春。草木は芽生え、鳥たちは恋をし、虫は活発に動き始めます。茶花(ちゃばな)の世界も多種多様に広がり、その数も爆発的に増えています。ここでは、伝統的な茶花ばかりでなく、茶花に向かないのではないか、と思われる異質の草木まで取り上げたいと思います。何しろ、どんどん園芸品種が増え、外国産の花も入ってきます。それらの植物が当たり前に見慣れたものになり、日常に融け込んでおり、「和」へ線引きが怪しくなってきています。南国産の葉を和の花に添えたりするのも有りだったりします。茶花の間口を少し開き、新しい時代への対応としたい、と思います。
前号に引き続き、茶花を下記の通り列挙して行きます。列挙の約束事は前号に準じます。
季節 花1月~3月 とあるのは開花時期が1月~3月の意味です。
実5月~6月 とあるのは実をつける時期が5月~6月の意味です。
樹高 低木は アジサイ、サツキ等々の樹高に近いもの
中木は ウメ、キンモクセイ 〃 〃 〃
小高木は 中木と高木の間の樹高 〃 〃 〃
高木は イチョウ、ヒマラヤ杉 〃 〃 〃
毒表示 有毒表示は注意喚起の意味で赤字にしております。
有毒は、明確な有毒成分があり、中毒症状が出るもの。
全有毒は、根・葉・茎・花・実・種子の全てに毒があるもの。
根有毒は、根に有毒成分が有るもの。実有毒、花有毒も然り。
強毒・猛毒とあるのは、その毒の強さを表す。
ペット有毒とあるのは、犬猫家畜に有毒なもの。
有毒か無毒か確証が得られないものについては、毒表示をしておりません。アレは毒だと口伝えに言われているものについても、しっかりした論拠のないものについては、従って無表示になっております。そういう噂のある草花を扱う時は、ご自身の判断で慎重に扱って下さい。
よく「毒と薬は紙一重」と言われております。有毒とあるものでも薬になります。人体に何らかの作用を及ぼすから毒なのであり、それを利用して薬にもなるのです。
薬については赤字表示をしておりません。
グループ化
同じ科でも種類の多いものについては、全体のアイウエオ順では無く、グループ内のアイウエオ順として一纏めにしました。 [例] ウメやツバキ
① シーズン分けは、一応開花の時期に合わせています。(そうでないものも有ります)
② 茶花としての適期は必ずしも開花時期とは一致していません。枝ものや紅葉、新緑、蕾の時期など、用いる適期がそれぞれに違うからです。
なお、開花時期が分からない観葉植物については、夏の項に記載する予定です。(涼し気に夏を演出しそうですから。)
茶 花 総 覧 (2)
カタカナ植物名(漢字表記)(別名) 科 属
開花期 花色 樹相草相 実の時期 毒性有無 その他
あ
アケビ(木通(もくつう←漢名))(山姫)(山女) アケビ科 アケビ属
花4月—5月。 淡紫色・紫・白。 芽生えと同時に花を咲かせる。花と見えるのは実は咢(がく)。雌雄同株。つる植物3~7m。巻は左巻き。五葉のアケビと三葉のアケビが有る。 果実期9-10月。 薬(サポニン(アケボシド)・利尿作用・眼・耳・鼻・口・肛門・尿道の不調に効く)。 花言葉・才能・唯一の恋。
アケボノスミレ ( 曙菫 ) スミレ科 スミレ属
花3月-5月。 淡紅紫色or 紅紫色。 草丈10-15㎝。葉はハート形。日本では北海道から九州までの太平洋側の山地に分布。濃い紫色のクロバナアケボノスミレと白い花を咲かせるシロバナアケボノスミレがある。 花言葉・小さな幸せ・救い・健勝。
アザレア(西洋ツツジ) → ツツジの条を参照。次回のブログ№198「茶花総覧(3)」の「ツツジ」の条で記載予定ですので、それまでお待ちください。
アズマギク(東菊) キク科 ムカシヨモギ属
花4月-5月。 淡ピンク。八重咲。花弁の様に見えるのは一つ一つが舌状花。舌状花が円周を三重に重なって咲いている。 多年草。草丈10-30cm。 中部以北の山地の草原に分布。日本固有種。 アズマギクをミヤコワスレと呼ぶ事も有るが、ミヤコワスレとは別の花である。ミヤコワスれはミヤマヨメナを品種改良して作出した園芸品種で、舌状花は円周一列。花色は紫、葉の付き方が東菊とは違う。 花言葉はミヤコワスレと同一か?
花3月-5月。 白・ピンク。鈴蘭の様な壺状の小さな花を連ねた花茎が、何本も同じ場所から房のように垂らす。常緑広葉低木。果実9月-11月。 有毒(グラヤノトキシン・アセボプルプリン・アセボイン・血圧低下・腹痛・下痢・嘔吐・呼吸麻痺・神経麻痺)。 ペット有毒(グラヤトキシン・アセボプルプリン・アセボイン・アンドロメドトキシン・神経麻痺・呼吸困難・重篤な場合は致死)。 薬(葉を煎じて殺虫剤・自然農薬。森林保護の為の害獣対策用(鹿などが嫌う為))。 花言葉・危険・犠牲・献身・清純な心・あなたと二人で旅をしましょう。
花3月-5月。 赤・ピンク・白・青・黄・紫。一重咲・半八重咲・八重咲。草丈20~50cm。 全有毒(プロトアネモニン・汁液で皮膚炎・水疱・化膿をおこす)。 ペット有毒。 色別花言葉・赤→君を愛す。ピンク→希望。白→真実・期待。紫→あなたを信じて待つ
アブラチャン(油瀝青) クスノキ科 クロモジ属
花3月-4月 淡黄色。葉より先に花が咲く。雌雄異株。落葉広葉樹小高木。果実10月-11月。有用材(燃料・灯油・整髪剤など))
アマドコロ(甘野老)(キツネノチョウチン) キジカクシ科 アマドコロ属
花4月―5月。 白・緑白。お祭りの時、電線を取り回して提灯を幾つもぶら下げる様に、一本の花茎の各葉の付け根から、細長い鈴蘭様の花を下垂させる。山菜として食用可 毒草のホウチャクソウと似ているので注意。誤食による事故例有り。 薬(滋養強壮・消炎薬)。 花言葉・元気を出して・心の痛みの分かる人・気品のある行い。
アマナ(甘菜)(老鴉姑)(麦慈姑(むぎくわい)) ユリ科 アマナ属(旧チューリップ属)
