に近い形になり、更に虫を誘う為に美しく花弁化したもの。咢片は葉の性質を持った花弁である。

※ 背咢片(せがくへん)(ドーサル セパル or アッパー セパル)とは、唇弁に正対面している花被片(咢片)である。花の一番外側の、一番上にある。

※ 側咢片(そくがくへん)(ラテラル セパル)とは、花の外側にあり、左右の横側から出ている咢片である。

※ 側花弁(そくかべん)(ペタル)とは、花の内側にあり、左右の横側から出ている花弁である。

※ 唇弁(しんべん)(リップ)とは、花の内側の一番下にあって蕊を抱えている。

 

セキチク(石竹)(唐撫子)  ナデシコ科 ナデシコ

花4月-7月。 赤・白・ピンク。花弁5枚・花径2-4㎝。中心部に蛇の目模様有り。花弁の先が不規則にギザギザしている。茎が幾度も分枝し、その茎先に花を着ける。咢の長さ2㎝。線形の包葉が4-6枚咢を取り囲む。葉は広線形で先が尖る。草丈20-40㎝。原産・中国。生薬(生薬名・瞿麦(くばく))(サポニン(ダイアンチネノサイド類)・清熱・利水・血の滞りを治す・水腫・無月経・目の充血・化膿性の腫物等々)。ペット有毒(テルペノイドサポニン・ギボセニン・嘔吐・下痢)。花言葉・あなたが嫌いです・才色兼備・いつも愛して・純愛。

 

センダン(栴檀)(唐変木(とうへんぼく))(雲見草(くもみぐさ)(楝(あうち)or樗(おうち)) 

                                          センダン科 センダン属  

花5月-6月。淡紫色。落葉高木。樹高5-20m。果実10月頃。「センダンは双葉より芳し」は誤解。インド産のセンダンには香りがあるが、日本産のセンダンには香りが無い。(白檀と取り違えている)。生薬(苦楝皮(くれんぴ)・虫下し(回虫・蟯虫・条虫/苦楝子(くれんし)・腹痛や疝痛に効果・ひび・あかぎれ・しもやけ)。同属のトウセンダンからも生薬が作られる(川楝子(せんれんし)・鎮静薬)。 ペット有毒(メリアトキシン・サポニン・嘔吐・痙攣・昏睡・重篤の場合致死)。動物用の抗癌薬(薬名センダンアルファー・成分メリアトキシン)。

 

センノウ(仙翁)  ナデシコ科  センノウ属(マンテマ属)

センノウは、何々センノウと言う植物の総称である。世界にセンノウ属は30種あり、日本にはその内の6種類がある。命名の由来はその昔、京都の仙翁寺の庭で発見されたから。茶花に良く使われているのが「マツモト」「マツモトソウ」「マツモトセンノウ」と呼ばれるセンノウであり、これら3つの名前は全てマツモトセンノウの事を指している。(→マツモトセンノウについては、後々のブログに記載予定。)

なお、日本在来の6種のセンノウの内、以下の種類が絶滅が危惧されている。

エゾセンノウ 環境省カテゴリ情報不足(北海道)

エンビセンノウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅危惧Ⅰ類(北海道・青森県・長野県)。

オグラセンノウ 環境省カテゴリ絶滅危惧Ⅱ類(VU)。絶滅(大阪府)。絶滅危惧Ⅰ類(岡山県広島県大分県熊本県)。

フシグロセンノウ 絶滅(長崎県)。絶滅危惧Ⅰ類(秋田県・東京都・福岡県・佐賀県・宮崎県)。絶滅危惧Ⅱ類(千葉県・神奈川県・石川県・愛媛県高知県山口県)。準絶滅危惧(茨城県・埼玉県・富山県大分県)。地域個体群(新潟県)。要注目(福井県)。情報不足(鹿児島県)。

マツモトセンノウ 絶滅危惧Ⅰ類(熊本県・宮崎県)。

 

センリョウ(千両)  センリョウ科  センリョウ属

花6月-7月。黄緑色。花弁と咢片無し・雄蕊黄白色1個・葯は黄色で2個・雌蕊は緑の球形・蕊の全形3-4㎜。花は苞の腋に咲く・穂状花序。果期11月-1月。真っ赤な実(黄色の実も有り)を枝の先端につける。葉は卵形・鋸歯有り・革質で艶有り。草丈50-150㎝。栽培が盛んである。正月用の飾り花。野生種は常緑広葉樹林内の半日陰に群生し、近年その数を減らしている。 生薬(生薬名・九節茶)(セスキテルペン・クマロン・鎮痛作用・対打撲傷・対関節炎の痛み・風邪の引き始め)。花言葉・利益・富・財産・裕福・恵まれた才能。

絶滅危惧種(千葉県・奈良県兵庫県)。

 

