式正織部流「茶の湯」の世界

式正織部流は古田織部が創始した武家茶を伝えている流派で、千葉県の無形文化財に指定されています。「侘茶」とは一味違う当流の「茶の湯」を、武家茶が生まれた歴史的背景を中心軸に据えて取り上げます。式正織部流では「清潔第一」を旨とし、茶碗は必ず茶碗台に載せ、一人一碗をもってお客様を遇し、礼を尽くします。回し飲みは絶対にしません。

7 明菴栄西、禅宗と茶の種を伝える

ベトナムアフガニスタンイラクで戦ったアメリカ軍の兵士の中には、今でも戦場のトラウマに苦しめられている人が多いそうです。

彼等は厳しい訓練を積み、人を殺す術を身に着けて戦場に行きました。その後、それを許さない自身の内にある人間的な魂の叫びにさいなまれて、精神の病に罹ってしまう人が大勢出ました。それは、武士とて同じこと。

殺すか殺されるかの修羅場で生きる武士は、自身の心の拠り所と救済を求め始めていました。そのような時、禅宗という新しい宗教が明菴栄西(みょうあんえいさい)によってもたらされました。

禅宗は宗教と言うより、「人間」を考え「自己」を観つめ、「生きる」事を考える哲学だと、婆は思っています。

 

明菴栄西は、「みょうあんようさい」とも読みます。

栄西を「えいさい」と読んでも「ようさい」と読んでもどちらも正しい読み方です。

「えいさい」は普通の国語的な読み方。「ようさい」は仏教界の読み方です。

仏教界と普通の世界とで、時々読み方が違う事があります。

例えば、「上品」と言う字は、普通は「じょうひん」と読みます。

仏教界では「じょうほん」又は「じょうぼん」と読みます。

意味合いは少々違いますが、それとほぼ同じです。

栄西禅師は渡宋して、かの地の臨済宗を日本に伝えました。

そして、お茶の種ももたらしました。

 

 

お知らせ

いつもご愛読ありがとうございます。

お菓子なずいようからお知らせがあります。

1. 各記事の見出しに通し番号をつけました。

2. カテゴリー「茶の湯」でまとめました。

3. 式正織部流「茶の湯」の世界 は

 https://bukecyanoyu.hatenablog.com/

  です。