花3月-5月。 白。 やせ細ったチューリップの花弁の様な花びらが6枚。球根多年草。 草丈10-20㎝。 日向(ひなた)の草地で湿り気のある土を好む。あぜ道や河川の堤防などに繁殖していたが、環境の悪化でその数を減らしている。分布は関東から近畿・四国。絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。球根食用可。 花言葉・運が向いてくる・お天気屋。
花4月-6月。秋咲品種は10月。 白・赤・ピンク・淡黄・複色。花は6弁。草丈40-80㎝。球根多年草。花茎は太い。花芽と葉が同時に育ち始め、花茎が真っ直ぐ伸びて柱頭に2~4個のユリの様な花をつける。葉は厚手で剣状。原産地・中南米・西インド諸島。 全有毒(リコリン・嘔吐・下痢・血圧低下・肝障害)。 ペット全有毒(リコリン・嘔吐・かぶれ・中枢神経麻痺・重篤の場合は致死)。 花言葉・輝くほどの美しさ。
アミガサユリ(編笠百合) → フリティラリア参照。(ブログ№198 茶花総覧(3) 春(た行~わ行)
花3月-5月。 白・ピンク・黄・紫・茶。 ナズナ(ぺんぺん草)のような小さな花がまるく集合して咲く。草丈10-15㎝。花言葉・美しさに優る価値・優美・飛躍。
い
イガフウ(伊賀楓)(イガ楓樹) フウ科 フウ属
花は春。落様高木。樹高およそ20m。カエデの葉は7つに裂けているが、フウの葉は3つに裂けている。秋に小さな栗のイガの様な実をつける。紅葉が美しい。
イカリソウ(錨草)(サンショクソウ)(カンザシグサ) メギ科 イカリソウ属
花4月-5月。 淡紅紫色。草丈20花言葉~40cm。船の錨の様な形の花。多年草。食用可。薬(イカリイン・マグノフィリン・精力剤・利尿・鎮静)。 ペット有毒(イカリイン・マグノフィリン・異常興奮・睡眠障害)。 花言葉・あなたを離さない。
イキシア(槍水仙) アヤメ科 イキシア属
花4月-5月。 白・ピンク・オレンジ・赤・黄・紫・複色。花弁6枚。真っ直ぐ立った花茎に、数輪、又はそれ以上に花が付き、穂状花序となす。球根多年草。草丈30-80㎝。原産地・南アフリカ。 花言葉・誇り高い・ひめた恋・団結して当たろう。
※ 花序とは花の付方・並び方を言う。
※ 穂状花序(すいじょうかじょ)とは、花の茎の途中から先端まで花が付いているタイプの花の並び方を言う。花は柄を持たず、直接茎に付いている。
イチイ(一位)(笏の木)(アララギ)他別名多数 イチイ科 イチイ属
花3月-4月。 果実9月-10月。神官が持つ笏を作る材。仁徳天皇がこの材に正一位の位を授けたので、イチイと言う名前になったと言われている。実は赤くお椀型・中に種子がある。果肉は食用可。但しその他は全強毒(タキシン・痙攣・呼吸困難・致死)。 ペット全有毒(タキシン・果肉は食可ですが、中の種が特に有毒。痙攣・呼吸麻痺。)小型犬ならば種一粒でも危険。鳥は実を食べても、種を糞として出してしまうので影響はない。枝物としてイチイを花生けに活ける時はペットにご注意を。
花4月—5月。 白。花茎の先端に一輪の花を咲かせる。花の径は約4cm。但し、白い花と見えるのは咢(がく)。葉茎の先に春菊の様な葉を三つ輪生させる。草丈20~30cm。多年草。落葉広葉樹林の林縁や林床に育つ。夏になると枯れて休眠する。全有毒(アルカロイドのプロトアネモニンやアネモニンを含む。胃や腸の炎症・嘔吐・下痢。汁液で皮膚水疱を来す)。 花言葉・追憶・真実・期待・希望・久遠(くおん)の美。
イヨミズキ(伊予水木)(日向水木) マンサク科 トサミズキ属
花3月-4月。淡黄色。総状花序(そうじょうかじょ)。葉に先立って1~2個の花がまとまって垂れ下がる。落葉広葉樹。樹高約2m。季語・春。 花言葉・思いやり。
※ 総状花序とは、藤やナズナ(ペンペングサ)の様に、花茎の途中から咲き始めた最初の花から茎の先端まで、円錐や円筒形になって順番に花が咲いていくタイプを言う。総状花序の花にはどれ花柄が付いている。
イワカガミ(岩鏡) イワウメ科 イワカガミ属
花4月-7月。 淡紅色。 草丈10~20cm。北海道・本州・四国・九州の山地~亜高山地帯に分布。常緑多年草。葉に光沢有り。花は小さく、花弁の先端は細かく裂けている。種を採って栽培し、販売する店も有るが平地では育成が難しい。 乱獲防止に努めたい種である。 花言葉・美に忠実。
花5月-6月。ピンク。花は筒状釣鐘型で、花の縁が5裂。花の長さは1-1.5cm。 総状花序。草丈は上に伸びず地を這う。常緑小低木。山地の岩場や小石などの広がる土地、林の縁などに分布。茎の長さ10~20cm。果実7月。食用可。花言葉・恋の噂・風聞。
イワヤツデ(岩八手) → タンチョウソウを参照 次回のブログ№198「茶花総覧(3)」の「タンチョウソウ」の条で記載予定ですので、それまでお待ちください。
う
ウグイスカグラ (鶯神楽)(ゴリョウゲ)(グミ) スイカズラ科 スイカズラ属
花4月‐5月。桃色。ラッパ型の花で小さい。花の縁は5裂・葉が出始めると同時に開花する。株立ちの落広低木。果実6月。実は可食。 猛毒のヒョウタンボクに似ているので注意。誤食の例有り。 花言葉・未来を見つめる・明日への希望。
え
エビネ(海老根)(蝦根)(山宇波良)(鈴振り草)(唐欄) ラン科 エビネ属
花4月-5月。咢片と側花弁は赤褐色・褐色・黄褐色・緑褐色。唇弁は白又は薄紫紅色。常緑多年草。草丈約20㎝。エビネ、キエビネ、キリシマエビネ、オオキリシマエビネ、サルメンエビネ、ナツエビネ、ツルラン、オナガエビネ、ヒロハノカラン、トクサラン、レンギョウエビネ、タガネラン、キソエビネ、キンセイランの、これらのエビネ属の全てが絶滅危惧種に指定されている。かつてエビネブームがあり乱獲された。数が少なくなりますます高騰、投機的に売買された時機があった。エビネは山奥の風情を湛え、侘びの世界そのものの様な花だが、やはり野に置けエビネソウ、である。 春の季語。 花言葉・気取らぬ魅力・謙虚な恋・
