式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

2022-01-01から1年間の記事一覧

137 村田珠光

侘茶の創始者は村田珠光(むらた じゅこう or しゅこう)と言われております。彼が行った侘茶とはどのようなものだったのか、彼以前の茶の湯はどうだったのかを、少しひも解いてみたいと思います。 さて、ここに茶道具が描かれた一つの絵巻物が、サントリー美…

136 武士の生死報告書

このブログのシリーズで、最初の項から「135武家茶人 略列伝 ま行や行」までに取り上げた武士達を数えてみると、580名おります。 記事として大きく扱った武士だけでは無く、1回でも名前が出て来た人物を含めての数です。そこで、これ等の集大成として、彼等…

135 武家茶人 略列伝(5) ま行 や行

今回は、次の武将達を紹介します。 前田利長、牧村利貞、松井康之、松井友閑(徳庵)、松平定綱、松平正綱、松永久秀(弾正)、水野忠元、三好実休(みよし じっきゅう)、三好政長(宗三)、三好康長(咲岩(しょうがん))、村井貞勝、毛利秀包(もうり ひでかね=小早…

134 武家茶人 略列伝(4) は行

梅是百花魁 (梅これ百花のさきがけ)と申します。住宅街のあちこちの庭にちらほらと梅のつぼみを見る様になりました。日陰の霜柱も心なしか低い様な・・・ 「古田織部はウニのよう」と書き始めたこのブログは、4月で丸2年を迎えます。ようやく織部が生きてい…

133 武家茶人 略列伝(3) た行 な行

戦国時代から江戸時代初期までで、武人の茶の湯に限って取り上げますと、その母集団に偏(かたよ)りがある為、古田織部の弟子達の名前が頻繁に挙がる様になります。 今でも社長がゴルフ好きなら、部下達もゴルフをやる様になります。取引先がそうならば、営業…

132 武家茶人 略列伝(2) か行 さ行

大学入学共通テストの初日、東大前の路上で刺傷事件が起きました。東京大学の医学部に入りたいと言う高校2年生が、成績不振を苦に、テスト受験生を無差別に刺したそうです。成績不振から、どのように考えたら他人を傷つける行動へと結びつくのか、何とも理解…

131 武家茶人 略列伝(1) あ行

武士がお茶を嗜(たしな)んでいたからと言って、その人が茶人と言えるかどうか判断が難しいのですが、茶の湯を趣味としていた武士達がこんなにも居た、と言う証として、その名前をピックアップして列挙してみました。 但し、取り上げるのは戦国時代後半から江…

130 茶色のお茶から緑のお茶へ

昔々のその昔・・・ 昔々のその昔、お茶の色は茶色でした。それが今では緑色に代わっています。そこには茶葉の製造方法に大きな変化がありました。 唐の時代、8世紀の頃、茶祖・陸羽(りくう)がその著書『茶経(ちゃきょう)』の中で、お茶は滋養や体調回復に良…