式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

189 家父長制度(1) 義母の涙

婆の義父は武士の末裔(まつえい)を誇りにしていた人です。平成になっても、厳格な家父長制度を具現した様な暮らしを守っていましたので、そういう事などを含めて我家を例に取って語って行けば、武士の暮らしの理解の助けになるかと思って筆を執ってみました…

188 侘茶・式正・桂の茶

式正織部流「茶の湯」の世界を書き始めておよそ3年半になります。 鎌倉幕府が開かれ、武士の世が到来した頃から書き始め、天下分け目の戦いの大坂の陣まで書き通して参りました。そして、武士とは何か、武士の間に広がった茶の湯とは何かを、権力闘争や文化…

187 桂離宮(3) 新御殿と茶屋と庭

山紫水明 白砂青松 の風景は、400年前の日本ではごく当たり前に見られたことでしょう。須磨や住吉の浦、近江八景、和歌の浦、三保の松原、天橋立などと思(おぼ)しき大和絵の、名所を描いた屏風絵に、色紙の和歌を散らして眺めて愉しむばかりでなく、その景色…