花4月-6月。白・茶・ピンク。花は3弁、葉も3葉。多年草。草丈20~30cm。落葉する。低山から中程度の山の落葉樹林に生育。栽培が困難なので山採りのものが多く、自家栽培ならとも角、乱獲を防ぐ意味でも茶花に使用しない方が望ましい。全有毒(タキシン・トリリン・サポニン。嘔吐・下痢・血便・酩酊)。薬草(悪いものを食べた時の吐瀉(としゃ)促進剤)。北海道大学の校章のデザインの元。絶滅危惧I類(愛知県・和歌山県・徳島県)。準絶滅危惧種(埼玉県・奈良県)。
※ブログ№199茶花総覧(4)夏(あ行~さ行)の内、エンレイソウの条で同じ内容を再記載している。
お
オウバイ(黄梅)(迎春花)(金梅) モクセイ科 ソケイ属
花2月-4月。 黄。 落葉低木。 葉が出る前に、1-2mの細長い枝に黄色い6弁の花を沢山咲かせて枝垂(しだ)れる。原産地・中国。 漢方薬(花は乾燥させて煎じ解熱・利尿。葉は内服又は外用で腫毒悪瘡・打撲傷・出血の治療薬)。 花言葉・控えめな美。
花3月-4月。 白・花の基部が淡紅紫色。花の直径は2-5㎝。花弁6枚・咢6枚。花の形はモクレンに似る。葉は長楕円形でクチクラが発達して厚く、長さは8-14㎝くらいになる。 常緑広葉樹高木。関東より南部の温かい海辺からフィリピンまでが分布域。日本の神社はこの木を神聖視している。天岩戸の前でこの木の枝を持って踊ったら、天照大神が岩戸から出て来た、という神話がある。 花言葉・甘い誘惑。
※ クチクラは、表面を守る為に発達した膜で、植物の場合は蠟を主成分としている。その為、葉の表面がつやつやしている。例:ツバキの葉。
花4月-5月。花弁にみえるのは実はガク(咢)で、色は暗い赤紫でユリの花状。大きさはお猪口ぐらい。草丈30~40cm。うつむいて咲き始め、やがて上を向く。果実は成熟すると白くて長い毛が生え密生する。全有毒(プロトアネモニン・ラナンクリン・汁液で皮膚炎・腹痛・嘔吐・血便・痙攣・重篤の場合致死)。薬草(下痢・閉経)。絶滅危惧Ⅱ類。
オドリコソウ(踊子草) シソ科 オドリコソウ属
花3月-6月。 白・ピンク。 合弁花。花の長さは3㎝。花の形は上の方が裂けて唇弁となり、傘をかぶったように上に翳(かざ)されている。花は葉が出る節毎に茎をぐるっと取り囲んで咲く(輪生)。茎は四稜あって角ばっている(角柱の形)。葉はシソの葉(大葉)に似ている。葉は対生。多年草。草丈30-50cm。 北海道から九州、朝鮮半島から中国まで分布。 食用可。 薬草(乾燥したものを入浴剤にする。腰痛)。 花言葉・陽気・愛嬌・快活・春の幸せ。
か
花4月—6月。赤・ピンク・白・黄・複色。一輪咲き・八重咲き・大輪・小輪・スプレー咲など園芸品種多々ある。千葉県の例では、カーネーションは10月頃出荷しはじめ、その後11月から翌年の5月までが出荷の最盛期である。母の日を過ぎて6月頃次第に収束して行く。
花径3-10㎝。花弁は5弁以上・5弁の場合は雄蕊10本。花柱2本。咢の長さは2.5-3㎝。咢は筒型で、咢の先は5裂。額の基部に小包の葉がある。葉と茎共に毛が無く、白っぽい。茎に節有り。葉は節を抱く様に着く・葉は線形。多年草・原産地・地中海沿岸・西アジア。弱有毒(サポニン・皮膚炎・嘔吐・下痢・胃腸障害)。ペット有毒(サポニン・皮膚炎・胃腸障害)。花言葉・純粋な愛情・女性の愛・感覚・感動・感謝。
ガーベラ(花車) キク科 ガーベラ属
花4月-9月。真夏は花の期間を中断する事も有る。暖かい地方ならば11月頃まで咲き続ける。 赤・オレンジ・黄色・ピンク・白・等々多彩。 アフリカ原産。熱帯アジア・温暖な地域に分布。野生種で40種類。園芸品種で2.000種以上有る。一重咲・半八重咲・八重咲・カール咲・スパイダー咲(花弁が細い)。花の直径で超ミニサイズ(3cm)・ミニサイズ(4cm)・大輪サイズ(12cm)などがある。草丈30~80cm。宿根多年草。 色別花言葉・赤は燃える神秘の愛、オレンジは神秘、黄色は究極美・友情、ピンクは前進、白は穢れなき心。
カタクリ(片栗)(カタカゴ)(春の妖精)等々別名多数 ユリ科 カタクリ属
花3月-6月 花は薄紫・淡桃色・白。花茎の先端に下向きに、花弁を強く反り返して咲く。草丈10~15cm。宿根多年草。日本原産。果実5~6月。種子落下後地上部は枯れる。地上で姿が見られるのは4~5週間と言われている。後は地下生活をしている。その為、光合成をして地下の根に栄養を蓄える時間が少なく、一人前に栄養を充実して発芽し、花を付ける迄に8‐9年かかる。種は蟻(あり)によって運ばれる。食材の片栗粉は本種の根から採取(但し、現代はジャガイモやサツマイモから作る)。薬用(滋養・腹痛止め)。ジャガイモやサツマイモ由来の片栗粉には、その効果が無い。各地に天然記念物の群落がある。又、15都道府県で、絶滅危惧種や重要保護生物、準絶滅危惧種などに指定されている。 野の花のカタクリは採らずに野に置きましょう。 花言葉・初恋・寂しさに耐える。
春4月。黄色。草丈1~1.5m。河川敷や土手に群生して黄色い菜の花畑を作る事がある。緑黄色野菜。栄養豊富。中央アジア原産。中国を経て日本には平安時代以前に伝来。食用には20~30cmくらいの背丈の時が食べ頃。辛み成分シニグリンを含む。種子は辛し(和からし)の原料。高菜漬けに使われる高菜はカラシナの変種で、カラシナよりも葉が広くて大きい。 花言葉・平静・無関心・冷淡・小さな幸せ。
カランコエ(子宝弁慶草) ベンケイソウ科 リュウキュウベンケイソウ属(カランコエ属)
花1月-5月。 赤・黄・白・ピンク・オレンジ。一重咲き・八重咲。枝の先に小花が集まってまとまって咲く。常緑多年草。多肉植物。草丈10-50㎝。ペット有毒全草(特に犬)(強心配糖体ブフォジェノラリド・嘔吐・下痢・震え・流涎・心拍異常・重篤の場合致死)。子牛体重1㎏当たり花7gが致死量と言われている。 花言葉・あなたを守る・沢山の小さな思い出・大らかな心。
カリン(花梨)(唐梨(カラナシ)) バラ科 カリン属
