式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

118 桃山文化13 焼物(4)・織部焼

織部焼きと言うと、先ず緑色の陶器が思い浮かびます。 以前、お茶を習いたての頃、デパートの茶道具売り場で緑釉の菓子皿を探した事がありました。その時、店員さんが珍しく近寄って来て「織部をお探しですか?」と声を掛けられました。デパートでは、客が何…

117 桃山文化12 焼物(3)・茶の湯

六古窯で焼かれていた焼き物は、甕(かめ)や擂鉢(すりばち)、瓦が多いようです。 甕が多いというのは不思議な気がしますが、考えてみれば成程と思い至ります。何故なら、生活で何よりも必要な物は「水」だからです。お水を入れる甕が最も重要な生活必需品にな…

116 桃山文化10 焼物(1) 歴史

楽、萩、唐津、志野、織部、黄瀬戸・・・桃山の器は茶人の器です。 それまでの焼き物は、古くは祭器、でなければ生活必需品の土鍋や水がめ、穀物入れの甕(かめ)などで、食器は木製でした。庶民は木地のままの椀を、身分の在る役人などは漆塗りの椀を用いまし…

115 桃山文化9 漆工芸

漆器 漆器と言うと思い浮かぶのは、漆塗りのお椀ではないでしょうか。お箸やお盆、茶托や重箱など、日本人にとってはとても馴染みのある工芸品です。 漆は英語でJapanと言います。古代から日本人は漆を生活の中に取り入れて来ました。福井県若狭町の鳥浜貝塚…