そ 

ソケイ(素馨)(ジャスミン)   モクセイ科  ソケイ属

花7月-11月。 白。花弁5枚に見える・基部で合着しているので正しくは筒状花で5裂(~10裂するものもある)。花は平らに開く・花径3.5㎝。芳香有り。葉は奇数羽状複葉・小葉は細長い卵状。つる性植物・樹高1-3m。インド・パキスタン原産。素馨の名は漢の時代の女性に由来。素馨が亡くなった時、その墓から香りのよい白い花が咲いたから。素は白を表し馨は芳香を表現する。ソケイはジャスミン属を表す名前。同じ仲間のシロバナインドソケイは、ハワイのレイに使われる花(ブルメリア)。ペット有毒・特に猫(運動失調・嚥下困難・痙攣・呼吸麻痺・重篤の場合致死) 花言葉・優美・可憐。

 

 

余談  絶滅危惧種について

ブログ№199 茶花総覧(4) 夏(あ行~さ行)で取り上げた植物は全部で237種です。

(237種のなかには茶花総覧(1)~(3)までの植物は含まれていません)。

237種の内、絶滅に瀕している自生植物が188種あります。実に79.2%が絶滅危惧種と言う事になります。

園芸品種が盛んに栽培され、また、新しい品種が作出されていく中で、日本古来から自生していた山野草が、人知れず急速に絶滅して行く現実に目を向けなければなりません。和の風情をを求めて「わび」の名の下に挿す一輪の花の、トレーサビリティは確かなものなのか、是非とも考えて欲しいと思います。トレーサビリティとは、そのものの出自を厳密に遡って行き、不具合は無いのか、手抜きや誤魔化しは無いのか、正統で純正な材料や行程なのかを吟味する工業的手法の事です。花屋で買って来たものだから大丈夫だとか、栽培したものだからOKだとか、いやいや、そういう問題では無くて、そもそも栽培する苗は何処から手に入れたのか、タネはどこでどういう手段で採ったのか、農家に委託したとして、農家は畑で育てたのか、それとも採取業者が花屋に卸したのものなのか・・・

そして、更に言うならば、もう、「わび」「さび」に拘らず、発想を転換して日本の季節を産業的に花卉栽培された花で演出しても良いのではないかと、憂慮の果てに思うのです。

2024年(令和6年)3月26日、環境省がレッドデータリストを更改しました。この茶花総覧も手直しに追われ、夏の(あ行~さ行)の項だけなんとか間に合わせました。それ以前にアップしたものについては、まだ手をつけておりません。正直言うならば、まだその頃はこの問題を軽く考えていて、一木一草の吟味を怠っていたのです。

万葉集源氏物語に登場する花々や利休が愛した花が何時までも残って行くように、100年後の子孫のために、茶花の在り方を考え直してみませんか? 

 

 

この記事を書くに当たり、下記の様な本やネット情報を参考に致しました。(順不同)

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル 高等植物

環境省 絶滅危惧種分布情報公開ページ

日本のレッドデータ検索システム

熊本大学薬学部薬用植物園薬草データベース

東邦大学薬学部付属薬用植物園

岐阜大学教育学部理科教育座 キンポウゲ科の植物図鑑

筑波大学生物学類 キンポウゲ科 /  咢片と咢 Sepal & calyx

甲子園短期大学紀要 園芸活動において注意すべき有毒植物について 土橋豊

近畿大学薬学部 薬用植物園 四季のしおり

北海道医療大学・北方系生態観察園に自生する薬用植物

岡山理科大学生物地球学部生物地球学科 旧植物生態研究室ホームページ

デジタル岡山大百科 アサガオの種子の毒

富山県薬剤師会9号

富山県中央植物園 

公益社団法人 日本薬学会

日本植物生理学協会 みんなの広場 植物Q & A

一般社団法人日本アカネ再生機構 日本茜とは

生物多様性保全ネットワーク新潟 有毒植物

国土技術政策総合研究所第2編 在来野草種毎の生育特性

東京都保健医療局 食品衛生の窓

renmei.kyoto 令和4年度に有毒植物による食中毒が発生した。

井上動物病院ペット有毒植物

食品安全委員会 アスパラギン

株式会社科学技術研究所

岐阜県公式ホームページ イブキフウロ 環境生活政策課

山科植物資料館 植物紹介

HiroKen 花さんぽ  野山に自然に咲く花のページ 

四季の山野草(イワナシ)

BIGLOBE ウラシマソウ「浦島草」有毒植物
医薬品情報21 エゴノキの毒性

身近な園芸植物の毒性~その美しさの誘惑 千葉大名誉教授(薬学博士)池上文雄

葉の形-葉と枝による樹木羂索図鑑-FC2

ウィキペディア / みんなの趣味の園芸 / ガーデニングの図鑑 / 

松江の花図鑑   /   植物図鑑    /    三河の植物観察 / 

樹木図鑑    /    庭木図鑑    /   植木ベディア / 

趣味の花図鑑  /   植物の育て方図鑑   /   花 かぎけん花図鑑 /

花と緑の図鑑   /    野山に自然に咲く花のページ / リポンネットワーク 毒草 

KBの果物歳時記 ギンバイカ / 木々の移ろい アキチョウジ  

ゴマクサ-兵庫県の湿生・水生植物。

はてなブログ 葉の形について(その2)-身近な自然も良いね

茶道会館 茶花

茶湯手帳 株式会社 宮帯出版社

平凡社 世界大百科事典

原色植物百科図鑑 集英社   

原色牧野日本植物図鑑 北隆館

このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。

まことにありがとうございました。