花3月-5月。白・淡紅色。落様広葉樹小高木~中高木。原産地・中国東部。果実10~11月に熟す。形は洋梨に似る。果実食用可。但し堅いので果実酒や砂糖漬等。材質は堅くて緻密。職人泣かせである。座卓や床柱・彫刻などに利用。 薬用(疲労回復・咳止め)。 花言葉・努力・唯一の恋・努力。
き
花3月-4月。 白。 キイチゴと言っても種類が沢山ある。モミジイチゴ、ナワシロイチゴ、カジイチゴ、クサイチゴ等々。ヘビイチゴはバラ科でキジムシロ属。ヘビイチゴは別名ドクイチゴと呼ばれているが毒性は無い。
キブシ(木五倍子)(キフシ)(コメフジ) キブシ科 キブシ属
花3月-4月。雄花淡黄色。雌花浅緑色。雌雄異株。落葉広葉樹低木。日本固有種。山地や明るい林などに生育。花は鈴蘭の様な形で、離弁花である。花弁4枚・咢4枚の5~8㎜の小さな花の総状花序。キブシの花は葉に先駆けて開花。円筒形の花序で、4~10cm位の花の房を下垂する。果実6~7月。 花言葉・待ち合わせ・出会い。
※ 離弁花とは花弁が一枚一枚離れている花の事を言う。←対語→ 合弁花。合弁花は朝顔の様に、蕊(しべ)を取り囲むように花弁が切れ目なく繋がっている花を言う。
く
シダ植物。クサソテツの新芽はその先端が渦を巻いている。これを「こごみ」と言って、この丸まっている部分を山菜として食用にする。柔らかく美味しい。山の中の半日陰の湿った場所や、草原、渓流沿いに生育。又、農家などで栽培もされている。原産地・アジア東部・北米・ヨーロッパ。 花言葉・健常。
クマガイソウ(熊谷草) ラン科 アツモリソウ属
花4月-5月。 黄緑色に紫の斑点。花は一見5枚の花弁で成り立っている様に見える。が、花弁と呼べるのは3枚である。真下にあって袋状のものが唇弁、その両脇に左右に手を広げる様にあるのが側花弁。これが花弁に相当する。真上に在って傘をさしかけている様なのが咢で背咢片、背咢片の反対側にあって唇弁を後ろから守る様にあるのが合咢片である。合咢片は2枚の額がくっ付いて1枚になってしまったもの。目いっぱい開いた扇状の葉が2枚、向き合って花茎に付いている。扇子の骨と同じ様に放射状に葉脈が広がっている。草丈20-40㎝。唇弁が母衣(ほろ)武者の母衣の様な形をしている。名前は平家物語に出て来る熊谷次郎直実に由来する。山地の樹林・特に杉林や竹林の下に生育。乱獲でその数を激減させている。栽培が極めて難しく、保護団体が丁寧に育てても育たず全滅、団体は解散したというエピソードが有る。絶滅危惧種Ⅱ類。 侘びた茶室に似合う花だが、ゆめゆめ床には飾らないように。武士の情けじゃ、切らずに野に置け。切れば直実が泣く。 花言葉・みかけだおし・気まぐれな美人・闘志。
※ 参考までに。源氏の武者・熊谷次郎直実に敗れた平家の若武者・平敦盛(たいらのあつもり)の花も有る。クマガイソウと同じく母衣(ほろ)武者の様な姿をしており、ラン科の植物、名前はアツモリソウ。1997年に特定国内希少野生動植物種に指定され、例外を除き、アツモリソウを採取すると1年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処せられる。例外とは、環境大臣と農林水産大臣に許可を得て、研究栽培繁殖に関わる者である。繁殖は非常に難しいらしい。無菌状態で栽培しても温度管理が難しく、数々の壁が立ちはだかっているとか・・・
クロモジ(黒文字) クスノキ科クロモジ属
花3月‐4月。 淡黄緑色 葉が出ると同時に花が咲き始める。落葉広葉樹低木。明るい林の斜面や雑木林に生育。雌雄異株。樹全体に芳香がある。若枝は緑色だが、次第に黒い斑紋が出で来る。黄葉する。爪楊枝・箸・クロモジ油などに利用。薬用(抗ウィルス作用・保温・健胃剤・入浴剤(肩こり・腰痛・関節痛に効果))等々。 花言葉・誠実で控えめ
花4月—6月。 紅紫色・ピンク・白。 花の形はサクラソウと同じである。真っ直ぐ立つ花茎を中心に、五重塔の天辺に付いている九輪の様に、段々になって花をつける。サクラソウより草丈が大きく(30-90㎝)華やかなので、植木鉢などでよく栽培されている。 北海道・本州・四国・台湾に分布。有毒(プリミン・アレルギーを引き起こす)。 ペット有毒(アセトアルデヒト・アセトン・エチルアルコール・クロロゲン酸・メチルアルコール。嘔吐・下痢・腹痛・発熱・呼吸困難・重篤の場合は致死)。生薬(サポニン・フラポン・鎮咳・去痰・腫物)。 花言葉・物思い・幸福を重ねる・物覚えのよさ・少年時代の希望。
クンシラン(君子蘭) ヒガンバナ科 クンシラン属(クリビア属)
花3月-5月。 オレンジ・黄・緑。 多年草。6弁の花弁をラッパ型に咲かせ、基部は癒着。花の先は丸味を帯びている。散形花序。草丈30~50cm。 葉は堅めの剣形。原産地・南アフリカ。 有毒(リコリン・大量に経口摂取すると催吐・重篤の場合は致死・昔、矢毒に用いた)。 ペット有毒(リコリン・嘔吐・下痢・ヨダレ・中枢神経麻痺・重篤の場合は致死)。 薬(生薬名・石蒜(せきさん)・リコリン・ガランタミン・鎮咳・降圧・催吐)。 花言葉・情け深い・誠実。
(※ 散形花序とは、ネギ坊主の様に花茎の先端に幾つもの花を纏めてつけるスタイルの花のこと)
け
ケシ(芥子) ケシ科 ケシ属
花4月 — 6月。 栽培・採取不可。活け花厳禁。非常に危険です。
敗戦後、焼け野原の東京にボツボツとバラック建ての家が建ち始めた頃、空き地の草原に美しい花が咲いていました。子供の婆はそれを摘み取って花瓶に挿しました。花瓶の傍に金魚鉢が置いてあり、その花びらが金魚鉢の中に一枚落ちました。たちまち金魚は死んでしまいました。訳が分からず大泣きした事を覚えています。後で、お巡りさん達と白い上っ張りを着たおじさん達が来て、その花々を根こそぎ取って、何処かへ持って行ってしまいました。母に聞いたら、あれが「ケシ」と言う花だと教えてくれました。トラウマと共に牡丹の様に美しかったケシ花の姿を今でも思い出します。
