式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

92 応仁の乱(3) 序章

汝(な)れや知る都は野辺の夕雲雀(ゆうひばり) あがるを見ても落つる涙は 飯尾常房(いいお つねふさ) 応仁の乱で焼け野原になった都。婆の目には、終戦直後疎開から帰って来た時の東京の景色が、朧気ながら重なって目に浮かびます。 飯尾常房は細川成之(ほそ…

91 応仁の乱(2) 続・お家騒動

前項で、富樫氏、小笠原氏、六角氏、畠山氏、斯波氏を取り上げました。 ここでは土岐氏、赤松氏、山名氏を取り上げたいと思います。 土岐氏の場合 1342年(康永元年) バサラ大名・土岐頼遠(とき よりとお) が、光厳(こうごん)上皇の牛車に無礼を働いて捕らえ…

90 応仁の乱(1) お家騒動

応仁の乱は複雑過ぎて全体像を理解するのがなかなか難しいです。 そこで、こんがらかった糸を解きほぐす為に、それぞれの各守護大名の家庭の事情を集めたいと思います。その上で、それらがどの様に絡み合って行くのかを、見てみたいと思います。 先ずは富樫(…

89 趣味天下を制す 足利義政

室町幕府8代将軍・足利義政(あしかが よしまさ)は、無気力で優柔不断、将軍としての実績を残さなかったばかりか、都を戦火で荒廃させた無能の将軍と誹(そし)られる事が多いのですが、どうしてどうして、彼の創造した「わび」「さび」の世界は、その後の600年…

88 足利義教(2) くじ引き将軍

宗教界の最高位の人が俗的権力を手にした時、往々にして暴走する事があります。まして神託によって選ばれたという自負がある場合、神が憑依(ひょうい)したかのように生死与奪の権を思いのままに振る舞い勝ちです。万人恐怖と言われた足利義教(あしかが よし…