ケマンソウ(華鬘草)(鯛釣草(たいつりそう))(藤牡丹)等々 ケシ科 ケマンソウ属
花4月‐5月。 ピンク・白。草丈40-80cm。花は鈴蘭の様に花茎から並んで垂れ下がっている。花の形が独特。鯛 or ハートがぶら下がっている様な花の形である。山野草。落葉する。葉は牡丹に似る。山奥の谷川の湿った地に自生している。全毒草(コブチシン・体温低下・嘔吐・縮瞳・徐脈・呼吸麻痺・心臓麻痺・重篤の場合致死)。 ペット毒草(プロトピン・中枢神経阻害・ふらつき・呼吸不全・心臓麻痺)。 花言葉・恋心・あなたに従う。
こ
コゴミ → クサソテツを参照
花4月—5月。白。白い小さな花が毬の様にまとまって咲く。落葉広葉樹低木。樹高およそ1.5m位。ユキヤナギの様に枝は細く、枝垂れる。 花言葉・友情・努力・優雅・品位。
花3月-4月。 白・花の根元がピンク。 葉に先立って花が咲く。花弁は6-9枚。花弁の1枚の長さは4-5㎝・花の直径は6-10㎝。北海道のコブシの花は本州のよりも一回り程大きい。落葉広葉樹高木。樹高5―20m。 枝や葉に芳香がある。果実は集合体となってゴツゴツした形になる。生薬(コクラウリン(アルカロイド)・鎮静・鎮痛・抗炎症作用・頭痛薬・鼻炎薬)。有用材(精油)。 花言葉・友情・友愛・歓迎。
さ
ザイフリボク(采振木)(四手桜) バラ科 ザイフリボク属
花4月-5月。 白。花弁5枚。果実9-10月。落葉広葉樹小高木5~10m。細長い花弁が枝先にまとまって咲く。その様子が、武将が持つ采配に似ている事から、采振りの名前が付いた。又、神事で使う玉串や注連縄(しめなわ)に垂らして使う紙垂(しで)(四手)に似ているから、とも言われている。アメリカザイフリボクの花期も4—月5月だが、果実期が6月で実はジューンベリーと言われてジャムなどになる。 花言葉・穏やかな笑顔・穏やかな表情。
サクラのグループ バラ科 サクラ属
「サクラ」というのは何々ザクラと言うサクラのグループの総称である。
公益法人日本花の会がインターネットで出している桜図鑑には、400種類の桜がアップされている。この図鑑に載っているのは自生種、自然交雑種、園芸品種などを合わせた総数である。別の公益法人日本さくらの会では、これらの基となった野生種のサクラ10種を基本樹として選んでいる。
桜切るバカ梅切らぬバカと言われている。茶花に桜を推すのは不適当かも知れないが、切り花用に栽培されている桜もある。文学に、雅の暮らしに、武士の生き様に、桜は古来より日本人に深く馴染みのある花なので、昔の人が見たであろう日本さくらの会の推す自生種10種のサクラをここに記す。そして、切り花用として農業生産されているサクラを、それに続けて挙げる。
サクラ基本樹① エドヒガン(江戸彼岸・彼岸桜) バラ科 サクラ属
花3月-4月。 薄紅色から白。 一重咲。花弁5枚。葉より花が先に咲く。咢の付け根が丸く膨らんでいる。落葉広葉樹高木。長寿の樹が多い。神代桜・淡墨桜・醍醐桜・石割桜・三春滝桜等々みなエドヒガンである。
花3月-4月上旬。 白。一重咲の大輪。花弁5枚。芳香有り。伊豆諸島・関東南部・静岡が生育圏。突然変異をし易い。多くの交配の親樹となっている。伊豆大島の山の北東部にある大島桜は天然記念物に指定されている。葉は桜餅に利用される。落葉広葉樹高木。
サクラ基本樹③ オオヤマザクラ(大山桜)(紅山桜)(蝦夷山桜) バラ科 サクラ属
花4月—5月。淡紅色。一重咲。花弁5枚で中輪から大輪まである。花柄が短い。葉より花の開花が先。若葉は赤い。落葉広葉樹高木。冷温帯を好む。北海道・本州・四国の日本海側。
サクラ基本樹④ カスミザクラ(霞桜) バラ科 サクラ属
花4月下旬。 ほんのりピンクor白。 一重咲き・中輪。 花と葉は同時に展開。若葉は緑色。 冷温帯を好む。 北海道から九州・中国・朝鮮半島に分布。 標高のやや高い山などに生育。山野の緑が茂り始めてからの開花なので目立たず、それで「霞」という命名らしい。
サクラ基本樹⑤ カンヒザクラ(寒緋桜)(元日桜)(緋寒桜)(台湾桜) バラ科 サクラ属
花1月-2月。 濃紫紅色。 一重咲き・中輪。 花は釣り鐘状で下向きに付き花柄ごと落下。落葉広葉樹中木。河津桜の片親。
サクラ基本樹⑥ タカネザクラ(高嶺桜)(峰桜) バラ科 サクラ属
花5月-7月。 淡いピンク~白。花弁5枚。落葉低木-小高木(2~8m)。 千島列島・北海道・東北・中部山岳地帯に分布。ナナカマドやダケカンバと共に亜寒帯に生育。風の強い所では背が低くなる。奈良県の絶滅寸前種(絶滅危惧Ⅰ類に相当)、埼玉県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
サクラ基本樹⑦ チョウジザクラ(丁子桜) バラ科 サクラ属
花3月-4月。 白・ほんのりピンク。一重咲・小輪。花弁5枚。まばらに咲き花は小さく咢筒が長いので、遠目にはあまり目立たない。落葉広葉樹中木(7m前後)。 株立ち。東北南部から南の太平洋側・九州の熊本山地に自生。
サクラ基本樹⑧ マメザクラ(豆桜)(フジザクラ)(ハコネザクラ) バラ科 サクラ属
花3月-5月。 白・ほんのりピンク。一重咲き・花弁5枚。花は小さい。開花が先で若葉は後かまたは同時。広葉落葉樹中木(2m-10m)。 富士山や箱根・山梨県を中心に標高千メートル以下の山に自生。
サクラ基本樹⑨ ミヤマザクラ(深山桜)(白桜) バラ科 サクラ属
花5月―6月。 白。一重咲・花弁5枚。拓葉から花茎が伸び、花茎から総状花序で4~8本の花柄が出て、花柄の先に花をつける。他の桜とは違った構造をしている。(ソメイヨシノは一か所から3~5本の花柄を出して花をつける散形花序だが、ミヤマザクラは拓葉の先がルピナス様の総状花序の花の付き方で咲く)。花は葉の後に開花。落葉広葉樹高木。北海道・本州・四国・九州の山・亜高山帯に分布。中国東北部・朝鮮半島・ロシア極東部にも生育している。
花3月-4月。 白・ほんのりピンク。一重咲き・花弁5枚・中輪。 若葉の色は赤・赤紫・褐色・黄緑・緑など個体によって変化に富む。開花と共に葉も出て来る。落葉広葉樹高木。古来から親しまれていた。肥沃な土地で日向が好き。生薬(桜皮(おうひ))(サクラニン・サクラネチン・ナリンゲニン・解毒・解熱・鎮咳・蕁麻疹・腫物などの皮膚病)。葉は桜餅の材料。有用材(家具・細工物・版木など)
以下は花材などの為に生産されているサクラの品種
サクラ① カンザン(orセキヤマ)(関山) バラ科 サクラ属
花4月-5月。 ピンク。 八重咲・大輪で場合によっては花の大きさが5㎝を越える。 病害虫に強い。葉は赤茶色。落葉広葉樹小高木。ソメイヨシノの散った後に咲き始める。公園や街路樹に良く植えられている。切り花用や、花を桜の塩漬け用にも使う。
サクラ② ケイオウザクラ(啓翁桜) バラ科 サクラ属
花12月-3月。 花は薄紅色から気温の上昇に従って白へと変化して行く。樹は株立ちで、根元から何本も枝が生える。主な生産地山形県では地域の気候の特性を生かし、桜が落葉して、休眠に入ってから気温8℃の寒さに500時間晒した後、温室に入れ、温度管理をしながら需要に合わせて出荷する。
サクラ③ トウカイザクラ(東海桜) バラ科 サクラ属
花3月中旬。 薄いピンク。 一重咲き・小輪・花弁は5枚。開花後に葉が出る。落葉広葉樹小高木。樹形はほうき状。ケイオウザクラの実生から選抜された品種で、当初は敬翁桜の名で販売された。 挿し木と接ぎ木で殖やす。花の様子はケイオウザクラに似ている。庭木・公園などに利用。切り花用の栽培も盛ん。
サクラ④ ヒガンザクラ(彼岸桜)(小彼岸)(小彼岸桜) バラ科 サクラ属
花3月-4月。 薄いピンク。一重咲き・小輪・花弁5枚。 春の彼岸の頃に咲く。本州・四国・九州に分布。落葉広葉樹高木。樹形は傘状。 切り花用に促成栽培がおこなわれている。
サクラ⑤ ヨウコウザクラ(陽光桜)(紅吉野) バラ科 サクラ属
花4月上旬。 紅紫色。一重咲き・大輪。 アマギヨシノとカンヒザクラとの交配で生まれた。1981年(昭和56年)に品種登録される。落葉広葉樹高木。花付も能く見ごたえのある品種なので、人気が有り、公園などに良く植えられるようになった。切り花用にも栽培される。
余談 学校の先生だった高岡正明は、戦死した教え子達の為に各地に桜を贈ろうと一念発起、25年の歳月を掛けて気候や病気に強い品種の「陽光桜」の作出に成功した。陽光は祈りの桜である。
花 白。 直線的な枝のケイオウザクラに比べて、ヨシノザクラの枝には曲がりがあり、力強い趣がある。山形県・福島県・茨木県が、桜栽培が盛んな県である。
花4月—5月。淡紅色。江戸時代から明治にかけて園芸品種が盛んに作られ、白・紫・ピンク絞りなどが有る。 多年草。草丈15‐20㎝。茎や葉に白い毛が生えている。花が終わって種を作った後、梅雨の頃に枯れて休眠する。原野や林間の湿った所に生育し、群落を作る事も有る。園芸品種では西洋サクラソウ、 プリムラマラコイデス、 プリムラ・オブコニカ、 トキワザクラなどが有る。日本サクラソウが群生している数少ない但馬ヶ原サクラソウ自生地(埼玉県さいたま市桜区)は国の特別天然記念物に指定されている。絶滅危惧種である。 トキワサクラソウ(=プリムラ・オブコニカ)は全有毒(プリミン(サポニン・フラボン)・急性期には接触性皮膚炎・灼熱感・疼痛・紅斑・浮腫・水疱、慢性では表皮の肥厚・苔癬化)。薬草(サポニン・利尿・去痰・鎮咳(サポニンには溶血作用が有るので注意)(フラボン・消炎・創傷・浮腫に効用)。 ペット有毒(プリミン・シクラミン・かぶれ・皮膚炎・口内炎・嘔吐・麻痺)。 花言葉・少年時代の希望・初恋・純潔・早熟と悲哀・運命を開く。
サンシュユ(山茱萸)(春黄金花)(秋サンゴ) ミズキ科 ミズキ属
花3月-4月。鮮黄色。葉に先立って花が咲く。小さな枝先に散形花序で咲く。果実10月-11月。広葉落葉樹小高木。秋にグミの様な赤い実をいっぱいつける。生薬(リンゴ酸・カリウム・タンニン・酒石酸等々・強壮剤・止血・頻尿・収斂・冷え性・低血糖・不眠症)。食用可・果実酒・ジャム。原産地・中国・朝鮮半島。 花言葉・耐久・持続。
※ 散形花序とは、ネギ坊主やヒガンバナの様に、枝や花茎の先端から放射状に花がつく形を言う。
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花4月-5月。 白。八重咲。落葉広葉樹低木。樹高1-3m。同科同属のユキヤナギとよく似ている。枝に沢山花を着けて枝垂れる。雪柳は一重で蜆(しじみ)花より先に咲き、蜆花は八重でそれより遅れて咲く。 花言葉・控えめだが可愛らしい。
シデコブシ(四手辛夷)(ヒメコブシ) モクレン科 モクレン属
花3月-4月。 白・淡紅色。花弁はおよそ10~20枚くらいで、1枚の花弁の長さは5~10cm・1枚の花の形はトンボの羽根の様。花は葉より先に咲く。落葉広葉樹小高木。愛知県・岐阜県・三重県・渥美半島に分布。日本固有種。絶滅危惧種Ⅱ類から2006-2007年のレッドリスト見直しの結果、準絶滅危惧に指定された。
シデザクラ(四手桜)→ザイフリボク参照
花3月-4月。 花弁外側は紅紫、内側は薄紫か紅紫。広葉落葉樹低木~小高木。花が咲き始めると芽吹きはじめる。実8月-9月。色違いでハクモクレン(白木蓮)がある。 花言葉・自然への愛・持続性。
(※ ブログ№198茶花総覧(3) 春(タ行~)のハクモクレンを参照)
シャガ(射干) アヤメ科 アヤメ属
花4月—5月。白。3枚の咢片と3枚の花弁。外花被片には紫色とオレンジ色の斑点が付いている。総状花序。草丈30-60cm。常緑。木陰ややや湿った所に自生。総状花序。中国原産。 「シャガ」を「射干」と漢字書をするが、中国の「射干」は「ヒオウギアヤメ」を指す。日本の山野に自生しているので、和花の様に見えるが、元々は外来種である。有毒(イリシン・嘔吐・下痢・腹痛・胃腸炎)。ペット有毒(イリシン・嘔吐・下痢・腹痛)。 花言葉・反抗・友人が多い。
花4月—5月。 ピンク・白・赤・オレンジ・黄・紫。 花一つを見るとツツジの形をしているが、それが枝先に幾つも纏まって咲き、花手毬の様になっている。葉は厚くて硬く、輪生。北半球の寒帯、亜熱帯の高山などに生育している。全有毒(グラヤノトキシン(ロドトキシン)・嘔吐・下痢・血圧低下(ショック症状に注意)・目眩・痙攣)。石楠花茶・花をサラダにして生食・外国産石楠花の蜂蜜などで中毒を起こした例がある。中国には薬用の石南花茶があるが、漢字が一字違うので石楠花と石南花と混同し、飲用できると思って誤飲してしまうケースが良くある。ペット有毒(ロドトキシン・嘔吐・下痢・酩酊・痙攣・呼吸停止・重篤の場合は致死)。 花言葉・警戒・荘厳・威厳。
花4月-5月。 淡紫色。上弁2裂・下弁3裂・上の弁より下の弁の方が長い。花は花軸に密生して輪生し花穂を作る。花冠9㎜・花身5-6㎜。花穂の長さ4-8㎝。 花軸は根元から数本が束生。茎・葉柄・葉とも毛深い。葉は倒卵形か長楕円形・葉身3-5㎝。本州四国に分布。林縁や草地を好む。花言葉・あなたを持っています。
絶滅危惧Ⅰ類(福島県・福井県・和歌山県・山口県)。 絶滅危惧Ⅱ類(愛知県・滋賀県・京都府・大阪府・愛媛県)。 準絶滅危惧種(栃木県・千葉県・鳥取県)。情報不足(石川県)。
ショウブ(菖蒲) ショウプ科(サトイモ科) ショウブ属。
花5月-7月。薄黄緑。花茎の先に肉穂花序(にくすいかじょ)をつける。端午の節句時の菖蒲湯に使う「菖蒲」は、「菖蒲」の字が付いていてもアヤメ科アヤメ属の花菖蒲とは全く別の種である。ユーラシア大陸・北米大陸に広く分布。水辺を好み、芳香があり、香りが邪鬼を払うと言われている。生薬(菖蒲根)(健胃・去痰・止瀉薬として用いられ、皮膚真菌・腹痛・下痢・神経痛・リウマチ・てんかん・不眠症の薬として効果があると言われている)。 花言葉・適合・勇気。
※ 肉穂花序と言うのは、ソーセージの様な形の多肉質の軸に、小さい花が一杯ついている花の付き方を言う。例:水芭蕉の真ん中に棒のように出ている部分。カラーやアンスリウムの中心にある角の様な突起。
※旧来は菖蒲をサトイモ科に分類してきたが、最近分類方法が変わり、ショウブ科に改められました。旧来の分類方法は、形態の違いを主にして分類。最近は、DNA鑑定によって分類をする様になる。新分類方法をAPG分類体系と言う。これによって、一つの植物に二つの「科」や「属」があるケースが出て来た。
シラー(ワイルドヒヤシンス) キジカクシ科 ツルボ属(シラー属)
花3月-6月。 白・ピンク・青・紫・複色。花弁6枚の星型。総状花序。一見ヒヤシンスの様にも見える。葉はニラかスイセンに似ている。球根多年草。草丈5―80㎝。ユーラシア大陸アフリカ大陸に分布。 ペット有毒(口内炎症・嘔吐・腹痛・下痢)花言葉・寂しさ・哀れ。
シラン(紫欄) ラン科 シラン属
花4月-5月。紫(白色も有り)。宿根草。草丈30~50cm。草地に自生しているが、自生地が減少。準絶滅危惧種。栽培は盛んにおこなわれている。漢方薬(止血・痛み止め・慢性胃炎)。 花言葉・あなたを忘れない・変わらぬ愛・お互い忘れないように。薄れゆく愛。
シロモジ(白文字) クスノキ科 クロモジ属
花4月頃。 黄。花は葉と共に出て来る。葉の付け根毎に小さい花が散形花序で毬のように纏まって咲く。若葉は赤味を帯びる。葉はモミジの様な形で3裂か5裂。精油を絞り、行燈(あんどん)等の油に利用。黄葉が美しい。落葉広葉樹低木。九州四国に分布。 花言葉・勇気・希望。
花2月-4月。 内側白・外側赤紫。芳香有り。花弁に見えるものは咢で十字に向き合っている。花は10-20個くらいが枝先に集まって咲き、手毬の様に見える。常緑広葉樹低木。全強毒(ダフネトキシン・メゼレイン・口唇や舌の腫れ・喉の渇き・嚥下困難・悪心・嘔吐・下痢・血便・内出血・衰弱・昏睡・重篤の場合は致死)。 ペット有毒(ダフネトキシン・メゼレイン・皮膚のかゆみ・水膨れ・口腔内の水疱と浮腫・下痢・流涎・嘔吐・腹痛・腎不全・心臓障害・重篤の場合致死)。 春の季語。 花言葉・栄光・不死・不滅。
す
スイトピー (じゃ香連理草) (じゃ香豌豆) (香り豌豆) マメ科 レンリソウ属
花4月—6月。白・赤・ピンク・紫・オレンジ・複色。花は蝶の様な形。つる性・一年草または宿根草。草丈15-300㎝。原産地・イタリアのシチリア島。有毒(特に豆とサヤ)(βアミノプロビオニトリル・神経毒・脊髄神経損傷・下半身麻痺)。ペット有毒(毒性アミノ酸・神経麻痺・歩行困難・呼吸不全・重篤の場合致死)。 花言葉・門出・別離・優しい思い出・永遠の喜び。
ストロベリーキャンドル マメ科 シャジクソウ属(トリフォリウム属)
花4月-6月。 赤・白。 花全体は、シロツメクサ(クローバー)の花を赤く染めて、苺の形にまとめた様な姿をしている。マメ科の植物らしく、根に根粒バクテリアを持ち、地味を豊かにする。一年草・草丈15‐40㎝。原産地・ヨーロッパ。 花言葉・約束・素朴なかわいらしさ・きらめく愛・善良。
スノーフレーク(鈴蘭水仙)(オオマツユキソウ) ヒガンバナ科 スノーフレーク属
花3月-4月。白。釣り鐘形。葉は水仙に似る。球根植物。草丈30-40㎝。花はスズランに似る。全有毒(アルカロイド(リコリン・ガランタミン・タゼチン)・吐き気・嘔吐・頭痛)。ニラと間違えて誤食の例が多い。ペット有毒(リコリン・嘔吐・かぶれ・中枢神経麻痺・重篤の場合致死)。 花言葉・純粋・純潔・汚れなき心・純真な心・美。
スミレ(菫) スミレ科 スミレ属
花4月5月。紫・ピンク・白。花弁は5枚。上向きに2枚、左右に2枚、下向きに1枚の花弁を付け、やや横向きかややうつ向き加減になる。花の柄は根元から立ち、花の柄の先に一つの花をつける。花弁の後ろに密を貯める蜜壺の距(きょ)と言う出っ張りが横に張り出している。山野草。多年草。草丈約10㎝。原産地・日本・中国東北部から東部・朝鮮半島。スミレは食用可。但し、パンジー・ニオイスミレは食用不可・種と根有毒(ビオリン・サポニン・ビオラルチン・グリコサイド・嘔吐・神経麻痺・重篤の場合心臓麻痺)。 ペット有毒(嘔吐・神経麻痺・重篤の場合心臓麻痺) 花言葉・小さな幸せ・つつましい幸福。
スモモ(李) バラ科 スモモ属
花4月。白。 一重咲き・花弁は5枚。 葉の付け根に1-3個の白い花をつける。果実6月-9月。落葉広葉樹小高木。原産国・中国。農業栽培。食用。薬(カリウム・リンゴ酸・クエン酸・利尿作用・高血圧予防・肝機能強化・栄養)。 花言葉・忠実・貞節・独立・疑惑・甘い生活・誤解・困難。
せ
セツブンソウ(節分草) キンポウゲ科 セツブンソウ属
花2月-4月。 白。花弁に見えるのが白い咢片5枚。 花弁は蕊(しべ)と間違えるくらい小さく、一枚が二つに割れて、その先端が球状になっている。丁度カタツムリの角の様である。花は黄色。そう言う花弁が5~10本(枚)が中心部に円陣を組んで雄蕊と雌蕊を取り囲んでいる。咢片を含めて花全体の大きさは2-2.5cm。球根多年草。開花時の草丈5cm。成長して10-30cm。葉は葉脈迄深く切れ込む。冬は休眠して枯れる。関東以西の林で、石灰岩質の土などの半日陰に生息。日本固有種。可憐で風情があるので人気の山野草であり、乱獲によりその数を減らしている。絶滅危惧Ⅱ類。各地で保護されている。有毒(アコニチン(アコニチンはトリカブトと同じ毒性分)接触・摂取による症状不明)。 花言葉・人間嫌い。
ゼラニウム(ペラルゴニウム)(天竺葵) フウロソウ科 テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)
花3月-12月。 赤・ピンク・オレンジ・白・紫・複色。一重咲き・八重咲。葉は掌状のものや切れ込みの強いもの・鋸歯など多種多様の形がある。一年草・多年草。草丈20-100㎝。原産地・南アフリカ。 ペット有毒(ゲラニオール・リナロール・嘔吐・下痢・食欲不振・倦怠感・うつ・皮膚炎)。 花言葉・真の友情・尊敬・信頼・(花色によって色々)。
センダイハギ(仙台萩)(黄花仙台萩) マメ科 センダイハギ属
花4月-6月。黄色。多年草。草丈40‐80cm。秋に咲く萩は枝を長く伸ばし弧を描いて枝垂れるが、センダイハギは上に立ち昇ってルピナスの様に黄色い蝶々の様な花を咲かせる。本州中部から北海道にかけて分布。海岸などによく群落を作る。
歌舞伎・浄瑠璃の演目「伽羅仙台萩(めいぼくせんだいはぎ)」に因んで花の名前が付けられた。余談ながら、伽羅仙台萩の舞台で行われるお茶「六曲屏風点て」の装置、これは暗殺防止を目的としたもので、このお点前を式正織部流は伝承している。 花言葉・誠実・柔らかい心・純粋。
ゼンマイ(薇) ゼンマイ科 ゼンマイ属
シダ植物。多年草。東南アジア全域に分布。湿った土地を好み、渓流・土手・湿原・草原などに得ている。3-4月頃に丸まった胞子葉・ゼンマイを出す。ゼンマイは毛深い。ゼンマイをあく抜きすれば食用になる。灰汁(あく)抜きが必須。 ペット有毒。
(ゼンマイに似たシダ植物・ワラビ(コバノイシカグマ科・ワラビ属)には毒性があるので注意。ワラビの毒(ブタキロサイド)は血液凝固作用があり、血尿・血便・出血作用がある)。
この記事を書くに当たり、下記の様な本やネット情報を参考に致しました。(順不同)
みんなの趣味の園芸 育て方が分かる植物図鑑
井上動物病院 ペットに危険な植物・毒草図鑑(犬に危険な植物・猫に危険な植物)
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:
環境省 ペットが出会う危険な植物
公益法人日本薬学会・生薬の花
熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース
學校法人 東邦大学薬学部付属薬用植物園
キダチタバコ中毒の1例 名古屋第二赤十字病院救急部
武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園
医薬品情報21 サクラソウの毒性
薬用植物園の花たち キンギンボク、シキミ他
[獣医師監修]春の散歩で注意したい10種類の花・植物
東京農業大学 カラシは辛しシニグリンとアオムシ 中西載慶
身近な園芸植物の毒性~その美しさの誘惑 千葉大学名誉教授「薬学博士」池上文雄
アイネコ 有毒植物ロベリア・煙草のような興奮作用と呼吸障害を引き起こす毒草
猫にとって毒・危険な花と植物! 食べてはいけない植物リスト 岩田麻美子
猫が食べると危険な花って? 猫にとって毒になる花・安全な花まとめ
猫に危険な植物・毒! 食べさせないで! (2) | ねこと暮らす
HiroKen花さんぽ 野山に自然に咲く花のページ クマガイソウ
itb.co.ip 犬がハナミズキの花や葉を食べてしまいました
小さな家族の為に知っておきたい植物の毒性/花卉薬草
射干を植えてはいけない3つの理由 根に毒が有って危険
シャガ[庭の草木や花々]-気まぐれ花畑
ハナラボノート 切り花で買える桜(サクラ)にはどんな品種がある? 種類・出回り
ひだまりフォト575
木のメモ帳 続・樹の散歩道 バイモの蜜を貯める部位はなんと呼ばれているのか
LOVEGREEN
ジャパンナレッジ
原色植物百科図鑑 集英社
学生版 原色牧野日本植物図鑑 北隆館
GKZ 植物事典
庭木図鑑 植木ペディア
花と緑の図鑑
ガーデニングの図鑑
趣味の花図鑑
さくら図鑑
公益法人日本花の会 サクラの植栽・管理
茶湯手帳 株式会社 宮帯出版社
このほかにも書き切れないほどの沢山の情報を利用させて頂きました。
まことにありがとうございました。